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第45回復興推進委員会議事録

第45回復興推進委員会 議事録

 

1.日 時 : 令和6年8月21日(水)13時30分~14時59分

 

2.場 所 : 中央合同庁舎第4号館4階共用第2特別会議室(オンライン会議併用)

 

3.議 事  

 (1) 3県からの報告
 (2) 地震・津波被災地域等に係る復興施策の総括について
 (3) 福島国際研究教育機構における令和5年度の業務実績自己評価に係る主務大臣への意見(案)について

 

4.出席委員等(敬称略)

  今村 文彦   東北大学災害科学国際研究所教授 【委員長】
  白波瀬 佐和子 東京大学大学院農学生命科学研究科特任教授 【委員長代理】
  浅野 雅己   浅野撚糸株式会社代表取締役社長
  内堀 雅雄   福島県知事
  奥野 雅子   岩手大学人文社会科学部教授
  奥山 修司   福島大学経済経営学類特任教授
  小林 味愛   株式会社陽と人(ひとびと)代表取締役
  関 奈央子   ななくさ農園・ななくさナノブルワリー
  戸塚 絵梨子  株式会社パソナ東北創生代表取締役社長
  藤沢 烈    一般社団法人RCF代表理事
  村井 嘉浩     宮城県知事
  山﨑 登    国士舘大学防災・救急救助総合研究所名誉教授
  山名 元    原子力損害賠償・廃炉等支援機構理事長
  八重樫 幸治  岩手県副知事 ※達増拓也岩手県知事代理出席者


5 議事録
○今村委員長 それでは、定刻となりました。ただ今より、第45回復興推進委員会を開催したいと思います。委員長の今村でございます。本日、どうぞよろしくお願いいたします。
 委員の皆様及び土屋大臣、高木副大臣、平木副大臣、平沼政務官におかれましては、大変お忙しい中、出席いただきまして、ありがとうございます。しかもお盆明けのすぐでございました。会議の開会に先立ちまして、土屋大臣より御挨拶をいただきたいと思います。 よろしくお願いいたします。
○土屋大臣 昨年9月から復興大臣を拝命しております、土屋品子でございます。今村委員長をはじめ、復興推進委員会委員の皆様におかれましては、東日本大震災からの復興に関し、日頃から多大な御尽力を賜り、厚く御礼申し上げます。
 震災から13年が経過いたしました。私自身、着任直後から頻繁に被災地を訪問しまして、多くの皆様から直接お話をお聞きしておりますが、全体として復興は着実に進んでいる一方で、地域によって状況は千差万別であることを実感しているところでございます。
 本日は、被災3県からの報告の後、令和8年度以降の復興施策についての検討に向けて、本年4月から開催されてきました第2期復興・創生期間までの復興施策の総括に関するワーキンググループから、地震・津波被災地域等に係る復興施策の総括について報告をいただきます。
 また、F-REIについては、昨年4月の設立以降、山崎理事長のリーダーシップの下、中期目標に基づく取組が精力的に進められてきておりまして、本年6月には、研究開発等業務の実績について、初めてとなる自己評価結果が公表されたところでございます。本日は、その自己評価結果を踏まえ、主務大臣評価素案や復興推進委員会としての意見について御議論をいただけると伺っております。
 委員の皆様からは、忌憚のない御意見を頂戴できればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○今村委員長 土屋大臣、ありがとうございました。
 それでは、本日の会議の進め方を述べさせていただきたいと思います。
まず、本日の議事は、議題2までは公開でございます。法人の業務実績評価に関わる案件でございます議題3以降は、福島国際研究教育機構(F-REI)や、その関係者の利害に直結する内容でございますので、公開することによって公平かつ中立的な審議に著しい支障を及ぼすおそれがあると認められるため、復興推進委員会運営要領第4条に基づき、非公開とさせていただきます。
 なお、文科省、経産省等の国立研究開発法人審議会においても、業務実績評価に関わる案件は非公開としてございますので、御理解のほどお願いしたいと思います。本委員会と同様に、F-REIの評価への御意見提出が法定されております総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)においても非公開とされてございますので、御報告申し上げます。
 会議の開始から議題2が終了するまでは、インターネットでのライブ配信によって一般の方、報道機関の方にリアルタイムで視聴していただいておりますので、御理解いただきたいと思います。また、報道機関の方には、会議映像の撮影や報道での使用を可としておりますので、御承知いただきたいと思います。
 それでは、議事に入る前に、本日の議事進行について、もう一度概要を説明させていただきます。最初は、3県における復興の取組について、3県の知事又は代理の方からそれぞれ御報告をいただきたいと思います。それから、第2期復興・創生期間までの復興施策の総括に関するワーキンググループ、先ほど大臣から御紹介いただきましたものでございますが、その総括について、座長でございます私から報告をさせていただきたいと思います。その後、委員の皆様との意見交換でございます。この意見交換が終わりましたらば、それ以降は、非公開とさせていただきたいと思います。 F-REIに関しては、令和5年度に係る研究開発等業務の実績等に関する主務大臣評価について、福島国際研究教育機構ワーキンググループでの御議論をいただきましたので、復興庁と同ワーキンググループ座長の奥山委員から御報告をいただきたいと思っております。その後、本委員会としての意見を決定したいと思ってございます。
 よろしいでしょうか。

