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福島国際研究教育機構ワーキンググループ(第1回) 議事録

1 日時 令和5年1月27日(金曜日) 12時56分から14時56分まで

2 場所 オンライン及び会議場での併催(中央央合同庁舎第4号館復興庁会議室Ⅲ)

3 議事
 (1) 座長の互選
 (2) ワーキンググループの運営について
 (3) 福島国際研究教育機構の設立準備状況について
 (4) 福島国際研究教育機構の中期目標(案)について
 (5) 今後のスケジュールについて

4 出席構成員(敬称略)
 奥山 修司 福島大学経済経営学類教授
 関 奈央子 ななくさ農園・ななくさナノブルワリー
 高橋真木子 金沢工業大学大学院イノベーションマネジメント研究科教授
 羽生 貴弘 東北大学電気通信研究所所長・教授
 藤沢 烈  一般社団法人RCF代表理事

【復興庁江口参事官】 先生方、御参集いただきまして、大変ありがとうございました。それでは、ただいまから「福島国際研究教育機構ワーキンググループ」第1回会議を開催いたします。
 担当の由良統括官、直前の会議がございまして、到着が遅れてございます。途中からの参加になりますので、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、本ワーキンググループの座長が決まりますまでの間、事務局であります江口のほうで進行を担当いたします。よろしくお願いいたします。


(議題1「座長の互選」は、福島国際研究機構ワーキンググループ運営要領第6項により非公表)

 議事要旨
 互選により、奥山修司氏を座長に選出した。

 

【奥山座長】 互選ということで、座長に選任いただきました福島大学の奥山でございます。親会といいますか、復興推進委員も兼ねておりますので、このワーキングでしっかりと皆様方に協議いただくことが一番大事なことだと思っております。回数は2回ですけれども、濃密にしっかりと協議いただく、これを一番大切に座長の責務を務めてまいりたいと思っております。成案を得まして、私のほうで責任を持って復興推進委員会のほうに報告させていただければと思っております。
 皆様の御協力をお願いして、座長として挨拶させていただきました。よろしくお願いいたします。
 それでは、協議に入る前に、引き続いて復興庁の由良統括官に一言お願いいたします。よろしくお願いいたします。

【復興庁由良統括官】 遅れて参りました、由良でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 このF-REIのワーキンググループ、今回、先生方に御協力いただくことでお力添えいただきます。本当にありがとうございます。復興庁挙げて、今、このF-REIの設立・取組の具体化に取り組んでおります。復興推進委員会、親会議のほうで先生方にワーキングとして組んでいただくということでお願いさせていただきましたけれども、復興推進委員会の議論の骨格をこのワーキングでつくっていただく、あるいは実際に個別の取組について、じっくり御審議いただくという格好でお願いしていくことになろうかと思います。
 まずは、今回、中期目標をしっかりつくっていく、中期計画を認可していくということで段取りを組ませていただきますけれども、先生方のお力添えをいただいて、いい枠組みで進んでいけるように事務方としてもしっかり取り組んでまいりますので、御指導いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【奥山座長】 ありがとうございました。
 議事に入る前に、今日が初回のワーキングになりますので、構成員名簿が配布されていると思います。先ほど簡単に私が挨拶をさせていただきましたので、関構成員から、まず挨拶をお願いいたします。

【関構成員】 福島県二本松市に住んでおります関奈央子と申します。復興推進委員会のメンバーでもあります。
 こちらでは有機農業で農園を営んでおりまして、あと、自宅では発泡酒、ビールも主人と一緒に造っております。福島県に住んでいるということで、本ワーキンググループでは福島県に住んでいる者としての意見ということで、いろいろ考えさせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

【奥山座長】 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 続きまして、構成員名簿の順で、高橋真木子先生からお願いいたします。

