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西銘大臣記者会見録[令和4年6月3日]

令和4年6月3日(金)10時00分~10時22分 於)復興庁記者会見室

1.発言要旨

 それでは私から1点目。本日、復興推進会議及び原子力災害対策本部の合同会合が開催されました。私と萩生田経済産業大臣から、原子力災害からの復興の現状について報告した上で、葛尾村の特定復興再生拠点区域の避難指示解除を決定しました。総理からは、拠点区域の避難指示解除に向けた除染やインフラ等の整備、そして解除地域において住民の方々が安心して生活できる環境の整備に、引き続き全力を尽くすこと。昨年8月に決定した特定復興再生拠点区域外の帰還・居住に向けた避難指示解除に関する方針に基づき、帰還意向のある方が全員帰還できるよう、丁寧な意向の確認等の取組を着実に進めることについて指示がありました。
 私としましては、今般の葛尾村における解除は非常に重要な一歩と承知しており、避難指示解除後も同村の復興をしっかりと支援してまいります。
 また、他の特定復興再生拠点区域の解除に向けても引き続き支援するとともに、特定復興再生拠点区域外の避難指示解除に向けた施策の具体化に向けて、地元の意向を踏まえながら、関係省庁とともに、全力で取り組んでまいります。

 2点目。今週末、福島県及び岩手県を訪問します。明日4日土曜日には、福島県田村市、楢葉町及び広野町を訪問します。田村市ではテラス石森の移住ワンストップセンター及び株式会社A-Plusを視察します。楢葉町では、楢葉町甘藷貯蔵施設・育苗施設を視察します。広野町では、福島県立ふたば未来学園及び二ツ沼総合公園を視察します。
 明後日、5日日曜日は、岩手県洋野町、久慈市、田野畑村、岩泉町を訪問します。洋野町では、北三陸ファクトリーを訪問し、ウニの養殖の取組などについてお話を伺います。久慈市では、JC公園にて震災伝承施設を視察します。田野畑村では、机浜番屋群を視察し、エコツーリズムなどの取組についてお話を伺います。岩泉町では、小本津波防災センターと岩泉ホールディングスを訪問し、防災拠点の整備状況と町の基幹産業である乳製品加工販売の状況のお話を伺います。

 私からは冒頭以上です。

2.質疑応答

(問)総理が、週末に福島を訪問されると思うんですが、これについて西銘大臣のほうから所感等をいただくことできないでしょうか。

(答)6月5日日曜日、岸田総理が福島県葛尾村を訪問されることは承知をしております。私は、5日、就任以降まだ訪問していない岩手県沿岸北部の市町村を訪問し、復興の状況を直接視察することとしております。今回総理の福島訪問の日程と重なったため、総理のほうには、同行はできないこととなりましたが、5日の私の視察は、東日本大震災からの復興を確実に進めていく上で、同様に重要なものと認識をしております。
 今朝の合同会議において、避難指示解除の決定がなされた葛尾村を総理が訪問されることは承知をしております。いずれにしましても、今後とも被災地に何度も足を運びながら、総理が最初の発言で、東北の復興なくして、日本の再生なし、全閣僚が復興大臣であるという発言に基づいて、東北の復興に向けて、全力で取り組んでまいりたいと考えております。以上です。

(問)一点目の件で関連といいますか、特定復興再生拠点区域外の解除に向けた施策を具体化するというお話ありましたけれども、これ、意向調査について、今後どういった形で進めるか、時期的なものとか、どういう区域でというのが分かれば教えていただきたい。

(答)拠点区域外につきましては、まずは2020年代をかけて帰還意向のある住民の方々が、全員帰還できるよう、帰還に必要な箇所を除染し、避難指示解除を行うという方針に変わりはありません。まずは、帰還意向の確認を丁寧に、かつできるだけ早期に行うことができるように、現在政府として、各自治体の役場、議会、行政区長等に今後の進め方について御相談をさせていただいているところであります。残された土地、家屋等の扱いにつきましても、引き続き重要な課題であり、政府として地元と協議を重ねつつ、検討を進めてまいります。各自治体の個別の課題や要望を、丁寧に伺いながら、避難指示解除に向けた取組をしっかりと前に進めていきたいと考えております。
 20年代をかけて住民の方々のアンケートを取っていくという話でありますが、車座集会で避難者の方のお話を聞いていても、1回のアンケートで答えが出るものではないであろうなと感じますし、丁寧に、複数回、しっかり意向を確認していかなければいけないなということは感じております。いずれにしましても、地元の自治体の関係者と連携しながら、しっかり取り組んでいかなければならないと考えております。