(首肯する委員あり)

○今村委員長 それでは、早速でございますが、議事を進めていきたいと思います。
 議題1の「3県からの報告」について、岩手、宮城、福島の順でお願いしたいと思います。それでは、岩手県の八重樫副知事、オンラインで報告をよろしくお願いいたします。
○八重樫副知事 岩手県でございます。
 東日本大震災津波からの復旧・復興に当たりましては、委員の皆様や復興庁、国内外の皆様から多くの御支援をいただき、感謝申し上げます。
 本日は、岩手県の復興の現状と中長期的に取り組むべき課題について報告させていただきます。資料1-1の2ページを御覧ください。
 まず、復興の現状でありますが、本県では、復興を県政の最重要課題とし「誰一人として取り残さない」という理念の下、復興推進プランに掲げる4本の柱に基づく復興の取組を進めています。4本の柱のうち、Ⅰ~Ⅲにつきましては、ハード面の復旧・復興を中心として大きく進展しており、また、Ⅳの伝承・発信では、今年6月に、東日本大震災津波伝承館への来館者が100万人を達成したところであります。
 一方で、青い色の字で記載しております中長期的に取り組むべき課題も残っており、次ページ以降において報告いたします。
 3ページを御覧ください。「心のケア等の被災者支援」について報告いたします。
 初めに、「被災者のこころのケア」につきましては、依然として被災者の心の不調には震災の影響が認められるほか、本県の沿岸市町村は、精神保健・医療体制が極めて脆弱であることから、被災者の心の復興に特化した支援体制の継続が求められています。
 次に「被災者の生活相談支援」につきましては、生活再建等の相談を受け付け、支援する、いわて被災者支援センターにおける相談対応回数は、開設当初の2倍を超えており、債務整理や家族間の問題など震災との因果関係が認められる相談が多数寄せられています。
 4ページを御覧ください。被災した子供たちに対する支援については、県が毎年実施している「心とからだの健康観察」では、サポートを必要とする児童・生徒の割合が、内陸部に比べ沿岸部で高い状況が続いています。被災による心のダメージはもとより、震災に起因した家庭の経済環境、住居環境の変化等の影響を受けている児童・生徒もいることから、中長期的な対応が必要であり、スクールカウンセラー等の配置などの取組の継続が必要であります。
 ただ今説明した心のケア等の被災者支援や子どもに対する支援については、第2期復興・創生期間までの復興施策の総括に関するワーキンググループの議論において、丁寧に激変緩和の措置を取りながら、ソフトランディングを図ってもらいたいといった発言があったことを踏まえ、被災県とよく話し合いながら、適切に対応していただくようお願いします。
 続いて、「災害援護資⾦」について、償還の遅れや返済猶予の増加により、市町村に財政的な負担を強いられることがないよう、柔軟な運用が求められています。
○今村委員長 ネットの中断がございました。少しお待ちください。
○八重樫副知事 5ページを御覧ください。移転元地についてですが、国の支援を受けながら利活用に取り組んでいますが、未だ活用割合が約6割にとどまっております。被災地のまちづくりやなりわいの再生のため、ハンズオン支援事業や津波立地補助金等に代わって、市町村が活用できる一般施策について、個別具体的に県や市町村に情報提供をお願いいたします。
 6ページを御覧ください。「水産業を守るための支援」について報告いたします。
 上段「資源の回復に向けた支援」について、サケやアワビの漁獲量が震災前と比べて大きく落ち込んでおり、未だ震災前の水準まで回復していない状況であることから、支援の継続が必要であります。
 下段、経済産業省などが行っている「『水産業を守る』政策パッケージ」の活用促進について、国の支援を最大限に活用できるよう、対象品目が限定されている支援事業については、アワビをはじめとする他の品目への対象拡大、また、販促やPR活動においては、ワカメなどの水産物全般や加工品の取組も認めるなど、柔軟な運用が必要であると考えています。
以上で岩手県からの報告を終わります。
○今村委員長 ありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、村井知事から対面で御説明をお願いいたします。
○村井委員 ありがとうございます。今村委員長をはじめ委員の皆様、復興庁をはじめ国の皆様には、被災地の復興に御尽力いただき、改めて感謝申し上げます。それでは「宮城県における復興の課題」について御説明申し上げます。
 資料1-2を御覧ください。震災から13年が経過し、ハード整備はほぼ完了したものの、心のケア等のソフト面の課題などは中長期的な取組が必要です。
 2ページ「被災者の心のケア」についてであります。宮城県では、これまで「みやぎ心のケアセンター」を設置し、被災者の心の問題に対応してまいりました。このセンターは、令和7年度末で活動を終了し、市、町の保健福祉活動に移行することとしており、専門職員の確保や育成などの支援が必要であると考えております。
 3ページ「被災した子どもに対する支援」であります。これまで国の御支援をいただきながら教職員の加配やスクールカウンセラーの配置を行い、児童・生徒に対するきめ細かな心のケアを実施してまいりました。現在、家庭環境や生活環境の問題が多様化・複雑化しており、震災の影響を受けた児童・生徒の心のケアや学習支援等については継続する必要があります。
 5ページ「移転元地の利活用推進」につきましては、国のハンズオン支援事業等により、県内の移転元地の約8割の利用が決定しております。一方、利活用が未定の土地は津波浸水区域であることや、官民混合地が存在するなど、条件の不利な土地であり、活用に向け、中長期的な支援が必要であります。
 6ページ、原発事故に伴う処理水の海洋放出についてであります。宮城県では、「処理水の取扱いに関する宮城県連携会議」を設置し、海洋放出以外の処分方法の検討など国及び東京電力に意見要望を申し入れてまいりました。昨年8月に処理水の海洋放出が開始され、中国や香港などでは、日本産水産物の禁輸措置が講じられ、ナマコ、アワビなどの価格に下落が見られるなど、水産事業者などに影響が生じております。県では、処理水海洋放出の影響を緩和するため、「みやぎ水産応援パッケージ」を策定し、相談窓口、経営支援、情報発信、販売促進の4本柱による事業者支援を行っております。今後も、事業者に対する中長期的な支援の継続、事業者への迅速かつ適切な賠償、風評被害を生じさせないための国内外における理解の醸成が非常に重要であります。
 7ページ「復興完遂後も続く課題」でございます。伝承活動は、防災の観点からも重要であり、震災以降の維持管理等も含め、復興の完遂後もしっかりと取り組む必要があります。また、震災を教訓に整備されたインフラに係る維持管理費用等は、今後増加することが予想されております。
 最後に8ページ、今後の復興事業推進に当たってのお願いであります。
 1つ目は「一般施策に移行する際の柔軟な対応」についてでありますが、第2期復興・創生期間の終了を令和7年度末に控え、徐々に復興事業から一般事業に移行していくのはやむを得ないと認識しております。しかしながら、一般施策への移行に当たり、各省庁においては、復興の完遂に向け、被災自治体に寄り添い、現場の状況に応じ、財政面も含め、柔軟な制度運用などをお願いいたします。
 2つ目の「移転元地の利活用推進」でありますが、条件不利地である移転元地の利活用は、通常の空き地の活用と比べ、相当の困難な状況にあることから、適切な御支援をお願いいたします。
 3つ目は「処理水への対応」についてでありますが、水産事業者等への影響は、岩手、宮城県の水産事業者にも及んでおり、県境で区切ることのない同様の支援が必要であります。
 最後に、復興完遂後も必要な取組である「伝承施設やインフラの維持管理への支援」でありますが、自治体の財政を大きく圧迫することが予想されることから、健全な財政運営を継続できるよう、支援をお願いいたします。
