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西銘大臣記者会見録[令和4年2月8日]

令和4年2月8日(火)9:40~10:10 於)復興庁記者会見室

1.発言要旨

 おはようございます。

 冒頭、復興庁の関係で2点あります。

 1点目。明後日、2月10日で復興庁発足から10年を迎えます。これまで復興庁では、内閣直属の復興の司令塔として、復興大臣の下で関係機関との調整や被災地における自治体との一元的な窓口機能を担うなど、着実な復興の進展に尽力してまいりました。

 私自身も就任後、被災3県を12回訪問し、地域の実情をお伺いしながら、本日閣議決定した法案により、法人の名称を「福島国際研究教育機構」とする国際研究教育拠点などの様々な案件について、地元のご期待に添えるよう、関係機関と連携して取り組んでいるところであります。引き続き、一日も早い復興に向けて、政府一体の体制の中で私自身が先頭に立ち、現場主義を徹底し、被災者に寄り添いながら期待される役割を果たしてまいります。

 2点目。本日の閣議におきまして、福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案が閣議決定されました。この法案は、内閣総理大臣が新産業創出のための研究開発等に関する基本的な計画を定めるとともに、当該研究開発等において中核的な役割を担う新たな法人として「福島国際研究教育機構」を設立するものです。この法案の早期成立を図り、「福島国際研究教育機構」が福島の復興再生、そして世界の課題解決にも貢献するものとなるよう、全力で取り組んでまいります。

 なお、福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案の詳細につきましては、後ほど事務方より説明いたします。

 次に、沖縄担当大臣として報告いたします。

 本日、沖縄振興特別措置法等の一部を改正する法律案を閣議決定いたしました。この法律案は、沖縄の特殊事情に起因する課題が引き続き存在すること等を踏まえ、沖縄振興の一層の推進を図るため、今年度末に期限を迎える現行の沖縄振興特別措置法等の有効期限を延長するとともに、関係法律について所要の改正を行うものであります。

 令和4年度以降も切れ目なく沖縄振興策を推進し、沖縄の自立的発展と豊かな住民生活を実現できるよう、この法律案の早期成立に全力で取り組んでまいります。詳細につきましては、事務方にお尋ねいただきたいと思います。

 引き続き、沖縄担当大臣として、強い沖縄経済の実現に向けたアイデア募集についてご報告いたします。現在、内閣府では、昨年12月に取りまとめた「『強い沖縄経済』の実現に向けた諸方策について~西銘大臣の政策パッケージ~」を踏まえ、強い沖縄経済の構築に向けた検討を行っております。

 「強い沖縄経済」の実現に向けては、特に「観光リゾート・農水産業・加工品」、「IT関連産業」、「科学技術・産学連携」、この4分野が重要と考えられることから、これらの4分野を重点検討分野として選定し、「DX、デジタルトランスフォーメーションやデジタル化」、あるいは「競争力強化」、さらに「教育・人材育成」という切り口から検討を行いたいと考えております。検討に当たっては、4つの重点検討分野ごとに各界の様々な有識者からのヒアリングの場を設け、強い沖縄経済の実現に向けたご意見を伺っていく予定であります。

 また、有識者からのヒアリングと並行して、広く国民の皆様のご意見を伺うため、本日、内閣府ホームページにアイデア募集の特設サイトを立ち上げました。募集期間は、本日2月8日から3月31日までとし、頂いたアイデアは、「強い沖縄経済」の構築に向けた今後の検討に活かしていきたいと考えています。特に有望なアイデアがありましたら、後日、私が応募いただいた方から直接お話を伺う機会を設けることも考えていきたいと思っております。

 アイデア募集の特設サイトは、内閣府沖縄政策のホームページからアクセスできますので、皆様の率直なアイデアをお寄せいただきますようにお願いいたします。

 詳細につきましては、事務方にお尋ねいただきたいと思います。

 少々長くなりましたが、私からは冒頭以上です。

 

2.質疑応答

(問)冒頭大臣がおっしゃった、復興庁10年に関してお伺いしたいと思います。創設から10年の節目を迎えますが、大臣が日頃からおっしゃっているように復興というのはまだ道半ばで、特に原発事故汚染区域、帰還困難区域の解除ですとか廃炉、処理水対応、こういった課題が山積しています。

