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秋葉復興大臣記者会見録[令和4年12月20日]

令和4年12月20日(火)11時40分~12時00分 於)復興庁記者会見室 

1.発言要旨

 

 まず1点目であります。一昨日、中間貯蔵施設、浪江町の道の駅なみえ、陶芸の杜おおぼり、震災遺構浪江町立請戸小学校、福島水素エネルギー研究フィールドを視察いたしました。

 中間貯蔵施設におきましては、地域の皆様の御理解を頂きながら、施設整備や除去土壌等の搬入・貯蔵といった作業が、安全かつ着実に進展していることを確認いたしました。また、施設内にまだまだございます民家や老人ホームなどが強く印象に残りました。町の皆様の御決断がいかに重いものであったか、改めて実感をした次第であります。

 道の駅なみえにおきましては、多くの方々でにぎわっている様子を拝見いたしました。また、浪江町の地酒であります磐城壽や大堀相馬焼のコーナーも拝見し、伝統の技が継承されていることに希望の光を見い出すことができました。

陶芸の杜おおぼりにおきましては、大堀相馬焼の美しい造形を道の駅で拝見したばかりであるだけに、再興されることを強く願わずにはいられませんでした。現在、除染や復旧作業が進められているところですが、再建後の施設が地域全体のランドマークとなるべく、これからも整備をしっかりと支援をしてまいりたいと考えております。そして、この施設が多くの人に訪れていただけるようになることを願っております。

 震災遺構であります請戸小学校におきましては、教室や職員室などに数多く残る震災の爪痕や、避難の道のりを説明したパネル、そして児童の方々の思いや復興支援に携わった皆様からの激励の言葉が記された黒板などを拝見いたしました。東日本大震災発災当時の被災状況を残し、現世代から将来世代へと記憶や教訓をつなぎ、震災の記憶の風化と闘う施設というものが、いかに重要かを改めて認識したところであります。

 福島水素エネルギー研究フィールドにおきましては、太陽光発電を活用して水素を製造する世界有数の規模の水電解装置を擁し、製造された水素が、「道の駅なみえ」や「いこいの村なみえ」などに設置されている燃料電池などに供給されていると伺いました。福島を新エネ先駆けの地とし、その技術でカーボン・ニュートラル社会を実現すべく、果敢に挑戦を続けられていることに敬意の念を抱いた次第です。

 また、浪江町の吉田町長からは、復興特別所得税について議論されていることを踏まえて、復興財源の確保について改めて要請を頂きました。復興財源の総額をしっかりと確保し、被災地の皆様に安心していただけるようにするとともに、引き続き、被災地の皆様への丁寧な御説明に万全を期してまいります。

 今回の視察先での見聞も生かして、引き続き一日も早い被災地の復興・再生に向けて、全力で取り組んでまいりたいと思います。

 

 2点目ですが、昨日は宮城県利府町、仙台市、松島町を訪問いたしました。

 利府町では、利府町役場を訪問し、熊谷町長から、ハード事業は終了した一方で、今後のメンテナンス費用の負担が重くのしかかってくるという点、あるいはカキの養殖業をなりわいとする後継者の確保が課題であり、ぜひ支援をしていただきたいといったお話がございました。

 次に、仙台市では仙台市役所を訪問し、郡市長から、新たな津波被害想定を受けた対応が必要であり、国の関連予算措置についての御要望をいただきました。また、来年の3月に世界防災フォーラムが仙台で開催をされ、これに併せて、仙台防災未来フォーラムを開催することで、東日本大震災の経験や教訓をしっかりと世界に発信し、復興した姿とそのお礼ができる場としていきたいので、復興庁としてもぜひ協力をしてほしいといったお話を承ってまいりました。

 また同じく仙台市において、みやぎ心のケアセンターを訪問し、宮城県のケアセンターの運営に関わる方々から、これまでの心のケアなどの被災者支援の取組や、センターにおける相談の実施状況について、お話を伺いました。意見交換の中では、対応件数は依然として高い水準である、継続率は増加傾向であり対応困難なケースも増加傾向である中、地域の他の関連機関と連携した対応を充実させていきたいというお話がありました。

