復興庁復興庁
  • 文字サイズ
メニュー
閉じる

秋葉復興大臣記者会見録[令和4年12月27日]

令和4年12月27日(火)11:01~11:22 於)復興庁記者会見室 

1.発言要旨

 

 まず1件目であります。本日、復興推進会議が開催されました。この会議では、まず私から、福島国際研究教育機構、F-REIの設立準備状況について説明をさせていただきました。

 具体的には、146億円を計上させていただきました令和5年度の関連事業概算決定額や税制改正の概要、中期目標の策定スケジュール、F-REIの令和5年度から令和11年度までの第1期中期計画期間を通じたロードマップのイメージ、そして、その期間の事業規模を1,000億円程度と見込むことなどをお示しさせていただいたところであります。この1,000億円程度という事業規模につきましては、地元の期待にも十分応えられる、相当な水準を示すことができたと考えております。

 また、本日、復興推進会議の下に、内閣官房長官を議長とする「福島国際研究教育機構に関する関係閣僚会議」を開催することを決定いたしました。個別の法人を対象として閣僚会議が開催される、設置されるということは極めて異例のことであります。これは、F-REIの取組が被災地の復興に資することはもちろん、我が国にとって科学技術政策の面からも成功することが不可欠であることを踏まえて、復興庁の設置期間終了後も見据えて、政府を上げてF-REIの長期・安定的な運営に必要な施策の調整を進める体制を強化することとしたものであります。

 会議では他に、6名の大臣など、及び官房長官から御発言がありました。また、総理からは、F-REIについて、福島・東北の復興を実現する夢や希望となるとともに、我が国の科学技術力・産業競争力の強化を牽引する存在となるよう取組を進めること、との御指示の他に、F-REIをはじめとする息の長い取組を支援できるように、復興に要する財源については、政府を挙げて責任を持って確実に確保していく旨の御発言がございました。引き続き、来年4月にF-REIを円滑に設立できるように、しっかりと準備を進めてまいります。

 

 2点目です。本日が本年最後の会見となりますので、所感を申し上げたいと思います。

 復興大臣就任以来、被災各県を27回訪問し、地元の皆様から復興の状況や課題を様々お聞きしてまいりました。こうした中で、復興の状況は様々であり、復興が着実に進む中でも、10年たったからこそ浮かび上がってきた新たな課題もあるということを実感してまいりました。大臣の就任会見でも申し上げましたが、私としては、震災の遺児、孤児への対応に取り組んできたところでもあり、就任時にも遺児、孤児への丁寧なフォローアップを事務方に指示するなどの対応を行い、何とか来年度には面談調査もできる道筋を整えてきたところであります。引き続き、心のケアやコミュニティ形成などの被災者支援などの課題に取り組んでまいります。

 また、原子力災害被災地域におきましては、本格的な復興・再生に向けた中長期的な対応が必要であり、先ほどお話をいたしました来年4月に設立予定のF-REIの準備や、特定復興再生拠点区域外の避難指示解除に向けた取組など、多様な課題やニーズにきめ細かく対応していくことが重要であります。

 来年の3月には、東日本大震災の発災から12年を迎えます。かねてから申し上げてきましたように、「二つの風」、すなわち風評被害の払拭と風化の防止と闘いながら現地現場主義を徹底し、被災者に寄り添いつつ復興に全力で取り組んでいく所存であります。

 この記者会見のみならず、現地視察における様々な報道など記者の皆様には、本年大変お世話になりましたことを心より御礼を申し上げたいと思います。

 私からは以上です。

 

2.質疑応答

 

(問)復興大臣交代という報道が出ていますが、御自身の進退についてお願いいたします。

(答)これまでも繰り返し述べてまいりましたが、人事につきましては、私が決めることではございませんのでコメントすることはできません。いずれにしても、復興大臣、特に被災地選出の大臣として現地現場主義を掲げて、これからも地域に寄り添った対応を続けてまいりたいと考えております。

 

(問)大臣自身は、今、辞任の意向はあったりするんでしょうか。

(答)これは、本当に、人事権者でありませんので分かりませんけれども、いずれにしても、本当にまだまだ中長期的な対応が被災地では必要とされておりますので、復興を着実に前進させるということが何よりも重要なことだというふうに考えております。

 

