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第44回復興推進委員会議事録

第44回復興推進委員会 議事録

 

1.日 時:  令和6年3月8日(金)10時00分から11時31分まで

 

2.場 所:  中央合同庁舎第4号館4階共用第2特別会議室(オンライン会議併用)

 

3.議 事  

 (1) 「第2期復興・創生期間」以降における東日本大震災からの復興の基本方針」の3年目見直しについて
 (2) 「第2期復興・創生期間までの復興施策の総括に関するワーキンググループ」の開催について
 (3) 3県からの報告
 (4) 福島国際研究教育機構の取組状況及び業務実績評価について

 

4.出席委員等(敬称略)

 今村 文彦   東北大学災害科学国際研究所教授 【委員長】
 白波瀬 佐和子 東京大学大学院人文社会系研究科教授 【委員長代理】
 浅野 雅己   浅野撚糸株式会社代表取締役社長
 内堀 雅雄   福島県知事
 奥野 雅子   岩手大学人文社会科学部教授
 奥山 修司   福島大学経済経営学類教授
 小林 味愛   株式会社陽と人(ひとびと)代表取締役
 関 奈央子   ななくさ農園・ななくさナノブルワリー
 達増 拓也   岩手県知事
 戸塚 絵梨子  株式会社パソナ東北創生代表取締役社長
 藤沢 烈    一般社団法人RCF代表理事
 村井 嘉浩   宮城県知事
 山﨑 登    国士舘大学防災・救急救助総合研究所教授
 山名 元    原子力損害賠償・廃炉等支援機構理事長


5.議事録

○今村委員長
 それでは、時間となりました。ただ今より、第44回復興推進委員会を開催したいと思います。委員長の今村でございます。よろしくお願いします。若干遅れている委員もおられますが、時間どおり、始めさせていただきたいと思います。
委員の皆様、また、土屋大臣、高木副大臣、平沼政務官、吉田政務官、尾﨑政務官におかれましては、お忙しい中出席いただきまして、大変ありがとうございます。
 先日、3月6日でございますが、復興推進委員会の初代委員長でございます五百籏頭眞様が突然お亡くなりになったということで、訃報を受け取りました。東日本大震災復興会議の議長も務められ、これまでの復興に関わる御功績に改めて敬意を示したいと思います。心から御冥福をお祈り申し上げます。
 会議の開催に先立ちまして、土屋大臣より御挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○土屋大臣
 昨年9月から復興大臣を拝命しております、土屋品子でございます。今村委員長をはじめ、復興推進委員の皆様におかれては、東日本大震災からの復興に関し、日頃より多大な御尽力を賜り、厚く御礼を申し上げます。
 間もなく震災から13年が経過いたします。私自身、着任直後から頻繁に地域を訪問してまいりました。そして、多くの皆様から直接お話をお伺いしておりますが、全体としては、復興は着実に進んでいる一方で、地域によって状況が千差万別であることを実感しています。
 特に原子力災害からの復興・再生は、まだ本格的に始まった段階でありまして、引き続き国が前面に立って、中長期的に対応していくことが必要であろうと考えております。昨年8月以降、ALPS処理水の海洋放出が進められるとともに、昨年9月以降、拠点区域外の避難指示解除に向け、特定帰還居住区域に関する計画の認定が進むなど、難しい課題についても、関係者の皆様の御努力により、着実な進展がございます。F-REIについては、昨年4月の設立以降、山崎理事長のリーダーシップの下、精力的に関係者との連携体制の構築や研究開発、人材育成に関する取組が進められてきており、1月末には、復興庁において、施設の設計条件等を盛り込んだ施設基本計画を決定したところであります。
 本日は、そうした復興の進展等を踏まえた基本方針の3年目見直しや、来年度初めて行うこととなるF-REIの業務実績評価などについて御説明させていただきたいと思います。委員の皆様から、忌憚のない御意見を頂戴できればと思います。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

○今村委員長
 土屋大臣、ありがとうございました。
 本日の会議でございますが、ライブ配信によって一般の方、また、報道機関の方に同時視聴いただいております。御了解いただきたいと思います。また、報道機関の方には、会議の撮影等及び報道での使用を許可しておりますので、御承知いただければと思います。
 それでは、議事に入りたいと思います。議事次第を見ていただきますと、4つございますが、第1は、復興の基本方針の3年目の見直しでございます。次に、今までの施策の総括に関するワーキンググループの開催についても御議論いただきたいと思います。こちらは、事務局から説明いただきます。続けて、3県における復興の取組について、3県の出席者、知事から報告をいただきたいと思います。その後、説明、報告を受けて、まとめて委員の皆様と意見交換をしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。その意見交換が終わりましたら、先ほど御説明ありましたF-REI(福島国際研究教育機構)に関して、事務局から取組の状況や、来年度実施される業務評価の概要について説明していただきたいと思います。それについて、委員の皆様から御質問等をいただければと思います。
 それでは、早速でございますが、議事に入りたいと思います。議事1でございまして「『第2期復興・創生期間』以降における東日本大震災からの復興の基本方針」でございます。3年目の見直しということで、御説明いただき、御議論いただきたいと思います。
 議事2は、第2期復興・創生期間までの復興の施策の総括ということで、ワーキンググループを設置したいと思いますので、併せて事務局からの説明の後、御議論いただきたいと思います。
 それでは、事務局から御説明をお願いいたします。