 初期の頃は、健康調査で高齢者の相談が多かったが、最近は相談の内容が複雑化、多様化し、重複しているケースが多くなっている。その中で、若い世代も含めて子育てや家族の問題、職場での人間関係の問題、アルコール依存症の問題も相変わらず大きな課題となっているというお話をいただいたところであります。

 心のケアセンターが1つのプラットフォームとして、地域の専門機関や医療機関に円滑に結びつけていく機能の強化が必要不可欠だと、私自身、強く感じました。心のケアセンターによる相談対応が、より被災者に寄り添ったものとなるよう、今回いただいた御説明や御意見を、今後の心のケア等の被災者支援の充実に生かしてまいります。

 最後に、松島町では、東日本大震災慰霊祈念碑にて黙禱し、櫻町長から要望書を頂戴いたしました。要望内容は、町が今進めている企業誘致のため、復興産業集積区域における税制上の特別措置の期間の延長についてであります。この制度を適切に御活用いただけるように、今後、税制特例措置を延長できるように努力をしてまいりたいと考えております。

 

 3点目ですが、本日、東京都の生活再建支援拠点であります、NPO法人医療ネットワーク支援センターを訪問し、東京近郊に避難されている方々の状況などについてお話を伺うこととしております。本日の模様は、金曜日の会見で御報告させていただく予定です。

 

 4点目ですが、12月22日の午後に福島県福島市を訪問いたします。

 福島市では、ふくしま心のケアセンターにおいて、心のケアの相談支援の取組状況について、担当者の方から説明を受けることを予定しております。ケアセンターでは、被災者に寄り添った心のケアの相談支援に御尽力をいただいているところでありまして、心のケアの現場の取組をしっかりと見てまいりたいと思います。

 

 5点目になりますが、「持続可能な復興広報を考える検討会議」につきまして、第5回目の会議を今週の23日13時より開催をいたします。第5回につきましても前回同様、報道関係の皆様に傍聴いただけるようにしております。詳細は、事務方までお問合せをいただければと思います。

 

 最後6点目になりますけれども、本日の閣僚懇談会におきまして、経済産業省とともに、復興庁及び農水省が協力をし、官民連携の枠組みであります「魅力発見!三陸・常磐ものネットワーク」、これを立ち上げることとしたことを報告し、併せて各省庁にも御協力いただきたい旨の呼びかけを行わせていただきました。「三陸・常磐もの」の消費の拡大、魅力の発信のため、復興庁といたしましても、経産省や農水省とともに、このネットワークの取組をしっかりと進めてまいります。

 なお詳細については、事務方にお問合せをいただければと存じます。

 

2.質疑応答

 

(問)最後の消費拡大のためのネットワークについてなんですけれども、復興庁としてはどんな役割、具体的にどんなことをするということでしょうか。

(答)復興庁としては、インターネットやラジオ、雑誌など、様々な媒体を活用した情報発信やイベントの開催などを通じまして、これまでもいろんなフェアをやってまいりましたけれども、「三陸・常磐もの」の魅力や安全性について、これからもしっかり発信をしていかなければならないと思っておりますし、こうしたネットワークの取組を広く周知することによって、消費の拡大に結びつけていきたいと考えております。

 また、復興庁内におきましても、職員の皆さんに対して、三陸や常磐ものの消費拡大に向けて、取組への参加を促してまいりたいと思っております。具体的にも、この三陸や常磐もののお弁当の積極的な購入でありますとか、これまで取り組んできた様々なイベントや行事、こういったもののネットワークというものをしっかり整備して、より総合力を発揮できるような体制を構築してまいりたいと考えているところです。

 

(問)これ念頭にあるのは、来年にもと言われているALPS処理水の放出に関しても、風評被害対策という思いもあるという認識で大丈夫でしょうか。

(答)いや、特にそこに直接的に関係しているわけではありません。やはり、まだまだ風評というものがある中で、全く科学的な知見に基づいて安全が担保され、おいしいんだということをしっかりアピールをさせていただくことによって、消費拡大にぜひつなげてまいりたいと考えております。

 