 以上、宮城県からの報告でございます。ありがとうございました。
○今村委員長 村井知事、ありがとうございました。
 引き続きまして、福島県の内堀知事からオンラインで報告をお願いいたします。
○内堀委員 ありがとうございます。
 今村委員長をはじめ委員の皆さん、土屋大臣をはじめ復興庁の皆さんには、福島の復興に日頃から大変お力添えをいただいております。本当にありがとうございます。
 今日の資料1-3でありますが、8月8日の第2期復興・創生期間までの復興施策の総括に関するワーキンググループ第5回会合で福島の現状を説明する際に使用したものと同じ資料であります。いずれも重要な項目ですので、要点、ポイントを絞りながら復興・再生に向けた現状と課題についてお話しします。
 1ページを御覧ください。初めに「これまでの取組による主な成果」です。資料の赤くなっている字の部分を御覧ください。全ての特定復興再生拠点区域において避難指示が解除されるなど、福島の復興は着実に前進しています。その上で、引き続き復興・再生に向け、直面している課題について御説明します。
 2ページをお開きください。東京電力福島第一及び第二原子力発電所の廃炉に向けた取組が安全かつ着実に進められることが福島県復興の大前提であり、国が前面に立ち、総力を挙げて取り組む必要があります。ALPS処理水の海洋放出については、日本全体の問題であることから、国が最後まで全責任を全うしていただくことが必要です。2045年3月を期限とした除去土壌等の県外最終処分は、法律に定められた国の責務であり、取組を加速させる必要があります。
 3ページをお開きください。13年余りが経過する中、自治体ごとに復興の進捗が大きく異なっており、柔軟な支援を中長期的に継続することが必要です。引き続き、復興加速化交付金を一層充実させるなどしながら、生活環境の整備や産業・なりわいの再生、移住・定住の促進、心のケアなど、避難地域の復興・再生に向けて全力で取り組む必要があります。また、幅広い医療ニーズに対応するためには、医療提供体制の再構築に取り組む必要があり、加えて中核的病院の整備が不可欠です。
 4ページ目をお願いします。住民の帰還・移住等に向け、インフラの整備・修繕が重要です。特定復興再生拠点区域においては、拠点づくり等に向けた支援が必要です。特定帰還居住区域においては、早期の避難指示解除に向けて取り組んでいただく必要があります。 国は、帰還困難区域全てを避難指示解除し、復興・再生に最後まで責任を持って取り組む必要があります。
 5ページをお開きください。福島イノベーション・コースト構想の一層の推進を図っていくため、産業発展の青写真の改定について検討を加速させていくことが重要です。雇用の創出や産業集積を促進させるための支援や、大学等の「復興知」を活用した構想を支える教育・人材育成の推進が必要です。F-REIの研究開発等の機能が早期かつ最大限発揮されるよう、連携して取り組む必要があります。
 6ページ目をお願いします。複合災害の影響は県内全域に及んでおり、多面的に取り組む必要があります。農林水産業はいまだ復興が立ち後れており、総合的な対策が重要です。
 商工業等の回復を図るための企業立地や被災求職者の雇用・就業機会の創出等に取り組むことが必要です。また、再生可能エネルギーのさらなる導入拡大や、水素の社会実装を進めることが必要です。
 7ページ目をお願いします。原子力災害の影響による風評は、根強く県内全域に残っています。燃料デブリの取り出しなどに伴い、新たな風評が生じる懸念もあるため、長期的な対策に取り組むことが重要です。福島ならではのブランドの確立・強化、国内外からの観光誘客の促進などが必要です。また、原子力災害に関する教訓や、福島の正確な情報等を広く発信していく必要があります。福島県においては、人員確保に対する支援が引き続き必要です。
 8ページ目をお願いします。福島の復興・再生は着実に前進していますが、今後も長く厳しい戦いが続きます。第2期復興・創生期間中においては、財源が不足する懸念が生じています。「復興の基本方針」に基づき、福島県の復興・創生をさらに進めるために必要な予算を十分に確保していただくことが重要です。また、原子力災害に伴う福島県特有の困難な課題はいまだ山積しており、第2期復興・創生期間後においても、中長期にわたる継続的な取組に加え、新たな課題やニーズへの対応が必要です。とりわけ、次の5年間が、復興の実現に向けてこれまで以上に力強く取組を進めていかなければならない極めて重要な期間となります。このため、福島県の現状・課題をしっかりと捉えた上で、復興需要を把握し、十分な財源と枠組み、復興を支える制度を確保していくことが不可欠です。
 「復興の地ふくしま」の実現に向け、現場主義を徹底し、国、県、市町村、関係団体等が一体となり、中長期的に取組を推進していくことが不可欠であります。
 私からは以上です。
○今村委員長 内堀知事、ありがとうございました。
 3県からの報告をいただきました。
 報告として、議題2に移りたいと思います。こちらは、第2期復興・創生期間までの復興施策の総括に関するワーキンググループにおける検討結果でございます。まず、本ワーキンググループの概要を説明させていただきたいと思います。
 資料は、資料2-1と資料2-2になります。今年3月8日における本復興推進委員会の決定により、令和8年以降の復興政策の検討に向けての総括を行うべく、このワーキンググループが設置されました。この開催に当たりましては、復興推進委員会から4名のメンバー、私、白波瀬委員長代理、浅野委員、戸塚委員、このほか、復興政策や現地の状況について造詣が深く、優れた見識を持たれております3名の方、阿部先生、石川先生、増田社長の合計7名を構成メンバーとして選定してございます。
 ワーキンググループは、第1回は4月30日でございまして、先日の7月18日まで4回にわたって議論をさせていただきました。地震・津波被災地域、これに関係する施策は非常に幅広いわけでございますが、4回の会合の中で岩手県、宮城県からヒアリングも行わせていただき、また、現地視察も実施いたしました。非常に参考になったわけでございます。集中的に議論を深めてきたわけでございます。
 この結果を資料2-1及び資料2-2にまとめておりますところ、資料2-1が概要、資料2-2が全体でございます。資料2-2は合計208ページにもわたりまして、非常に重要なデータ、検討結果が示されてございます。本日は時間が限られてございますので、資料2-1を中心に説明させていただきます。なお、資料2-2も、何ページが対応かも見ていただきたいと思いますので、その情報を説明させていただきたいと思っております。
 資料2-1を見ていただきますと、まずは項目が「1.ハード整備」から「8.震災伝承」まで整理されてございます。まずは「ハード整備」でございますが、資料2-2の例えば、5ページを開けていただけますでしょうか。5ページからは、13年間の主な取組ということで、道路・鉄道等、関係の資料を丁寧にまとめていただいております。この結果、復旧事業に関してはおおむね完了、残る事業に関しては、完了に向けて取り組んでいただきたいと思っております。
 さらに、2番ですが「心のケア等の被災者支援」でございます。これは、資料2-2の12ページを見ていただきたいと思います。先ほど来、心のケアに関してはまだまだ課題があるということでございます。大きく2つございまして、一つが「被災者支援総合交付金事業」でございます。これは、岩手県、宮城県を念頭にしてございます。この期間は完了してございますが、必要に応じて一般施策に移行することを目指したいと思います。同期間中での完了が困難と考えられる事業に関しては、令和8年度以降も、可能な限り速やかな完了に向けての具体的な道筋が示されるまで在り方を検討していただきたいと思っております。
 2つ目は「災害援護資金」でございます。こちらは、地方自治体において支払い猶予や償還免除等を活用して、引き続き重要な検討を継続していただきたいと思っております。
