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西銘復興大臣退任記者会見録[令和4年8月10日]

令和4年8月10日(水)12:15~12:32 於)復興庁記者会見室

1.発言要旨

 皆様方にも大変お世話になりました。ありがとうございました。

 先ほど、閣議で辞表を提出してまいりました。

 この機会に改めて所感を申し上げます。

 昨年10月4日の就任に際して岸田総理からは、被災地に寄り添い、各省庁の縦割りを廃し、現場主義に徹して、福島の本格的な復興再生、東北復興の総仕上げに全力で取り組むよう、御指示をいただきました。

 この御指示を踏まえ、在任中には被災各県を24回訪問し、地域の方々から御意見を伺いながら、自分なりに現場主義を徹底してきたところであります。

 この間に様々な取組を進めてまいりましたが、福島国際研究教育機構の設立に向けた準備や、特定復興再生拠点区域内外の避難指示解除に向けた取組などの難しい課題についても、可能な限り前進させてまいりました。

 とりわけ、福島国際研究教育機構につきましては、総理から全閣僚に対して、全力で取り組むよう御指示されているところであり、福島復興再生特別措置法を改正し、機構の法人形態の決定、基本構想の策定、理事長となるべき者の選任などに取り組み、来年に控えた機構の設立に向けて、私自身が司令塔としての道筋をつけるという大役を果たすことができたと実感しております。

 新しい大臣の下でも、これまでの取組を一層推進し、復興をさらに前に進められることを期待しております。

 今後とも、復興庁が現場主義を徹底し、残された課題と向き合い、復興を加速していくことを期待するとともに、私自身も一政治家として、被災地に寄り添い、復興が成し遂げられるよう引き続き尽力していく所存であります。

 次に、沖縄担当につきましては、沖縄出身の国会議員として復帰50年の節目の年に担当大臣を拝命いたしました。

 特に、沖縄振興特別措置法等の改正について、全会一致で可決いただきました。与党内でも、法律の延長幅など真剣な議論があり、国会審議では与野党を問わず、沖縄を思っての叱咤激励を数多くいただきました。

 また、岸田総理が「強い沖縄経済」の実現に取り組むことを表明されたことを受け、私の下で、4分野について具体的な戦略等をビジョンとしてまとめました。人材育成、科学技術の活用を含むスタートアップ支援、農水産業の販売力強化など、今後の取組の成果を期待しています。

 さらに、沖縄復帰50周年記念式典は、国民全体で沖縄の復帰の歴史的意義を想起し、沖縄の歴史を振り返るとともに、沖縄の一層の発展を祈るという開催趣旨にふさわしい式典であったと思っています。

 沖縄は、依然として様々な課題を抱えています。引き続き、沖縄選出の国会議員として、沖縄の振興、発展に力を尽くしてまいります。

 北方対策担当としましては、北方領土隣接地域を2度訪問し、1市4町をそれぞれ回り、元島民の方々や自治体関係者と意見交換を行うことができました。また、根室高校を訪れ、啓発活動に熱心に取り組む生徒から、思いやアイデアを聞くことができ、大変心強かったことを思い出します。

 ロシアのウクライナ侵略によるこのような状況だからこそ、北方領土問題の啓発に力を注ぐべきだと考えます。公務員採用試験での出題に向けた働きかけや、私自身も微力ながらツイッター等での発信をしてきましたが、様々な工夫を凝らしながら、若年層をはじめ、この問題をしっかりと訴えていく必要があります。

 報道の皆様にも、この1年間、大変お世話になりました。心より感謝を申し上げまして、私からの発言を締めたいと思います。ありがとうございました。

 

2.質疑応答

 

(問)冒頭でも言及のありました「強い沖縄経済」に向けた西銘大臣ビジョンについてなんですけども、新大臣にどのように引き継いでいってほしいか、大臣の思いをお願いします。

(答)沖縄振興計画を後押しするために、4つの重点分野に絞って、きめ細かくヒアリングをして取りまとめたものであります。

 沖縄振興をバックアップする意味でも、これから具体的に概算要求に向かって、新しい大臣の下で「強い沖縄経済」ビジョンとして取り組まれていくことを、期待をしておりますし、私も党のほうに戻りましたら、沖縄振興調査会の関係の場で、沖縄振興全体を見ながら、特に「強い沖縄経済」のビジョンを見ながら、後押しをしていけたらと思っております。

 報道では岡田大臣が就任されると出ていますが、国土交通大臣政務官の頃に一緒に政務官をした方で、すばらしい方でありますので、地方創生等々やっていかれるのかなと期待をしております。

 

(問)同じく沖縄振興についてお伺いします。

 復帰50年を区切りとして、沖振法、沖縄振興特別措置法による一括の予算計上をやめて、他県のように各省に予算要求する形に切り替える考えも念頭にはあったと、大臣御自身は過去の取材にお答えしてらっしゃいました。ただ、結果的には、沖振法による一括形式は変わらず、6次振興の計画の取りまとめとなっていますけれど、この決断とか御判断について、改めてどういうふうに答えられるのか教えてください。