(問)前回の会見で発表された、「強い沖縄経済」の実現に向けた西銘大臣ビジョンについてお尋ねしたいんですけれども、発表に際しまして、その後、沖縄県の玉城デニー知事が、事前に意見照会がなかったということで、唐突感を持つといったようなコメントを発表されましたが、それに対しての西銘大臣の受け止めをお尋ねしたいと思います。

(答)「強い沖縄経済」という表現は、総理が去年12月の臨時国会等で発言をされまして、それを受けまして、今年の2月頃から、また私のほうでこのビジョンの取りまとめに当たって、地元で第一線で活躍されている起業家あるいは実業家の方々をはじめ、合計22人の有識者から、私が直接お話を伺うとともに、県内外の方々へオンラインでのアイデア募集や、あるいは出張先での視察、車座対話、各界の経営者との意見交換などを幅広く実施してきたところであります。
 ヒアリングをする傍ら、5月頃をめどに取りまとめをしていきたいという話も公表しておりますし、もともとが昨日もお話ししましたように、国の基本方針に基づいた沖縄振興計画を後押しして加速化をしていくという趣旨でございますので、これらのビジョンの取りまとめの成果を活用しながら、国として考える未来の沖縄経済が目指す姿、分野別ビジョン、4つの重点分野を取り上げて今回ヒアリングをしてまいりました。その実現に向けて国が取り組む具体的な戦略等を、本ビジョンで示したところであります。このように、地元の様々な御意見もしっかり伺っており、また国としてのビジョンという性格に鑑みると、事前に沖縄県への意見照会を行う必要はなかったと考えております。
 なお、報道を通じて知事が少なからず唐突感を持つとのコメントを発表しておりますが、本年5月をめどに取りまとめる旨の話は、昨年12月の総理の「強い沖縄経済」発言以来、ずっと公にしてきておりますし、特に意図的に沖縄県に意見照会をするなという趣旨でやっているわけではありませんし、あくまでも沖縄振興特別措置法等に基づく、沖縄振興基本方針に基づいた沖縄振興計画を後押ししていく、加速化していくという趣旨でありますので、その意味で、唐突感という知事の感想は、私としては同じ方向性を基づいてやっているので御理解をいただきたいと思っております。

(問)復興拠点外の地域について、地元からは家屋の解体や除染など、荒廃抑制対策を求める声が上がってるんですけれども、これらについて、今後の対応について見解をお聞かせください。

(答)まず、国の方針は、先ほど申し上げましたように、20年代をかけてアンケート調査をしていくという基本方針であります。私も現場に出向いて車座集会等をしていると、現場の声は声としてしっかり受け止めているところであります。政府としては、各自治体の役場や議会、あるいは行政区長、住民の方々に、今後の進め方について御相談をさせていただいているところであります。早く帰還したいという方のお気持ちに応えるべく、政府としては、まずは帰還意向の確認を丁寧に、かつできるだけ早期に行うことができるよう、これも1度のアンケート調査ではなかなか最終の結論が出にくい課題でもありますので、丁寧に丁寧にやりながら取り組んでいこうと考えております。
 引き続き、各自治体の個別の課題や要望を伺いながら、避難指示解除に向けた取組をしっかりと前に進めていきたいと。拠点区域外であっても避難指示の解除に向かって取り組むという方針には、政府として揺らぎは全くありません。