 3番目が「被災した子どもに対する支援」でございます。資料2-2の中では、61ページからを見ていただきたいと思います。こちらも岩手、宮城が中心でございますが、今、13年が経った中、非常に深刻な課題、重要な課題として、現場からも報告をいただいております。我々は、現場視察の中でも、実際に学校の先生から直接その状況を御説明いただいたわけでございます。2つ項目がございまして、一つは「教員加配・スクールカウンセラー配置等」でございます。これに関しては、非常に重要でございます。令和8年度以降も、一般会計の中で配慮することは非常に重要であるとまとめさせていただきました。
 2つ目は「就学援助」でございまして、これは一般施策への移行に向けた対応を総合的に検討していただきたいと思います。先ほどの心のケア、上記2の「被災者支援総合交付金事業」と同様に、一定の場合には今後の在り方も検討していただきたい。2と3は、非常に重要な項目として挙げさせていただきました。
 4番が「住まいとまちの復興」でございます。これは資料2-2の75ページから見ていただきたいと思います。
こちらは3項目挙げてございまして、まずは「宅地造成」でございますが、こちらはおおむね整備完了と判断してございます。一方、家賃・特別家賃低減事業等は、制度としては、家賃低廉化事業は開始から20年間続くということでございます。
 また、特別家賃低減事業は、管理開始から10年ということでございますので、こちらは年に合わせて対応を継続していただきたいと思っております。
 3つ目が「土地活用ハンズオン支援事業」でございます。他地域の土地活用率と遜色のない活用状況であること、また、応募件数も減少傾向であると判断し、基本的には事業を終了としたいと思いますが、こちらは実は各地域で土地活用も違うというところも報告いただいておりますので、必要に応じて事例の紹介、助言等も行っていただきたいと思っているところでございます。
 5番「産業・生業」を見ていただいて(特区法以外)でございます。これは、資料2-2の91ページから見ていただきたいと思います。こちらは5項目ございます。
 まずは「グループ補助金」でございますが、おおむね完了ということで、基本方針の記載どおりでございます。事業者の責に帰さない理由がございましたらば、これまで復旧を行うことができなかった事業に限り、支援を継続いただきたいと思ってございます。
 2番目が「津波立地補助金」でございます。これは、状況も踏まえて、令和5年度にほぼ公募を終了しておりますので、そのような状況で終了と考えてございます。
 3番目は「二重ローン対策」でございます。制度上は、第2期復興・創生期間後も事業継続でございます。最長15年又は10年ということでございます。ただ、新規の支援決定は終了と考えてございます。
 4番が「新しい東北」ということで、ハンズオン支援事業でございます。これは、基本方針の記載どおりでございます。令和7年度末には事業完了が見込まれると思いますが、今後は必要に応じて支援のノウハウ、知見、得られたものをぜひ共有して、必要なサポートをお願いしたいと思っております。
 5番は、それ以外のものでございますが、優良事例の発掘やワークショップを通じて、蓄積したノウハウの普及・展開を行うことは同様でございます。
 「6.産業・生業」について説明させていただきます。これは特区法の中でのテーマでございます。こちらは、資料2-2の145ページからを見ていただきたいと思います。
 こちらも大きく2つの項目がございまして、まず「復興推進計画」があります。その中には「特区税制」「金融特例」「規制・手続上の特例」がございます。それぞれ適用期限がございまして、例えば「特区税制」ですと、令和7年度以降ということでございます。この間に活用されるよう、積極的に周知をしていただきたいと思います。
また、「金融特例」に関しては、令和8年度以降、地震・津波被災地域は新規認定しないという判断をしてございます。「規制・手続上の特例」に関しては、引き続きニーズを踏まえた柔軟な対応を考えていただきたいと思います。「復興整備計画」も同様でございます。柔軟な対応が必要と考えてございます。
 7番が「地方単独事業等」でございます。これは、資料2-2の165ページからを見ていただきたいと思います。2つ大きな項目がございまして、まずは「人材確保対策支援」でございます。2つ目が「震災復興特別交付税」であります。
 まず、人材確保に関しては、基本的に復興スキームは令和7年度で終了かと思いますが、人材確保は非常に重要でございますので、例えば、総務省のスキームなどがございますので、こちらは復興特別交付税の在り方とともに検討いただければと思っております。自治体での人材確保・支援は重要だと考えてございます。
 また、特別交付税でございますが、こちらは令和8年度以降の復興の在り方に関するものでございますので、その検討とともに、さらに検討を進めていただきたいと思っております。
 最後が「8.震災伝承」でございます。これに関しては、181ページを見ていただきたいと思います。各被災地で伝承施設であったり、語り部は、今回も御説明いただいて、岩手では100万人を超えたということで、交流人口、さらに今後は関係人口、定住人口に結びつく重要な活動があると考えてございます。そのために、令和8年度以降も継続していただく必要がありますが、これはぜひ様々な国、地方公共団体、民間それぞれが役割を果たしながら連携していただきたいと思ってございます。
 このようなまとめを第4回の検討でまとめさせていただきました。今回は時間の関係でポイントのみの御説明でございますが、ぜひ207ページにわたる資料を見ていただいて、今回の方針についての御理解をいただきたいと思います。
 復興庁及び関係省庁の皆様には、本報告の内容を踏まえつつ、令和8年度以降の在り方の検討を進めていただきたいと思っております。
 特に復興に関しては、歴史的には、関東大震災は後藤新平が復興の理念を出し、また、阪神・淡路の時にも復興が重要であるということでございましたが、なかなかそこが実施できませんでした。東日本大震災で初めて国が本格的に復興施策を実施していただいたわけでございます。今回は、地震・津波被災地域中心でございますが、その成果をまとめさせていただいて、残る課題をまとめたところでございます。
 今月も南海トラフの地震の臨時情報も出ました。大地震注意ということでございますが、我が国においては、今年の能登半島地震も含めて国難級の災害があると。そのときに、復旧だけではなく、復興がいかに重要なのかというのは、非常に広く関心を持っていただいたところでございます。このような状況も踏まえて、今回のまとめも見ていただきたいと思っております。
 以上で、私からの報告を終了したいと思います。
 議題1、議題2に関しまして、説明、報告を受けて、委員の皆様から質疑又は御意見をいただきたいと思います。対面で参加いただいている方は、挙手をお願いしたいと思います。オンラインから御参加の方は、挙手機能もございます。または、声を上げていただいてもいいかと思うのですが、御教示いただければと思います。いかがでしょうか。どうですか。ワーキングにも入っていただいていた白波瀬先生、いかがでしょうか。
○白波瀬委員長代理 どうもありがとうございました。いろいろな意味でここまで来たのはとても重要なことだと再認識したのですが、簡単に2点あります。
 1点目は、いろいろなところで一般施策に対する「移行」という言葉があるのですが、実際に移行する場合には、局面や土地、これまでの状況とかということで、一般化できない事例が多いと思うのです。ですので、どういう形で移行したのかというデータというか、詳細な事例共有は、関係の方々の間でやっていただくことが非常に重要であると感じました。
