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平野復興大臣の会見[平成24年10月2日]

平野復興大臣記者会見録(平成24年10月2日(火)13:18~13:35 於:復興庁会見室)

 

1.発言要旨
 昨日、野田第3次改造内閣が発足し、引き続き復興大臣、東日本大震災総括担当大臣を拝命いたしました。引き続きよろしくお願いいたします。
 野田総理大臣からは、被災した地方公共団体との連携のもと、被災者の心情を踏まえ、関係大臣等と一体となって、活力ある日本の再生に向け、東日本大震災からの復旧・復興対策に全力で取組むよう指示を受けました。
 津波、地震地域では、これから何よりも住宅の再建、生業の復活を急ぎたいと思います。その中で、引き続きマンパワー不足、特に、今まではどちらかというと地方公共団体全体のマンパワーについて、様々な自治体にお願いし、職員等の確保に努めてきました。これを引き続き進めると同時に、来年以降、特に土地関係の取得、権利調整の分野において、仕事量が相当拡大してくると思っています。このような部分については特に留意しながら、人手の確保、場合によってはコンサルタント等の活用も考えなくてはならないと思いますが、これらをしっかり行っていくと同時に、土地利用に係わる様々な手続等については、現在、地元の自治体等の実態を踏まえながら種々検討しており、簡素化できるものはできるだけ簡素化していきたと考えています。
 道路1本造るときの用地の話とは違い、道路も海岸堤防も造る、宅地用地も確保する、区画整理も行うという、土地に関する仕事の量が、これだけでも膨大な量になってくるということをしっかり意識に入れていかなくてはならないと思っています。そのことは各省にも言っていますが、若干、全体的にそこの認識、現場感覚が浸透していないという感じがしています。これは引き続き各省に強くお願いしなくてはならないと思っています。
 福島に関しましては、まず、賠償の話を経済産業省等が精力的に行っていますので、これを引き続き徹底するということ、除染等についても、様々なご批判はありますが、環境省が一生懸命に現場で頑張っていると思います。このような取組みを推進すると同時に、帰還に向けてのインフラ等の整備についても、現在、その計画について国、県、自治体が連携しながら進めていますが、これを策定し、そのスケジュールに沿ったインフラ復旧を行い、帰還できる環境を作っていかなくてはならないと思っています。
 同時に、福島の問題については、どの省庁も、県も、当然のことながら被災自治体も、どれ一つをみても今までの災害対応とは違う、経験していないことが多々あり、そのような中で試行錯誤しながら行っていかなくてはならない面があります。その中で、復興庁がしっかりとしたリーダーシップを発揮しがら調整することが大事だと思います。
 正直に申し上げて、各省庁は、一生懸命に取組んでいますが、時間が経過するにつれ、どちらかというと自分の仕事の範囲をできるだけ狭めようとい傾向が、ここに来て出ています。このままこれを放置しておくと、仕事の間に隙間が出てくるので、このような部分についても、復興庁がしっかり各省庁にお願いすべきはお願いし、行うべきものは行っていくということを徹底させたいと思います。福島に関しては特に隙間ができないように、今まで以上に復興庁が頑張っていかなくてはならないと思っています。
 以上が抱負というか、復興大臣を拝命したことについての所感です。2点目は、最近、農地転用が進まないという報道等がありますが、よく現場を見ていただきたいと思います。農地転用は、手続の問題以前に、転用して何に使うかという具体的な計画があるかどうか、地権者との話がどこまで進んでいるか等の方がはるかに重要です。どことは言いませんが、とにかく転用させて欲しいという要望が沢山あります。造成して何を造るかということが決まらないまま、農地転用を認めることはできません。仮にこれを認めた場合、造成してその上に何もつくらないとなれば、造成したことが無駄という批判が出ると思います。
 保安林の解除のときもそうでしたが、農地転用は、手続の問題というより、まず地元の中で、どれくらいの計画で、どこからどこまでの区間かということをある程度明確にしていることが基本になることをご理解いただきたいと思います。一方的に転用が進まないと言われますが、実際には、田んぼがあるからとにかく転用させてくれという話が結構多くあります。話を聞いてみると、例えば、宿舎や工業団地を持ってきたいという希望があるのですが、工業団地が本当に来るかどうかはまだ決まっていない、宿舎についても、何棟造るのかということの大体の目途も決まっていないということも多々あるということを踏まえて、現地、現場をよく見ていただきたいと思います。
 被災地における様々な用地の要望にはできるだけ沿うようにと考えていますが、私からは、計画や地権者との話は当然詰めてもらわなくてはならないということは強く言っています。あわせて、被災地域や津波地域だけではなく、内陸部においても、様々な地域振興等について、今回の被災県であれば、要望にはできるだけ応じるように復興庁は動こうと思っていますが、ある程度計画や地権者との話がしっかりしていないと話は進みませんということをご理解いただきたく申し上げました。
 以上です。

