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平沢復興大臣退任記者会見録[令和3年10月4日]

令和3年10月4日(月)11:30~11:43 於)復興庁会見室

1.発言要旨

 お疲れさまでございます。先ほど、閣議が開かれまして、そこで復興大臣の辞表を提出してきました。この機会に改めてごあいさつ申し上げたいと思います。

 震災から10年の節目となる重要な局面において、身の引き締まる思いで、これまで職務に精進してきたところでございます。在任中はいろいろとコロナ禍の影響もありまして、中止等も多くありましたけれども、トータルで25回、被災地を訪問させていただき、地域の方々からご意見を伺いながら、自分なりに現場主義を徹底してきたところでございます。

 この間、特に力を入れてきた取り組みとしましては、新たな復興期間の基本方針の改訂、それからALPS処理水の処分を踏まえた風評対策、タスクフォースによる施策の取りまとめ、特定復興再生拠点区域外の避難指示解除に関する方針の決定、国際教育研究拠点の整備に関する決定、それから復興五輪における被災地の情報発信、こういった点につきましては、難しい課題もありましたけれども、可能な限り前進させてきたと思っているところでございます。

 この中でも、とりわけ帰還困難区域につきましては、住民の方々が立ち入りできないような状態がいつまでも続くというようなことはあってはならないことでございまして、できる限りこれを早くなくすというようにせねばならないという、そういう思いで取り組んできたところでございます。

 こうした状況を一日でも早く改善するため、今後も力を合わせて取り組んでいく必要があると考えております。

 新大臣の下でも、これまでの取り組みを一層推進し、復興を前に進められることを期待しているところでございます。今後とも復興庁が現場主義を徹底し、残された課題と向き合い、復興を加速していくことを期待するとともに、私自身も一政治家として、被災地に寄り添い、復興が成し遂げられるよう、引き続き全力を挙げて取り組んでいく所存でございます。

 マスコミの皆さんにも、この1年間大変にお世話になり、ありがとうございました。心から御礼申し上げたいと思います。

 冒頭、私からは以上でございます。

 

2.質疑応答

(問)2点ありまして、冒頭でも言及がありましたけれども、処理水の風評被害対策について、施策の取りまとめがありました。今後具体化するのがこれからの取り組みになるかとは思うんですが、改めてどのような姿勢で臨んでいってもらいたいか、地元の方々の理解を得られるように、どのように復興庁には努めていってもらいたいかというのが1点です。まずそれについてお伺いできますでしょうか。

(答)処理水の方針は今のところは、ほかに選択肢がないということで、これが決まったんですけれども、もちろん科学技術の発展で、いつ何時、何がどういうことになるか分かりません。いずれにしましても、私はこの問題については、もちろん方針は方針で決まっていますけれども、並行してそういったことにも全力で取り組んでもらいたいと思います。

 そして、処理水についてはもう方針が決まっていますけれども、その間時間がありますので、当然風評被害は起こるだろうと思います。これを要するに最小限に風評被害をしていかなければならないわけでございまして、そのための努力、それをしっかりとやってもらいたいと思います。

 漁業を含めた関係者の方々が一番心配しておられるのは、こういった取り組みによって風評被害が起こると。それがかなり大きなものが起こるのではないかという恐らくご心配だろうと思います。ですから、限りなくゼロに近づける努力というのは必要でございまして、これは復興庁だけでできる問題では全然ございません。これは例えば政府の各省庁、総力を挙げて取り組まなければならない問題でございまして、そのために既に風評対策のタスクフォースというのを開かせていただいて、いろいろと各省庁にお願いしているところでございます。そういった各省庁の総力を挙げて、この問題に取り組んで、ともかく風評被害が最小限、限りなくゼロに近づけるように取り組んでいきたいと思いますし、それを期待したいと思います。

(問)2点目ですが、後任の方に関してなんですけれども、今回、復興大臣と初めて兼務になるということがあります。その件に関して、初めて兼務になるということで、その点についても何か現職としてご所感はありますでしょうか。