 2点目としましては、「震災伝承」という言葉が結構出てくるのですが、具体的な中身は、教育研究との密接な連携が必要になるのではないかと思うのです。ですから、これもデータ共有ということですので、これからのDX、SDGsとも関連して、国内外で非常に重要なエリアでもあります。ただ訪問されるのも、自分も訪問させていただいて、とても貴重な経験にはなったのですが、それを実質的な経験とできるように工夫をする必要があるような気もしますので、その辺りは重要かなと感じました。感想です。
 以上です。
○今村委員長 ありがとうございます。ワーキングのメンバーである浅野委員、いかがでしょうか。私がまだ説明し切れなかったところも含めて、ぜひお願いします。
○浅野委員 浅野でございます。本日は、大事な4回のうちの2回を病気で休ませていただきまして、任務が十分に果たせなかったのが本当に申し訳ないと思っています。
 今思いますのは、今、岩手、宮城ということで、以上でもちまして、この事業はとかという表現がこれから続いているのですが、福島はこれから始まっていくかと思うのですが、東北は一つであって、私はブランドはすごく大事だと思っています。特に魚を一つ例に挙げると、三陸物、常磐物は、かつて日本屈指というか、最高のブランドであったということです。現実的にそのブランド力が下がっているというのか、単価が下がっているのは非常にショックなことかと思っています。ただ、これはやり方で、なかなか予算をつけにくいところなのでしょうが、これから福島中心にやっていくと思うのですが、ブランドを上げていくマンパワーというのか、広報部隊というのか、我々は繊維業界でクリエーティブディレクターとか、そういったところが巧みに報道関係、ユーチューバーを使いながら世界に発信していって、私は、こうした大きな被害を受けても、しっかりとこのブランドが復活してきたのだという逆ブランドで高い価値になると思っていますので、3県連携は引き続きやっていかれるべきかと。お金はかかるのですが、ハードのことから考えたら、非常に費用対効果があると私は思っています。
 あと、インバウンドも含めた交流人口です。私が2019年に福島に関わらせていただいたときは「交流人口」や「観光」とかという言葉は、まだ言うべきではないということで、禁句でした。ただ、私は、果敢にそこしかないということでずっと言い続けてきて、常磐線も開通しています、三陸道も立派な道路も造っていただいたので、ここも含めて3県連携していく。これは今、日本全国どこでもブレークする可能性もあるし、そういう力というか、コンテンツを持っています。ましてや、世界にまれなあれだけの津波・地震があって、それをもう一回頑張るのだという姿は世界中が注目しますので、ここの部分も切り離すというのではなしに、引き続き3県連携されていかれるといいのではないのかなと。そうすると、今までのこうしたことが無駄にならないのではないのかなと思います。
 以上です。
○今村委員長 ありがとうございます。伝承のところでも交流人口の話が出まして、ツーリズムとして学習しながら学んでいただいて、そこでまた現地に戻っていただいて、いろいろな取組をしていただく。復興ツーリズム、さらに概念として上回るホープツーリズムという名前も、福島を中心に展開していただいておりますので、このような取組も大変重要だと思います。ありがとうございました。
 小林委員、どうぞ。
○小林委員 ありがとうございます。
 1点だけお伺いさせてください。資料2-1の例えば5-5にある「ノウハウの普及・展開」という言葉が非常に気になっております。実際、例えば、東日本大震災の教訓だったり、様々な支援のノウハウが、これまでも私自身、10年以上携わってきた中で、多くの国民が学ぶべき、知るべき大切な内容が含まれているのだと思います。他方、それを本当に知るべき人が知ってくれているかというと、そうではないのではないかとも感じています。いろいろなことがまとまった分厚い事例集とか、いろいろと本当に参考になるものはあるのですが、例えばここで言うハンズオン支援事業についても、一体誰に対してどんなノウハウを普及・展開していくつもりなのか、また、それを本当に知るべき現場の人にどう戦略的に広報していくおつもりなのか、そこら辺の戦略があったらお伺いできたらうれしいです。
○今村委員長 ありがとうございます。今回の第2期復興・創生期間までの復興施策の総括に関するワーキンググループに加えて、昨年10年の振り返りもさせていただいて、データとか資料としては大分集積できました。今、小林委員が御指摘のように、それをどう活用して、どういう場面で有効利用していただくのかについては、まだ議論をさせていただいております。おそらく、ニーズとか状況が変化していくと思いますので、しっかりと柔軟な体制をつくっていくことが重要だと思います。
 ありがとうございます。
 今、オンラインから2名の委員が手を挙げていただいているのですが、私の不手際で時間が厳しい状況になってございます。後ほど最後のところで時間がありましたらば、御発言をいただきたいと思いますので、山﨑委員、奥野委員、申し訳ありませんが、御了承いただきたいと思います(※)。
 それでは、次に議題3でございますが、非公開でございます。
 また、土屋大臣、高木副大臣、平木副大臣、平沼政務官におかれましては、ここで退席されます。今までの議論を踏まえて、土屋大臣からぜひ一言御発言をいただきたいと思います。
○土屋大臣 本日、皆様のそれぞれの専門のお立場から貴重な御意見をいただき、私自身も非常に感じるところがございまして、今後の復興も含めて、いろいろな施策に取り組んでいければと思っております。
 今村委員長をはじめ「第2期復興・創生期間までの復興施策の総括に関するワーキンググループ」の構成員の皆様におかれましては、地震・津波被災地域等に係る復興施策の総括について、非常に精力的に重点的な御議論の上、報告を取りまとめていただいたことに感謝申し上げます。非常に分かりやすかったと思います。本日の報告をしっかりと受け止めて、今後の具体的な取組について、関係府省庁と連携して検討を進めてまいりたいと考えております。先ほどの一般施策に移行するときの移行の在り方については、前からいろいろな御意見を伺っております。特に3県の知事さんからは、非常にそこら辺の危惧が伝わってきておりまして、これは丁寧に事案ごとにしっかりと考えていかなくてはいけないことだと思っております。
 このワーキンググループでは、今後、原子力災害被災地域における復興施策の総括に向けた議論を行っていただくことと伺っておりますが、現地の声とワーキンググループの構成員の皆様の御知見を併せて、多角的な視点から議論いただくことを期待しております。
 また、奥山委員をはじめとした福島国際研究教育機構ワーキンググループ構成員の皆様におかれましても、F-REIの令和5年度の業務実績評価について、短期間で集中的に御議論いただいたことについて、感謝申し上げるところでございます。F-REIはこれからということだと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 本日、これから主務大臣評価素案や復興推進委員会としての御意見について御審議いただきますが、F-REIが世界に冠たる創造的復興の中核拠点となるためには、復興推進委員会等からの御意見を伺った上で、主務大臣評価をしっかりとまとめてまいりたいと思っております。
 本日、委員の皆様の御意見や3県からの御報告をお聞きして、復興への取組の決意を新たにいたしました。復興庁といたしましては、これからも復興に向けて総力を挙げて取り組んでまいりたいと思っております。
 今後とも、復興施策の推進に当たり、委員の皆様から御助言、御協力を賜りますようお願い申し上げ、私からの御挨拶とさせていただきます。
 本日は誠にありがとうございました。
○今村委員長 土屋大臣、大変ありがとうございました。
 それでは、皆様、退室いただければと思います。
(土屋大臣、高木副大臣、平木副大臣、平沼政務官退室)
○今村委員長 以上をもちまして、ライブ配信は終了となります。
 確認を取りましたらば、議題3に移りたいと思います。

