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第201回国会における田中復興大臣所信表明(令和2年3月11日、参議院)

第二百一回国会
参議院 東日本大震災復興特別委員会における田中復興大臣所信表明
(令和二年三月十一日)

復興大臣及び福島原発事故再生総括担当大臣を拝命しております、田中和德であります。
 所信表明に先立ち、一言申し上げます。

東日本大震災の発災、そして東京電力福島第一原子力発電所の事故から、丸九年となりました。

震災によって亡くなられた方々に改めて心から哀悼の意を表しますとともに、遺族の方々や、今なお避難生活を続けておられる方々に、心からのお見舞いを申し上げる次第でございます。

東日本大震災復興特別委員会の開催に当たり、復興大臣として所信を申し上げます。  未曾有の大災害である、この震災や原子力災害からの復興には、多くの困難が伴うと同時に、長期にわたっての取組も必要となります。安倍内閣では、「東北の復興なくして日本の再生なし」との強い決意のもと、復興の加速化を内閣の最重要課題の一つとして位置付け、政府を挙げて、被災地の復旧・復興に取り組んでまいりました。

その成果もあり、地震・津波被災地域では、住まいの復興やインフラ整備が順調に進み、復興への総仕上げの段階を迎えております。

また、福島における原子力災害被災地域でも、今月には、常磐線の全線開通に加え、双葉町、大熊町、富岡町の特定復興再生拠点区域の一部において、帰還困難区域としては、初めてとなる避難指示解除が行われるなど、復興・再生に向けた動きが本格的に始まっております。

一方、長期にわたり、いまだ不自由な生活を送られておられる方々もいらっしゃいます。発災から時間が経過し、被災者の方々や被災地の置かれた状況が多様化する中で、被災者に寄り添い、地域の実情に応じて、きめ細かい対応をしていく必要があります。

本年は、まず、復興・創生期間の最終年度として、期間内の取組を着実に進めます。また、この夏に迫っております東京オリンピック・パラリンピック競技大会を復興五輪として成功させるため、全力を尽くします。更に、復興・創生期間後に向けて、所要の準備を確実に進めてまいります。

まず、復興・創生期間内における具体的な取組について申し上げます。

避難生活の長期化に伴う見守り、心身のケア、住宅や生活の再建に向けた相談支援、生きがいづくりへの支援、災害公営住宅等でのコミュニティ形成など、生活再建のステージに応じた切れ目のない支援を行ってまいります。

住まいの確保については、災害公営住宅や宅地の整備がおおむね完了しており、岩手県や宮城県においては、復興・創生期間中に仮設生活を解消できるよう、しっかりと取り組んでまいります。

また、二〇二〇年度までに復興道路・復興支援道路が完成予定となっております。被災地の経済発展の基盤となる交通物流網の整備を着実に進めてまいります。

産業・生業の再生については、企業の新規立地、商業施設の整備、販路の開拓や人材の確保等の支援のほか、震災支援機構の支援先事業者の経営強化などにも、引き続き力を注いでまいります。

観光については、二〇一九年の東北六県の外国人延べ宿泊者数が約百五十六万人泊となり、震災前の約三倍になっています。引き続き、東北の魅力の発信強化や地域が行う訪日外国人旅行者を呼び込むための取組等への支援を進めてまいります。

福島については、避難指示が解除された地域において、医療・介護、買い物環境、教育等の生活環境整備を進めるとともに、除染に伴い発生した除去土壌や廃棄物の中間貯蔵に係る事業を引き続き進めてまいります。

帰還困難区域においては、「たとえ長い年月を要するとしても、将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除し、復興・再生に責任を持って取り組む」との決意の下、六町村の特定復興再生拠点区域について、引き続き、避難指示の解除に向けて、除染やインフラの復旧・整備等を着実に進めます。

浜通り地域等において、新たな産業基盤の構築を目指す「福島イノベーション・コースト構想」を推進いたします。今月には「福島水素エネルギー研究フィールド」が開所し、この春にも「福島ロボットテストフィールド」が全面開所するなど、構想実現の核となる拠点の整備が進んでおります。産学官連携による魅力ある浜通り地域を創出するため、国内外の人材が結集する国際教育研究拠点の構築について、有識者会議による検討を進め、本年夏頃を目途に取りまとめを行い、政府としても本年内を目途に成案を得てまいります。また、事業再開の支援、営農再開の加速化、森林整備、漁業の本格的な操業再開等、産業・生業の再生を図ります。

加えて、今もなお続く風評の払拭が課題であることから、復興が進む福島の姿や食品の安全性、放射線に関する正しい知識などについてのわかりやすい情報発信や、被災地産品の販路拡大、輸入規制の撤廃・緩和等に向けた諸外国・地域への働きかけ等を積極的に行ってまいります。

この夏に控える東京大会においては、被災地での競技開催や聖火リレーの実施等の取組が予定されています。世界中から寄せられた支援に対する感謝と、被災地の復興しつつある姿や魅力を国内外に積極的に発信するなど、「復興五輪」としての取組を進めます。

また、「新しい東北」の創造に資する観点から、人口減少等の地域課題の解決に向け、企業・大学・NPO等の多様な主体の連携を促進するとともに、意欲的な取組の成果などを 普及・展開してまいります。

昨年十二月に、「復興・創生期間後の基本方針」を閣議決定いたしました。この基本方針において、地震・津波被災地域では、心のケア等の被災者支援を始めとする残された課題に全力で取り組むとともに、原子力災害被災地域では、帰還に向けた生活環境の整備に加え、新たな住民の移住の促進、福島イノベーション・コースト構想の推進、風評の払拭などについて、復興・創生期間後も中長期的に対応することとしています。

こうした課題を踏まえ、政治の責任とリーダーシップの下で東日本大震災からの復興を成し遂げるため、復興庁を十年間延長するとともに、福島の復興・再生に向けた施策を強化することとし、今国会に復興庁設置法等を改正する法律案を提出したところでございますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。また、この基本方針において、今後五年間の事業規模と財源の見込みをお示ししたところであり、引き続き、精査した上で、本年夏頃を目途に新たな「復興財源フレーム」を定めてまいります。

本年は、復興期間の節目となる重要な年になります。「被災地の生活を守り、発展させる」ため、復興大臣として、現場主義を徹底し、被災者に寄り添うとともに、関係自治体と緊密に連携しながら、復興の司令塔としての役割をしっかり果たし、引き続き、東日本大震災からの復興に全力で取り組んでまいります。

青木委員長を始め、理事及び委員各位の御理解と御教導をよろしくお願い申し上げ、所信とさせていただきます。ありがとうございました。

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