 そういった状況で、復興に、省庁を超えた司令塔として復興庁が改めてどういった働きを果たすべきとお考えなのかお聞かせください。

(答)福島の本格的な復興再生に向けましては、ご指摘のとおり帰還困難区域やALPS処理水などの様々な課題について、今後も国が前面に立って、中長期的な対応が必要と考えております。

 冒頭申し上げましたが、復興庁が司令塔として関係機関との調整や被災地の一元的な窓口などの機能を担って、地域の実情をお伺いしながら期待される役割をしっかりと果たしてまいりたいと考えております。

(問)もうちょっと関連してというか、続けて。被災地の一元的な窓口としてというお話をおっしゃいましたが、大臣は今年度、いろいろ復興事業の見直し、特に避難者の方の介護医療の保険料の縮小を検討とするですとか、被災地との温度差が広がっているのではないかと指摘するような声があります。そういった中で、地元の求める事業ですとか予算確保という面にどういった姿勢で臨んでいくのか、改めてそこを具体的にお聞かせいただければと思います。

(答)ご指摘の医療・介護保険料窓口機関の見直しにつきましては、地域の実情を一番よく把握している自治体からの意見にしっかりと耳を傾けることが極めて重要だと考えております。

 昨年、12市町村からご意見を伺いながら、それを踏まえて検討しているところであります。厚労省ともしっかり連携しながら、また、12市町村からの意見も聞きながら対応していかなければならないと考えております。

 復興庁としましては、復興を前に進めるために必要な施策の実施に向けて、各地域における復興の進捗状況など様々な要素を踏まえて、地域の実情をしっかりお伺いしながら、関係省庁とも連携しながら適切に対応してまいりたいと思っております。

 今、一生懸命検討中ということしかお答えできませんが、ご理解いただきたいと思います。

(問)復興庁10年についてお伺いしたいのですが、冒頭でもお話がありましたが、改めて決意のほどをお伺いしたいのと、関連して、新年度から教訓継承事業を始められるご予定だと思うのですが、同事業の目的、意義というのをお聞かせいただければと思います。

(答)東日本大震災の風化の防止と、ご指摘の教訓継承のためには、震災発生から10年が経過したこのタイミングでこれまでの復興政策を振り返り、その評価と課題を取りまとめておくことが非常に需要だと考えております。

 このため、令和4年度予算案におきましても、復興政策10年間の振り返りとして、所要の経費を計上しているところであります。関係省庁とも連携し、協力しながら、外部の専門家等の意見も聞きながら政府の復興政策を網羅的に整理し、評価や課題を取りまとめ、今後の大規模災害に生かせる教訓等が提示できるように、来年度から取組を本格化させてまいりたいと考えております。

 経費の計上は、1億円ぐらいを想定しています。

(問)改めて今回の沖縄振興特別措置法など、沖縄の関連法案の改正についての受け止めをまず伺いたいのと、あと2点ほどあるのですが、改正は4法案ということでいいのでしょうか。あと、強い沖縄経済をつくるためのアイデア募集ということで大臣、冒頭発表がありましたが、これはどなたの提案で今回のアイデア募集ということになったのかという経緯をちょっとご説明いただきたい。これは、例えばアイデア採用者へのインセンティブなどは想定されているのか。例えば賞金とかです。あと、3月31日までと期間も短くて、ちょっと唐突感が否めないなという印象があるんですけれども、振興計画を策定する上で適切な案がこれまで出てこなかったということなのか、その辺の経緯をいただければと思います。

(答)まず1点目の「沖縄振興特別措置法等の一部を改正する法律案」でありますが、ご指摘のように沖振法の改正、そして基地の跡地利用特措法の改正、それから沖縄振興開発金融公庫法の改正、それから復帰特別措置法の改正、4本にもう1点、行革法の改正も入って5本ぐらいを中心とした改正になっています。4つには限りませんけれども、関係する法案、私が知っている段階で、行革法の中に金融公庫の10年という措置等もありますから、そこまで含めて5本ぐらいあるかなと思っております。

 それと2点目の「強い沖縄経済」ということは、岸田内閣がスタートして、去年の12月の臨時国会、あるいは今年度の国会で所信表明や施政方針演説等の中で、総理の言葉として「強い沖縄経済」というのが出てきております。それを受けて、重点検討分野、さらには時代に合わせてDXや人材育成等も踏まえた切り口から案を作っていこうということですが、専門家の意見も聞きながら、広く国民のアイデアも、ネットで限られた時間ではありますが、この提言を5月頃をめどにまとめていこうと思っております。どういう案が出てくるか分かりませんが、ネットで出てきた案についても、専門家の意見を聞きながら検討しながら、これはというものをある程度取捨選択していくと想定、イメージしておりますけれども、その中でこれはというのがあれば、大臣が適宜聞いていくということも想定しております。