 法人の業務実績評価に係る案件である議事3以降は、福島国際研究教育機構やその関係者の利害に直結する内容であり、公開することにより公平かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがあると認められるため、復興推進委員会運営要領第6条第2項に基づき非公開とした上で、同6条第3項に基づき、議事要旨を掲載。

 議事3の福島国際研究教育機構の令和5年度に係る研究開発等業務の実績等に関する評価について、復興庁及び福島国際研究教育機構ワーキンググループの座長である奥山委員から、資料3-1から資料3-5に基づき、主務大臣評価素案及び復興推進委員会意見素案について説明の上、審議が行われた。

(※)奥野委員、山﨑委員から挙手があったものの、会議時間の制約から、発言時間を確保することできなかった。このため、発言予定であった内容について、委員長から両委員に対して会議後に文面での提出を求めたところ、以下のとおり提出があった。
〇奥野委員
1点目は、各県からの御発表で、ハードウエアは整ってきたけれど、ソフトウェアについては中長期的な支援が必要とされていました。特に、岩手県沿岸部では、心の問題を抱える児童生徒が増えていることも事実です。これは、私が大学で授業を行なっている際、PTSDなどにもふれるのですが、学生は、年長さん、あるいは、小学校1年生の時に震災を経験したけれど、当時はよくわからなかったのに、今になって怖くなってきたと訴える学生が多いのです。スクールカウンセラーの配置などに予算を計上はされていますが、学校教育の中で、こういった現象があることを「防災教育」の一環として伝えておくべきなのではないかと感じています。
2点目は、岩手県と宮城県の視察でも感じたことなのですが、国や行政からの支援のあり方についてです。それは、交付金や予算を計上する際に、ひとつの企業、あるいは、ひとつの産業というように、援助対象を選択するといったことも大切だと思うのですが、地元の企業同士、あるいは、産業同士がどのようにつながれるかに向けた支援が必要だと感じています。つまり、連携の支援です。たとえば、他企業とつながることを前提に予算を計上するなどです。その方が、被災した方々自身の力が引き出せるように感じます。うまく説明できないのですが、大学では、他の国の大学と共同研究をするときに補助金を出すといったことがあるからです。