【高橋構成員】 ありがとうございます。高橋真木子と申します。
 4年制の東北大の農学部で、それからマスターは別ですけれども、ドクターではもう一度、東北大の工学部で学位を修めました。その後、大学のスタッフとしても2010年まで、11年はいなかったのですけれども、仙台のほうで仕事をいたしました。
 どういう仕事かと申しますと、マスターまではいわゆるウェットな研究、ずっと試験管を振っていたのですけれども、その後はいわゆる企業と連携するような、そのつなぎ役のようなところ、主に学術研究と研究開発の橋渡しの相乗効果を目指してというところで、アカデミアのほうに軸足を置いて仕事をしてまいりました。ですので、職歴としては、法人化した後の東京工業大学と、その後、東北大に一時、その後に理化学研究所におりまして、比較的自然科学の門前の小僧状態です。
 URAという言葉を、経産省あるいは文部科学省の方は聞いたことがあるかもしれませんが、大学において研究と社会を結びつける第一世代としていろいろな仕事をしておりました。中核は、知財やスタートアップ支援、それから産学との研究開発の契約条項なども実務で担っておりますけれども、現在はそれをMBAの方たちに向けて、大学とのつき合い方というところで授業をしております。そういうことで、その辺りの立ち位置、特にいわゆる研究をするときに研究以外の部分が研究場所の魅力にもつながりますし、昨今、いろいろな研究開発投資の効率化にもつながると思いますので、その観点からのコメントをさせていただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

【奥山座長】 ありがとうございました。
 続きまして、羽生さん、お願いいたします。

【羽生構成員】 東北大学電気通信研究所の羽生と申します。
 この第4号館庁舎は、私が、内閣府総合科学技術会議の立ち上げの時期に、2001年から2003年の2年間併任した場所です。何となくつらかった思い出がありますけれども、国の職員の方々が日々夜中まで、大体2時ぐらいまで、非常によくやっていただいているという実感でした。
 今回、お話をいただきまして、ふだん、絶対お会いできない方々とお会いできるのが楽しみな側面だけでなく、福島の復興・再生というのは、私も当日、宮城県にいましたので、まさに一丁目一番地で取り組むべき事項との思いでございます。私も少しでも貢献できればという思いで参加しました。どうぞよろしくお願いいたします。

【奥山座長】 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 続きまして、藤沢さん、お願いいたします。

【藤沢構成員】 一般社団法人RCFの藤沢と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 私、この12年間近く、岩手、宮城、福島の復興に関わる仕事をさせていただいておりました。また、1年半前からは、ふくしま12市町村移住支援センターという、特に浜通り地域に、このために担い手になる方に外から来ていただくという仕事を担わせていただいております。その観点からも、今回のF-REI、地域の期待も大変大きく、また世界的な研究をやっていくということがまずあると思っておりますけれども、同時に、その内容を福島の復興であり、地域にしっかり生かしていくことが大変重要だし、期待されていると承知しております。特に、地域にどう裨益するかという観点でコメントさせていただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【奥山座長】 ありがとうございました。
 この後、議事4のところでしっかりと協議させていただこうと思っておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入ってまいりたいと思います。まず、議事2「ワーキンググループの運営について」ということで、事務局のほうから説明をお願いいたします。

【復興庁江口参事官】 それでは、本ワーキンググループの運営につきまして、資料2を御覧いただきたいと思います。ワーキンググループの運営要領といたしまして、基本的な事項をこちらに定めております。
 特に5ポツでございますが、本ワーキンググループの会議・内容につきましては、非公開とさせていただく案でございます。本ワーキンググループにつきましては、中期目標の策定あるいは変更の際、あるいはF-REIの業務実績評価の際にも意見を伺うということでございますが、本ワーキングにつきましては、親会であります復興推進委員会に先立って開催されるということでございまして、法律的には法定の手続、意見聴取は福島県、そして復興推進委員会、総合科学技術・イノベーション会議ということで順が決まっておりまして、復興推進委員会に先んじて開かれる本ワーキングと、その前後関係で、後段のいわゆる法定手続に支障が生じる可能性があることも考慮いたしまして、非公開を原則とする案でございます。
 併せて、6ポツでございますが、非公開で開催いたしますが、議事録を作成することとしております。議事録、それから議事録に関わる資料につきましても公表でございますが、今ほど申し上げましたように、内容に関しまして、一部あるいは全部が非公表となる場合につきましては、議事録の非公表部分につきまして議事要旨に代えて公表するということで、必要な情報の公表に努めてまいりたいと考えてございます。
 主な点につきましては、以上でございます。よろしくお願いいたします。