 賞金等というのは、想定外であります。

(問)閣議決定の受け止めを改めていただければ。

(答)党の沖縄振興調査会の幹事長としてずっと関わってきまして、政府に入って、今年の5月15日には復帰50年の節目を迎えるというときに「沖縄振興特別措置法等の一部を改正する法律案」の閣議決定の場にいたということも非常に重たいものを感じます。また、閣議決定したこの法律案を国会で十二分に審議していただかないといけないということもありますので、全力で取り組んで、沖縄振興特措法、成立に向けて改めて気合いが入ったといいますか、しっかり対応していかないといけんなという強い思いであります。

 これから国会へ提出して審議にいよいよ臨んでいくのかなと、重い責任を感じながらしっかり成立させていかないといけんなという、新たに強い決意を持って取り組んでいこうと思っております。

(問)復興の話に戻りますが、本日、福島復興再生特別措置法の改正案が閣議決定されたということで、国際教育研究拠点を法定化する重要な法案になるかと思います。地元としては、国際教育研究拠点の整備に対する期待は非常に大きいものがありますが、一方で、中長期的に財源と人員は確保されるのかということや、研究の成果が地元の産業化に本当に結びつくのかということについては、地元としても心配しているところがあります。今回の法定化によりまして、そういった地元の不安をどのように払拭、整理するお考えなのかお聞かせください。

(答)ありがとうございます。この法案は新産業創出のための研究開発等に関する基本的な計画を定めるとともに、当該研究開発等において中核的な役割を担う新たな法人として、福島国際研究教育機構を設立するものであります。

 また、既存施設の取組に横串を刺す調整機能を持った司令塔としての役割を果たすため、福島国際研究教育機構は、関係機関等で構成する協議会を組織することなどを法定化しております。福島国際研究教育機構が福島の復興再生を前進させるのみならず、世界の課題解決にも貢献する、地元の夢や希望となるよう、関係省庁が一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。

 まずは、この法案を国会で審議していただいて成立させることに全力で投球していかないといけないと思っております。この福島国際研究教育機構に対する地元の期待というものは、現場に足を運んでいる私も直に非常に大きいものを感じておりますし、ここに来る前に福島の知事さんから、閣議決定されたことに対する電話も頂きましたが、しっかりと取り組んでいかないといけないなと思っております。

 国、復興庁が責任を持って、中長期的不安がないようにしっかり対応していかないといけないといかんなという思いで今日の閣議決定を迎えました。

(問)もう1点お伺いいたします。台湾の現地の報道によると、今日の11時から地元の政府が記者会見し、日本産食品の輸入制限の解除について発表する見通しだと報じられております。発表前ではございますが、受け止めがあればお聞かせください。

(答)ご指摘の報道は承知しております。我が国は、これまでも輸入規制を講ずる国、地域に対して、科学的な根拠に基づく正確な情報を提供するなどにより、規制撤廃への働きかけを行ってきております。

 昨年の9月に米国が規制撤廃する等、各国、地域で規制の撤廃や大幅な緩和が行われてきているところであります。まだ14の国や地域で規制が残っているということを承知しておりますが、台湾側が輸入規制措置の見直しを進めていくに当たっても、我が国として台湾側が必要とする正確な情報を積極的に提供するなど、働きかけを行ってきているところであります。

 農水省、外務省も、台湾側が午前11時頃に発表するのではないかということを聞いておりますけれども、こちらといたしましては、まずは台湾側の発表を確認していきたいなという思いで見守っているところであります。

(問)沖縄振興関連のお話に戻るんですけれども、4つの重点分野にした理由というのは、これは大臣の独断で決められたというふうに考えてよろしいのでしょうか。

(答)私とスタッフとで話し合いをしながら、まず、岸田総理の施政方針演説、あるいは去年の所信表明の中で「強い沖縄経済」という言葉が発信されております。それを受けて、復帰50年の節目でもありますし、沖縄振興計画も50年の節目で、時代に合わせてどう取り組んでいかなければいけないのかという話し合いの中から、観光リゾート、あるいは農水産業、IT関連産業、科学技術産学連携、この4分野を設定したわけであります。