(答)これは総理のほうがお決めになられたことなので、そういうことで、復興とか、そういった仕事には支障ないように、万全を期しておやりになられるということだろうと思います。私は、西銘さんはよく存じ上げておりますけれども、西銘さんは大変有能な方でございまして、沖縄関係でも大変に今まで努力されてこられた方で、沖縄の発展には大変大きな貢献をされた方でもありますので、私は西銘さんはしっかりその辺を、少なくとも被災地のところに、いわば今までと違った力の入れ方をするというようなことがないように、今まで以上の力を入れるように、しっかり取り組んでくれるだろうと思います。

 これについては、ともかくこれから仕事が始まりますので、西銘さんたちの仕事を見た上で、是非ご意見をいただければと思います。

(問)1年間大変お世話になりました。お疲れさまでした。

 私から伺いたいのはコロナのことです。大臣は就任されてから、新型コロナウイルスの感染拡大が、年末にかけて拡大しまして、年が明けてからもずっと緊急事態宣言が続いていて、なかなか被災地のほうに直接足を運ぶ機会が限られてしまったと思います。大臣、冒頭のご発言でも、自分なりに現場主義を徹底されたということですが、コロナ禍の異常な状況の中で、復興の職にお就きになられたことを振り返られて、どのように思っていられるでしょうか。

(答)この間、特に昨年は数多く現地を見させていただき、お話を伺わせていただきまして、大変参考になりました。私は復興大臣の仕事は、ここにいるより、むしろ向こうに住所を移して仕事をしたほうが良いのではないかと思うくらい、やっぱり地域密着というか、地元に密着した形でやるべきだろうと思っています。そういう中で、このコロナの問題が起こりまして、予定されていた被災地訪問が何回中止になったか分かりません。本当に残念でなりません。ともかく、足を運んで、そして現地を実際に見て、そして何より大事なことは、現地の皆さんの要望をお聞きして、それを国政に反映させると。これが私、復興大臣としての大きな仕事ですから、それができなかったことは極めて残念だと思っています。いずれにしろ、コロナも収束しつつあるようですから、後任の西銘さんには是非頻繁に行って直接お話を伺って、それを今後の政策に取り入れていただきたいと思います。

 復興庁とほかの役所の大きな違いはそこにあると思うんですよ。要するに、ほかの役所にはトップダウンのところがいっぱいありますけれども、復興庁というのはボトムアップ、これが復興庁の大きな特徴です。その考え方の下に、これからも復興庁は現場主義と言いますか、ともかく現場に行って、それで現場の人のお話を伺って、そのお話を伺うだけじゃなくて、それをしっかりと国の政策に反映させていくことが大事ではないかなと思います。恐らく、西銘さんもそのような方針でおやりになられることと、私は確信しています。

(問)先日、大臣がおっしゃっていた、東日本大震災からの復興に関して、総裁選での議論というのが少ないという指摘をされていたかと思うんですが、岸田さんの復興への考え方とか姿勢については、どういうふうに今見てらっしゃいますか。

(答)岸田さんの復興についての考えは、私自身も直接伺ったことがありませんので、よく分かりませんが、岸田さん自身は政調会長をずっとやっておられたわけですから、当然のことながら、いろんな選挙のときの公約等も作られるわけで、復興については私たちと同じ考え方の下、これは全力投球しなければならないということで、おやりになってこられたことと思います。岸田さんも私たちも、みんな政府が一体となって、それから党も一体となって、この問題にしっかり取り組んできたわけでございまして、これからもそういった方針には変わりはないだろうとは思います。

 ちなみに、今日、菅総理が最後の挨拶をされて、文章が皆さまに流れていると思いますけれども、その中でも、やっぱり復興の関係があちこち、ちらちら出てきます。

 あの中に、アメリカの輸入規制について、規制を取り払うことができたということは思い出深いようなことが確か書かれてあったと思います。今日は閣議の後、菅総理が私のところに来られて、それで最後に福島のお手伝いをすることができたと。これは恐らく輸入規制の撤廃のことを言っているんだろうと思いますけれども、そういうことをわざわざ言っておられましたから、相当こういったことを気にしておられたんではないかなと思います。そういったことを含めて、撤廃できたことはいいんですけれども、まだ残っているわけですから、そういった残っていることも含めて、これから間違いなく岸田総理の下、必ずやってくれるものと私は確信しています。

    
(以  上)

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