【奥山座長】 資料2のワーキンググループの運営要領について、今、事務局からの説明がございました。お気づきの点、また質問等ありましたら、挙手をいただいて構成員の方々から意見をいただきたいと思います。よろしくお願いします。よろしいでしょうか。非公開ということで、後日、議事録をチェックいただいて、その後、公開になるという内容でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、議事3「福島国際研究教育機構の設立準備状況について」ということで、事務局より説明をお願いいたします。

【復興庁江口参事官】 では、引き続きまして、設立の準備状況につきまして事務局から説明させていただきます。今ほど申し上げました公開、非公開という観点で申し上げますと、議事3までが公開、議事1及び議事4からが非公開の内容ということに現時点でなろうかと考えております。
 それでは、設立準備状況について資料3を御覧いただきたいと思います。
 おめくりいただきまして、2ページにこの説明書の内容を目次的に書いております。流れを申し上げますと、昨年の年度末、3月29日に、このF-REIに関する基本構想を定めております。これを軸といたしまして、昨年の通常国会におきまして、福島復興再生特別措置法の改正を審議・成立させていただきまして、その法律の施行。そして、この法律に基づきまして、7月に機構の初代の理事長予定者として山崎先生の指名。それから8月に、法律に基づきます新産業創出等研究開発基本計画。これは、よく研究開発基本計画あるいは基本計画と呼びますが、これを総理大臣決定しております。
 そして9月に、立地につきまして、記載のとおり浜通りの浪江町ということで決定いたしまして、10月に産業界との連携の懇談会。そして、11月に設立の事務を担います設立委員会の立上げ。そして、予算案を決定いたしました後の昨年末の政府の復興推進会議で新たに機構を支える関係閣僚会議の開催について決定したということでございます。また、直近、1月13日に企業さんも含めてお集まりいただきましたネットワークセミナーということで情報発信も始めたところでございます。
 こういった主な内容になっておりますが、次から個別の項目について御説明したいと思います。
 まず、昨年3月29日の基本構想でございます。これがF-REIの基本的なデザインになっております。冒頭2行に基本的な考え方、赤字部分でございますが、福島をはじめ東北の復興を実現するための夢や希望となるものにする。そして、我が国の科学技術力・産業競争力の強化を牽引する。そして、経済成長や国民生活の向上に貢献する、世界に冠たる「創造的復興の中核拠点」を目指すという、これまでの考え方の粋をここに記載しております。
 内容でございますが、機能といたしまして、大きくここに4つ掲げております。研究開発、産業化、人材育成、そして既存の機関を含めた司令塔機能を果たすという位置づけをしております。
 そして、中ほどの組織・運営に関しましては、カッコ1、機構の組織について、1つ目のマルには、理事長のリーダーシップ、分野横断、融合的な研究開発を進めるための幅広いアドバイザーの体制。そして、2つ目のマルとして、50程度の研究グループによる構成といったことを基本構想に描いております。
 そして、カッコ2として人材確保の取組、カッコ3として財源措置について記載がございます。
 そして、下の施設立地につきましては、カッコ1として機構の施設につきましては、新たな整備として敷地10ヘクタール程度を想定するという旨。
 それから、カッコ2、機構の立地といたしましては、避難指示が出ていた地域への立地を基本として進める。そうした基本的な内容がこちらで定められたものでございます。
 この基本構想を踏まえまして提出されました改正法案、続く4ページでございます。福島復興再生特別措置法の一部改正ということでございまして、左側に改正の概要を書いておりますが、大きく2つでございます。
 カッコ1が新産業創出等研究開発基本計画を策定するということで、これが先ほど申し上げた研究開発基本計画あるいは基本計画と称しているものでございます。これを政府が定める。そして、この計画において、新たに設置するF-REIがその中核的な役割を担うという位置づけ、体系にしております。
