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伊藤復興大臣記者会見録[令和7年1月10日]

令和7年1月10日(金)10:10~10:24 於)復興庁記者会見室

1.発言要旨  

 まず、令和6年度「新しい東北」復興・創生の星顕彰の受賞者の決定についてでございます。

 この顕彰は、課題先進地である被災地において実施されてきた新しい東北の創造に向けたこれまでの取組を被災地内外に普及・展開をするため、顕彰するものであります。

 応募総数が107件の中から有識者委員会で選定をいただき、10団体を受賞者として決定をいたしました。顕彰式につきましては2月1日、仙台市で開催する予定であります。

 詳細については、事務方に御確認をいただければと思います。

 私からは以上です。

 

2.質疑応答

(問)2点お尋ねいたします。

 冒頭の発表がありました復興・創生の星顕彰の選定結果について、まずお尋ねいたします。

 107分の10ということで、どれもすばらしい案件だというふうに理解はしておりまして、ペーパーのほうにも紹介を書いていただいているんですけれども、特に大臣のほうからこれはというか気になったものを二、三点程度紹介いただければ幸いです。お願いいたします。

(答)受賞者につきましては、復興への対応や全国共通の課題解決に向けた先駆性等の視点を踏まえて、有識者による選定委員会を経て決定をしていただいております。

 選定事例でありますけれども、岩手県の宮古市の三陸鉄道株式会社は、震災学習列車の運行により、震災の復旧・復興状況を伝える取組を行っております。

 また、宮城県仙台市の株式会社鐘崎は、笹かまぼこの手作り体験などのイベントを開催するほか仙台七夕まつりの展示など、地域振興の取組を行っております。

 福島県の葛尾村の株式会社牛屋は、避難指示解除後に村に戻り創業した畜産業者でありまして、牛の飼育技術を応用したとろける味わいの羊肉の開発や羊毛、ウールスーツ生地や保湿クリームへの活用をいたしております。

 この方々のこれまでの取組に対し、御努力を称賛するとともに、今後ますます御活躍を期待して復興大臣としての顕彰状を贈呈するものであります。現場で課題解決に当たる皆様のお話をじかに聞くために、顕彰式としては私自身が行うことで検討をしているところでございます。

 私からは以上とさせていただきます。

(問)ありがとうございます。もう一点お尋ねいたします。

 昨日までの岩手県への視察についてお尋ねいたします。

 視察の中で、いわゆる岩手県のほうで主体的にやっていらっしゃる「こころのケア」の課題の解消というところについて現場のほうを見られたと思うんですけれども、そういった施設を御覧になられて、大臣自身の御所感をまずお願いいたします。

(答)岩手県のこころのケア支援事業は、岩手県こころのケアセンターにおいて、被災者の方々のこころのケアに関わる相談、訪問支援等を実施していただいているところでございます。

 一昨日は、岩手県庁及び岩手県こころのケアセンターより、こころのケアのニーズに対応したこれまでの支援の取組や被災者の方々の状況などについてお話をお伺いしました。

 岩手医科大学等の御支援を得て、震災直後からセンターの医師、保健師等を中心に専門的なアプローチが行われ、精神疾患の予防や早期発見などが図られてきたことを改めて知ることとなりました。

 他方で、震災に加えて、その後の新型コロナ流行等、社会情勢も相まって継続的にケアを必要とする方もいるなど、こころのケアは切れ目のない対応が求められるものであり、息の長い取組が続けられるような保健所や、あるいは市町村など、地域の精神保健医療福祉機能の体制整備が重要であると感じたところでございます。

 被災をされました方々のこころのケアは、中長期的な対応が必要な課題であることを再確認したところであり、今後に向けて政府全体の施策で対応することなどにより必要な支援が行えるよう県や関係省庁としっかり連携をさせていただき、丁寧に取り組んでまいりたいと考えております。

 私からは以上でございます。

(問)ありがとうございます。

 重ねてお尋ねさせていただきたいんですけれども、被災者のケアのニーズについて話を伺った、中長期的に今後も支援が必要なものだというふうに理解をされたというところなんですけれども、震災からもう14年がたとうとしている中で、なかなかそういったこころのケアの問題というのは、当事者以外の方にとって理解が難しいところもあるんじゃないかというふうに考えています。

 そうした中で大臣として、復興庁として、どういったケアのやり方であったり、理解を求めていくためにどういった取組ができるというふうにお考えでしょうか。お願いいたします。

(答)今、あなたのおっしゃったことはそのとおりなんですが、震災後10年とか14年とかという数字が躍りますけれども、現場に入らせていただいて見てくる風情というのは、決してそんなものでは済まないんだなということを痛切に感じることが、私、この2日間もしてまいりました。

 特に岩手県に行って私が痛切に思ったのは、地震と津波という災害の大きな根っこがあるんですけれども、特に津波災害というものがいかに激しく厳しく大変であったかということを現地でそれなりに見せていただいたところからいえば、被災した方々のケアというのは決してすぐに終息していくものではなくて続いていくところがあるわけですから、中長期的な対応が必要な課題であるということは改めて確認をしてまいりましたし、こうしたことはしっかりと政府全体の施策で対応することなどにより必要な支援が行えるように、県や関係省庁としっかりと連携をして丁寧にやってまいりたいと。

 特にソフトランディングをする方向で考えていくことも必要だと思います。それはなぜかというと、もう一つ、やはり自立ということは極めて大切なことだというふうに思っております。その自立ということの価値みたいなものをどのように県、関係省庁、具体的な検討や調整、厚生労働省などで必要な一般施策の予算などを確保していただく必要もあろうかと思いますので、今後の課題ではありますけれども、そうしたことをしっかりとやらせていただきたいなというふうに思っております。

 それから、県には、地域の精神保健福祉業務の中心的行政機関としての保健所でありますとか、精神保健等に関する総合的技術センターとしての精神保健センターも設置をされておられるわけですから、こころのケアセンターに限らない地域全体の体制整備も重要なことと認識をいたしております。

 よろしいでしょうか。

(問)ありがとうございます。もう一点だけ、すみません。

 いわゆる政府全体の施策が重要だということと、一方でソフトランディングの考え方、自立の考え方が極めて大切というのは、これまでワーキンググループの議論の中でも出たような論点で非常に大事だと思っているんですけれども、いわゆるここでいう自立というのは自治体さんの自立ということだと思うんですけれども、自立という形について、まだ難しいところがあるかもしれないですけれども、大臣としてどのような形が望ましいというふうにお考えでしょうか。

(答)自立というのは、くくった形での自立ということを私は素直に申し上げているわけではなくて、被災をされました一人一人の個人の方が自立をしていく暮らしというものに向かって進んでいただくことができるだろうかということをしっかりと支えてまいりたいというふうに考えております。

 その固まりが地域ということになりますので、そうしたことというのはそれぞれの地域間の中でも全く違う様子があるわけで、全部が全部一緒ということにならない。そこが事を当たらせていただく我々としても、よくよく心していく必要があるところじゃないかなというふうに思っております。決して簡単なことではありませんが、我々はそれを目指して、明るく元気な東北3県になってもらいたいということでやらせていただきたいと思います。

(以  上)

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