○宇野統括官
 復興庁統括官を務めております、宇野と申します。本日はよろしくお願いいたします。
 まず、資料1-1を御覧ください。あわせまして、資料1-2が具体的な新旧対照表になっておりますが、概要を御説明させていただきたいと思います。
 資料1-1の頭に書いてありますが、現行、令和3年3月に復興の基本方針が定められておりますが、その中で、令和3年度から令和7年度までの5年間を第2期復興・創生期間と位置づけているところでございます。本年、令和5年度はその中間年に当たるということで、基本方針の中で、3年後を目途に必要な見直しを行うものとされていることから、今回、必要な見直しを行おうとするものでございます。
 「1.基本的な考え方」ですが、今の基本方針の中で、地震・津波被災地域につきましては、第2期復興・創生期間に、復興事業がその役割を全うすることを目指す。原子力災害被災地域につきましては、当面10年間、本格的な復興・再生に向けた取組を行うと書かれております。
 この大方針につきましては、今回見直す必要はないのではないかと考えておりまして、これを踏まえて、これまでの進捗の状況、自治体の今の状況などを踏まえて、これまでの成果とこれからの課題ということで、そういったものを整理した上で、今回見直しを行いたいと考えているものでございます。具体的な見直しの事項につきましては、2ページ目からの方が詳しくなっておりますので、1枚おめくりいただいて、次のページをお願いしたいと思います。
 項目として、まず【廃炉・ALPS処理水の放出関係】でございます。
 幾つか飛ばして進めさせていただきますが、まず、2つ目のポツにあります燃料デブリの取り出しにつきましては、非常に困難な作業だということで、国と東京電力、原賠廃炉機構が一体となって、内外の技術的知見を集めた集中的な検討が必要であるということ。
 それから、最近、廃液を浴びる事故とか、水が漏れる事故が福島第一原発の中で起こっております。そういったことを踏まえて、経営陣のコミットの下、安全確保に万全を期すよう、東京電力を指導しつつ、廃炉を進めていくと書き込ませていただいております。
 3つ目のポツは、科学的根拠に基づく透明性の高い情報を国内外に発信していくということでございます。
 4つ目が、ALPS処理水の処分に伴う風評被害等に対する不安に対処して、政府全体として全責任を持って取り組んでいく旨、書き込んでおります。
 その次のポツは、水産業の支援と、輸入規制の即時撤廃を求めていくことを書き込んでおります。
 最後でございますが、ALPS処理水の海洋放出は長期間にわたるということで、東京電力に緊張感を持った対応を求めていくことと、適切な賠償を行うことを求めていくことを書き込んでおります。
 2つ目が、特定帰還居住区域制度の創設でございます。これは、昨年6月に法改正をしていただきまして、現在、各町の計画の認定が進んでいるところでございます。その認定される計画に基づき、除染、インフラ整備等の避難指示解除に向けた取組を進めていく旨。
 2つ目のポツは、地元自治体の意向も踏まえて、段階的に避難指示を解除することも検討する旨、書き込んでおります。
 3つ目のポツにつきましては、それぞれの土地の状況や地元自治体の意向も踏まえ、物理的な防護措置を実施しない立入規制の緩和を行うことを含め、住民等の今後の活動の在り方について検討を行う旨を書き込んでおります。
 次のページをお願いいたします。3つ目が【除去土壌等の最終処分・再生利用関係】でございます。今、大熊町、双葉町にまたがる形で中間貯蔵施設が設けられておりまして、大体1,400万立米の除去された土がたまっている状況でございます。これに特定帰還居住区域で出た、除染された土がまた運び込まれていくような状況でございますが、これから減容・再生利用を進めて、最終的には、県外での最終処分に持っていくことにつきまして、3つの項目を書き込ませていただいております。
 一つは、リスクコミュニケーションの話でございます。取組の安全性等について、情報発信を行うなど、全国に向けた理解醸成活動を推進していくこと。
 それから、再生利用先の創出等について、政府一体となった体制整備に向けた取組を進めること。
 3つ目が、福島県外での最終処分に向けた令和7年度以降の取組の進め方を示していくことを書き込ませていただいております。
 4番目が、F-REIでございます。F-REIが、昨年4月に立ち上がりました。そこで、F-REIの意義というのですか、位置づけもしっかりと書き込ませていただきました。
 福島イノベーション・コースト構想をさらに発展させ、東北の復興を実現するための夢や希望となるものとするとともに、我が国の科学技術力の強化を牽引し、世界に冠たる創造的復興の中核拠点という位置づけを書き込ませていただきました。
 それから、F-REIの仕事として、研究開発、産業化、人材育成の取組を推進する。あわせて、司令塔として、中核的役割を担えるような取組を進めていく。
 さらには、今、施設の整備につきましては、設計をこれから始めていきます。機構の当初の施設整備について、復興庁設置期間内での順次供用開始を目指し、さらに、可能な限り前倒しに努める旨を書き込ませていただいております。
 次のポツは、まだなかなかF-REIが知られていないという御意見がございます。国内外への情報発信や広報活動などを積極的に行うこと。それから、国内外の様々な機関との効果的な広域連携を進めることと書き込ませていただいております。
 【その他】でございますが、2つ目のポツですが、教訓・ノウハウを将来起こる大規模災害に対して生かしていくための普及啓発の話。
 最後には、関西万博などの機会を捉えて情報発信をしていくことを書かせていただいております。
 ここは、旧と新を比較したときの主な違いの点でございます。
 あわせまして、資料2を御覧ください。ワーキンググループの開催についてという件でございます。
 1ポツに主旨を書いておりますが、令和7年度には、第2期復興・創生期間が終了いたします。あと2年残されておりますが、令和8年度以降、どうしていくのか、検討を始めたいと思っております。復興庁設置期間内における復興施策の検討に資するため、これまでの復興施策の総括を行って、その後、どういう課題が残っていて、何をしていけばいいのかということについて御議論いただくためのワーキンググループを復興推進委員会の下に立ち上げさせていただければと思っております。
 なお、人選につきましては、2ポツに書いてございますが、構成員につきましては、今村委員長の方で選定するとさせていただきまして、事務局と今村委員長と少し相談させていただいて決めていきたいと思っていますので、御了承いただければと思います。
 説明は以上でございます。

○今村委員長
 ありがとうございました。本件、議事1と議事2に関しては、後ほどまとめて御意見を伺いたいと思います。
 続けて、議事3に移りたいと思います。3県からの報告をいただきたいと思いますが、岩手県、宮城県、福島県の順にお願いしたいと思います。
 それでは、達増知事、よろしくお願いします。

○達増委員
 岩手県でございます。復興推進委員会委員の皆様、また復興庁、そして、国内外の皆様からも多くの御支援をいただいて、感謝申し上げます。岩手県の復興の現状と中長期的に取り組むべき課題を報告いたします。
 資料3-1の2ページ「岩手県の復興の取組」です。県の総合計画「いわて県民計画」に、復興推進の基本方向を位置付けて、復興を県政の最重要課題として「誰一人として取り残さない」という理念の下、復興推進プランに掲げる4本の柱に基づく取組を進めています。4本の柱ごとに現状と課題の主なものを記載しておりますが、特に朱書きで記載している項目について、中長期的に取り組むべき課題として、さらに報告します。
 3ページの2「(1)被災者の心のケア」です。復興意識調査において、施策の推進が重要と回答した人の割合が8割を超えております。県こころのケアセンターへの相談件数が7,000件を超えております。支援ニーズは高く、引き続き対応が必要です。一方、本県の沿岸市町村は、精神保健医療体制が極めて脆弱であり、県が全面的に関与しております。
 4ページ「(2)被災者の生活支援」。被災者が抱える課題は複雑化・多様化しており、県が設置するいわて被災者支援センターの相談対応回数は、今年度は、昨年12月末までに既に2,000回を超えています。ページの下にありますが、被災者支援総合交付金を活用して実施している被災者の心のケア、相談支援等の取組を継続するためには、安定的かつ確実な財源措置が必要です。
 5ページ「3 被災した子どもたちに対する支援の継続」。県が毎年実施している「心とからだの健康観察」では、サポートを必要とする児童・生徒の割合が、折れ線グラフのとおり、内陸部に比べ、沿岸部で高い状況が続いています。被災による心のダメージのほか、震災に起因した家庭の経済環境、住居環境の変化等の影響を受けている児童・生徒への中長期的な対応が必要です。ページの下にありますとおり、児童・生徒の心のサポートや学習支援等に対応するため、スクールカウンセラー等の配置や、教職員の加配措置に対する確実な財政支援の継続が必要です。
 6ページ「4 なりわいの再生に対する支援の継続」です。本県の主要魚種の漁獲量は、震災前と比べ、大きく落ち込んでおります。そこに物価・燃料高騰等が重なりまして、水産業は危機的な状況にあります。さらに、ALPS処理水の海洋放出に伴う中国の輸入停止措置により、アワビ、ナマコ等の輸出が困難になっているほか、スルメイカ等の取引がキャンセルになるなどの影響が出ています。
 7ページでありますが、表に記載のとおり、中国の輸入停止措置により、アワビの入札価格やナマコの平均単価が前年に比べて約3~4割低下しております。これらの課題に対応するため、ページの下にありますが、将来にわたり持続的で活力ある水産業が展開されるよう、サケやアワビの資源回復などへの支援の継続が必要です。ALPS処理水の海洋放出に関しては、科学的根拠に基づく丁寧な説明と、あらゆる分野に対応した風評対策の推進が必要であります。
 8ページ、最後に「5 復興の推進に必要な財源の確保」でありますが、1つ目の矢印。 被災地では、これまで報告したとおり、今後も中長期的に取り組むべき課題があり、復興施策の進捗状況や被災地の意見等を十分に踏まえて、一律に期限を適用することなく、必要な事業及び制度の継続をお願いしたいと思います。
 2つ目の矢印、第2期復興・創生期間内に終了しない心のケアなどの被災者支援の在り方の検討については、一般施策への移行を前提とすることなく、財源措置が確実な特定財源による復興事業の継続を検討されるよう、お願いいたします。
 引き続き、復興に全力で取り組んでまいりますので、委員の皆様、復興庁の皆様には、今後も変わらぬ御支援、御協力をよろしくお願いいたします。