 そして、大きな2つ目として、機構自体の設立に関する規定を設けております。ここに主務大臣の規定、あるいは中期目標・中期計画の規定なども定めている形となっております。
 右側の機構の業務につきましては、先ほどの4つの機能を記載しております。
 それから、機構の特徴につきましては、司令塔機能あるいは処遇あるいは民間活力、情報・データ収集といった特徴を記載しております。
 5ページでございますが、この法律に基づく基本計画でございます。以降3枚にわたって基本計画の概要でございますが、1枚目につきましては、この基本計画の前提といたしまして、我が国の現状に関する記載がございます。我が国の現状を踏まえてF-REIを位置づけるということでございます。
 そして、2つ目の枠に、このF-REIを福島において動かしていくことの意義、位置づけということで書いてございます。3つ目のマルにありますように、福島における大きな課題の解決を目指す。さらには、それらを強みとなる領域に転換して開拓していく。そうしたことに広く取り組んで普及していくことで、日本・世界に共通する課題解決につなげていくということ。この取組を、まさに現状を踏まえた新しい日本をつくることに資するプロジェクトとして推進していくとしております。
 次に、この計画において新たに設置する機構がその中核的役割を担うために行う取組ということで、幾つか見出しがつけてありますが、まず、国によるリーダーシップでございます。1つ目の矢羽根に、省庁の縦割りを排して政府一丸となって推進するということ。あるいは、3つ目の矢羽根に、復興財源についても活用しながら進めていく。
 2つ目、中長期の研究開発を支援する体制整備ということで、1つ目の矢羽根には、予算単年度主義の弊害なども排しながら、長期・安定的な財源確保に努めてまいるということ。
 それから、3つ目、実証や社会実装の推進ということで、1つ目、産業構造や社会システムの転換につながるようなイノベーションを起こしていくこと。そして、2つ目に、福島にしかない多様な実証フィールドの環境を最大限に活用すること。
 そして、4つ目ですが、研究人材の確保・育成につきましては、1つ目、柔軟な給与等の水準の設定、あるいは充実した研究環境、若手や女性などといったこと。2つ目として、連携大学院制度の活用といったことを記載しております。
 一番下でございますが、こうした取組を通じて、研究者や起業家を浜通りに集結させていく。そして、イノベーションの創出が自律的に加速するような環境の形成を目指す。それに伴って、新しい時代をつくるような環境を福島の地に創出していくという考え方になっております。
 6ページ、基本計画の概要の2つ目につきまして、上段は、こうした施策推進のための方針ということで、主な取組が書いております。官民の資源集中を推進するということ。
 そして、2つ目、機構のそうした機能発揮のための基盤構築として、1つ目の矢羽根ですが、まちづくりとの緊密な連携を進めていくこと。2つ目は、規制緩和を推進していくこと。3つ目、研究環境の整備、外部利用の推進。4つ目は、世界から優秀な研究者が参画できるような環境整備ということに努めるとしております。
 機構の機能につきましては、先ほど申し上げた4つの機能を改めて整理しております。
 そして、最後ですが、基本計画の3枚目、7ページにつきましては、研究開発基本計画で、研究開発の内容につきまして大きく5分野について整理しております。それぞれの分野、ロボット、農林水産業等々の基本的な考え方。それから、個々の研究開発の内容につきましても、概括的にこの基本計画で記載しております。それぞれの説明については割愛いたしますが、おおむねこうした構想になっております。
 続いて、8ページ、先ほど申し上げました、この機構、F-REIの理事長予定者の指名でございまして、記載の山崎光悦 前金沢大学長を指名いたしております。
 一番下に指名理由として、先ほど来の法律あるいは構想で記載のあった要件に該当する旨を記載しております。
 そして、9ページ、立地の関係でございます。9月に政府として立地を決めております。
 左側が立地の決定でございまして、記載のとおり、浪江町ということでございます。
 同時に、立地に関して、2ポツでございますが、この立地箇所にとどまらず、国・機構については、関係機関と連携し、F-REIの効果を広域的に発揮するように取り組んでいくということも併せて決定しております。
