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西銘大臣記者会見録[令和3年12月28日]

令和3年12月28日(火)10:48~11:05 於)復興庁記者会見室

1.発言要旨

 本日が今年最後の会見となりますので、復興大臣及び沖縄及び北方対策を担当する内閣特命担当大臣を拝命してから3か月間を振り返り、所感を申し上げます。

 復興大臣就任以降、被災各県を11回訪問し、地域の方々との意見交換や現場視察を行い被災地の実情を直に確認してまいりました。

 こうした中で復興の着実な進展を実感する一方、地域によって復興の状況は様々であり、特に原子力被災地域については、ALPS処理水、特定復興再生拠点区域外の避難指示解除、国際教育研究拠点などの課題に今後も取り組んでいく必要があると認識しております。

 中でも国際教育研究拠点につきましては、総理から全閣僚に対して、その整備に向けて全力を尽くすよう指示されており、この間、関係省庁が一丸となって検討を進め、先月26日に法人形態をお示ししたところであります。

 来年も引き続き現場主義を徹底し、被災者に寄り添いながら復興に全力で取り組んでまいります。

 沖縄振興につきましては、地元のご意見を丁寧にお伺いすることが重要と考え、沖縄担当大臣として改めて県内の各市町村を訪問し、振興事業の現場の視察や首長等との意見交換を行うこととし、本日までに11市町村を訪問することができました。ご協力くださった地元の皆様には、改めて感謝を申し上げます。

 また、令和4年度以降の新たな沖縄振興に関して、令和4年度沖縄振興予算では大臣折衝も行い、総額2,684億円を確保することができました。また、税制改正要望では、要望していた13項目が認められるとともに、沖縄公庫の存続も確保することができました。来年は沖縄の復帰から50年の節目を迎える年であり、沖縄振興特別措置法等の改正法案の審議や沖縄振興基本方針及び沖縄振興計画の改定が控えております。沖縄の抱える課題解決に向けた取組を支援するとともに、沖縄の発展のため、そして強い沖縄経済の実現のため、改正法案の確実な成立に万全を期すとともに、今回確保した予算や税制措置、政策金融を最大限有効に活用して、引き続き沖縄振興に全力で取り組んでまいります。

 北方対策につきましては、10月に隣接地域を訪問した際、元島民の方々をはじめとする皆さんから様々なお話を伺いました。頂いたご要望も踏まえ、公務員の採用試験についても北方領土問題が取り上げられることは重要だと考え、新たに地方公務員試験などの問題を作成、提供している日本人事試験研究センターに対し趣旨を説明し、素材の提供を行って検討を依頼いたしました。

 以上、3か月の所感を振り返っての冒頭の発言といたします。

 

2.質疑応答

(問)本日官邸で開かれましたALPS処理水の関係閣僚会議についてお伺いします。政府として中長期の行動計画を取りまとめまして、具体的な風評対策やモニタリングの方式などが盛り込まれておりますが、対策全般としては目新しいような対策が見当たらず、今までの総花的ではないかというような見方もできます。今回の対策というか行動計画の決定を受けまして、改めて復興大臣として風評対策にどのように取り組まれるか、お考えをお聞かせください。

(答)先ほど、第3回の関係閣僚会議におきまして行動計画が策定されました。復興庁は、これまでも主に風評払拭に向けた情報発信に関して、司令塔としての各府省庁の取りまとめを行っているところであります。会議の場では、科学的根拠に基づいた正しい情報発信や地域の魅力を伝える取組を強化していくことを説明しました。

 また、関係閣僚それぞれに対し、各府省の政務が各国要人等と面談する際には、復興の現状に関する説明を行っていただきたい旨のお願いを私のほうからいたしました。

 引き続き政府一丸となって風評払拭に向けた、科学的根拠に基づいた情報発信等の取組をしっかりと推進してまいりたいと考えております。

(問)同じく処理水の行動計画の関係でお伺いしたいと思います。復興庁の担当として今回、新たにいろいろ海外の風評の詳細ですとか、あと風評の要因分析、そういった調査に初めて取り組まれるというのを聞きました。海外の反発ですとか消費者の不安というのはまだ根強い部分があると思うんですが、大臣として海外、消費者がどう感じているかという現状の受け止めと、今後、そういったところにどういった説明をして理解を醸成していくのか、お考えを改めてお聞かせいただければと思います。

(答)海外を含め、国内でも国民の方々が不安を持っているということに対しては理解いたしております。

 今日の関係閣僚会議で私のほうからお願いしたのは、大臣をはじめ各府省の政務三役が海外の要人と会うときには、復興庁のほうでも資料を7カ国語ぐらいの外国語で整えておりますので、現状を是非、海外の要人と会う際には発信してほしいというお願いをいたしました。

 また、復興庁としましても、やはり科学的な根拠に基づく正確な情報を海外、国内を含めて発信していくことが極めて重要だと思っております。さらには、輸入規制の緩和、撤廃につながるように、まだ14の国、地域に残っておりますので、各国地域要人へ復興の現状について政務三役のほうでPRしていただくようにということもお願いしました。