 以上です。

(問)先ほどの、西銘ビジョンについての関連での質問なんですけども、玉城知事がコメント出されたということで、唐突感があるということに対して、西銘大臣、昨年12月から指摘されているというふうな御発言だと思うんですけれども、知事の真意として、先だって出された国の基本方針で、自主性を尊重という部分がなくなったというところがあって、県の振興計画を後押しするという趣旨でやられてるとは思うんですけれども、少しそこに対する警戒感があるのかなと思うんですが、西銘ビジョンというのは、あくまでも県の計画を後押しするものであるという趣旨で捉えてよろしいんでしょうか。
 それとも、国が主導して沖縄振興をやっていくという意思表示であるという捉え方でよろしいんでしょうか。

(答)「強い沖縄経済」の実現に向けては、沖振法に基づいて、県が策定した沖縄振興計画のほかに、年度年度の沖縄振興予算あるいは税制上の措置、政策金融など、各種の政策手段も最大限に活用しながら取り組むこととしております。
 ビジョンの中身を見ていただけたら、県の関係者が読んでも違和感はないであろうと、私は推測しておりますし、沖縄振興を進める立場の大臣として、総理の「強い沖縄経済」という言葉をどう具現化していくのか、これは毎年毎年のこれからの概算要求、予算に関わってきますけれども、唐突感という言葉は、2月からヒアリングして5月頃には取りまとめるということは、ずっとオープンにしておるつもりでありますし、その間、何があったか、何がなかったか分かりませんけども、沖縄振興という方向性は一緒でありますので、それも現場の41市町村、あるいは県が中心になって沖縄振興計画を推進していくという方向性は、何ら変わるところはないと思ってますので、じっくり読んでいただけたら、その辺の唐突感とか、御懸念は消えるのではないかと私は見ております。

(問)ちょっと確認なんですけども、沖縄振興の基本理念である自立型経済の確立という点は変わらないと、県が自立するための振興計画であるという点は変わらないという認識でよろしいでしょうか。

(答)事実というよりも、基本方針に基づいた県が策定した沖縄振興計画がないがしろにされたりとか、沖縄の自主性が損なわれるという、知事の発言が、唐突感ということから類推して、県の自主性が損なわれる等の御懸念は全くないと思っておりますので。私のほうで、41市町村長さんのほうには、こういうビジョンがまとまりましたので参考にしてくださいという、資料として配布もしておりますので、知事も読んでいただけたら、特に違和感はないんじゃないかなと私は考えております。
 自立型経済といっても、沖縄経済が沖縄だけで収束するわけではありませんし、私は、沖縄の、例えば、若手の経済人と対談する機会があっても、つながりがあるんであれば、他府県の人、あるいは海外の人でも、沖縄だけでまとまっていくと見えてこないものがあるぞと、連携をしながら沖縄の振興を考えながら、自らの事業、経営もやったほうがいいぞという話は、インフォーマルの場でも意見交換としてやっておりますし、自立型経済を目指すというよりも、「強い沖縄経済」、具体的には県民所得が上がっていくとか、あるいは農業生産高が増えていくとか、農家の手取りが増えるとか、というところを私自身はイメージしながら、ヒアリング等しながらまとめたところであります。
 目指すところは自立型経済、自分で立するという意味での自立型経済は目指すところの方向性としては、このビジョンも同じ方向性だと考えていただいて結構だと思っております。

(問)北方領土問題についてお伺いします。昨日、北海道の鈴木知事が官邸を訪れて要望書を提出されました。ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、交流事業は当面実施できないと伺っておりますけれども、大臣、まずこの状況について、どのように受け止めていらっしゃるかということと、もう一点が、代替事業、これに代わる事業、どのようなものをお考えでいらっしゃるのか伺えればと思います。

(答)昨日、鈴木北海道知事、脇千島連盟理事長、あと、石垣根室市長や、隣接する別海町、中標津町、標津町、羅臼町長さん、そろって総理に対しての要望書の手交がありました。
 具体的には、見送りとなった墓参や自由訪問等に対する別途の事業、洋上慰霊祭を実施してほしいという要望もありました。現実に、現下の状況での交渉は、なかなか厳しい状況であると総理のほうからも発言がありましたし、御要望の中でも洋上慰霊祭等含めて、要望いただいたものはしっかり検討していかなければならないという思いで、私もその場に同席をしておりました。しっかり受け止めて検討させていただきたいと思っています。

(以  上)

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