1.発言要旨
福島国際研究教育機構の施設整備については、現在、用地の取得、敷地造成や建物の設計を進めているところでございます。
このたび、F-REIの敷地造成の工事について着工することとなったため、4月26日に起工式を行うこととなりました。
本部施設棟の令和10年度完成を目指すなど、復興庁設置期間内で施設の順次供用開始を目指して可能な限り前倒しをして進めていく上で、大きな一歩を踏み出すことができると感じております。
また、同日午後にF-REIにより2周年シンポジウムを実施すると聞いています。世界に冠たる「創造的復興の中核拠点」を目指し、着実にその歩みを進めるF-REIの取組を知っていただく貴重な機会であり、復興庁といたしましても多くの方に参加をしていただきたいと考えております。
詳細は、事務方にお問合せをお願いいたします。
以上です。
2.質疑応答
(問)冒頭発言のありましたF-REIについて、お尋ねいたします。
これまでなかなかお尋ねする機会がなかったので、この機会に伺ってみたいんですけれども、大臣が先ほどおっしゃられたように、今回の敷地造成工事の着工というのは大きな一歩かなと思っていまして、そうした中でF-REIが今後、世界に冠たる創造的復興拠点というふうにもおっしゃられましたが、研究内容としてどのようなものに大臣として期待をされていて、どんなものになってほしいかということがありましたら、この機会にお教えください。お願いします。
(答)F-REIの中核となる研究開発については、福島や日本、そして世界の抱える課題や地域の現状を踏まえ、福島の優位性を発揮できる5つの分野を基本として研究開発を進めているところであります。
例えば、原発事故による廃炉、災害現場等の過酷環境で機能を発揮するロボット・ドローンの研究開発、あるいは農業・林業のスマート化に向けた研究開発などが進められており、研究にとどまらず、これらの研究成果を生かした産業化にも取り組んでいくことが重要だと考えております。
私としては、山崎理事長のリーダーシップの下に、F-REIならではの国内外に誇れる研究開発が推進されていくことを期待しているところでございます。
具体例について申し上げますと、ロボットの分野では、廃炉に向け遠隔操作技術、ロボットの研究開発として人間の五感の中でも最もデジタル化が難しいと言われている触覚技術に関わる研究開発を実施しておられるところでございます。
農林水産業分野では、遠隔操作で複数のロボット農機を複数の圃場で自律的に移動・作業できる稲作無人自動走行システムに関する研究開発を実施しておられます。
また、例えば、私もその場に立ち会ったんですが、会津大学による宇宙開発の実証を浜通りの地域の実証フィールドで実施するなど、地元と連携をしながら研究開発や、その成果を生かした産業化に取り組むことも重要であると考えております。
このような取組を通じて、F-REIの効果が浜通り地域はもちろんのこと、福島県全体、更には東北、日本全域に広域的に波及していくように、F-REI発の世界水準の研究開発と産業化がしっかりと推進されていくことを期待しているところであります。
以上です。
(問)ありがとうございます。
(問)震災から間もなく14年となりますが、福島県の原発周辺自治体では、比較的早く避難指示が解除された自治体も含めて住民の帰還が必ずしも進んでいない状況があると思っていますが、大臣のこれに対する受け止めはいかがでしょうか。また、国として帰還促進に向けたアプローチとしてのお考えをお聞かせください。
以上です。
(答)福島の原子力災害被災地域の中には、おっしゃったとおり、依然として帰還困難区域が残っているほか、避難指示解除までに時間を要した地域もあることから、戻らないと考えている避難者の方もいらっしゃり、住民の帰還が一部にとどまっていると私も認識しております。
引き続き住民の意向を丁寧に把握しながら、2020年代をかけて帰還意向のある方々が全員帰還できるように、「特定帰還居住区域制度」により、除染やインフラ整備などの避難指示解除に向けた取組を今進めているところでございます。
また、現時点では帰還の意向がない方々でも、将来、帰還の希望を持っていただけるように、すでに避難指示が解除された地域も含めて、住まい、買い物環境、教育、医療・介護といった生活環境の整備、産業・なりわいの再生、にぎわいの創出に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
ただ、よく考えていただきたいんですけれども、発災は間もなく14年が経過をいたそうとしております。発災時に仕事をしておられた皆様方が帰らなければならない時間から14年という経過をすることによって、それらの人たちも年を取られて、その次の世代まで含めて、本当にこの町、この地域で暮らしていこうかどうしようかということは、当然それぞれの個人としても様々な状況の中でお考えになることだと思います。
だからこそ、その前に私が申し上げたとおり、F-REIをはじめ、新しい時代の新しい世代が新しく入ってきてくれるような、そんな場所を福島につくり上げていくということは、そうした入替え自体が起こっていけるといいなということを私たちは考えているわけです。それを理解していただきながら、是非、また福島は新しい時代の新しい町になったぞということを大勢の人に伝えてもらいたく、マスコミの人にもお願いをしておきたいと思います。
だからこそではありませんが、復興庁では2025大阪・関西万博において5月19日から24日にかけて、「Build Back Better(よりよい復興)」をコンセプトに展示を行うことにしております。被災地の復興しつつある姿を避難者の方々にも感じていただき、新たな方にもそれをまた見に来ていただきたい、帰還に向けて希望を持っていただける、そしてこれからを感じてもらえる、そんな取組をまたしていきたいと思っております。
以上です。
(以 上)
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