1.発言要旨
冒頭発言なし
2.質疑応答
(問)ALPS処理水の海洋放出の関連でお伺いしたいことがあるんですけれども。今、学校現場のほうで、全国の学校に配布された映像と復興庁のほうでお配りなられたチラシを巡って、復興庁ののほうでは「ALPS処理水について知ってほしい3つのこと」というチラシが配られていると思うんですけれども。その関連で、特に岩手県や福島を中心とした特に沿岸部のほうで、学校現場で混乱が生じております。
というのも、配布の方法で、各教育委員会を通さずに学校に直接送られたことについてまず混乱が生じているということ。あと、内容を巡って、安全性に関して一方的な考えだけが強調されているのではないかという指摘もありまして、一部では一度配布したものを回収したりであるとか、まだ配られていないものに関しては一旦配布を見送るようにという、教育委員会からの指示が出ている自治体があるんですけれども。
まず、このような状況になっているということを復興庁としてどのように把握されているのかということと、こういう状況になっていることに対しての大臣の受け止めをお伺いできればと思います。
(答)報道等については承知しております。チラシ配布の件でありますけれども、原子力災害に起因する被災児童・生徒への偏見や差別の背景には、放射線に関する正しい知識の理解の欠如や福島県の現状に関する認識不足があると考えております。
復興庁では、関係省庁と連携しまして、『放射線副読本』を用いた放射線教育を推進してきているところであります。ALPS処理水の処分方針の決定によりまして、新たな風評の影響が懸念される中、風評の影響を生じさせないため今回のチラシを副読本に同封したところであります。
なお、昨年の12月の関係閣僚会議で決定した行動計画の中でも、『放射線副読本』にALPS処理水に関する記載を追加し、全国の学校に配布するのに併せてALPS処理水について説明するチラシを配布することとしております。これは、必要に応じて廃炉やALPS処理水についてさらに詳しく補足説明ができるようにすることで、科学的根拠に基づく正しい知識を培うことを目的としております。趣旨などについては、丁寧に説明してまいりたいと考えております。
チラシの回収につきましては、記載内容に誤りはないと考えておりまして、回収は考えておりません。現場では、学校から例えば教育委員会が回収しているということもあると聞いておりますが、そこはそこで現場の判断を見守っているという状況です。
(問)追加でお願いします。
そうすると、学校で配布をするかしないかは、現場の判断に任せるというのが今のところの対応だというふうに認識してよろしいでしょうか。
(答)学校から教育委員会が回収しているところもあると聞いておりますが、それについてどうこうということは今はないです。丁寧に説明していかないといけないなという立場であります。
(問)例えば、今回のようにどういう趣旨で配布をしたのかとか、どういうふうに活用してもらいたいかとか、そういう考えがいまいちうまく伝わっていなかったのではないかという。
(答)教育委員会と復興庁の、こういう副読本の中にも行動計画に基づいて4行ぐらい記載はされているんですけど、それに追加してチラシを配ったんですけれども、配る前に丁寧なやりとりがちょっと足りなかったのかなと。
今、確認しましたら、復興庁と経産省で、各中学校、義務教育学校、高等学校などに事務連絡という形でペーパーは渡しているみたいですけれども、もう少し丁寧なやりとりがあったほうが良かったのかなという感じはします。
(問)最後にしますが、内容に関して、どうしても沿岸部だと漁業関係者の親御さんとかもたくさんいらっしゃって、非常にデリケートな問題であるので、なかなか安全性を強調する形の内容のものは配りづらいですとか、その辺りの配慮が欠けているのではなかろうかというところで配布を見送ったりという、そういう事情もあるようなんですけれども。その辺りについての受け止めというのはいかがでしょうか。
(問)復興庁としましては、科学的な根拠に基づく正しい理解をという思いで、行動計画に基づいたチラシを同封したものと理解しておりますが、現場の声は謙虚に受け止めるべきだと思いますし、その辺のところをしっかり現場の声を聞いて、こちら側が説明することがあれば、説明していきたいと思います。
ちょっと話は飛びますけれども、IAEAなど国際的な機関においては、その中に外国の専門家も入っていると聞いておりますし、そうした国際的な第三者による科学的な根拠に基づいた正しい情報を発信していくというのが復興庁の立場であります。
ですけれども、現場が混乱するということは復興庁も望みませんし、その声は謙虚に受け止めて、丁寧に説明していかなければならないと考えております。
(問)衆議院の区割りのことでお尋ねしたいと思います。大臣ご自身も、自民党の国会議員有志が募りました10増10減など衆議院議員選挙改革に関する賛同書に名を連ねていたと拝見いたしました。
昨日、政府の衆議院区割審のほうで10増10減に向けた区割り改定の方針というのが示されておりますが、自民党の有志がまとめた趣意書の中にも、東日本大震災の被災地から配慮を求める声があるということが盛り込まれておりました。
今回、大臣として自民党の有志のところに賛同した意図と、今回の10増10減に対するお考えがありましたらお聞かせください。
(答)サインするときに少し悩みましたけれども、復興の関係、あるいは地方の出身の者として、話し合いをする余地はあるのかなと。基本的には10増10減を進めていくという理解はしておりますけれども、そういう声が挙がっているということも考えて署名しました。
一票の格差があってはならないというのは基本でありますが、地方から出ている議員の一人としては、積極的に行動していくというよりも、話し合いをするという意味で私の判断で署名をしました。
(問)前の質問のALPS処理水の件ですけれども、チラシを配布することについて、大臣はいつの時点で承知したのか。それを見たときに、こうした混乱が起きるかどうかということは何か頭によぎらなかったのかどうかというのを教えてください。
(答)チラシそのものは、実際にこういうチラシがありますということは見ております。それを配布するときに混乱が起きるということは想定はしておりませんでした。あくまでも科学的な根拠に基づいて正しい理解をしてもらって、風評の影響が出ないようにという趣旨で理解しておりましたので、実際にこういう現場でこういうことが起こるということは、説明を受けた時点で私の頭にはありませんでした。
(問)処理水の問題を含めて放射性物質の問題、原発事故の問題、科学ということがそのまま通用しないというのは、この11年の多分、教訓だったと思うんです。恐らく科学というのを、科学的に合っているかどうかというのは、それは見る人によってそのとおりですけれども、それをそのまま適用できなかったこの11年の教訓というのがどこへ行っているのかなと思って、大臣に改めてお伺いしたいんですけれども。社会的な問題、差別とか偏見の問題とか、あるいは人によって受け止め方が違うということを、これからどういうふうに復興庁として、あるいは政府として考えていくのか。これまでのような、従来のような科学的に正しいからというようなことだけで政策を進めていっていいのかどうかというのは、私はちょっと疑問に思うんですけれども、大臣はいかがですか。
(答)この職を拝命したときの総理からの指示は、「全ての閣僚が復興大臣である」ということの次には、とにかく現場に出向いて現場に寄り添ってというのが、この職を拝命したときの思いであります。
今回のチラシ配布の件で、こちらは科学的な根拠に基づいて放射線の理解を進めていただこうという思いで、チラシも行動計画に基づいて副読本に同封して配ったんですけれども、事務連絡は1枚出ておりましたが、現場に寄り添ってという意味であれば、丁寧な説明、やりとりが少し足りなかったのかなという思いはあります。
現場に寄り添うというのは、特にこの原子力災害の被災地域の方々のことを思うと、基本中の基本ではないかなという思いはあります。
(以 上)
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