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渡辺復興大臣記者会見録[令和5年1月16日]

令和5年1月16日(月)13:38~13:50 於)浪江町役場2階町長室 

1.発言要旨

 

 本日は川俣町、川内村、広野町、楢葉町、浪江町の4町1村の首長に就任の御挨拶をするとともに、意見交換を行ったところでございます。今日も、各自治体における復興の現状についてお伺いするとともに、連携を密にしてまいりたいとお話をいたしました。また、いくつかの自治体では、前回復興大臣在任の際に、共に復興に取り組んだ首長、議長の皆様にもお目にかかり、当時からの進捗についての御意見なども伺ったところであります。

 首長との意見交換において、主に避難指示解除後の医療環境を始めとした生活環境整備や移住定住の促進、特定復興再生拠点区域外を含めた帰還困難区域における取組の具体化、ALPS処理水をめぐる責任を持った対応、F-REIの設置による広域的な効果、波及、中長期的な財源の確保などについてお話がありました。また、首長の皆様方からは、復興は道半ばであるというお話から、復興のトップランナーとして頑張っているといったお話まであり、その中で商工業、農林水産業、研究開発の担い手の確保に、日夜奮闘されている御様子がよく分かるものでありました。

 先週木曜と今日で、原子力災害被災12市町村全てを回り、自治体のトップの方々のお話を伺うことで、被災自治体ごと、更には各被災自治体の中でも地域ごとに復興の状況に差異があり、その状況に応じた様々な課題があること、そしてこれらの課題一つ一つに対し、きめ細かく対応していくことが重要であると感じたところであります。

 そのために私は、前回の復興大臣の時と同様、現場主義を貫き、様々な現地に足を運び、その実情を肌身で感じるとともに、被災地の皆様の声に謙虚に、そして、真摯に耳を傾けてまいりたいと存じます。前回、復興大臣の時に築いた地元との関係も生かしつつ、被災者の皆様の心に寄り添いながら、福島復興に向けて、全力で大臣としてリードしてまいる所存でございます。

 

 

2.質疑応答

 

(問)処理水につきまして、責任を持った対応をという内容があったというお話でしたけども、政府の方で処理水放出の時期について春から夏頃と時期を示されましたが、これについて全漁連の方でも反対の立場は堅持されていて、かつスケジュールありきじゃないかという指摘もある中で、こうした点を踏まえて、大臣としてどのように理解を深めていっていくおつもりかお聞かせください。

(答)まず、ALPS処理水の処分は、先送りできない重要な課題だと認識をしております。その上で、まずは大事なのは、国内外の方々の理解と協力が、極めて重要であるというふうに思います。政府としては、国民や関係者の皆様方に、継続的に丁寧に説明をしていくことが大変重要だと、私はそのように思っております。

 いずれにしましても、ALPS処理水の処分については、基本方針及び行動計画を踏まえ、政府一丸となって、決して風評被害を生じさせないという強い決意の下で、科学的根拠に基づいた情報発信等の風評対策に、全力で取り組んでまいりたいというふうに思います。

 

(問)加えてなんですけども、政府としましては、関係者の理解なしにはいかなる処分もしないという方針は堅持されていると思いますが、大臣としましては、どういったことをもってして理解が得られるという、得られたという判断をするおつもりかお聞かせください。

(答)先ほど申し上げましたけれども、国内外の方々の理解と協力というものが大変重要であるという認識は、私自身も持っております。そのために、まずは丁寧な説明ということを進めていく必要があります。

 私自身、例えば、まだ漁業の関係者の皆様方にお会いをしておりません。こういった漁業関係者の皆様方との対話、こういったことも進めていく必要があるというふうに思っております。それが理解を深めていくというふうに私は感じております。そのようにしていきたいというふうに思いますし、例えば、他の団体、いろいろな団体があります。消費者の団体もございます。こういったところにおいても、きちんと説明をしていくことが大事だというふうに思いますので、復興大臣としては、そういった現場に出向いてお話をしていきたいというふうに思っております。

 

(問)F-REIに関してなんですけども、今日、浪江にも来られたわけですが、大臣も思い入れが非常にある案件だと思いますけど、F-REIに対して町長とどういったやり取りがあったのか、今後に向けてどういった話がされたのか教えてください。