(答)復帰50年の節目で、法律を10年間延長いたしました。政府に入る前の段階で、沖振法はいつまで続くのであろうか、あるいは全国並みに各省庁と予算の折衝をしていくような力強い沖縄の体制をつくっていくこともあろうかというような議論はしたことがありますが、結果として、旧法の下での一括した計上の方式は必要だということになって、今般、沖振法と沖縄公庫法を含めて、跡地利用法等を含めて改正をすることができました。

 国会審議の場で、与党、野党の先生方から様々な厳しい指摘等もいただきましたが、その根底に与党、野党問わず、沖縄振興に対する熱い思いは感じておりましたので、全会一致の形でこれらの法律が延長できたことを、担当の大臣としては、ほんとにほっとしたといいますか、1つの法律、10年延長できたと。

 また、議論の過程の中では、10年というのはこの時代の変革期にあって長過ぎないかと。5年ごとに見直すぐらいの気持ちが必要ではないかという指摘等もありましたが、これもいい意味での時代の流れを速く変革していくので、DX、GXも含めて、そういう意味では5年ごとに見直すことも必要じゃないかという議論も、私は好意的に受け止めて、附則のほうに書き込まれていったと思いますし、国会審議もよかったなという思いで答弁を一生懸命やっておりました。

 沖縄振興、まだまだ課題は残されておりますので、新しい大臣の下でしっかり地方創生を担当するという報道は見ておりますが、しっかり取り組んでいただけたらと思い、また私自身は党のほうに戻って、沖縄振興調査会の場から応援をしていきたいと思っております。

 

(問)大臣、約1年間、お疲れさまでございました。

 まず、沖縄振興の振り返りについて、ちょっとまた新たにお伺いしたいんですけれども、冒頭、大臣も御発言あったように、いわゆる西銘ビジョンということで、4つの重点項目、出されてるかと思うんですけども、その成功を見届けないまま御退任されるということかなと思うんですけれども、今年は復帰50年の、51年目の予算編成も後で控えているということで、ちょっとやり残したことであるとか、ここは見届けたかったというような部分ございましたら、お話しいただければなと思います。

(答)沖振法の改正、沖縄公庫法、跡地利用法等々の改正というのが、大きな山場だと思っておりましたので、私としてはそれを無事、法案を全会一致で国会審議、可決していただいたというところで、ひとまずほっとしたといいますか、その思いが強くありました。

 また、総理が就任以来、「強い沖縄経済」という言葉を受けて、ビジョンをつくりましたが、これはスタッフとヒアリングしながら重点分野に絞って取り組んでまいりましたので、沖振法をバックアップしていく、後押ししていく体制として、これから8月末の概算要求、そして12月年末の来年度の閣議決定予算という形の流れになりますけれども、新しい大臣の下で概算要求等をしっかりしていただきたいという思いであります。

 一日一日懸命に日程をこなしながら、積み上げてきたという感じがあるもんですから、特段、やり残したという感はなくて、新しい大臣にしっかりと引き継いで、沖縄振興も頑張っていただきたいなという思いで、さわやかな気持ちであります。

 

(問)大臣、復興大臣と沖縄・北方大臣として、北から南まで全国各地、飛び回ってきたかと思います。

 これまで、各首長さんなどとも信頼関係、築かれてきたと思いますが、1年で替わってまた新しい大臣が信頼関係を築いていくことになると思いますが、このあたりの影響というのはどのようにお考えでしょうか。

(答)復興大臣の最初の就任の記者会見の場で、片手間に復興をやるのかというお叱りの質問も受けましたが、総理からの指示が、とにかく現場に寄り添いなさいということで、また福島の知事さん等々との就任挨拶等でも、それぞれの市町村で現在進行形だという課題がたくさんあるということで、足しげく通って現場の声を聞いて、それに寄り添ってやっていくというスタイルが、逆にこれはいい方法だなという思いで、沖縄振興についても、できるだけこちらから、時間が取れたら市町村を訪ねて、沖縄振興の予算が使われてる現場、あるいは意見を交換しながらというスタイルを取らせていただきました。

 私の感じからすると、イメージとしましては、復興庁の復興大臣室が4分の3ぐらいのイメージであれば、沖縄大臣室にいたのが4分の1ぐらいのイメージかなという思いではありますが、でも、現場に出向いて、沖縄県内41(市町村)のうち31(市町村)ぐらいは回れたと思いますが、残ったところは、党に、国会に戻って、個人的にも残ったところも回っていって、選挙区を越えて沖縄振興全体に働きかけていかないといけないなという思いでおります。

 新しい内閣が、またスタートをすると、報道を見る限り、復興大臣と沖縄振興の兼務はないというふうに報道を見ておりますので、それはそれでよかったんじゃないかなという思いで見ております。

 復興庁方式が、非常に沖縄振興のほうにも参考になったという意味では、同じようなつもりでやりましたから、懸命に現場に出向いたつもりであります。ありがとうございます。

 皆さん、お世話になりました。ありがとうございました。

(以  上)


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