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平沢復興大臣記者会見録[令和3年10月1日]

令和3年10月1日(金)11:30~11:43 於)復興庁会見室

1.発言要旨

  冒頭発言なし

 

2.質疑応答

(問)自民党総裁選で岸田新総裁が誕生いたしました。今日は自民党の役員人事も行われるということで、大臣の受け止めをお願いいたします。

(答)役員人事が始まって、閣僚人事というふうにどんどん行くんでしょうけれども、いずれにしましても、行政というか、政治は、これはずっとつながっているわけでございまして、そこで中断するようなことがあってはならないわけでございまして、この被災地の復興の問題につきましては、福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なしということは、一つの大きなスローガンでございます。それともう一つは、福島の復興、東北の復興は、その地の問題でなくて日本全体の問題であるというのも私たちの共通認識でございます。こういった認識の下に、これからもたとえ人が代わろうと、みんなで認識を一致させまして、しっかり取り組んでいくということになるだろうと思います。

(問)今ほども言及ありましたけれども、4日には岸田内閣発足ということで、どういう人事になるのかというのはありますけれども、この1年、復興大臣を務めてこられて、改めてできたこと、やり残したこと、成果など、ご所感があればお願いいたします。

(答)思うことはいろいろありまして、私はやっぱり、基本的には政治の原点というのは、一人として見捨てない、一人として忘れない、一人としてひとりぼっちにしないと、これが政治の原点。地域、町で動いていますと、ともかくいろいろ困っている人が大勢おられるわけですけれども、そういった困っている人に救いの手を差し伸べてやる、これが政治の大きな原点だろうと思います。

 そういった中で、この被災地においては、そういった困っておられる方、苦しんでおられる方、悩んでおられる方が大勢おられるわけでございます。(福島県外においては)3万5000人の方がまだ戻ることができなくて、避難生活を余儀なくされているというようなこともあるわけでございます。そして、福島県の面積の2.4%のところは、まだそこに戻って生活することができないというようなこともあるわけでございます。

 もちろん、地震の地域、津波の地域はかなり元に戻ったといっても、まだまだいろんな問題があるわけですし、それは個別に聞けばそういった問題がいろいろ出てくるわけでございまして、私たちの仕事は終わったわけじゃなくて、復興庁の仕事はますます、それぞれの、今までのように全体的にやるということではなくて、一人一人のニーズに応じた形で、いろんな取り組みをしていかなきゃならないんで、やることはたくさんあるわけでございます。

 そこからいくと、今回、たとえ1年間で、私はどうなるか全然聞いていませんけれども、この前、菅さんが1年で総理を終わるのは時間が短過ぎるということを記者会見で言われていましたけれども、一言で言えば、私も全く同じで、代わるかどうか知りませんけれども、代わった場合は私も全く同じことを言うんじゃないかなと思います。

(問)今ほどの質問とちょっと重なる部分があるんですが、この1年を振り返ってということで、2つほど節目の部分について、大臣がどういった思いで取り組んできたかというのをお聞きしたいと思います。

 まずは、やはり帰還困難区域の復興拠点外の対応、その方針を政府として決定したときが、大きなこの1年の節目だったと思うんですが。大臣、以前からやはり、本当に早急に政府として方針を打ち出さなくてはいけないとおっしゃっていましたが、改めてどういった思いで方針決定に取り組まれてきたのかお聞かせいただければと思います。

(答)帰還困難区域の拠点外の取り扱いにつきましては、これはいろんなご意見がありますし、どのくらいの方がそういったところをきちんと整備することを必要としているのか、お金はどのぐらいかかるのかとか、いろんな問題が絡んできますけれども、私の考えを言わせていただきますと、私自身は、たとえコストがかかっても、希望者がいればすぐにでも戻れるような、そういった環境を一日も早くつくるということが、最も大事なことではないかなと。ただ、現実にはなかなかそういうわけにもいかないので、時間がかかる、あるいはコスト面での関係からちょっと無理になるというようなことはあるかもしれませんけれども、いずれにしましても、目指す方向は、時間はかかっても一人としてその地に戻れないというようなことがあってはならないと、これはもう私は鉄則だろうと思います。そのために、私たちは全力でやらなければいけないと思っております。

(問)続けてもう1問です。やはり春にありました、福島第一原発のトリチウムを含む処理水の海洋放出方針に向けて、大臣は主に風評払拭、風評抑制、そういったところで重点を置いて取り組まれて、全省庁の横断というのを掲げていましたが、改めてそちらもどういった思いで取り組まれてきたかお聞かせください。

(答)この海上への処理水の放出は、もうこれは万策尽きて、やむを得ず結局取られた策であると思っています。ですから、私自身としてはこれが全てではありません。これを全てのように、あらかじめもうこれが既定路線のように、もちろんこれで準備するのは当然ですけれども、同時に、やっぱりいろんな心配を多くの方に与えるという問題もあるわけですから、そういったことを考えたら、ほかに方法がないかどうかということも、並行して常時考えていく必要があるんじゃないかなと。

 例えば、これから2年間くらいかかるわけですけれども、2年間くらい実際に放出するまでにかかる間に、ほかの方法がないかどうかということも、併せて、並行して、厳しくチェックしながら進めていく、もしそういった方策が見つかれば、私はただちにそっちの方策に乗り換えるという、そのくらいの弾力的な対応が必要なんじゃないかなと思っております。

(問)緊急事態宣言とまん延防止措置が全国で解除されましたけれども、これまでコロナの影響で、なかなか被災地支援が難しかった面もあると思うんですけれども、今後の被災地支援活動への期待や方針などあればお聞かせいただければと思います。