(答)まず、浪江の町長、こちらは一番の研究拠点の、一番の元のところでありますけれども、他の首長さんの話も、全てF-REIの関係のお話がありました。大変関心が深うございます。その中で、やはりこの立地が浪江に決まったわけですけど、その結果、自分たちにも何らかの影響、効果、こういったものを期待する首長さん、大変多かったと思います。私自身も福島の復興を前提としていくならば、このF-REIがしっかりと地域に根ざして、地域の皆さん方の理解が得なければ、これは駄目だと思います。まず、地域をしっかりと理解してもらう環境を作っていく。そのために、今日のお話も、首長さんとのお話も私からさせていただきましたので、こういったことも度々これから繰り返して、いろんな形で対応していきたいというふうに思います。

 4月1日が、一応発足になります。そうしますと、その後、地区の協議会、こういったことを作り上げていくわけでありますので、そういった際にも、できるだけ私自身も参加できれば参加したいというふうに思っております。

 

(問)今日で12市町村、訪問されたということで、あえてお伺いしますが、前回御就任されていた復興大臣のときの期間がございますよね。そのときに比べて、一巡して見て、進んでいないところはどこでしょうか。

(答)進んでいないところ、まだまだあるのは、実際に地域によって差があることは事実です。例えば、大熊、双葉、浪江、こういった地域と、広野という地域といった、要するに南側の地域ではやはり若干違いが、地域によって差があると思いますけれども、ただ言えることは、今、やっぱり人口をどうやって増やしていくか、元に戻していくか、帰還をどのように進めていくかと同時に、移住・定住の話が出てまいりました。これは、3年前は、移住定住というよりも帰還をどうやって進めるかというところに重点が置かれてきたんではないかなというふうに思いますが、今、各首長さんは、移住・定住の話が多かったという感じがします。これは進めていく必要が、私はあるんではないかというふうに思います。

 

(問)今、確かに大熊、双葉、浪江と、なかなか進んでない部分、時間軸として進んでいるというお話は、今、町長からもありましたけども、帰還困難区域をめぐって新しく特定帰還居住区域という制度を作られましたけども、それに類似して、大熊、双葉で先行して拠点区域外を除染するという話がありますけども、これはいつ頃範囲を決められるんでしょうか。

(答)今の段階では、具体的に、基本的に全住民を帰還させるということは、一番大事なポイントなんです。この避難指示解除を行う基本的な方針は、既に2021年8月に決定しております。

 令和5年度の予算に応じて大熊、双葉においては、令和6年度以降に行う、除染から解除に至るまでのプロセスのモデル事例として、来年度に一部の地域で除染を着手する内容を盛り込んでおります。また、これらの方針については、特定復興再生拠点区域外の取組に関して必要な制度を措置することとしておりますので、現在、今検討中でありますが、こういった方針に基づいて速やかに対応していきたいというふうに思っています。

 

(問)というと、そのモデル地区の範囲というのは、将来的には特定帰還居住区域と重なるところなんでしょうか。

(答)基本的には今考えているのは、大熊、双葉においてという前提で考えておるんですけれども、これは将来においては、今の段階でも検討している最中ですので、どういうふうに広がるか、今はちょっと申し上げることはできません。

 

(問)もう一点最後なんですけども、帰還困難区域をめぐって、いわゆる復興拠点から外れてしまったところについて、こちらの住民の方が思っていることは、これ以上切り分けせずに、全部解除してほしいという思いが根本的なものだと思います。切り分けているのは、申し訳ないんですけど、政府の都合だと思います。それは改めて、ある程度全域的な方針を、特定帰還居住区域を出すんであれば、同時に示すべきではないでしょうか。

(答)今、おっしゃること大変重要なことだと私も認識をしております。早く帰還したいという住民の方々の期待に応えるのが、我々の責任だというふうに思っております。したがって、帰還の意向の調査を、まず丁寧に実施しているところであります。残された土地家屋の扱いについては、引き続き重要な課題でありますので、政府としては地元と協議を重ねつつ、検討をしてまいりたいというふうに思っています。

(以  上)


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