1.発言要旨
どうも、今日はお疲れさまでございます。
本日は岩手県の大槌町、山田町、宮古市を訪問し、献花・黙とうを捧げ、各市、町の首長の皆さんに大臣就任の御挨拶をさせていただきました。
大槌町では城山公園にて献花・黙とうし、平野町長から町の復興状況を伺いました。やはり魚種が変化をして、なかなか不漁で大変だという問題、一方でジビエに積極的に取り組んでいて、そうしたジビエをさばく施設を設置して、非常に売上が好調だというお話を伺いました。
また、国際的に活躍をしている看護師の方が、地域おこしについて一生懸命活動していただいていることもありがたいという話も伺いました。
また、山田町では、まちなか交流センターにおいて黙とうし、佐藤町長から町の復興状況を伺いました。大槌町と同じように、やはり漁業支援、漁業の不漁の問題、しっかり手を貸してほしいというようなお話でありました。山田町には既に1か所道の駅がございますが、近くに、反対側に新たな道の駅を、今、これから建設をしていくということに当たって、何とか1つの町ではありますが、2つの看板を認めてほしいという状況がございます。何とか佐藤町長からの要望を実現するように、局長にも指示をしたところでございます。
また、最後、宮古市におきましては、たろう観光ホテルにて黙とうし、ガイドの方から震災時の津波の迫力、その怖さと教訓など、伺うことができました。私も平成26年以来、3度目の訪問ということになりますけれども、大分ハード事業の整備は進んだなという印象を受けましたが、過去2回はホテルを見るだけでございました。近くで話を聞くだけでございましたが、今回は三王岩のほうもガイドの方から御紹介があり、予定にはなかったんですけれども、近くということで足を運びました。
3つの岩、あの大津波で残ったということ、その一方で巨大な太鼓岩ぐらいの大きさがあるものが流されたというようなこと、本当にたろう観光ホテルとセットで見ていただくと、非常に理解や教訓が深まるのではないかなという問題意識を持ちましたし、また、岩の道路の反対側には、いわゆる一本松の高い松が残っておりまして、陸前高田のみが有名になりましたけれども、ああいったところもこれからの震災復興のプロセスの中で、新たな観光スポットになり得るんじゃないかなと思いました。
それから最後に、今、市長にも御案内をいただき、遊覧船の宮古うみねこ丸を視察させていただき、市長からも観光業の取組などを伺ったわけでありますが、なかなか再開が難しくなってきた中で、しっかりと、今年、こうした遊覧船が就航できたことは非常に意義のあることだと思います。
結婚式なども、カップルが2組、この船上で行っているという話も伺いましたし、平日であってもほぼ満席で運行がされているということは、これからのまちづくりの活性化の起爆剤として有効に活用できるんじゃないかなというふうに思います。
また、市長からは心のケアやコミュニティ支援、あるいは日本海溝、千島海溝に伴うさらなるハード事業の整備に対する支援策ということも御要望、6項目いただきましたけれども、いずれも重要な課題だと認識しておりますので、復興庁としても関係省庁としっかり連携をしながら、対応してまいりたいというふうに思っております。
また、3つの町、市に共通している課題としては、やはり元地の利活用が十分進んでいないという課題を改めて認識をいたしました。復興庁もこれまでハンズオン支援など、様々な寄り添い型の支援を、実施をしてまいりましたけれども、さらに引き続き、こうしたきめの細かい支援をさせていただくことによって、有効な元地活用につながるように、知恵やアイデアを出していくことが必要だと、このように思うところでございます。
引き続き、現地現場主義を貫きながら、被災地に寄り添った対応してまいりたいと思います。
2.質疑応答
(問)重なるところがあると思いますが、お伺いいたします。今回、3市町を訪問されて、全体を通して、総括して思われたことというのはどんな所感をお持ちになったでしょうか。
(答)正直、私もこういう立場になって、地元にお伺いするのは、本当に7年ぶり、8年ぶりでございます。したがって、震災直後、まだ混乱している中の訪問でございましたが、やはり岩手県においてもハード事業については、非常に住みよいまちづくりができているんじゃないかなと思っております。ただ、この今日伺った3自治体に限らず、やはり地方においては、人口流出に歯止めがかからないという現実もございます。そういった中で、こうした津波被害に遭った自治体というのは、日本全国から、あるいは世界から多くの支援の手を差し伸べていただき、そういう意味では、関係人口という意味でつながりができた自治体がたくさんあると思いますので、これはこれからの町の活性化にとって、大変大きな財産だと思いますし、ここ、最後に伺った宮古市においては、市長から丁寧な御説明をいただいてまいりましたけれども、本当に観光ホテルが、やっぱり震災遺構として、あれほど雄弁に津波の恐怖を物語っている施設はないと思います。
これからの防災教育や、震災の教育に生かしていただきたいと思いますし、私も3度目、4度目の訪問で初めて三王岩に伺いましたが、市長もいらっしゃいますけども、本当にぜひセットで必ず伺って、そんなに歩いても大した距離じゃないと思いますのでね。非常に津波の怖さというのが、雄弁に伝わるんじゃないかなと思います。
そして、今日の総括でも申しましたように、やはりどの町も岩手県全体での元地の活用率がまだ5割ぐらいにとどまっているというのは、やはり大きな課題の1つだと思いますので、やはり復興庁の出先が釜石に常駐しておりますので、今日も局長はじめ職員の皆さん、随行してもらっていますが、何かいいアイデアを出して、こういったのも観光の呼び水になるように、我々もしっかり寄り添った対応をしてまいりたい、このように考えております。
(問)日本海溝・千島海溝など、東日本大震災を超えるような津波が起こるという話もありますが、次の備えとして、市町村でできること、できないことがあると思うんですけれども、国としてどんなことが必要、働きかけていくと、考えていますか。
(答)復興庁としては、予算のフレームというのは決まった中で対応してきておりますけれども、当然、新たな津波予測の被害に対しては、それぞれの基礎自治体が単独で事業費を賄うことは難しいと思っておりますので、やはり対応のための交付税措置をしっかりとさせていただいて、特に津波被害に遭った被災地においては、復興庁が関連省庁に横串を刺して、親身な対応をしてまいりたいと思います。
今日、市長からも、満潮時にはさらに高い波になるというお話も伺いました。やはり想定を超える波にも対応できるような、新たな対策というのは必要なんだろうと思います。ただ、具体的にそれがさらに高い防潮堤なのか、あるいは避難のフレキシブルな対応でカバーしていくのか、その辺はこれから自治体によって様々な対応ということになっていくんだと思いますが、ハード事業であれ、ソフト事業であれ、国としても責任を持ってフォローアップしていく、このことが大事だというふうに思っております。
本当に素晴らしい観光船で、ネクタイもエターナルグリーンで、皆さん、ポロシャツもそろえていただいて、非常に意気込みも感じますので、我々もしっかり寄り添って頑張ってまいりたいと思います。
(以 上)
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