○今村委員長
 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、村井知事、お願いいたします。

○村井委員
 おはようございます。宮城県でございます。東日本大震災の復旧・復興に当たりましては、土屋大臣をはじめ、復興推進委員の皆様や復興庁、国内外の皆様に多大なる御支援を賜り、心より感謝申し上げます。それでは、宮城県の復興に向けた取組について御報告させていただきます。
 資料3-2の1ページを御覧ください。本県では、県の総合計画であります「新・宮城の将来ビジョン」に、被災地の復興完了に向けたきめ細かなサポートを掲げまして、被災地に残された一つ一つの課題に応じた丁寧なサポートを実施しております。
 2ページを御覧ください。「復興に向けた主な取組状況」であります。復興まちづくりなどのハード事業につきましてはほぼ完了した一方で、ソフト面での課題が残されていることから、地域コミュニティの再生支援や、被災された方々の心のケアなどにおいて、生活再建の状況に応じた切れ目のない支援を実施するほか、グループ補助金による生産施設等の復旧に対する支援や、専門家派遣等を通じた事業継続、雇用の維持に向けたサポートなど、産業、なりわいの下支えにも引き続き取り組むこととしております。主な取組の概要について、御説明いたします。
 3ページを御覧ください。まず「被災者の心のケア」であります。県では、平成23年12月に、心のケアの活動拠点として「みやぎ心のケアセンター」を設置し、市・町や関係機関等との連携の下、被災者への相談支援や支援者支援、普及啓発、人材育成などに対応してまいりました。「みやぎ心のケアセンター」は、令和7年度をもって活動終了とし、以降はその活動を市・町等の地域精神保健福祉活動に移行させることとしておりますことから、現在は、その移行に向けた取組や、蓄積された経験の継承を進めているところであります。今後は、センターの活動の受皿となる地域精神保健福祉活動において、心のケアを担う人材の確保や育成をはじめ、市・町、保健所及び精神保健福祉センターの体制強化が課題になるものと考えております。
 4ページを御覧ください。「地域コミュニティの再生」についてであります。県では、これまで災害公営住宅等の住民団体が主体的に実施する地域コミュニティ活動への補助を通じて、被災地の地域コミュニティ再生のスタートアップを支援してまいりました。災害公営住宅等では高齢化が著しく、自治会活動への参加者の減少や役員の担い手不足などが課題となっていることから、被災地の地域コミュニティ活動に関わる学生のボランティア活動を支援し、活性化を目指す「被災地域コミュニティ活性化支援事業」を県単独で今年度から実施しております。被災地における地域コミュニティの再生に当たっては、丁寧で息の長い支援が求められておりますので、今後も市町村や関係機関とも連携した中長期的な取組や、再生した自治会の自立した組織運営に向けた支援を継続してまいります。
 最後に、5ページを御覧ください。「処理水の海洋放出に関する取組」についてであります。宮城県では、宮城県連携会議を設置し、海洋放出以外の処分方法の検討など、国及び東京電力に対し、意見・要望を申し入れてまいりました。昨年8月の処理水海洋放出以降、県内の水産業や輸出関係の事業者に影響が出ておりますことから「みやぎ水産応援パッケージ」により事業者支援を行うとともに、連携会議において、水産業や農業、観光業で発生する損害について、事業者に寄り添った迅速かつ適切な賠償を行うよう、国及び東京電力に対し、強く申入れを行っております。処理水の海洋放出は長期間に及ぶことから、県としては、事業者のなりわい支援を引き続き行うとともに、国及び東京電力に対する必要な申入れを今後も行ってまいりたいと考えております。
 私からの報告は以上でございます。

○今村委員長
 村井知事、ありがとうございました。それでは、最後に、内堀知事から御報告をお願いしたいと思います。

○内堀委員
 復興推進委員会の委員の皆さん、また、土屋大臣をはじめ、復興庁、政府の皆さん、日頃から福島の復興・再生に大変御尽力をいただいていることに心から感謝を申し上げます。
それでは、資料3-3を1枚開いていただいて、1ページ目を御覧ください。「避難地域の復興・再生」についてです。主に赤い字の部分を御覧ください。4町で特定帰還居住区域が設定され、一部では除染が開始されるなど、復興に向けた歩みは着実に前進していますが、県内外への避難が継続するなど、多くの困難を抱えています。引き続き、帰還環境の整備等の取組を全力で進めることが極めて重要です。また、時間の経過に伴い、課題が複雑化・多様化するとともに、復興の進展に伴い、新たな課題が生じるなど、実情に応じたきめ細かな対応が必要です。特定復興再生拠点区域及び特定帰還居住区域の両区域外について、国は各自治体の意向を十分に踏まえながら、全ての避難指示解除に向け、最後まで責任を持って取り組んでいただきたいと思います。
 2ページ目をお開きください。「風評払拭・風評防止対策」です。風評が根強く残るとともに、記憶の風化が懸念されています。正確で分かりやすい情報発信の継続や、県産品等の魅力向上・PRと交流人口の拡大に取り組む必要があります。ALPS処理水の問題は、日本全体の問題であることから、今後も政府一丸となって、幅広い業種への万全な風評対策に全責任を持って取り組んでください。
 3ページ目をお願いします。「福島イノベーション・コースト構想の推進」です。浜通り地域等の企業立地については、補助金の採択ベースで400件を超える新増設を支援するなど、成果が現れている一方、居住人口や就業者数等は、依然として十分に回復していないことから、構想のさらなる推進が不可欠です。F-REIについては、昨年11月から委託研究が順次開始されており、取組が一層本格化されていくことから、国、市町村、関係機関等と連携して取り組む必要があります。
 4ページ目をお願いします。「地域産業の再生・新産業の創出」です。甚大な複合災害の影響は、県内全域の様々な業種に及んでいます。地域産業の再生と新産業の育成・集積、雇用創出など、多面的な取組が必要です。農林水産業については、生産から流通・販売に至るまで切れ目のない取組が必要であり、特に水産業については、関係者が安心してなりわいを継続できるよう、総合的かつ強力な対策を講じる必要があります。
 5ページ目をお願いします。「原子力発電所事故への対応」です。放射性物質を含む水の漏えいなどのトラブルが繰り返し発生しています。廃炉に向けた取組については、県民や国民の理解の下、安全かつ着実に進められることが福島県の復興の大前提です。引き続き、国が前面に立ち、総力を挙げて取り組むとともに、東京電力を繰り返し適切に指導・監督してください。ALPS処理水の海洋放出は、今後も想定外の事態があってはなりません。安全確保を徹底するなど、万全の対策を講じていただきたいと思います。除去土壌等の県外最終処分まで、あと21年しかありません。国は、具体的な方針や工程を早期に明示し、取組を加速してください。
 6ページ目をお願いします。既存の財源フレーム決定後に生じた課題やニーズに対応するための経費が増大しており、令和7年度予算の財源が非常に厳しくなることが想定されます。福島の復興に遅れが生じることがあってはなりません。第2期復興・創生期間における必要な事業執行に支障が生じないよう、財源フレームの見直しを行うことが極めて重要です。
原子力災害に伴う課題は、日本全体の問題であり、国が前面に立ち、最後まで責任を持って対応いただく必要があります。これまでの取組を「シンカ」させ、新たな課題やニーズに適時適切に対応していく必要があります。令和5年度税制改正の大綱の記載を遵守し、政府として第2期復興・創生期間後における十分な財源と枠組み、復興を支える制度をしっかりと確保していただくよう、お願いいたします。
福島県内はもとより、県外の皆さんにとっても「希望の地ふくしま」さらには「復興の地ふくしま」となるよう、今後も国、県、市町村、関係団体等が思いを一つにし、挑戦を続けることが不可欠です。
 私からは以上です。

○今村委員長
 内堀知事、報告をありがとうございました。3県知事から報告をいただきましたが、心のケア、なりわい、風評被害、処理水の課題は共通だったと思います。
これから今までの1~3に関して、御意見をいただきたいと思います。特に1に関しては、3年目の見直しについてでございまして、非常に重要な課題でございます。もしよろしければ、まず、3県の知事から1~2に関して御意見をいただいて、ほかの委員からもいろいろと御質問、御意見をいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、まず、達増知事、いかがでしょうか。

○達増委員
 先ほどの報告の最後のところで申し上げたことですが、第2期復興・創生期間後についても、中長期的に取り組むべき課題があるということで、復興施策の進捗状況や被災地の意見等を十分に踏まえることが大事ですし、一律に期限を適用するのではなくて、必要な事業や制度を継続していくことが大事だと思います。
 そして、一般施策への移行の件についてでありますが、基本的な考え方としては、心のケアや被災者支援の在り方について、一般施策への移行という方向性だとは思うのですが、先ほど前提とすることなくと申し上げたのは、一般施策への移行ありきということではなくて、復興事業としての継続により、財源措置が確実な特定財源が確保されますので、必要性に応じて柔軟に対応するということでお願いしたいと思います。