〇山﨑委員
「地震・津波被災地域等に係る復興施策の総括」について、中で触れていただいていますが、「人口減少の中での復興」をどう考えるかは今後の日本の災害対策として極めて重要な視点だと思います。関東大震災は日本が近代化を進める中での災害で、その後人口が右肩上がりに増えていきました。また阪神・淡路大震災は近代都市が直撃された地震で、神戸市の人口は10年でほぼもとに戻りました。そうした意味では、東日本大震災は多くの自治体が人口減少に直面した初めての大災害で、今後の発生が心配される南海トラフの巨大地震でも、同じような地域がたくさんあり、人口減少の中での復旧や復興は必ず課題になりますし、能登半島地震の被災地は既に人口減少の危機に見舞われています。
 災害が起きてから復旧や復興を初めて話し合うのでは、住民の合意やその後の工事に時間がかかって影響が大きいことも東日本大震災で学びました。そうした観点や反省を踏まえて、総括に「人口減少」は災害が起きる前の防災対策から災害後の復旧・復興を一貫して考える必要があるのではないかと発言しようと思いました。
 そうした議論が既にワーキングの中で行われているかどうかなども委員長にお聞きしたいと思いました。災害対策基本法も災害救助法などの法律も施行された人口が増えていく時代の考え方を大きく引きづっていると思います。

