復興庁復興庁
  • 文字サイズ
メニュー
閉じる

根本復興大臣の会見[平成25年1月29日]

根本復興大臣記者会見録(平成25年1月29日(火)16:48~17:03 於)復興庁記者会見室)

1.冒頭発言
 私のほうから2点お話をします。

 第1点目は、平成25年度東日本大震災復興特別会計予算及び復興予算フレームの見直しについてです。
 お手元に配布した資料のとおり、本日の臨時閣議において、平成25年度東日本大震災復興特別会計予算が決定されました。
今回の本予算の編成に当たっては、復興庁が司令塔となって、復興の加速化に資するよう、本格的な予算を編成する。福島を含む被災地全体の諸課題について、諸制度の隙間を埋め、機動的に対応する。国が前面に立って福島の深刻な諸課題に対応できるよう事業制度を創設する、という基本的考え方のもとに作業を行いました。
 その結果、東日本大震災復興特別会計全体の予算額は約4.4兆円となり、今年度の3.8兆円から大幅な増額となりました。
 主な新規事業としては、受け入れ市町村における長期避難者向けの災害公営住宅やインフラの整備や、子育て世帯の福島への定住を支援するための二つの新たな交付金として、「長期避難者生活拠点形成交付金」503億円及び「福島定住緊急支援交付金」100億円を創設ました。
 また、復興庁の司令塔機能の強化の観点から、復興大臣の裁量により、事業費の追加や新たなニーズに機動的に対応し、かつ、諸制度の隙間を埋め、復興に関する調査・企画の委託を弾力的に実施していくことができるよう、「復興加速化・福島再生予備費」6,000億円及び「東日本大震災復興推進調整費」100億円を計上しました。
 このように、25年度予算においては、新たな事業の創設も含め、復興の加速化に資するよう必要な予算を計上しました。
 先に閣議決定した24年度の補正予算とあわせて、一日も早く予算を成立させていただき、被災地の復興の加速化を図ってまいりたいと思います。
 次に、本日、午前の復興推進会議において決定された、復興予算フレームの見直しについて説明させていただきます。
 お手元に配布した本日の復興推進会議決定文と参考資料1を御覧いただきたいと思います。
 前回(1月10日)の会議において、総理から、「復興予算のフレーム、5カ年間で19兆円を見直し、予算確保に関する不安を払拭すること」と指示がありました。このため、今回、25年度予算と併せて、復興予算フレームを見直すこととしました。
 まず、「事業規模」については、従来、「少なくとも19兆円程度」と見込んでいましたが、24年度補正予算までに約17.5兆円の進捗となっております。これに加え、25年度予算として3.3兆円程度、26年度以降も復興交付金や災害復旧など、確実に実施が見込まれる事業として2.7兆円程度、などが見込まれ、5年間では少なくとも23.5兆円程度の事業規模が見込まれます。
 これに関し、お手元に参考資料2には、こうした歳出の内容としての復興施策・事業の主なものを示しました。説明は省略させていただきたいと思います。
 これに対し、「財源」については、これまで財務大臣と協議を進めてまいりましたが、今回、日本郵政の株式売却収入の4兆円程度、23年度決算剰余金の一部等2兆円程度、合わせて6兆円程度を復興財源として追加することにしました。
 今後の進め方としては、今回の追加措置により、必要な事業を確実に進めていきたいと考えておりますが、いずれにしても、今後とも必要な財源はしっかりと確保し、被災地の復興を進めていきたいと考えております。
 このため、各年度に必要となる予算については、毎年度予算編成において措置するとともに、事業の進捗等を踏まえ、必要に応じ、復興予算フレームを見直すこととしたいと思います。
 次に、平成25年度税制改正大綱についてお話をします。
 お手元に配布した資料のとおり、本日の臨時閣議において平成25年度税制改正大綱が決定されました。復興庁関係の要望事項については、全て盛り込まれました。これらの税制上の措置が活用され、東日本大震災からの復興が加速することを大いに期待しております。
 私からは以上です。

2.質疑応答
(問)午前中にもこの質問はさせていただきましたが、復興予算のフレームに関しては、今回5年間で25兆円という枠組みを新たに設定したことに関連して質問です。もともと政権交代前の民主党政権では、復興の基本方針の中で、復興の全体の期間を10年と定めて、5年は集中復興期間、10年では23兆円程度、集中復興期間の5年で19兆円程度というフレームがあったと思うのですが、今回5年分のフレームの計上はあるのですが、5年分で既に前政権の10年分の規模を超えているのですが、残りの5年間含めた10年間の復興予算として必要な規模をどう考えていらっしゃるのか、と財源の見通しについてお伺いいたします。
(答)確かに、23兆円という10年間のフレームがあります。これは当時の定めた時点での推定なのです。ですから、実際我々が今回5年間で19兆円を25兆円というフレームに見直しました。これは今まで17.5兆円使って、そして25年度当初予算と26年度、27年度にいくまでのもの、これは特に公共事業関係は既に着手をして、具体的な工程表もありますから、そういう確実と見込まれているものは積み上げてやりました。
 その意味で、この時点でもまだ具体的に公共事業系の箇所付けは終わっていますから、それは積み上げられますが、その他の予算には今の段階では積み上げられませんので、それを含めて25兆円の財源フレーム、これを打ち出しました。ですから、当然全体の、10年間はあくまでもあの時点での推計ですから、これは、これから5年間の集中期間の事業執行を見ながら、5年間以降の年度についてはその時点、その時点で精査していきますから、その結果としての10年間になっています。

