1.発言要旨
本日は宮城県仙台市を訪問し、「新しい東北」復興・創生の星顕彰式に出席をさせていただきました。その後、そこで表彰させていただきました鐘崎笹かま館を視察させていただき、その後、女川町を訪問し、女川魚市場買受人協同組合冷凍冷蔵庫「MASKAR」や「東日本大震災遺構旧女川交番」などを視察させていただきました。
顕彰式では、受賞者の皆様と意見交換を行わせていただき、今回の受賞者の株式会社鐘崎の鐘崎笹かま館の視察と併せて、現場で課題解決に当たる皆さんのお話を直に聞くことができたと思っております。それぞれいろんなケースで頑張っておられる人がおられて、大変面白い話を聞かせてもらったと思っております。
私からは、大阪の万博で皆さんの活躍を5月から1週間ほどPRさせていただきますので、その場を利用して自分たちのことをまた宣伝し、そしてそこへ行ってみたいなと思われる方々が実際に、訪問した際には受け入れていただきながら、また交流を続けていただければ結構ではないかということを提案させていただいたところでございます。
女川町では、私は日本カタール友好議員連盟の事務局長を長らく務めておりますので、カタールからの寄附金により建設された冷凍冷蔵庫の「MASKAR」を訪問させていただいたところでございますが、これ建てるときから非常にカタールの側からもいろんなことを聞かれました。一言私から申し上げたことは、もしぐいぐいとやっていただけるんであれば、ほかがどうなっていようと先に建ててもらったらいいですよっていうことはお勧めしました。そしたらことのほか早く、2012年でしたでしょうか、あれができたのは。ということで、まだまだこの辺にそれほど何もあったわけではない現場にあの冷凍冷蔵庫ができたことで、漁師の皆さんにまた少しお元気になっていただいて、復旧、自分たちの業をまた復活させていこうっていう気持ちになっていただけたということを伺って、非常にまた改めてカタールの皆さんにもお礼を申し上げたいなというふうに思いました。
それから今日倉庫を全部見せていただいた組合の皆さん、漁組の皆さんの中で、つい先日、カタールを訪問してきたっていう方がおられました。何をしてきたかっていうと、中学校の子供さんたちを連れてカタールコックを訪問し視察をして、いろいろ勉強して帰ってきたっていうツアーに参加してこられたということでございます。日本とカタールの間をこうして行き来をする子供さんたち、それから漁業者の皆さん、こういう場が図らずもそういう交流を生み出してくれているっていうことも、やっぱり地域の復旧復興の中で一つ役に立ってよかったなというふうに思った次第です。
石森理事長からは、町の水産業の復興のシンボルとなっていることや水産関係者における課題などもその場で併せて伺った次第です。こうした寄附金や国の支援により整備された共同利用施設において、経営の効率化やブランド力の向上などを通じて、町の中核産業である水産業が今後も着実に進展していけるように、何かあれば我々がまたつないでまいりたいということを申し上げた次第です。
それから須田町長からは、住民説明会を町長みずから行うなど、丁寧な住民合意に取り組みながら、震災遺構の選定や一体的なまちづくりを進めたというお話を伺って拝見してまいりました。住民合意の重要性については改めて確認をすることができましたが、こうして相当住まいも確保していただきながらやってきたことについてはよかったなと思うんですけれども、これも震災の復興に当たって建てた住居に住まわれている皆さんも、今後のことを考えてみると、それなりに課題が見えてくることもありましたので、改めて復興庁にも、そうしたことにしっかりと配慮するように指示させていただいたところでございます。
いずれにいたしましても、1日も早い被災地の復興に向けて、改めてみんなで全力で取り組んでまいりたいと強く思ったところでございます。
私からは以上です。
2.質疑応答
(問)先ほど「MASKAR」の中で、理事長と話されて現在の漁業の課題も聞いたというふうにお話しされてましたけども、例えばどういった課題についてお話を。
(答)これは全国的な問題でもあるんですけれども、温暖化の結果、海水温が上がってまいりまして、これまで取れていた魚が順調にそこで取れるということでもなくなってきているということだと思います。
私の地元の愛知県でもそうなんですが、やっぱり獲れる魚種が違ってくると、それまで取れていたものとは違うわけですから、改めて実入りが変わってくるとかいろんなことで状況が変わってくるっていうことが大変なんじゃないかなという気がします。そんなことでしょうかね。
ですから水産庁も入ってもらって、やっぱり全国的な問題でもあるんで、これはひとつ、日本の漁業として海業として、また新たな手当をしていくっていうことも必要になってくるかもしれないってことは感じたところです。