 なお、上記の山﨑委員の指摘に対して、今村委員長から、以下のとおり文面で回答がなされた。
(回答)
 委員御指摘の人口減少社会における復興については、第2期復興・創生期間までの復興施策の総括に関するワーキンググループ第1回会合において「今後、自然災害に対して更に少子高齢化が進んだ状態で立ち向かっていくことも考えれば、事前防災の観点からも、東日本大震災の被災地にいるコーディネーター人材を他の地域と結びつけたりして、全国的に地域の課題解決などを推進していくべきではないか。」という趣旨の発言(※1)が構成員からあり、また、第2回会合の復興庁資料(※2) において、「住まいとまちの復興」に関して、「発災後に事業を計画すると過大となる恐れがあるので、国立社会保障・人口問題研究所等の将来推計に基づいた人口減少等の社会トレンドを踏まえ、まちの将来像を平時から検討するとともに、復興事前準備の取組を進めることが必要であり、国や都道府県が市町村の取組を支えていくべき」という意見を「東日本大震災 復興政策10年間の振り返り ポイント」(令和5年8月復興庁)(※3)から引用して掲載しているところです。会合の中ではそれらの観点を踏まえて御議論いただき、人口減少傾向を踏まえて事前に復興について検討することの重要性についても確認いただいたものと考えております。このような中で、第45回復興推進委員会に報告された地震・津波被災地域等に係る復興施策の総括「4 住まいとまちの復興」P.198(※4)においても、当該意見を改めて掲載しております。
(※1)https://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat7/sub-cat7-2/20240430_gaiyo.pdf
(※2)https://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat7/sub-cat7-2/20240521_01.pdf
(※3)https://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat1/sub-cat1-22/20230829_01_point.pdf
(※4)https://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat7/sub-cat7-2/20240821_05.pdf

(以  上)

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