○今村委員長
 ありがとうございます。
 では、村井知事、いかがでしょうか。

○村井委員
 ありがとうございます。
基本方針の見直しにつきましては、宮城県は特に異論はございません。これでよろしいかと思っております。それを申し上げた上で、少しだけお話しさせていただきます。
 資料1-2の新旧対照表でございますが、3ページ目の「②心のケア等の被災者支援」「③被災した子どもに対する支援」についてでありますが、復興庁の原案は、復興特別会計の継続や、震災復興特別交付税制度の継続が明記され、復興事業を財源の面からも支える仕組みの維持をしていただいておりまして、大変感謝申し上げたいと思います。ありがとうございます。一方で、心のケアや、被災した子供に対する支援の項目には「政府全体の施策の総合的な活用も含め」の文言が追加されたところでありますが、心のケアやコミュニティの再生は中長期的な課題でありますから、引き続きしっかりと支援をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 それから、最後の19ページです。削除される部分ですが、新型コロナウイルス感染症の影響に配慮した対応等の部分でございます。復興庁の原案を尊重いたしますが、新型コロナウイルス感染症が被災地のソフト面の復興に大きな影響を与えたことは事実でございますので、今後も被災者に寄り添った施策の展開をぜひお願いしたいと思います。
 以上です。

○今村委員長
 ありがとうございました。具体的に御指摘いただきました。
 内堀知事、いかがでしょうか。

○内堀委員
 ありがとうございます。今回の基本方針について、現場主義を今後とも大切にしていただきたいということをお話ししたいと思います。
復興推進委員会もそうですし、また、土屋大臣をはじめ、復興庁の皆さん、政府の皆さんは、足しげく福島県と被災地を訪れていただいています。大事なことは、13年経つ被災地がどのような現状であり、どのような課題を持っているのか、直面しているのか、苦しんでいるのか、その点をぜひ実際に見て感じた上で、政府の方針を決め、また施策を進めていただきたいと思います。特に大切なことは、広域自治体である福島県、市町村の意見をぜひ尊重していただきたいということです。こういった基本方針の議論を進めるに当たって、国の方針ではありますが、現場の声、現場主義に立脚した上でつくっていただくことが重要だと思います。
 また、この基本方針を着実に進める上で、もう一点大事なことは、東京電力が現在進めている福島第一原発の廃炉対策が安全に、着実に進められることです。ここが崩れてしまいますと、非常に住民の皆さんに不安・懸念がありますし、国内外に誤解が広がりかねない。経済産業省からも東京電力を指導していただいておりますが、現場における東京電力福島第一原発の廃炉対策がしっかりと進むことがあってこそ、この基本方針が形になることを関係者で共有していただければと思います。
 私からは以上です。

○今村委員長
 ありがとうございました。
それでは、1、2について、ぜひほかの委員から御質問、コメント等をいただきたいと思います。特に、今回は3年目の見直しということで、知事からもそれぞれ御意見をいただきましたが、皆様からいかがでしょうか。主に燃料の話、先ほど安全対策の話も出ました。
 山﨑委員、どうぞ。

○山﨑委員
 国士舘大学の山﨑と申します。皆さんから詳しい御説明をいただきまして、ありがとうございました。
 私は、復興方針の3年目の見直しを読ませていただいて、最近あったことの中で強く感じたことがあるので、お伝えしたいと思うのですが、東日本大震災から間もなく13年ということで、ある自治体と地域が、防災訓練や防災のイベントをやろうかということで、私も一緒に参加したのですが、処理水の理解があまり進んでいないと痛感します。
話を聞いていると、処理水とはどういうものかということの理解がまずきちんと行き届いていない。だから、不安とか、危ないのではないかという言葉がすぐに出てくるのです。不安があると、それはデマにもつながるし、風評被害にもつながっていくのは、過去の様々な災害の中で私たちは経験してきたことで、処理水がどういうものなのか、モニタリングがどういう状況で、どのようにやっているのか、その数字はどうなっているのかということをもっと丁寧に分かりやすく、きちんと発信しないといけないのではないかと思います。
 それは復興庁だけの仕事ではなくて、被災地の自治体だけの仕事ではなくて、例えば環境省とか経済産業省、あるいは文科省とか、とりわけ私は、30年もかかるということで、これを安全に行えるのかどうかということは、とても多くの人が不安を感じていますし、最近、水漏れの事故などがあるから、ますますそれに拍車がかかりますから、例えば文科省が学校教育の中でもって、きちんとこれについて伝えるのだというようなことを復興庁の呼びかけでもってやってもらうようなことをやっていただかないと、なかなか処理水についての理解が全国に浸透していかないと思います。この国の中でそれについての理解が進まなければ、諸外国に対してアピールできませんね。
 この問題は、今後の3年間の基本方針の見直しの中にもちょっと書かれていますが、もう少し具体的に細かく、どういうやり方で、どこが何をやっていくのかということを詰めていただいて、進めていただかないといけないかなと思います。
 以上です。

○今村委員長
 ありがとうございます。
重要な点を御指摘いただきました。昨年からいろいろな資料、また御説明していただいておりますが、現状の課題をしっかりと把握するということだったと思います。御指摘ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。分野はかなり広いわけでございますが、委員の皆様から御意見、または御質問をいただきたいと思いますが。
 どうぞ。

○藤沢委員
 藤沢でございます。2点申し上げます。
 こちらの3年目見直しの中のページでいうと、9ページの③に福島での「帰還・移住等の促進、生活再建等」があります。内容に関して異論はないのですが、私も移住の施策で現地の責任者をやっていますので、コメントしておきたいと思います。
 移住支援センターをやっていますが、できる前は200人だったのが、今は600人まで増えていますし、最近でいうと、子育て世帯向けにツアーなどもやったのですが、7組21人の方がいらっしゃって、いろいろと報じていただいたのですが、裏側には、74組171人の方が申込みをしていただいて、そこから10倍で選んで、来ていただいたことをやっておりました。
最近、若者、女性、移住者が浜通りで非常に活躍されていまして、そうしたことが復興の原動力の一つになっているなと感じておりますので、見直しは特にないのですが、引き続き福島の復興を考えると、そうした新しい力を呼び込むことが、子育て世帯も含めて重要だと感じております。
 2点目ですが、ページで言うと、17ページになるかと思います。「復興の姿の発信、東日本大震災の記憶と教訓の後世への継承」という項目がございます。1月1日の能登半島地震がありまして、私も石川県の復興プランの諮問会議の委員になりまして、昨日、1回目の会合に参加してまいりました。御案内のように、非常に困難な状況がありまして、少し福島の状況と近いのは、今、能登にいる方の3分の2ぐらいが地域の外に離れていて、広域避難をされています。復興プランも、能登に戻っていただくのがコンセプトになっていまして、いかに福島同様に戻っていただけるかというのは大きな課題で、その辺りは、福島での様々な取組や教訓が非常に生きる部分なのだろうと思っております。
この内容を変えることはないかと思いますが、恐らく、今後、石川県や石川の被災自治体から復興庁等に問合せがあって、どういう取組をしたのかとか、学びたいという話が来ると思いますので、ぜひ窓口などを用意いただいて、いろいろと相談があったときに対応いただけるような体制などを取っていただけることが大事だろうと。せっかく東日本の経験が様々ありましたので、それをまさに今、困難な状況にある能登半島地震の対応にもぜひ生かしていただくことが大事だろうと思っております。
 以上、2点になります。

○今村委員長
 藤沢委員、ありがとうございます。
 まさに能登から2か月余り過ぎたわけでございますが、恐らく、先が見えない不安がございまして、ここでの経験は非常に重要でございます。復興庁も既に派遣されて、御支援を始めていると伺っておりますので、さらに重要なフェーズになると思いますので、御指摘ありがとうございました。
 それでは、ほかにございませんでしょうか。今、移住の話も出ました。
 では、小林委員と浅野委員、どうぞ。