それとあと僕がそうなんだなって思ったのは、「MASKAR」っていうところは、あれはあれで非常に、なにせ東日本大震災で大きな津波に遭って、ほとんどの漁師さんの様々な倉庫だとかは全部壊れてしまったもんですから、今度そんなことが起こったときは絶対に倒れないようにあの倉庫そのものを造り上げてあるっていうことを説明を受けたんですけれども、これは恐らく全国的に見ても珍しいぐらい手を打ってある場所だったと思いますので、各地の漁業者の皆さんに視察にでも来てもらって、そういうことをしておかなきゃいけないんだなっていうことを思ってもらえるといいと思うんです。つまり、波が来たときにどうするかっていうことも、もう波を通してしまうということができるような、何て言うんでしょう。
(事務方)津波の水圧を逃がすためのピロティ構造。
(答)そうそう。水圧を逃がすための構造になってるということでした。
(問)ありがとうございます。
あとごめんなさい、2点ほどなんですけども、町長からも説明あったと思いますが、改めて震災からもうすぐ発災14年ということで、復興まちづくりハード事業、町長からは終わったというふうな話がありましたけれども、被災地女川を初めて御覧になっていかがでしょうか。
(答)僕は初めて来たわけではありませんが、本当に状況が、えっていうぐらい大変な状況から見てきましたけども、これほど本当に地に足ついて、人の営みも含めてここに人の暮らしがあるということについては、大勢の皆さんの御尽力が実っている部分もあってよかったなっていうことは思いました。
でもこれから次の世代、また次の世代の皆さんがここでどんな暮らしをしていくのかということについては、まだまだ想像できるまでには至っているわけではありませんので、日々の暮らしの中からまたつくり上げていくことについて、政府としても何かしてさしあげなければならないことはしっかりと手を尽くしていくことが大事なのかなというふうに思った次第です。
(問)ありがとうございます。
もう1点です。現在、来年度で第2期復興・創生期間の最終年度となっているところで、一緒に女川だけじゃなくて石巻市とかのほうでも震災の教訓に取り組んでいる団体っていうのが、震災伝承を主な名目にした助成だったり補助がないっていうことで、結構活動がなかなか苦しくなっている現状があります。震災の伝承活動については、社会的にボランティア視されている現状もありますので、公的な支援を必要としているという団体が本当に多いです。その辺り、国としての方針だったかお考えをお聞かせいただけますか。
(声)私は達増さんや、特に福島の内堀さんだとか、みんなと会って、宮城県の知事もお会いしましたけど、風化をさせないっていうことが非常に大事なことだというふうに、3人の方が3人とも言われておられます。
風化をさせないとはどうやってやっていくのかっていうことなんですけれども、やっぱりそれぞれの体に染み付いたこの経験とか思いをお互いに伝え合うっていうことをしていくことがすごく大事なことです。それから例えばNHKをはじめとするテレビの皆さんが、折々、例えば阪神淡路の30周年とか、あるいは今度恐らく東日本大震災で14年、15年という月日を流してみて、どういうことが起こったかっていうことをやっぱり広く伝えていくっていうことをしながら、そうしたことをつないでいくことができるようにしていくことっていうのは、ただお金をかけることだけではなくて、どういう人たちが登場人物になって、しっかりとそのつなぎを切れないようにしていくかっていうことは、改めてその主役となった人たちも含めて話をしていく必要があることではないかというふうに思っております。
お金をかければいいのだということではなくて、やっぱり気持ちをお互いに通じ合うために努力をするっていうことを、どうしたらいいかというところから考え直してみる必要があるのかなという気がします。
(問)民間の方々、その伝承活動を職業にしようと。語り部の方々っていうのはこれまではどちらかというとボランティアで活動されてきたっていうふうな社会の見方がありますけれども、特に災害の被災地とされる石巻のほうでは伝えること、防災を職業にして、それでお金を稼いで生きていこうっていう思いで活動されている方々がいるんですが、それでもやっぱりそういった活動にお金が入ってくるっていう社会の構造にはまだなってなくて、それで今これまで復興の助成を活用していたのがどんどん目減りしてきて、活動継続が難しくなってきている。このままじゃもう団体辞めざるを得ないかもしれないっていうふうな話も聞かれています。そういったところに対して、国としてどういうふうにアプローチするとかっていうふうなお考えは。
(答)私はそれは、本当は現場そのものにお任せをしていくことが大事ではないかと。いつもいつも国が出てくるというふうに思うっていうことだけではないと思います。
(問)はい、ありがとうございます。
(答)よろしくお願いします。
(以 上)
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