2.質疑応答
(問)今、大臣から、第3次野田改造内閣に当たって、関係大臣と一体となって全力で取組むようにと総理に言われたことを踏まえ、福島については引き続きやっていきたいという話がありました。環境大臣が新しく長浜さんになり、除染、中間貯蔵と難しい問題について、長浜さんとしては一からということになると思いますが、除染、中間貯蔵について、大臣として引き続きどのように取組んでいきますか。
(答)現在、環境省の職員も相当のエネルギーを使って、あれだけの難しい仕事に一生懸命に取組んでいます。まずその成果が出るように、長浜大臣とも引き続き連携を取りながら、福島県との調整においても、大臣が出るべき場面もあると思いますが、積極的に出ていきたいと思います。

(問)今回、3回目の改造で10人の大臣が代わるという大幅な改造になりました。この時期に10人が代わることの受け止めと、今回、新しい内閣で初めての閣議ですが、今の顔ぶれについて、大臣としてどのように。
(答)顔ぶれについては、これは野田総理と輿石幹事長をはじめ、熟慮に熟慮を重ねてきた体制だと思いますので、この体制でこれから仕事をしっかりやっていくということに尽きると思います。

(問)今の大臣の冒頭の挨拶で、復興庁がリーダーシップをとってやっていきたいということでしたが、先日、地方の会合で細野政調会長が、今後、震災からの復興担当と、原発を抱える福島県の担当の政調副会長をそれぞれ置きたいというような考えを示されています。復興庁とのすみ分けとか、その辺はどのように進めていくお考えですか。
(答)すみ分けというか、今までも党は、例えば福島は福島、津波地域は津波地域ということで、例えば桜井政調会長代理が精力的に様々なことを行ってきました。これは、政調副会長というポストを置いて、役割、仕事をより明らかにするということだと思います。 すみ分けといっても、今まで党との関係でトラブルがあったわけではありませんし、党が現地を歩きながら色々なことを吸い上げて、私どもにいろんな要望や注文を出してきましたから、それは引き続きやっていければと思います。そこで何かトラブルになるというようなことは、特に今のところは想定していません。

(問)先ほど言われた土地の権利関係の調整について、現地で取材していると、そのようなことの遅れが復興全体の足を引っ張っているのではないかという首長さんの声を多く聞きます。具体的にどういったところから手をつけられるのではないかという、大臣の私案、腹案があれば。
(答)現在、色々な制度があり、例えば、土地収用法を使うのであれば、土地収用法自体は非常に強力な措置ですが、手続をどこまで簡素化できるかということはあると思います。また、所有者が不明の場合の制度である管財人制度の問題についても、様々な観点で検討しています。大事なことは、土地収用法を使うにしても、管財人制度を使うにしても、道路1本を造る、海岸の堤防を造るということではなくて、様々なところで同時並行的に進むことから、扱う筆数は相当多くなるはずです。今まで、どちらかというと、これに対してどのような体制で臨んでいくかということを中心とした、しっかりした議論を必ずしも行ってきませんでした。それは、まだまだ、住宅建設や土地区画整理事業については事前の調整が進んでいなかったからです。今ようやくその準備ができたという状況で、絶対量が非常に多いことに対して、今の自治体の体制がどうかという問題があります。
 もう一つは、できるだけ労力を簡素化するためには、手続上で簡単にできることがあるかどうかということについて、さらにもう一段の深掘りが必要だと思います。
 用地交渉については、従来、私は自治体職員が行うしかないと思っていましたが、直轄工事において、コンサルタントに用地交渉までお願いして結構上手くいっている例もあります。このようなことについても少し検討し、自治体のこれからの復旧の様々なところにおいて、コンサルタントを活用できるのであれば検討していきたいと思っています。 ただ、土地の権利に係わる問題については、憲法上の問題があり、一気に手続を簡略するというようなことは、なかなかハードルが高いのは事実です。繰り返しになりますが、扱う筆数や土地の面積等が非常に多いので、このことはしっかり踏まえながら検討していくということが大事だということで、申し上げました。

(問)冒頭、各省庁の業務が狭められている傾向にあるとのお話がありましたが、大臣は具体的にどのようなことに問題意識を持っているのでしょうか。また、今後の取り組み、復興庁としてどのように対応するのかということを、具体的に。
(答)率直な感想として申し上げました。具体的なものについても、頭には入っていますが、この場で披瀝することは差し控えたいと思います。これから各省とやりますから。

(問)各省庁の業務が狭められているという現状があって……
(答)「狭められて」ではなく、「うちの業務ではありませんよ」という傾向が少々出てきているということです。

(問)傾向が出てきているという現状がある中で、復興推進委員会の中間報告では、風化は食い止めなければならないと前書きにあります。昨日(10月1日)の閣議決定では、14項目のうち3項目が復興で、復興への戦いが続けられねばならないというのがあり、そのような強いメッセージが出ているにもかかわらず、省庁にそのような動きが出ています。これを食い止めるに、復興庁としてはどのような対策を取るのでしょうか。
(答)復興庁が、これについての課題、このようなところが不十分な対応ですからこれをしっかりやってくださいと、具体的に各省庁に言っていくことをしっかりやっていきたいと思います。
 

(以    上)

 

 

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