(問)先ほどの話題に含まれるんですけれども、交代論が出ていること自体の大臣の受け止めを教えてください。

(答)繰り返しになりますが、最終的には総理がお決めになることだというふうに思っておりますが、確かにこれまでの政治活動に対して、様々な御指摘をいただいてきたのは事実であります。ただその中には、大分事実誤認に基づく報道も多かったというふうに思っております。これまで提出すべき資料も全て提出をし、丁寧に説明を実施してまいりましたが、少なくとも私自身に関することについては、何一つ法令に違反することはなかったというふうに認識しております。しかしながら一方で、一部にはまだまだ不十分だという声があるのも事実でありますが、一番大事なことは、繰り返しになりますが、復興に停滞がなく着実に前進させていく、このことが大事なんだろうというふうに思っております。

 

(問)御自身が大臣を続けることで、今後復興の停滞とか、そういうところへの影響というのは、国会でもまた指摘があると思いますが、どのようにお考えでしょうか。

(答)まさに、そういった影響がないようにしなければなりませんし、財源論の問題もございましたので、被災地に不安を与えるようなことをしてはならないと、そういうことが一番重要なことなんだろうと思っております。

 

(問)今、交代というようなお話がいろいろ出ていますけれども、人事に関しては、任命権者である総理のお考えだということよく分かるんですけれども、御自身が自分で辞めるということについては、御自身の御判断だと思うんですが、その辺りはいかがなもんでしょう。

(答)繰り返しになりますけれども、大事なことは、やはり被災地の皆さんに不安を抱かせないように、目に見える形で復興がやはり進捗してきているなという仕事をしていく、このことに尽きるんだろうと思っております。

 

(問)一方で、御自身で辞任する考えはないということなのかなと思うんですが、秋葉さん、将来的に、当然政治活動を続けていかれると思うんですが、ここで、御自身で辞任した大臣というのと、総理から更迭された大臣ですと、いろいろ後にも大分変わってくるとは思うんですが、その辺りも御自身よくよく考えていらっしゃるんでしょうか。

(答)繰り返しになりますけれども、やはり復興をどう前に進めるかということが一番重要なわけでありまして、そういったことを前提に総合的に勘案していくということの話になるんだろうと思います。

 

(問)最後に1点だけ、金曜日の夕方の会見で、被災3県の実情は誰よりも詳しいというふうに自負されているというふうにおっしゃいました。今もそのお気持ちに変わりありませんか。

(答)皆さんも御記憶されていると思いますが、私は3月12日に自分の車で地元に何とか戻りました。まさに一言で言えば、石油コンビナートから発生する鼻をつく異臭であったり、また、沿岸部に行ったときの、まるで戦場のような光景を、今でも忘れることはできません。

 そして、また被災地の皆さんが生きるか死ぬかという状況の中で、様々な声を毎日肌身で受けて認めてまいりました。そうした被災地の皆様の苦しみや思いというものを代弁する仕事をしてきたというふうに自負をしておりますし、先ほども申し上げましたように、宮城、岩手ではハード事業が整備されつつあるように見えますけれども、実は、ハード事業についても、10年たったからこそ手つかずだった分野が明らかになっているんです。

 また、一言で心のケアと申しましても、皆さん大変な思いをしたわけですが、その中でも特に、遺児、孤児のフォローアップ、面談調査というものが、まだ手つかずだったり、いろんな課題があって、そして被災者の皆さんから聞いてきた、いろんな疑問や、あるいは課題、こういったものを一つ一つ実現をしていきたい、その思いで取り組んでまいりましたので、そういう意味で、被災地の皆さんの思いというのは、誰よりも理解してると自負しているということを申し上げる次第であります。

 

(問)今おっしゃった、復興をどう前に進めていくかが大事なので、総合的に勘案していくということをおっしゃいました。自らの御進退について、御自分が大臣におられるよりも、復興にとって、復興をどう前に進めるが大事だということがあり得ますか。大臣は、先週、確かに自負について御発言されました。そのような自負を持っている方が大臣でいるよりも勘案しなければいけない、復興、被災地について、それより優先しなきゃいけないということってあるんでしょうか。