○小林委員
 ありがとうございます。小林と申します。質問が1点と、意見が1点です。
 新旧対照表の13ページで「社会課題解決に資する取組」と新たに入っているのですが、これはどんな文脈で入ったのかなと気になっております。
 2点目が意見なのですが、大熊町にお試し移住をしたのですが、いろいろな方とお話をする中で、先ほど子育て世帯の移住というお話もあったのですが、子育て世帯が歓迎されるのだろうかという感覚を多少持ちました。情報発信といったときに、移住と言うと、浜通りの課題を解決するとか、挑戦というような見え方が多少濃いのかなと思っていて、実際に子育て世帯が移住することを考えたときに、そこでどう生活ができるのか、どういう生活をするのかというような情報とか視点が欠けている気がしました。
 例えば当然、空き家がほかの地域に比べてまだまだ非常に多いと思います。そういったところの事案は、本当に大丈夫なのか。先ほどお話にあった廃炉とか処理水の問題も、正直、幾ら勉強しても分からないところがある。専門家ではないので、理解し切れていない部分がどうしてもあります。そうなったときに、その前提の下、そこで生活する子供たちや人々のことを考えたときに、本当に科学的であり、分かりやすくて、かつ、人に伝わる情報とは、どういうまとめ方で、どういう出し方なのだろうかというのを、私自身も答えはないのですが、考えなくてはならないと思いました。
 あと、不足しているのが医療です。ないのはないのですが、これから充実させていくとは思うのですが、実際に今、子育てをしながら移住することを考えたときに、何がないのかが分からない。例えばそこで暮らす子育て世帯の方々と話をしていたときに、正直、子供がアレルギーを持っていたら、双葉郡で暮らすのは厳しいかもしれないという話が結構あったのです。うちの子は弱かったりもするので、なるほどと。ただ見てくれる人がいるとか、買物ができる場所があるとかではなくて、実際に生活をするとなったときの情報の出し方をしっかりと考えていかないといけないと思いました。

○今村委員長
 ありがとうございます。
 リスクコミュニケーション、また情報の出し方を御指摘いただきました。
 最初に質問をいただきまして、事務局から御説明は可能でしょうか。

○宇野統括官
 御質問ありがとうございます。13ページの一番下に「産業集積や社会課題解決に資する取組」と書かせていただいております。「社会課題解決に資する」と加えさせていただいたのですが、今のイノベーション・コースト構想につきまして、より効果的に行えるような見直しをしていこうということで、福島県さんとも協力してお話を進めているところですが、その中の一つのテーマが、この地域だけではなくて、何といっても課題先進地域ですので、そこで社会課題を解決することが、日本全体に裨益していくという発想もあって、そういったところをしっかりとやっていこうという気持ちというか、考え方を示そうということで加えたものでございます。

○今村委員長
 ありがとうございます。
 それでは、浅野委員、お願いいたします。

○浅野委員
 浅野でございます。よろしくお願いいたします。私からは9ページです。
 先ほど藤沢委員も言っていただいた「帰還・移住等の促進、生活再建等」ということで、昨年4月22日に、弊社の事業所が開設しました。ぜひ知っていただきたいのは、人を雇うことが非常に難しい地域であるということです。現状は、今、24人います。本社から9名、地元から11名、ベトナムから4名技能実習生という24人体制です。奇跡的によく来てくれたなと。
 一つ紹介したいのは、まず、私が一番心配したのは、本当にもつのかなと。本社から行った人間も、果たしてここで我慢できるのかなと。近隣から高校生たちも来てくれました。ほかに選択があったのに、あえて双葉町という厳しい状況の中に来てくれて、本当に働き続けることができるのかなということで、間もなく1年が経過します。本社に戻る人間は3名です。これは決して双葉が嫌だとか、そういう部分でいう放射線の問題とかではありません。2人の社員は辞めていきます。これも同じく、そういった事情ではなく、ほかの職場に行ったりということです。新たに5人、高校を卒業した子たちが3月21日に入ってきてくれます。
 なかなかうちの新入社員の本音は聞けないのですが、この前、たまたま本音を客観的に聞くことができましたので、これはぜひ委員の方々に知っておいていただきたいということで、高校生が27名ほど来まして、うちの新入社員2人に対して質問を幾つか投げかけていったのです。私は、社長という立場です。最初の3分間だけ話をさせていただいて、会場から出てくれということで、社長がいると、新入社員が答えにくい、本音が聞けないと。後で紹介しますが、外国人記者クラブも強烈な質問を新入社員に浴びせまして、大変だったのですが、そのときに、私はラスト10分、様子を見ようということで、隙間から聞いていたら、地元の高校生の中の1人の男の子が、2人の新入社員に対して、復興とは、あなたたちにとって何ですかという質問をしたのです。非常におとなしい女の子が、幾つか前の説明があったのですが、復興とは、私がここにいることですという答えを言いました。これは、すごく我慢している部分もあるだろうし、覚悟もあるだろうし、ここで踏ん張り続けるというか、すごく重い言葉だなと。ほかの社員も、そして本社から行った人間も、ここが働きやすいからとか、給料がいいからとかということではなしに、自分がそこで働き続けることが復興なのだという認識があることを御紹介させていただきたいと思いました。
 あと、いよいよ双葉町でずっと来たのですが、8町村で手を取り合ってという交流人口の流れもできてきています。外国人記者クラブさんから、あなたは社長として、社員たちの健康を担保できるのかという厳しい質問。私のいないところで、新入社員に余分に給料をもらっているのかと。外国から見たら、まだまだ厳しい。社員たちは、少しは余分かなという返事をしていましたが、余分に払っていません。払っていないし、私は、堂々と健康に害がないという確信を持って開業したし、特別に検査をしているわけではないと答弁したのですが、最後にお願いしたいのは、あそこに来ていただいた方、見ていただいた方は、皆さん感動されます。ここで働きたいという方も大勢出てこられました。今、この24人の社員の一番励みになっているのは、復興大臣をはじめとして、皆さんが来ていただいて、励ましていただくことです。皆さんが現場に来ていただくことが、一番うちの社員たちが頑張ろうという意識づけになっていることと、あそこに何々融資といって、働く人という観点から見た場合には、交流人口かなと。これは世界的に注目される場所であるし、私は、一番の売りは、復興の姿だと思っています。遺構ももちろん大事です。福島第一原発の公開も大事だと思っていますが、復興していく姿が日本の文化だと思っていますし、そこを全国の方にも見ていただきたいし、日本中、世界中の方にも見ていただくべき価値のある場所かなと思っています。
 以上です。

○今村委員長
 浅野委員、ありがとうございます。現場からの生の声をいただきました。
 復興とはという問いかけは、我々は常に続けなければいけないと思っております。大変参考になりました。ありがとうございます。
 本日、廃炉の話がかなり出ましたので、山名委員、挙げていただいております。ありがとうございます。お願いします。

○山名委員
 ありがとうございます。
 内堀知事から、廃炉に関わる安全の確保という御指摘をいただきました。私どもは、東電の廃炉を指導・助言、勧告するという責任ある立場にございまして、安全確保は最優先の事項であります。御指摘いただくまでもなく、安全な廃炉が進むように、私どもも最大の努力を続けてまいります。まず、これが1点でございます。
 次に、資料1-2の7ページに、事故処理関係の記載がございます。まず、ALPS処理水に関わる記載がございますが、この記載内容は、どちらかというと計画時点というか、放出前から考えている施策の紹介のような形になっております。一方、既に3バッチの放出が終了しておりまして、現在、4バッチ目があと5日ぐらいで終わる予定でございまして、今のところ特に異常もなく、順調に放出が行われている。また、1月30日には、IAEAが放出開始後の安全レビューを行いまして、問題ないという答申を出している。そういう意味で、既にきちんと進んでいるという最新のトーンを多少、ここには加えておいた方がいいのかなという感触を持ちました。
 もう一つ、先ほど知事の御発言にも出てまいりましたが、風評被害が起こった場合には、それを東電が責任を持って賠償することが一丁目一番地のことであります。もちろん、政府の強い御支援あってのことですが、そういう意味で、この記載にも、東電が責任を持って賠償するように、関係者がしっかりと求めることは、少し強調して書くべきことであろうと思います。これは事務局の方で御判断いただければと思います。
 最後に、先日、視察をさせていただきました。特に岩手県釜石市を訪問させていただいたときに、現地ではラグビーが非常に強いコミュニティの柱になっているわけでございます。スポーツ、文化は、こういった被災した地区において、物すごい力になるものであると。一方、スポーツ、文化こそが持続性を求めて、これは継続しないと意味がない。そうすると、先ほどの知事からの御要望の中で、継続的な支援、もちろん、心のケアはスポーツではないと思うのですが、子供の支援にはもちろん係ってくる。ややもすれば、スポーツ、文化がこういう予算の範疇の谷間に落ちてしまって、永続性を持てないリスクがあるのではないかと感じました。そういう意味で、復興庁では、スポーツ、文化をいかに持続的に支援できるかということも積極的にお考えいただければありがたいと思います。
 以上です。