 この最近のデジタル化の進展、あるいは沖縄経済の課題とされている「稼ぐ力」を伸ばすための競争力強化との関連性が強くて、強い沖縄経済というのは、私自身もなかなか簡単に実現できるものではないと考えながらも、50年の節目に時代の大きな流れに合わせて取り組んでいかなければいけないなという強い思いで、この4つの重点分野を設定したところであります。

(問)岸田総理のご意向とか、そういったものがあってこの4つにしたということではないということですね。

(答)ないです。

 大臣を拝命したときの指示書などを見ておりましても、沖縄が日本の経済成長をけん引するために、観光の再生とか、あるいは層の厚い各種産業の振興とか、基地の跡地利用を含めた国家戦略としての沖縄振興策を総合的に、積極的に推進するという指示書の文言もイメージしながら、かつての沖縄の一次産業も少し観光産業と連携してもっと強めていくことによって、全国最下位と言われる県民所得をどうして上げていけばいいのか等々を含めて、スタッフと相談しながら考えてきたところであります。

 起点は、総理の所信表明の「強い沖縄経済」という文言がスタートになっております。

(問)国際教育研究拠点のことで確認します。新産業創出ということや世界の課題解決にも対応したいというようなお話でしたが、世界の課題解決というのは具体的にどういったものを指すのか。大臣のイメージとしてはどのようなものを想定されているのか、ちょっとお話しいただけますか。

(答)福島の地域は、地震・津波の被害に原発の災害もかぶってきておりまして、廃炉に向けた取組等もやりながらでありますから、その辺のデータの蓄積なども出てきていると思います。世界の課題というよりも、まず足元の福島の復興再生に取り組んでいくことによって、原子力災害も被っておりますので、その辺のところもこの新しい福島国際研究教育機構のほうで世界最先端の知識を有する人たちが集まってくるであろうと思っておりますので、福島の課題解決に資することがそのまま世界の課題解決にもつながっていくことができるというふうに私はイメージしております。

 新しい法人につきましては、まず今年度末に基本構想を取りまとめて、今年の夏には、この法案が成立した後に具体的な研究計画を、基本計画を策定していくことになります。その中で現在、浜通りでやっていることも含めて、統合しながらの考えも出てくるでしょうし、原子力災害に関するデータ等や、放射線の医学の分野で創薬等の研究ができないかというような検討もやっております。そういう意味では、福島の復興再生に資すると同時に、わが国全体の共通の課題であったり、世界の課題解決に向かっても貢献できるものが出てくると思っております。

(問)以前も聞いたことがあるのですが、大臣は何度も福島をご視察されて分かっているでしょうけれども、なかなか人が戻らないというか、まだ帰還困難区域も残っているという状況の中で、国際教育研究拠点と地元の自治体との乖離がとても多くて、なかなかイメージがつかず、以前質問したのは沖縄のOISTが地元に貢献していないというようなことをよく指摘されますけれども、福島の拠点もそれ以上に乖離してしまうのではないかというような懸念もありますが、そこの地元との関係をどういうふうにリンクさせる必要があると思いますか。

(答)私が大臣に就任しまして、法律上の福島国際研究教育機構の組織ができるときには、とにかく地元に喜ばれるものでないといけないということを強くスタッフと話をしておりまして。この法律案の考え方を総理へ説明したときには、沖縄にOISTというのがありますと。ベストインザワールドという、設立の当初から見てきた者としては、尾身幸次先生、沖縄・科学技術担当大臣、あるいは東大の学長をされた有馬先生たちの強い思い入れでOISTがスタートしておりますが、OISTも参考になるかと思いますということを、この福島国際研究教育機構の説明のときに言ったことがあります。

 今、OISTでも周辺にスタートアップの企業が出てきて、沖縄の振興にも資すると同時に、先ほど沖縄担当大臣の指示書の中で、沖縄が日本の経済成長の牽引役となるような、というところをどう読み込むかというと、私はこのOISTの周辺に出てくるところがスタートアップで出てきたら、日本の経済成長の牽引役になり得るのではないかなというイメージしながら仕事はしております。福島の新しいこの機構が地元に貢献しながら、それは人材育成であったり、産業競争力の強化であったり、地元に貢献して、さらに世界にも何か課題解決に貢献できるような組織になっていかないと、地元から浮いてしまってはいかんなと思っております。

 ありがとうございました。


(以  上)

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