(答)本当に恐縮ですが、繰り返しのことになりますけども、やはり、被災地に御迷惑をかけたり、復興が何か停滞することは、ぜひ避けなければならないし、復興大臣というのは、まさに各省庁を束ねて、横串を刺して、復興を前に進める司令塔機能の役割を担っているわけでありますから、そうした仕事に支障が出ないようにしていくということが、まず大前提だと思います。そして重要なことは、やはり現地現場の生の声というものを、しっかりと自分の足で吸い上げて、生の声を具体的な施策に落とし込んでいく、そういう仕事をしっかり続けていく、これが復興大臣の職務だというふうに思っております。

 

(問)今、関連しての質問なんですが、被災地の復興を前に進めていかなければならないことが重要だというふうに、御自身様々な声があることは承知しているとおっしゃっておられますけれども、そうすると、そういうことを勘案して、自ら身を引くというふうにも受け取れなくはないんですけど、その辺はいかがですか。

(答)繰り返しで本当に恐縮ですが、重要なことは、本当に復興のスピードというものが、緩むことがあってはならないということだと思います。令和5年度の予算の概算要求におきましても、多少減額にはなりましたが、それは中間貯蔵施設への持ち込みが一段落した分でありまして、全体としては実質的に、満額以上の予算措置もできたのではないかなと思っております。やはり財源の面でも、被災地の皆さんに不安を与えないということと、それから最後の最後まで、国が責任を持って、被災地に寄り添い、被災者の皆さんに寄り添って対応していくんだ、そういう思いで、これからも仕事をしていかなければならないだろうと思いますし、まず被災地、被災者ファースト、これが復興庁として最も重要なキーワードなんだろうと思っております。

 

(問)今のところ、辞任のお考えないということでありますので、本日この後、公務などの御予定どうなっているのかだけ教えていただけますでしょうか。

(答)それは、また詳しく聞いておりませんけども、いずれにしても、復興大臣として、しっかりと最後の最後まで、被災地の皆さんに御迷惑をかけるようなことは、あってはならない。復興を前に進めていくことが重要であるということを、まず、申し上げておきたいと思います。このことに尽きるんだろうというふうに思っております。

 

(問)特段、今入ってる公務は無いということでよろしいですか。

(答)ええ、私がコメントする立場でもございませんので、今の思いというものを、率直にお話をさせていただいてる、こういうところであります。

 

(問)ちょっと政務の話になるかもしれませんが、23日、24日の夜に仙台市内で国政報告会があったと思うんですが、これは、復興に対しての思いだったりを地元の皆さんに述べる場でもあったと思うんですが、キャンセルされたのはどうしてかというのを教えていただけますか。

(答)地元で、やはりコロナウィルスが急拡大をしているということがございまして、これは、どちらかというと、東日本のほうの感染者がかなり増えてきているということがあって、そういったことに配慮したというふうに聞いております。

 

(問)F-REIについてちょっと伺いたいんですが、7年間の事業規模で1,000億円程度を想定してとありますが、これ、令和5年度の予算だと146億という額でしたが、これを7年間続けていくと、ちょうど1,000億ぐらいになる、そういったイメージでしょうか。

(答)まさに午前中の会議で、今後7年間における第1期の中期計画期間でお認めをいただいたということであります。前回もここで申し上げたとおり、学校法人と特殊法人で設置形態は違いますけれども、沖縄のOISTなどと比較しても、OISTの場合には前年法人も含めて7年間で400億円程度だということを考えますと、今回、このF-REIが1,000億円という規模で、今日の会議で担保されたというのは、大変大きな成果だというふうに認識をしております。特に、この1,000億という事業規模については、法人の運営と、それから研究開発事業、これがメインで1,000億でありまして、来年の4月に仮事務所の形でオープンになりますが、これからの施設整備費に係る事業費は含まれておりません。ですから、施設整備費も含めてとなりますと、OISTと比較しても、かなりの、今までにない金額での対応、これが道筋をつけることができたのではないかなというふうに考えております。

 

(問)確認ですが、1,000億というのは全額国費で確保するというイメージでよろしかったですか。

(答)まさにそのとおりです。

 

 これから、F-REIについては、研究開発メインで、1,000億円担保できたということと、さらに、これから様々な出資金、そして施設整備費というのが加わってまいりますので、本当に福島県民の皆さんのみならず、被災3県の皆さんに、本当に期待していただけるものにしっかりと育てて、仕上げていかなければならない、そのための推進母体も官邸に設置いていただくことになったということで、極めて画期的な成果を生むことができたんじゃないかと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

 いろいろと今年もお世話さまでした。

(以  上)


ページの先頭へ