 右側、機構の略称について、この時点でF-REIと、ここの記載の名称を決定しております。
 10ページでございます。決定しました立地予定地の概況ということで、左側の予定地が川添地区。そして、隣接する赤で囲った既に整備済みの物件がございまして、こちらを仮事務所とするということで、地区名で申し上げると権現堂地区の施設ということになっております。そのすぐ隣に浪江駅があるという、大変利便性の高い土地の確保ができたというところでございます。
 11ページにつきましては、この決定に際して、先ほど申し上げた広域的な波及の取組ということで説明している資料でございまして、下に幾つかイメージ例が示されてありますように、研究から地域を活用した実装まで目指して広域的に取り組むということでございます。
 上の4つ目に赤い項目がございますが、こうした取組を通じて、施設の中にとどまることなく、施設の外も含めて、様々な地域で実証等を推進していく。そのことで地域全体を国際的に情報発信していくことが大事だと考えております。
 資料12ページ、年末の令和5年度、来年度の予算の概算決定の資料でございます。F-REIの初年度につきまして146億円を計上してございます。
 右側に内容を書いてございますが、内訳として法人の運営、いわゆる人件費や事務費に17億円。そして、中核的な事業であります研究開発等の事業につきまして126億円。そして、施設関連、初年度、令和5年度につきましては、施設整備の前段となります整備・調査関係ということで、数字としては3億円となってございます。
 中核事業となります研究開発等の126億円につきまして、次の13ページに先ほどの5分野に沿って記載してございます。ロボット分野の先ほどのテーマの内容から、5年度に実施する内容をこちらに記載しております。以下同様に、農林水産業、エネルギー、放射線科学・創薬医療、放射線産業利用。そして、5番目の分野として原子力災害に関するデータや知見の集積・発信分野ということで、ここは自然科学と社会科学の両方が含まれますが、こちらに9.0億円ということで、5年度の取組内容を記載しております。
 説明の最後になりますが、御審議いただきます中期目標、中期計画の関係でございます。これまで申し上げてきました準備を踏まえまして、今後、F-REIが来春成立されて運営を始めるわけでございますが、その指針となる中期目標、中期計画につきまして、法律の記載をここに書いております。
 4項に、中期目標について、あらかじめ復興推進委員会等の意見を聞く。
 そして、5項に、前項の意見を聴く際に、あらかじめ福島県知事の意見を聴くということで、この順番が定められているということで、冒頭説明したところでございます。
 第1期の中期目標期間につきましては、7年間ということで、その間のロードマップのイメージが最後の資料でございます。5年度春に設立いたしまして、足かけ7年間の中期計画ということで、先ほど申し上げました予算の単年度主義の打破の一環として、中長期的な研究のプラン、規模感ということも含めて、この第1期中期計画の7年間のまとまりとして、1,000億円程度の事業規模を確保するということを併せて定めております。
 かつ、50PI、研究代表者の獲得・確保に向けまして順次進めていくということにしておりますが、予算の考え方としては、このPIの確保の推移にかかわらず、福島に関係する研究内容を実施していく考え方から、外部委託による研究実施も含めて、初年度から研究費を先ほど申し上げた120億円程度ということで進めていくという考え方でございます。
 施設整備につきましては、これから施設の用地を踏まえた基本計画。そして、先ほど申し上げた、5年度につきましては基本的な調査でございまして、それを踏まえて、まず設計、そして用地の取得、そして建設工事を進めていって、この第1期あるいは復興庁設置期間である2030年(令和12年度)までの順次、施設の供用開始を目指して進めていくということにしております。
 最後が、縷々御説明申し上げました機構についての内容を1枚にまとめた資料でございます。設立準備関係については、以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