(答)期待というのは、誰にですか。

(問)今後は被災地支援活動が活発化していくということも期待されるかなと思うんですけれども、そこら辺のお考えがあればお聞かせいただければと思います。

(答)被災地の支援は、もちろんこれから引き続きやっていかなきゃならない、先ほど申し上げましたように、何か元に戻ったわけでも何でもありません。困っている方も大勢おられるわけで、しっかりやんなきゃなんない。それに加えて緊急事態宣言がずっと加わったわけで、こういったコロナ問題が加わったわけで、コロナ問題はだんだん落ち着きつつありますけれども、決して油断は許さないわけで、そこで私たち、特にこういった関係者が住んでいるところには、係官とかそういった人たちを県を通じて派遣しまして、こういった問題が、あるいはコロナの問題がまた発生するというか、ぶり返さないように、しっかりと私たちは行き届いたお世話をする必要があるんじゃないかなと。そうやって、今はともかくコロナ問題に対応した形でのお世話をして差し上げるということが大事なんじゃないかなと思います。

(問)先ほど所感の中で、復興庁がやることというのはまだまだたくさんあるというお話をされたかと思いますけれども、1年間、組織の中にいらっしゃって、復興庁として、組織として抱える課題を何か感じてらっしゃることがございましたら教えてください。それを改善なりするために、どういったことが必要になるというふうにお考えでしょうか。お願いします。

(答)復興庁は、言うまでもなく、被災地の皆さん方のいろんなご要望にできるだけ迅速に応じて、そして迅速に回答を出していくということで、復興庁の存在意義というのは極めて大きいものがあるだろうと思います。ただ、原発の問題と離れて、地震とか津波ということになってきますと、そういった主なハード面とか何かは大体終わりに近づいて、それで逆に心のケアとか、そういった問題が大きな問題としてクローズアップされてきているわけでございまして。

 いずれにしましても、あれだけ大きな災害ですから、要するに10年たってもまだまだ問題はいっぱい残っているんです。問題が残っているかどうかというのは、われわれが判断するというよりは、被災者の方がどう考えているかというのが一番大事になってくるわけです。いろんな問題があるわけですから、そういった問題をしっかりとお聞きして、そしてそういった問題にきめ細やかな対応をしていく必要があるだろうと思います。これについては、今、復興庁の出先にも人がおります。それで、私たちもそのことには十分、常に関心を持って取り組んでいきたいと思います。

 しかし、地震、津波だけじゃなくて原発の問題になってきますと、これはちょっと性質を異にしまして、この問題はそう簡単に収まる問題じゃなくて、これからも長く続きます。この問題は極めて深刻な問題でもございますので、この問題については、しかも関係省庁がかなり多くなってきますので、そういった関係省庁とよく連携を取りながら、問題がないようにしっかりやっていきたいということで考えております。

(問)大臣が今度の組閣で代わられるか代わられないか分かりませんけれども、代わられる前に、実は福島の12市町村の移住促進についてお尋ねしたいことがあるんですけれども、今年の7月から、福島の12市町村に移住した人には一人200万円、起業した場合は400万円を助成するという制度が始まって、7月から3カ月住んだときからがその申請だということなので、この10月からいよいよその申請が始まることになると思うんですけれども、現場で福島の支援センターをつくられましたけれども、その方々に聞いてみると、復興庁がこの制度発足のときに掲げた目標の、今年度300人というこの数字自体、かなりハードルが高いと。数字を掲げないと、予算的な措置もあるので目標人数を定めるということは、僕はそれはそれとしていいことだと思うんですけれども、かなり現場の方々からすると、移住300人というのはかなりハードルが高くて、ちょっと達成するのが難しいのではないかという、そういう見方も、はや出ております。移住を強制的に進めるということはできないわけでしょうけれども、福島の帰還者が少ない、戻ってくる人が少ない、だから移住にもう頼って復興を進めたいという、その思いからこの制度を進めたんでしょうけれども、この現状についてどのようなお考えがあるかお聞かせください。

(答)そもそも移住計画については、これはもう人がどんどん減少していく、そういった中で呼び戻さなければならないということで、地元の自治体の皆さん方とも十分に相談した上で決めたプログラムなわけです。ただ、今おっしゃられたように、確かにこれはやってみなければ分かりませんけれども、なかなかそのとおり、われわれが考えているようにうまくいくかどうかというのは、大変に大きな問題だろうと思います。特に移住というのは、これは生活してみれば分かりますけれども、ただ家があればそこに行くという問題だけじゃなくて、子どもがいれば学校があるかどうか、お年寄りの方がいればそのお年寄りのための医療機関があるかどうかとか、そういったものが全部パッケージでなかったら、それはもう移住というのはなかなか難しいだろうと私は思います。

 ですから、この辺は十分検討します。もしやってみて、全然希望者が少ないと、全然おかしいんじゃないかということであれば、途中でしっかりその辺の理由をチェックして、そして分析して、その上で多くの方においでいただくようにしっかり取り組んでいきたいと思います。最大の問題は、やっぱりしっかりした職があるかどうか、これが大きいんじゃないかなと、ですから、大きな工場、会社みたいなのができれば、そこに当然ある程度の待遇のところであれば、私は皆さんおいでくださるんじゃないかなと思いますけれども、そういったものがそろったような形に持っていくことがやっぱり難しいんで、そこはしっかり取り組んでいきたいということで考えております。

    
(以  上)

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