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第192回国会(臨時会)における髙木復興大臣発言(平成28年10月27日)

第百九十二回国会
衆議院 東日本大震災復興特別委員会における今村復興大臣発言
(平成二十八年十月二十七日)

 復興大臣を拝命しております、今村雅弘です。
 東日本大震災復興特別委員会の開催に当たり、一言御挨拶を申し上げます。
 
 東日本大震災から、五年七か月が経過しました。
 これまでの取組の結果、地震・津波被災地域では、インフラの復旧はほぼ終了し、住まいの再建や生業(なりわい)の再生も一歩ずつ進展しております。
 また、福島においても、順次避難指示の解除が行われており、帰還困難区域以外における来年三月までの避難指示解除に向けて、環境整備を進めております。
 一方、避難者の数は、四十七万人から十四万人に減少しましたが、いまだ多くの方々が不自由な生活を余儀なくされております。被災者の方々一人一人の置かれた状況を踏まえ、きめ細やかに対応していく必要があります。

 今年度は、後期五か年である「復興・創生期間」の初年度であります。新たな五か年は、地震・津波被災地域の復興の「総仕上げ」、福島の「本格的な復興」に向けたステージであります。
 安倍内閣では、「復興・創生期間」においても、復興の加速化を内閣の最重要課題の一つとして位置付け、政府を挙げて、取り組んでまいります。

 次に具体的な取組について申し上げます。
 避難生活の長期化に伴う見守りや心身のケアに加え、災害公営住宅等への移転後も安心して生活できるよう、新しいコミュニティ形成の取組など、生活再建のステージに応じた切れ目ない支援を行ってまいります。
 また、人と人とのつながりをつくり、生きがいを持って暮らしていただくための「心の復興」にも力を入れてまいります。

 ピークを迎えている住宅再建も、しっかりと進めてまいります。
 高台移転と災害公営住宅は、平成二十八年度末までに八割で完成、平成二十九年度末で九割が完成する見込みとなっております。
 被災地の方々に、一日でも早く、安心できる住まいに移っていただけるよう、県や市町村をきめ細かく支援してまいります。
 また、被災地の経済発展の基盤となる復興道路・復興支援道路の整備等を引き続き進めてまいります。

 まちの賑わいや生活を再建するためには、住宅再建とあわせて、産業や生業(なりわい)の再生に、さらに力を入れる必要があります。
 このため、商業施設の整備、企業の新規立地、新規事業への進出や販路の開拓等の支援、併せて農林水産物をはじめとする風評被害の払しょくに向けた取組等に、より一層力を注いでまいります。

 観光は、地域産業全体に影響を与える裾野の広い産業であり、風化防止、風評被害の払しょくにも大きな効果が期待できます。このため、本年を「東北観光復興元年」と位置付け、教育旅行を含めた国内観光振興に加え、地域からの発案によるインバウンドを呼び込むための取組を支援するなど、観光復興の取組を強化してまいります。

 これまでに、帰還困難区域を除き、田村市(たむらし)、川内村(かわうちむら)、楢葉町(ならはまち)、葛尾村(かつらおむら)、南相馬市(みなみそうまし)において避難指示が解除されるなど、福島の復興・再生に向けた動きは着実に進展しております。
 一方、帰還困難区域については、本年八月末に、その取扱いに関する政府方針が決定されました。この方針に基づき具体策を検討し、関係法案や必要な予算等の措置に向けた作業を進め、帰還困難区域の一日も早い復興を目指して取り組んでまいります。
 福島の復興・再生を加速させるため、除染や中間貯蔵施設の整備を進めるとともに、インフラや、教育、医療・介護などの生活環境の整備を進めます。また、国内外の人材を惹きつけるような新しい産業を育て、雇用の場を創ってまいります。
 福島の復興・再生は中長期的対応が必要であり、引き続き、国が前面に立って、関係省庁と密に連携して、全力で取り組んでまいります。

 また、被災地は、震災前から人口減少、高齢化等の課題を抱えております。こうした地域課題を解決し、魅力あふれる地域を創造していくため、これまでの復興の取組を通じて得られた経験や教訓を活かしつつ、先進的な取組を被災地において普及・展開することを通じ、「新しい東北」の創造に取り組んでまいります。
 さらに、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会については、復興を成し遂げた姿を世界に発信する意味でも意義深いことと考えております。
 被災地での競技開催、聖火リレーや事前キャンプの実施など、被災地と連携した取組を行うことにより、被災された方々を元気づけ、復興の後押しにもつながるよう、「復興五輪」の取組も進めてまいります。

 私は、就任以来、精力的に被災地を視察し、被災者の方々と意見交換や交流をさせていただきました。復興のステージの進展に応じて新たな課題が出てくることを承知しつつ、これからの復興・再生には何よりも地域の皆様の知恵と情熱と行動がその大きなエネルギーであると実感しております。引き続き、現場主義に徹して被災地の意見をよく伺い、被災者に寄り添いつつ、復興の司令塔としての機能をしっかり果たしながら、復興をさらに加速化させてまいります。
 吉野委員長を始め、理事及び委員各位の御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。
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