(問)逆に言うと、それでは、なぜこのタイミングなのかなというのもあるとは思うですけれども、どうしてこうしたタイミングで。

(答)タイミングといいますか、これは、でも、いろんなフェアやイベントで消費拡大のことは絶えずやってまいりましたし、先ほど申し上げましたとおり、これまでもインターネット、ラジオ、雑誌等々、様々な取組を重ねてまいりました。今回は、こうした取組を復興庁だけではなくて、経産省と農水省としっかり連携をして、この3つの役所がネットワークとして、非常に足並みをそろえることで発信力を強化していこうと、あくまでそういった狙いでありまして、来春のそうした海洋放出が前提だということではございません。

 

(問)冒頭ありました復興広報の検討会についてですが、第5回は引き続き委員の方の御発表というところでよろしいのかということと、あと取りまとめの時期は年明けと思われるんですが、具体的にいつ頃になる予定か教えてください。

(答)今週の金曜日に、第5回の会合をさせていただいて、年明けのしかるべきタイミングで、また最後になると思いますけれど、年明けの第6回目の会合が、ここでしっかりと取りまとめを行う予定にしているところであります。これまでも申し上げてまいりましたが、取り入れられる提言については、復興庁としては幾つか既に実践をしてまいりましたし、また復興庁の下に組織しておりますタスクフォースには、各省の皆さんに御参加をいただいておりますが、各省の皆様においても、参考になること、あるいは今後工夫できること、随時実施をしていただければなというふうに思っております。

 具体的な講師の方でありますとか、5回目の内容は、また事務方までお問合せをいただければと思いますが、これまでも本当に非常に示唆に富んだすばらしい御意見をいただいてきたなと思っておりますが、なかなかそうした御指摘や御提言というものを実行に移す場合に、少しやはり難しさみたいなものがあるのも正直なところだと思うんですが、しかし、御指摘や御提言いただいたことは、本当になるほどと思うことが多かったもんですから、できるだけ今までやってきた広報のブラッシュアップというものに結びつけていけるような工夫を、これからしてまいりたいと考えております。

 

(問)冒頭1点目の中間貯蔵施設などの福島県の視察なんですが、これは大臣の国会対応のため、延期された視察であるということだと思うんですが、この関係者の皆さんへどのように説明、謝罪などされたのかどうか伺えますでしょうか。

(答)いや、特にございません。Jヴィレッジを訪問した時に、そうした発言をさせていただいておりますので、御理解を頂いているものと理解しております。

 

(問)復興の特別所得税の関係で、税制大綱で1%切り下げた上、延長するというような方針でしたが、この点について何か被災地からどういった声が聞かれたか、どのようにそれを大臣が説明したかについて伺えますか。

(答)内堀知事とは、適宜、いろんな電話連絡等もさせていただいているところでありますけれども、やはり地元紙などの世論調査などを見ても、なかなか御理解が十分いただいてない面があるなというふうに認識しておりますので、やはり復興財源というものが決して削られるということではないんだと、しっかりとこれからも総額で確保していくんだということを、丁寧に伝えていかなければならないんだろうと思っておりますし、私自身もぶら下がりでありますとか、こうした会見の席において、常に復興財源が転用されることはないと申し上げ続けてまいりました。復興財源を総額で、これからもしっかりと確保するということを明言させていただき、丁寧に説明させていただくことによって、被災3県、とりわけ福島の県民の皆様の御理解をいただけるようにしてまいりたいと思います。

 また、復興庁の事務方からも、被災3県をはじめ原子力災害被災12市町村、特に自治体の皆様にも、しっかりと情報提供させていただいているところであります。復興庁としては、先般、与党税調の大綱の中に、改めてこの財源の確保ということが中長期的に必要になるという文言が盛り込まれたわけでありまして、こうした与党税調の盛り込みの文言というものを、政府としてもしっかり反映できる形にしていかなければならないと考えております。いずれにいたしましても、復興財源の面で、福島県をはじめ被災3県の皆様に不安感を持つようなことがないように、十分な財源の措置を継続するんだということを、丁寧にこれからも説明していかねればならない、そのことに尽きるんだろうというふうに思っております。

(以  上)


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