○今村委員長
 ありがとうございます。
 持続するとはということで、能登半島も同じでございますが、スポーツ、文化、芸能と、どうやって続けるか。過去の先人たちの知恵も参考にしなければいけないと思います。ありがとうございます。
 議論は尽きないと思うのですが、この部分の予定の時間が来ましたので、まずは整理させていただきたいと思います。
 復興の基本方針3年目の見直しについては、本日、委員の皆様からいただいた御意見を参考にしていただいて、今後、政府内で最終調整をいただきます。今月中に閣議決定されると伺っておりますので、よろしくお願いします。実際に決定されましたら、事務局を通じて皆様に御報告させていただきたいと思います。
 次に、資料2ということで、ワーキンググループについては、具体的に御意見はいただいていない、反対はないと思いますので、私の方で人選は進めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。決定しましたら、これも同様に、皆様に御報告させていただきたいと思います。
 改めて資料2を確認いただいて、本委員会として、ワーキンググループの設置を決定してよろしいか、ここで御確認させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)


○今村委員長
 ありがとうございました。異議なしということで認めていただきましたので、決定いたしました。
 それでは、最後の議題でございます。4ということで、先ほど来話題にも出ております、福島国際研究教育機構の取組状況及び業務実績評価について、事務局から御説明いただきたいと思います。
 よろしくお願いします。

○寺﨑審議官
 F-REI担当審議官の寺﨑でございます。資料4に沿いまして、御説明申し上げます。
 F-REIにつきましては、昨年4月1日に設立され、それ以降、山崎理事長の強力なリーダーシップの下、福島県をはじめ、関係機関の御支援、御協力のおかげで、課題が多くございますが、順調な1年目を踏み出したところでございます。
 お開きいただきまして、1ページ。1つ目の大きな柱でございます「研究開発」でございます。まず、施設等がございませんので、1年目は、公募研究を中心に委託して行うことになっておりまして、この5分野につきまして、今御覧いただいているようなテーマについて設定して、全て公募を開始したところでございます。
 その下の黄色の部分でございます。1つだけ「直営PI」とございますが、これは放射生態学ユニットとして、F-REIの直営の研究室が1つございます。これを順次増やしていく計画でございますが、3月1日からPI、研究代表者の公募を開始したところでございます。公募以外にも、それぞれ個別に様々な交渉ルートでPIの確保が山崎理事長の下で進められているところでございます。
 2ページにお進みいただきますと、研究公募の状況でございます。それぞれ先ほど御覧いただいたものがリストになっておりまして「委託済」とありますのは、既に研究が契約されて、研究が開始されたものでございまして、その主務となります契約先で、括弧のところはコンソーシアムでございますが、こういったところと既に契約して、研究が開始されております。
一方「協議中」のところは、現在、契約に向けて協議を行っているところでございます。今年度の事業をまだ協議しているのかというお叱りもあろうかと思いますが、実はF-REIが立ち上がって、最初にどういった公募をやっていくのかということを山崎理事長の下でじっくりと議論いたしまして、それに相当な時間をかけました。さらに、公募いたしましても、手が挙がったところとすぐに契約を結ぶのではなく、本当にF-REIの目的に沿っているかということを十分に議論した上で契約に至っておりますので、お時間を頂戴している状況でございます。
 3ページに進んでいただきますと、エネルギー分野以下の「委託済」「協議中」の状況を御覧いただけると思います。「協議中」のものについて、多くはこの3月末までに契約に結びつけたい。また、一部につきましては、繰越しをして、新年度の契約もあろうかと思いますが、いずれにしても、現在、契約に向けての協議をしている段階でございます。
 4ページでございます。2つ目の大きな柱が「産業化」でございます。まず、F-REIの研究成果が出ておりませんので、研究成果の産業化は、現時点では無理なのでございますが、まずはネットワーク形成ということで、産学官のネットワークセミナーを昨年10月に仙台市で開催いたしました。これは、東北経済連合会にも御協力いただきまして、広く東北の各地から御参加いただいたということでございます。
 右側の市町村座談会は、まず、浜通り等の15市町村のニーズ・シーズをしっかりと把握していこうということで、毎日、1日に1つの市町村を回らせていただいて、いわき市からスタートして、最後は先般、1月30日、双葉町で、浅野撚糸の座談会が最後になりましたが、このような形で15市町村全ての座談会を終了しております。それぞれのいただいたニーズ・シーズをしっかりと受け止めて、F-REIでこれからの研究開発等の進め方を現在検討されているところでございます。
 4ページが「人材育成」でございます。こちらも、研究者がまだ十分におりませんので、山崎理事長以下、役員自らそれぞれの県内の高校・大学等に出向きまして、学生さんたちを相手に科学技術のすばらしさ、学ぶことの大切さについてセミナーを開催して、若手の人材育成に努めているところでございます。右側にございますように、そういった層に限らず、子供たちを対象とした科学実験教室、ペットボトルロケットでありましたり、放射線の出方を勉強するサイエンスラボにも取り組んでいるところでございます。
 6ページ目が「司令塔」機能でございます。司令塔機能の肝となりますのが、F-REI協議会でございます。内堀知事にも御参画いただきまして、既に今年度は2回開催いたしております。このような形で、多くの構成員に入っていただきまして、F-REIのそれぞれの研究開発の中身につきましてしっかりと議論して、これからの方向性を定めてまいりたいと考えております。右側が連携協定。福島県内が中心でございますが、それぞれ高専でありましたり、大学と締結し、先般は民間企業で初めて東邦銀行さんと提携したところでございます。さらに、ちょうど本日でございますが、本日の午後、東北大学との協定を締結する運びになっておりまして、いよいよ福島県を出まして、東北各市、また全国、さらには国際的な連携も深めてまいるということで、着実に歩みを進めているところでございます。
 さらに、下の「施設統合」でございますが、既に①~③につきましては、基本構想ベースで定められたものでございまして、②、③の統合は、三春町にあります福島県環境創造センターに入っている施設、研究機能についての統合を現在進めておりますが、さらには、※に書いてございますように、イノベ構想におきましては大変重要な施設でございます福島ロボットテストフィールドは、現在、福島県の施設になっておりますが、F-REIがイノベ構想をさらに発展させ、司令塔となる中核的な拠点とされたことから、F-REIへ統合することを含めて、現在、福島県など関係機関と協議をさせていただいているところでございます。
 7ページでございます。これは復興庁の仕事でございますが、当初の施設はF-REIではなく、国が整備することになってございまして、先般、復興大臣の名前で決定があったところでございます、施設の基本計画でございます。左側に「施設整備の方向性」などを書いてございます。例えば「創造的復興の中核拠点」にふさわしいシンボル性を持った環境の創出。分野横断的な融合等を促進する交流・連携空間の創出。若手や女性、外国人などの多様な研究者の活躍を支える環境整備等。さらに、一つ飛びまして、F-REI研究者や地域住民等来訪者の交流空間の創出等といったことが、施設整備の基本の方向性として書かれております。
 右側はゾーニングでございます。現地を御覧いただいた委員も多いかと思いますが、現在ございますのは、字が小さくて恐縮ですが「ふれあいセンターなみえ」にF-REIの現在の本部がございます。浪江駅の駅前でございますが、この道を挟んだ反対側、現在、農地が主でございますが、ここに整備するということでございまして、駅に近いゾーンは「連携・交流ゾーン」ということで、下にございますように、本部施設とかホール、図書館といったもの。さらには、来られた方に開放されるような食堂でありましたり、F-REIの取組が紹介できるような施設がここには置かれる前提でございます。真ん中の部分、ブルーの部分が「研究施設ゾーン」ということで、実際にF-REIの研究者がここで研究をする施設となります。その上の「研究支援ゾーン」は、F-REIに来られます、いわゆる国内外からの研究者のみならず、多くの大学院生なども来られると思います。この方々が、短期の滞在をされるための施設をここに整備する予定でございます。一番下の紫のゾーンは「研究施設ゾーン2」となっておりまして、これは重要な固有実験施設。例えば今検討しておりますのは、加速器の整備が検討する対象となっておりますが、こういった重要なものは、盛土をして、しっかりと万全な対策をした上で設置する形でゾーニングを決定しております。工期につきましては、復興庁設置期間内での順次供用開始を目指し、さらに可能な限り前倒しに努めてまいります。
 8ページは、御覧のとおり、建物関係と敷地関係の状況でございますが、現在「用地取得」に入っておりまして、おおむね順調に着実に用地取得を進めているところでございます。
 9ページ以下で、本日のお諮りしたい事項でございます。F-REIの業務実績評価に関するものでございます。ちょっと見にくくなっておりますが、右側に「復興推進委員会」という赤枠がございます。復興推進委員会のお役目といたしまして2つございまして、既にいただいております中期目標、これは策定済みでございますが、7年間の中期目標に対して御意見を既に頂戴したところでございます。今回お諮りしたいのは、中期目標、中期計画に従って、毎年、業務実績評価をやることになってございます。主務大臣がやるわけでございますが、この評価に関しまして、復興推進委員会から意見を賜る制度になっております。
 10ページを見ていただきますと、中期目標の概要でございます。既に御説明したとおりでございます。10ページ、11ページは説明を割愛いたします。12ページの中期目標に関しましては、復興推進委員会で既にこれは妥当であるという御意見を頂戴して、策定済みとなっているところでございます。
 13ページでございますが、今後の業務実績評価に係る取りまとめのスケジュールでございます。まず、本年6月末まで。これは事業年度終了後3か月以内となっておりますが、F-REIが自己評価結果報告書を主務大臣へ提出してまいります。それをもちまして「主務大臣から復興推進委員会へ意見聴取」という手続に入らせていただきまして、可能でございましたら、ワーキンググループなどでの検討を経まして、復興推進委員会で夏頃に再度意見を決定いただいて、その後、それらを踏まえまして、主務大臣の評価結果を今年の秋頃に公表する。こういった流れとなっているところでございます。
 14ページへお進みいただきますと、先ほど触れましたF-REIのワーキンググループ。これは復興推進委員会の昨年11月の決定で、左側に書いてございますが、2にございますように「構成員は、優れた識見を有する者のうちから復興推進委員会の委員長が選任する」とさせていただいているところでございます。既に事前に委員長にお諮りさせていただきまして、今回の構成員につきましても、右側の名簿案のように、中期目標策定時と同じメンバーにお願いしていただければと考えているところでございます。
 私からの説明は以上でございます。