【奥山座長】 資料3を御説明いただきました。質問、確認も含めまして、構成員の方から意見等、頂戴できればと思っております。挙手していただいて御発言をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。よろしいですか。この後、各人の御意見を頂戴するところで触れていただいても構いませんので、後からということでお願いできればと思います。
 では、高橋さん。

【高橋構成員】 幾つか確認的なことをさせてください。
 まず、最後におっしゃった15ページ、箱としての場所がインフラとしてできるのがいつぐらいでしょうか。

【復興庁江口参事官】 下の段の1行目に書いてあります。復興設置期間内での順次供用開始ということで、まだ基本設計ができていませんので、完成年度も明確にはしておりませんが、ひとつの目標年度として復興庁の設置期間。これは、復興特会の設置期間と同一になっていますので、これが先ほど申し上げました令和12年度、震災後20年ということでありますので、ここまでの順次供用開始を目指すことで考えております。一つ一つの施設の整備スケジュールについては、まだありません。

【高橋構成員】 そうすると、今の我々のお仕事としては、いわゆる指標だと思うので、研究開発をする場所というのは、この写真を見せていただいたところにある施設が10年後にできるのですか。10ページ目。

【復興庁江口参事官】 10ページ目の広大な施設予定地にF-REIの本施設の整備が完成するのは、今から約8年ということでございます。

【高橋構成員】 そうすると、文科省さんや経産省さんのいわゆるR&D関係の事業というのは、たまにこういうのも拝見しているのですけれども、15ページ目では、当面は外部委託等による研究実施で、その後にリアルにPIを直接雇用・クロアポで確保していくというステップが書かれていて、一方で、13ページ目には、5分野に対しての予算がそれなりに、しかも今年度からついているということですけれどもね。そうするとまずは、この外部委託等によって、この予算の枠内でいろいろな場所にいる当該研究分野の方たちに実施していただくという立てつけですか。

【復興庁江口参事官】 おっしゃるとおりです。初年度については、自前のPIがこれからステップを踏んでいきますので、初年度の執行というのは、外部に所属する先生方に将来、福島のF-REIの研究の一部になるという前提で研究をスタートしていく。現状は他機関への委託になります。委託ですので、この予算執行の主体はF-REIになるわけでして、F-REIの事業を外部のリソースに委託するということになります。

【高橋構成員】 いわゆるスタートアップで国の研究開発の強化、ひいては復興、経済成長等に資するというのは、ある種いろいろなパブリックマネーではよく見るキーワードだと思うのですけれども、最初は外部委託ということで、ほかの省庁が行っているような各種の事業と比較的似た受け止められ方をする可能性があるということですか。物理的にもないですし、雇用されている人がいるわけでもなく、そんなイメージ。

【復興庁江口参事官】 ごく初期はそうなります。今、事務方で準備していて、あそこの写真にありました現地の仮事務所も、来春に事務方の事務施設になります。研究施設ではありませんので、研究自体はほかの現場に。
 先ほど計上した金額を執行していくことになりますので、ある種ファンディング機関みたいな感じになっていますが、ファンディング機関と違うのは、ただファンディングだけじゃなくて、全てはF-REIの将来の今、申し上げた研究テーマの元になるものを見つけてきて委託していくということですので、それらは環境と施設整備のスケジュールによりますけれども、将来的にはF-REIの内部研究になるという前提で進めていくものを集めていく。ずっと現地であるものに提供を続けるというのではなくて、あくまでF-REIの一部になっていくものを見つけて、外部のリソースに委託していく。最初はそういう体制になります。
 1つは、先ほどあまり説明できませんでしたが、既存施設が浜通りに幾つかございます。ロボットテストフィールドしかり、JAEAさんの廃炉研究施設もございます。そういったところとの連携で、浪江町の施設整備ができるまでの間については、完全な外部委託と、あるいは近隣の施設にF-REIがスペースを借りて、そこを人員としても場所としても自前化していくということをつなぎながら、浪江町の施設整備の間の研究を実施していくということになると思います。

【高橋構成員】 すみません、あと細かい点、2点だけ申し上げていいですか。

【奥山座長】 どうぞ。

【高橋構成員】 そうすると、主に学術研究でなくて、いわゆる産業界を巻き込んでということは、当面、短期のお話ではあまり考えなくていいということですか。

【復興庁江口参事官】 委託する研究先でやっていけるようにやっていくというのはあると思います。何もないところではできないので、委託する先で。

【高橋構成員】 分かりました。
 最後です。4ページ目で協議会ということをおっしゃっていたと思うのですけれども、これは既に設置されているのでしょうか。後半のところで協議会とともにいろいろなことを決めていく、そんな書きぶりだったと思うのですけれどもね。