(問)確認ですけれども、10年間での総額とかというのは今後特に打ち出さない。毎年、毎年精査していくという形でしょうか。
(答)少なくとも5年間のフレーム分けをしました。10年間については、先ほど申し上げましたように、策定時点での推計ですから-阪神大震災などを参考にして-ですから我々は、とにかく不安のないように、今回も25兆円フレームを作りました。これからも事業の進捗状況を見ながら、あるいは新たにニーズも出てくると思いますが、その時点、その時点できちんと全体の復興が加速できるように、しっかりと財源を確保しながら、円滑な事業執行に努めていきたいと思います。

(問)今回の予算を見ますと、福島は新しい交付金を二つ作ったりということで、非常に充実している感があります。岩手、宮城、ほかの被災地については、新しい立地補助金1,100億円のものが対象になるのだと思うのですが、福島以外の岩手、宮城、茨城とか、ほかの被災地への今回の予算についての受け止めがあれば教えてください。
(答)平成25年度予算については、福島向けの今まで薄かったところの施策を充実しました。このほかに今もお話がありました新規事業としては、津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金が今まで原子力災害地域というところで行われていましたが、これは新たに津波の被災地も加えましたから、これは茨城も入ってまいりますし、青森まで入っています。
 もう一つは、被災地域中小造船業復興支援事業。これも津波浸水地域を対象とする予算を増加することにいたしました。
 あとは今までの津波の被災地、これはさまざまな事業もグループ補助金も含めてやってきていますから、今回の福島以外の新たな新規事業としては、今私が申し上げた事業ということになります。

(問)引き続き津波被災地の復興についても力を入れていきたいと。
(答)例えば、区画整理事業でも、集団防災移転促進事業でも、津波被災地は基盤整備の事業は、災害復旧も含めて、復興交付金も含めて今までやってきています。例えば復興交付金も今回6,000億円用意していますから、これは着実に復興を加速するようにやっていきたいと思います。

(問)今おっしゃった復興交付金についてなのですけれども、予算額としては今年度の倍程度を確保されたとのことですが、一方で被災地のほうから使い勝手について、特に基盤整備の隙間というか、空白もまだ出ているということで、使い勝手をよくしてほしいという、これは予算とは直接関係ないと思うのですが、その運用については今後どのようにしていきたいとお考えでしょうか。
(答)復興交付金を含めて、総理からは各種制度の柔軟な運用に努めるようにという指示が既にありました。復興交付金の弾力化、運用改善、これは私も現に被災地に行ってさまざまなニーズを聞いておりますし、いずれにしても被災市町村の具体的なニーズを把握する、これが一番大事だと思います。ですから、現地主義、現場主義と言っております。この具体的なニーズに即して、検討を進めることが重要だと考えております。
 運用の柔軟化については、被災市町村からの今までの要望とも併せて、弾力的な配分に向けた作業を進めていく中で、具体的な内容を検討していきたいと考えております。

(問)地元自治体としましては、予算を十分に与えられながらも、思うように執行できないでいる課題というのがいまだに出てくるのですが、大臣の現状の事業の執行状況の認識とそういった復興を加速化させるためのお考えをお聞かせください。
(答)特に津波被災地域、面事業をやっています。区画整理事業、あるいは防災集団移転促進事業、これを進めていく上で私が感じるのはマンパワー不足、特に事業を執行する体制、ここに一番課題があると思います。マンパワー不足については、全国の地方自治体から1,700人の応援を求めておりますし、ここのマンパワー不足をいかに解決していくか。
 私の感じでは、ああいう大きなプロジェクト事業を進めていく、市町村にとっても初めての事業が多いですね。区画整理事業もそうだし、集団防災移転促進事業もそうですから、ここは今一番被災地の要望に応えていただいているのはURだと思います。URは、まちづくりのノウハウがありますから、URが市町村から受託する。あるいは直接市町村に配置する。さまざまな形があると思いますが、ここの予算はついたけれども、いかに事業を加速化するかという意味では、執行体制の確立、充実、これが肝だと思います。
 地方公共団体のOBの皆さん、あるいは国家公務員のOBの皆さん、あるいは青年海外協力隊帰国隊員の皆さんも直接復興庁で採用して応援隊として行ってもらう。これも重要だと思いますけれども、やはり事業執行のノウハウを有する皆さんにてこ入れをしてもらう。これが私は何よりも復興の加速、事業の加速の肝だと思います。さまざまな考えはありますけれども、そこが一番大きな課題、てこ入れの対象だと思います。

 

(以    上)

ページの先頭へ