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根本復興大臣の会見[平成25年4月9日]

根本復興大臣記者会見録(平成25年4月9日(火)11:00~11:10 於)復興庁記者会見室)

1.冒頭発言
 私の方から、今日は1件、お話をさせていただきます。住宅再建・復興まちづくりの加速化措置(第二弾)についてです。
 3月7日に住宅再建・復興まちづくりの加速化に向けた施策パッケージを公表いたしました。今回、総理の指示を受け、更なる復興の加速化に向けて、第二弾として、手続の簡素化などの追加的な措置を「住宅再建・復興まちづくりの加速化のためのタスクフォース」において取りまとめました。

住宅や復興まちづくり事業の着工段階を迎え、現場で所有者の所在不明等による用地取得が困難な場合などに、速やかな対応がとれるように、手続面での簡素化・迅速化を図ることを中心に取りまとめました。
 幾つかのポイントを申し上げたいと思います。
 1点目は、事業計画変更の簡素化による防災集団移転のスピードアップです。具体的には、一部の土地取得が困難な場合に、これを計画対象から外して、事業を迅速に実施するため、簡単に事業計画を変更できるように手続を簡素化いたしました。
 2点目は、事業認定や収用裁決の手続の効率化による土地収用の迅速化です。例えばモデルケースの釜石市片岸海岸の防潮堤事業で、早い段階から事業認定庁に相談することにより、申請準備において、岩手県が1~2年程度要すると懸念していた申請書の作成を申請書案の持ち込み後、約1カ月で概成いたしました。
 3点目は、家庭裁判所と連携した所有者不明土地等の迅速化です。具体的には、家裁の支部に窓口を設置して、書記官等の人員も約25人増配置をして、ノウハウのない市町村が財産管理制度を活用できる体制を整備いたします。
 4点目は、造成工事等の早期着手に向けた工夫により着工までの期間を短縮。具体的には、防災集団移転事業で、埋蔵文化財調査が並行実施できることを明示いたしました。
 私が今申し上げた4つのポイント以外にも、具体的な手続の簡素化・迅速化を盛り込みましたが、これらの取組については、必要事項を通知等により地方自治体等へ周知徹底した上で、着実に実施していきたいと思います。
 また、発注の際の建設労働者の単価について、被災3県で、対前年度約21%引き上げました。これは、被災地等の入札不調の防止や、建設労働市場の実勢価格を適切に反映したものであります。
 今後とも復興事業を加速化し、被災者の方々が一日も早く安心して暮らせるように、事業の進展や社会状況の変化に伴い生じる課題などへ柔軟かつ迅速に対応していきたいと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答
(問)今の住宅再建・復興まちづくりの加速化措置ということで発表されましたけれども、なぜ今このような加速化が必要なのかという点について、被災地の現状を含めて、改めてそのねらいについてお伺いします。
(答)前回、第一弾を取りまとめました。それによって復旧事業がいよいよ本格化し、住宅や復興まちづくりの事業の着工段階を迎えてまいります。現地では、権利調整の不調あるいは所有者の不明などにより、土地取得が困難となるケースが増えると懸念されますので、前回の第一弾の政策パッケージに続いて、事業もいろいろな内容がありますから、早期に通常の手順や手続を見直して、円滑な事業の推進に向けて思い切った方策を検討して、今回、特に用地取得に関する手続の簡素化を重点に、第二弾を取りまとめたところです。これによって、それぞれの住宅再建やまちづくりのスピードアップを図る具体的な手だてが講じられたと思います。

(問)現に東北、例えば岩手県などからも、こういった用地取得の手続を簡素化し、急いでほしいというような要望もありましたけれども、そういったことも背景にあるというふうに考えていいですか。
(答)当然あります。私も被災地を何度も訪ねていますが、そこで出てくるのは、用地取得に非常に時間がかかる。あるいは埋蔵文化財調査に時間がかかる。用地取得の困難な課題があるというところは私もたびたび要請を受けておりますので、それらを受けて具体的に、いかなる制度運用を改善すればスムーズに、迅速に進むのか、そういう視点で今回は、事業上の隘路、問題点、これを乗り越えていくための対策を具体的に取りまとめました。
 特に今回、法務省から裁判所に具体的に要請して、地方裁判所で相談窓口を決めるとか、あるいは書記官の方を増員するとか、例えば財産管理制度というのは、それぞれの市町村で余り利用した経験がない方々もおられますから、丁寧に財産管理制度が運用できるような手だてを講じてもらいますので、かなりこれは効果が出てくるのではないかと思います。
 それぞれの段階で、どこが課題、問題になるのか、それを、関係省庁総力を挙げて具体的な深掘りをするようにということでやってきましたので、被災地の要望に応えた対策が打ち出すことができたと思います。

(問)今の質問に関連してなのですけれども、岩手県の方から、こういった今回公表されたような既存の制度を柔軟に運用するという形ではなくて、権限をいったん市町村に移して管理して、というような新しい制度の創設みたいなものも訴えてこられたということです。今回、そういった対策を取り上げられなかったのは、どういった理由があるのでしょうか。
(答)その点については、また改めてお話をしたいと思いますが、その話は私も、制度化が可能かどうか、検討しました。
 検討したけれども、要は、この話を進めていくと、やはり財産管理制度の問題に行き着くのです。例えば市町村が財産管理人になるというような話になるのですが、これは、例えば市町村が、そういう問題あったときに、財産管理人というのは最後までずっと管理しなければいけないので、果たしてそこは市町村が対応できるかという実務上の問題もありますし、あるいは、制度上は可能だと思いますが、利益相反にならないかとか、実はさまざまな課題があるのです。だから、それは市町村が財産管理人になった場合に、市町村にとってそれはどういう制度になるのか。そこは少し詰めて議論しましたが、むしろ今の財産管理制度を法律的に運用した方が市町村にとってもスムーズに対応できるのではないか。ということで今回、具体的な制度の運用の丁寧な改善を行ったということです。
 その問題も、恐らくこの議論をしていくと、例えば個人の財産権に対して踏み込むことになるから、土地収用手続というのはかなりきめ細かな仕掛けをつくっているのです。だから、土地収用もかなり時間がかかるような手続になるので、それを超えて市町村が個人の財産権の管理権あるいは処分権を取得するとなると、法律上は結構いろいろなプロセス、手続が必要になってくるのではないかと、私は個人的に思いました。
 ただ、そういう要請もあるので、これは制度上、どういう対応になり得るのか、これは整理して、お示しをしていきたいと思います。

(問)今回の内容とは関連はないのですが、原発事故の父子・母子避難に伴う高速道路料金の無料化がゴールデンウイークに間に合わないということに、今はそういう状況になっているのですけれども、復興庁としての対応をお伺いしたいと思います。
(答)これはゴールデンウイークに間に合うように、今、国土交通省をはじめ関係地方公共団体とスケジュールなどの最終的な調整を行っています。

(以    上)

 

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