 さらには、地元の産品や観光名所といった地域の魅力を発信するイベント等をそれぞれの自治体が企画、実施する風評払拭に向けた取組に対しても、復興庁として引き続き全力で支援していきたいと考えております。そういうところを今日の3回目の関係閣僚会議でも確認したところであります。しっかり取り組んでまいりたいと思っております。

(問)

 来年度の沖縄関係予算の編成についてなんですけれども、大臣は沖縄県にいらっしゃった際に、合格点というふうな表現で今回の編成について発表されていたかと思うんですけれども、改めて点数を付けると何点になるかということをちょっとお伺いしたいのと。あと、一括交付金の県と市町村の分の配分割合について、配分見直しなどの対応を含めて今後、どのような形にされていくお考えがあるかというのも併せてお伺いできればと思います。

(答)私が合格点と発言した自分なりの背景には、当初、財務省の提示が2,400億円台というのは、小渕会長の言葉を借りれば、調査会でも納得できないという表現を使っておりますが、私自身も、ちょっと少ないのかな、積み上げがここまでしか来ていないのかなという思いはありました。

 結果的に2,684億円と、その前に成立した補正予算の218億円を足すと2,900億円台になるということ、そして、税制改正13項目が延長される方向になっております。過去のこういう優遇税制のデータを見ておりますと、300億円台には優遇税制も乗ってきますし、さらには政策金融の沖縄振興開発金融公庫のコロナ禍の下での対応は、かなり融資の額を含めて大きくなってきております。それらを総合的に勘案して、何とか合格点はいけるであろうという趣旨の発言につながったところであります。予算、税制、政策金融公庫、これらを総合的に運用していけば、何とか合格点ぐらいはいけるのではないかという思いでの発言でありました。

 二点目のソフト一括交付金について、県と市町村の配分は、これは地元が決めることでありまして、大臣が決めることはできないのでありますけれども、大臣折衝の復活の折に、市町村の側が一括交付金がなくなったら大変なことになるということを常々強く要望を受けておりましたので、これは令和3年度並みの地方市町村の一括交付金は最低限でもとにかく確保しなくてはならないのだという強い思いから大臣折衝に臨んだところであります。その辺の381億円の市町村の分をイメージして、県の分の381億円ということは経緯は説明いたしましたが、配分についてはどうぞご地元で決めていただきたいと。

 大臣折衝の復活の経緯は、県知事にも市町村会長にも、それぞれの市長会長、町村会長にも経緯だけはお話しはしておりますが、ご地元で決めることですということは話してあります。

(問)大臣から冒頭、来年は改正沖振法案の審議や基本方針や沖縄振興計画の策定は年末に向けても頑張りたいと冒頭おっしゃっていましたけれども、大臣は先日の会見で、「強い沖縄経済の実現」という総理の所信表明に合わせた具体的戦略も検討して、5月をめどに策定したいというお話をされていました。強い沖縄経済の実現に向けてというところの来年の意気込みを改めてお聞かせいただければと思います。

(答)総理の所信表明の演説、総理発言の強い沖縄経済というところを捉えて、どう定義していくのかも含めて有識者や関係する方々と意見交換をしながら、来年度5月ごろをめどにどう提言を取りまとめていくのか。

 まず沖縄担当大臣としての総理からの指示書の中にも、一点目に観光の再生という言葉が出てきますし、観光は外せないだろうと。コロナ禍の下でこれだけ大きな打撃を受けている、全国大概同じようなところではありますけれども、特に沖縄の場合は観光産業がメインですので、その辺は外せないだろうと。

 あと、私は常々沖縄の農業産出額を1,000億から1,200億、1,300億に増やしていってという思いもありますので、この辺の一次産業の部分、それがどう加工産業につながっていくかも含めて、農水産業も柱には挙がってくるかなと。

 もう一点は、「沖縄が日本経済の牽引役となるように」という文言が総理からの指示書の冒頭に出てまいります。沖縄が日本経済の牽引役となるようにということをイメージするには、私はOIST、沖縄科学技術大学院大学の、基礎研究が中心ではありますけれども、その辺の周辺でスタートアップ企業が出てくれば、日本経済全体の牽引役にもなり得るのではないかなというイメージはしております。

 観光と農水産業と科学技術大学院大学OIST、この辺で今、大ざっぱにイメージしているのでありますが、これから強い沖縄経済というのをどう定義付けて、どう提言を取りまとめて5月に向かっていくのかなという考えでおります。

 もう一点、復興の関係でも、国際教育研究拠点というのが、ご地元の要望が非常に強いというのが現場を回っていて感じておりますので、その辺の法案についても通常国会で全力で取り組んでいけないといけないなという思いで今、おります。

 3か月間、あっという間に過ぎましたが、どうぞ皆さんも良いお年をお迎えください。そして、今日の閣議でも総理からは、オンとオフをしっかり分けて、危機管理は気を緩めることなくという発言もありました。また来年もお世話になると思いますが、これまでの対応に感謝申し上げ、年末の記者会見を閉じたいと思います。ありがとうございました。


(以  上)

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