○今村委員長
 ありがとうございます。現在までの活動、そして最後が、業務実績評価に関する御説明であります。
 時間は15分ほどございます。F-REIに関して御質問、コメント等をいただきたいと思います。どの内容でも結構かと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。いかがでしょうか。奥山委員。

○奥山委員
 福島大学の奥山です。今回、またワーキングの構成員ということで指名をいただいているところですが、中期目標の4のF-REIのところと関係するのですが、御承知のとおり、研究開発の場合は、必ずアウトプットは出てまいります。それを評価するとなると、アウトプットの評価になるのですが、F-REIの一つの大きな特徴として、産業化を達成することがうたわれています。私の知識で、何が日本のモデルケースなのかということが理解できないのですが、恐らく、失われた30年を振り返ると、研究開発で産業化、産業立地、産業地域が生まれたというのがどこかにあるのでしょうかということですね。もしなければ、今回のF-REIが初めて挑戦することになるわけです。
つまり、事業評価を考えますと、研究開発のアウトプットを評価するのではなくて、アウトカムを評価する。つまり、夢のあるアウトカムを評価する、それをつくり出す、あるいはマネジメントする組織なり、構想がまずないと評価できないということになりますので、少なくともF-REIの立ち上がった組織から、具体的に研究開発からどういう産業化を達成しようとしているのかという構想なり、マネジメントの中身をしっかりと御提示いただければと。これはお願いになると思いますが、できれば出していただければと思っております。
 以上です。

○今村委員長
 ありがとうございます。
 今後の実績評価において、アウトプットだけではなくて、アウトカムも入れていただきたいということでございます。ありがとうございました。短期間ではなかなか難しいところであるのですが、重要なのは、そこに向かってマネジメントが必要だということだと思います。ありがとうございます。

○奥山委員
 追加ですが、これは研究する側が持つだけではなくて、アウトカムとは、アウトプットを組み合わせて、大きなアウトカムをつくっていきますので、私はアウトカムを構想する組織なり、人が必ず必要だと思います。恐らく、一番夢のあるアウトカムを求めているのは福島県になると思いますので、ぜひ福島県から、福島県はどういう夢のあるアウトカムを求めようとしているのか、お出しいただければと思っております。

○今村委員長
 ありがとうございます。検討項目として御意見をいただきました。ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。F-REIに関する実績。
 白波瀬先生、失礼しました。

○白波瀬委員長代理
 よろしくお願いいたします。F-REIについては、かなりの期待もあるのですが、正直に言うと、内容自体の効果はなかなか長期的に見えにくいということなのですが、大きく2点あります。
 前段階の処理水のお話もあったのですが、これはまさにこういった研究教育機構が中心となってやるべき科学の専門知の社会への還元であると考えております。ですから、研究ということで公募されているわけですが、ここの中で、日本全体がかなり学術の分野でも遅れております科学コミュニケーションの分野で、かなりいい人たちを呼び込んで、まず、組織としてこの機構の中にそういう部隊をつくるということです。そこの中には、国籍、多様な方々。これはかなり優秀な若手が中心にいらっしゃいますので、そのための組織づくりは、チームでつくっていただくことは非常に重要ではないかと思います。こういう機構であるからこそ、これはまさしく正しいのだという意見だけではなくて、科学知なので、当然、反対意見もあるのです。その反対意見も含めて、対話の場をしっかりとこういう機構でつくっていただくことは、この機構自体の存在感を強めますし、全体としても、お抱えというような学術に対するある意味の偏見が日本としてありますので、そういう意味ではなくて、積極的に科学を社会に還元していくということで、非常に重要ではないかと思います。
 2点目は、業界の違いというところで、組織のつくり方ということになるかと思いますが、組織が最初になっているのです。ただ、この手の事業は、それなりの人を連れてきて、その人が物すごいネットワークを持っているので、そのネットワークを中心に組織をつくるようなことで、逆というか、ちょっと違った感じもあるのですが、方向性が、時間はかかるのですが、うまくいっているところと、うまくいっていないところもあります。そういう意味で、公募とか、制度のところではもう少しきれいに立ち上がっているかと思いますが、加速的に展開するということであれば、ここで考えられるのは、いろいろな分野がありますので、今村先生もそうですが、災害、文化人類学が現場では非常に重要なものですし、社会疫学、あるいは評価も、様々な新しい分野があっという間に想定されるところなので、そこのところで主要な人を中心に組織をつくっていただくような仕掛けもつくられると、とてもいいのではないかと。
 最後に、最終的な産業化だと奥山先生からあったのですが、これは全学術においてものすごく弱い部分です。そういう意味では、よくスタンフォード大学はとかと言われているのですが、大学の中でさえ、このような企業支援はスタッフが絶対的に少ないのです。これは企業支援ということですので、スタートアップや起業とか、弁護士も含めて、それなりのサポート組織が必要なのです。それを例えば福島国際研究教育機構がしっかりとサポート体制として、研究公募と同時につくっていることは、物すごく先進的なものになると思います。これは、今います私の大学も含めて、まだまだ規模としては小さいので、これをそれこそ諸外国の産学連携を物すごく展開しているところから考えると、絶対的に少ないので、そこに投資していただいて、人をどんどん入れていただく。これはかなり高価なビジネスになっていくと思いますが、少しそのような視点も入れていただけると、すごくポテンシャルが高いと思います。
 以上です。

○今村委員長
 ありがとうございます。
 最初の部分は、恐らく、研究課題の「原子力災害に関するデータや知見の集積・発信」ですね。これの重要性について触れていただいたと思います。今後、組織化していきますが、人、どういう方たちに来ていただくのか、また、分野、多様性、学際性について御指摘いただいたと思います。ありがとうございました。
 それでは、ほかにいかがでしょうか。奥野委員。