【復興庁江口参事官】 F-REIが来春に設置されましたら、F-REIが設置されて以降、協議会を設置・運営していくことになりますので、今、足元はなくてF-REI設置後になります。まさに今日、準備会合をやっていますが、そのための事前の準備を年度内に進めておりまして、県・地元市町村・関係大学を含めて、協議会が来春以降、早期に発足できるように準備しております。

【高橋構成員】 協議会の立てつけは理解できたのですけれども、このアジェンダについてどのぐらいの影響があるのかというところについて伺いたいのです。通常の大学において、そういう外部評価やアドバイザリーボード等はどんな組織にもあると思うのですが、それらと類似の組織機能と思えばいいのか、もう少しF-REIの特殊性を鑑みて、この協議会というのにかなり機能を持たせるのか。後半の御説明がどうとも読める感じなのですけれども、今はあまり気にしなくていいのですか。

【復興庁江口参事官】 この協議会については、すみません、単独の資料が中に含まれておりませんでしたが、6ページのカッコ4に書いてありますが、協議会の基本的な役割は、F-REIに関するというよりも、F-REIを中心として、福島県内のこれまでの復興事業あるいはイノベーション・コースト構想などに基づいて整備されてきた既存の研究施設等との連携を、この協議会に参画することによって果たしていこう。その中核をF-REIが果たしていこうということで、外部との関係を強化するような機関というイメージであります。
 なので、この協議会は、F-REI単独で設ける評議委員会とか、そういう位置づけというよりも、外部の機関を多く巻き込んで構成して、この協議会を構成すべき関係機関全体で福島全体の研究環境あるいは研究体制を強化していこうという外向き機関です。関連する機関を集めるという形です。

【高橋構成員】 ありがとうございます。まずは理解いたしました。

 

(議題4「福島国際研究教育機構の中期目標(案)について」及び議題5「今後のスケジュールについて」は、福島国際研究機構ワーキンググループ運営要領第6項により非公表)

議事要旨
 復興庁から資料4及び5に基づき、福島国際研究教育機構の中期目標(案)について説明があり、これを受けて意見交換を行った。出席者から出た主な意見は以下のとおり。

・より地域との連携・協働を重視する記述を充実させるべき。産業化においては県内企業が参画できることを強調してはどうか。また、F-REIの組織としても地域連携に取り組む組織が必要。人材育成について、学校段階だけでなく、地域・企業等で復興に関わる現役世代への教育機会提供も盛り込むべき。
・研究開発5分野のうち「原子力災害に関するデータや知見の集積・発信」が筆頭に来るべき存在のものである。今回の原子力災害が与えた影響や地域の復興に向けた貢献に関する研究開発について、充実した記載にすべき。
・地元・福島大学はアグロフォレストリーなどでF-REIに貢献したい意向がある。このように、地元の要望・強みを活かしていくことができることを中期目標に明記して欲しい。
・人材育成について、学校段階の児童生徒を早い段階から招き入れていくため教育プログラム開発を進めることが必要。
・アウトリーチ・広報の取組を重視し、それに取り組む組織が必要。一般的な中期目標・計画でなく、工夫した評価軸が重要。評価疲れも懸念する。
・F-REIが示す5分野はさほどユニークさは無く、他機関との人材獲得競争も激しい。F-REIの求心力を高めるため、福島復興に加え、国のイシューとキチンと連携した研究開発事業とすべき。
・縦割り排除については、復興庁・内閣府がしっかり束ねて推進すべき。
・研究して終わりでなく、福島にどのように還元されたかを感じられる仕組みを講じる必要がある。
・縦割り排除を謳っているが、そのように見えない。何をもって縦割りを排するのか。 「産業化」の定義がGDPの増加であるならば、どのようにしてそれを達成するのか。(これまでの研究機関と何が違うのか?)
・F-REIに関し、福島県が主体的・専門的に関わり情報提供等に努めるべき。そうした営み(地域の協働)が外部から学生・生徒を福島に呼び入れ、福島にしかできない人材育成を可能にする。

 また、復興庁から資料6に基づき、今後のスケジュールについて説明があった。

 

【奥山座長】 それでは、以上をもちまして、第1回目のワーキングの会議を終了したいと思います。御協力いただきまして、ありがとうございました。

<以上>

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