○奥野委員
 岩手大学の奥野です。
 今、F-REIのことをお伺いしたのですが、今、復興が進んでいって、F-REIが立ち上がって展開しているわけなのですが、復興が進展するとともに、課題が複雑化されているということで、先ほど3県の御報告もいただいたので、こういうF-REIみたいな華やかなというか、災害が起こったからこそ研究をやってというようなことの裏側に、その研究がどのように地域の人の役に立つかということに対する分かりやすい説明が必要で、全世界のトップクラスの研究者が福島に来る。でも、同じく、今まで住んでいた人もいるところもありますので、この研究がいかに人々の不安やそういったことを緩和できるようになるのかというところまで説明していただかないと、受入れが難しくなるのではないかと思うのです。
 先ほど、F-REIのことと3県の御報告のこととかをつなげて考えていたのですが、今、心のケアは、例えば岩手県とかは、要サポートが上がっていますね。それは、当初から要サポートが下がって、今上がっているということです。そうすると、児童・生徒の要サポートが上がっているのは、実は大人の心の状態が子供の状態に反映されるのです。ということは、大人は、復興の進展とともに不安になっていると私はアセスメントしてしまいます。
 だから、そういったことも考えながら、先ほど白波瀬先生が科学コミュニケーションとおっしゃいましたが、いかにこの研究、例えば専門性の高い研究を学際的な立場で行ってもらって、専門外の人にも分かりやすく説明して、このぐらいの効果があるし、このぐらいの幸福を皆さんにもたらすからというような説明も、もう一つ加えていただくような形で進めていただければいいかと思っております。
 私からは以上です。

○今村委員長
 ありがとうございます。
 今、関委員から手が挙がっていますので、ミュートを外していただいて、御発言をお願いします。

○関委員
 ありがとうございます。
 山崎理事長をはじめ、役員の皆様の精力的な御活躍は、本当にすばらしいと思っております。具体的な研究内容が決まってきておりますので、それらについての情報をぜひ定期的に発信していただけたらと思います。白波瀬先生、奥野先生がおっしゃったように、分かりやすい情報発信を期待しております。ホームページを拝見しますと、FacebookやXでの情報発信も始まりましたし、来年度、リサーチ・アドミニストレーターが採用されると聞いておりますので、より詳しい情報も提供していただけるのではないかと思います。また、昨年末行われましたロゴマークの投票を呼びかける案内を小中学校に配布する、広く一般の人々も巻き込むような広報活動も、今後ともぜひ行っていただけたらと思います。
 私は福島に住んでおりますので、福島に住んでいる人間として、また、農業に携わっている農業者としても、今後ともいろいろと考えさせていただき、意見を言わせていただきたいと思っております。
 ありがとうございます。

○今村委員長
 ありがとうございます。
 ロゴについても触れていただきまして、ありがとうございます。
 それでは、戸塚委員、いかがでしょうか。突然で。F-REI関係で何か御要望や御質問とかは。では、藤沢委員から先に挙がっているので、どちらにしましょうか。では、簡潔にお願いします。

○藤沢委員
 前回に続いて、福島国際研究教育機構ワーキンググループのメンバーに御指名いただきました。務めを果たしたいと思っております。
 1点だけ。奥山委員と同じですが、今回、資料の4ページに「産業化」と書いてあります。こちらには、セミナーの開催、座談会の開催とあります。これらはまさにアウトプットであって、これだけが6月末に出てくると、弱いと感じております。もちろん、成果を出すにはまだまだ早い段階ではあるのですが、アウトカムの見通しはぜひお出しいただきたいと思っております。何をやったかだけでなくて、それを通じて、いろいろとニーズ・シーズは聞き取りをされていると思いますので、どういったアウトカムが出そうかという仮説が少し入っても構わないので、そういったものを今回の成果の中にもぜひ織り込んでいただきたいと思っております。
 以上です。

○今村委員長
 ありがとうございます。見通しですね。ありがとうございます。
 まずは戸塚委員、そして小林委員、いいですか。

○戸塚委員
 ありがとうございます。
 科学的なことは知見が全くないので、あれなのですが、研究分野のところで、人文学的なといいますか、先ほども文化人類学という話も出ていましたが、そういったところで福島の復興がどういった意味をもたらすのか、まさに専門的に福島から発信していくことが、分野としても充実してくるといいのかなと一つ思った。
 もう一つが、私も、すごく失礼な言い方ですが、大学のイノベーションの教員の方々の弱さを感じるところがあるのですが、地域の現場を求めていらっしゃることをすごく痛感しております。何もないところから事業が生まれることは当然ないので、福島においても地域の取組との接続とか、地域住民との連携みたいなところは、F-REIを中心につくっていけるといいのかなと感じました。
 以上です。

○今村委員長
 ありがとうございます。
 小林委員、どうぞ。

○小林委員
アウトカムのところで、いわゆる行政評価的な作文になったらもったいないと思っていて、アウトカムと情報発信の両方に関係するのですが、今の議論は、社会的インパクトをどう測定するかというような議論と近いかなと感じています。アウトカムの設定からインパクトをどうマネジメントするかというところで、今、世界的にいろいろな議論がされていて、日本でもまだ確立していないものの、いろいろな実践が積み上がっている状態だと思っています。特に金融庁と経産省で深く議論していると思うので、ぜひそういうものを取り入れて評価いただけたら、国民にも伝えやすくなるのかなと思いました。

○今村委員長
 貴重な御意見をありがとうございます。社会インパクト評価ですね。ありがとうございます。
 それでは、残念ながら、クローズの時間が迫ってきました。先ほど事務局から御説明いただいたのですが、重要な来年度実施における業務実績評価については、本委員会の下にワーキンググループ、先ほどの案を了承いただいて、意見の取りまとめに向けて御議論いただきたいと思っております。奥山委員、関委員、藤沢委員におかれましては、ワーキンググループでの具体的な議論をよろしくお願いしたいと思います。
 本委員会では、先ほども御紹介がありましたが、来年の夏でいいですか。

○寺﨑審議官
 今年です。

○今村委員長
 今年の夏ですね。今年の夏をめどに、福島国際研究教育機構ワーキンググループから報告を受けて、実績評価に関する意見の審議を行うことになります。引き続き、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、本日の議題1~4まで全て終わりましたので、議事はここで終了したいと思います。最後に、本日の議論を踏まえて、土屋大臣から一言御発言をいただきたいと思います。

○土屋大臣
 皆様、大変お忙しい中御出席いただきまして、誠にありがとうございます。また、達増知事、内堀知事には、オンラインで参加いただきまして、ありがとうございます。また、関さん、オンラインでありがとうございました。
 皆様の本当に様々な意見をいただきまして、ごもっともな面が多いかと思いまして、私自身もこれから皆さんの御意見を反映できるように、しっかりと頑張っていきたいと思ったところでございます。特に、第2期復興・創生期間が終了する令和7年度末まであと残り2年という中で、これからこれまでの復興施策について、しっかりと総括していく時期だと思っておりますので、第2期復興・創生期間後となる令和8年度以降を見据えた御意見、御要望についても、今後、いろいろな意見を聞きながら、しっかりとその後をつくっていきたいと思っております。
 今日お話を聞いた中で、私は浅野さんのところもお邪魔させていただきましたが、大変感動的なお話を聞かせていただきまして、ありがとうございました。私は、復興大臣になって、地域を一生懸命に回っております。時間の許す限りお邪魔して、いろいろな方とお話をさせていただいております。まだまだ全然足りないと思っておりますが、これからも現場主義に徹しまして、様々な現場の意見を聞きながら、よりよい復興に向けて頑張っていきたいと思っておりますので、委員の皆様も、ぜひ今後ともいろいろな意見を聞かせていただければありがたいと思います。
 今日は本当にありがとうございました。

○今村委員長
 大変ありがとうございます。
 それでは、本日の議事要旨は、速やかに公表させていただいて、具体的な議事録についても、1か月をめどに作成・公表させていただきたいと思います。委員の皆様には、議事録の確認について、御協力いただきたいと思います。
 以上で、第44回復興推進委員会を終了したいと思います。本日も大変ありがとうございました。

(以  上)

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