1.発言要旨
おはようございます。
では、私のほうから冒頭申し上げます。
まず1点目ですけれども、明後日4月1日から新たな復興期間である「第2期復興・創生期間」に入るわけでございます。この10年間の被災地内外の方々の御努力と御支援によりまして復興は着実に進展しているわけでございまして、地域によって状況は様々ですが、地震・津波被災地域では被災者の心のケア等の残された課題に取り組みまして、また、本格的な復興・再生が始まった原子力災害被災地域では、今後も国が前面に立って中長期的に対応していく決意でございます。
11年目以降においても、これまでの復興の歩みを止めることなく、さらに前に進めていかなければならないわけでございまして、私自身が先頭に立って現場主義を徹底し、被災地に寄り添いながら1日も早い復興に全力で取り組んでいきたいと考えております。
2点目ですけれども、令和3年度から復興庁本庁と復興局の体制が変わります。令和3年度の復興庁の定員につきましては、地震・津波被災地域においてハード事業等が進捗し、多くの事業が完了したことを踏まえまして、岩手復興局の定員が4名、宮城復興局の定員が3名、それぞれ減ることになります。現行の定員は215名ですけれども、トータルが208名ということになります。
また、復興庁の機構についてでございますけど、復興の進捗状況等を踏まえまして、インフラ整備等を担当する統括官を廃止しまして、かわりに近年多発する大規模災害に対する防災力の向上等に資するため、これまで蓄積した復興にかかる知見の活用を進める観点から、新たに審議官を設置しまして、これを内閣府防災担当と兼任させることにしております。これに合わせまして、本庁では近年多発する大規模災害に対しまして、これに備えるため、これまで復興庁に蓄積した知見の活用を推進する担当班、復興知見班と呼んでいますけど、これを早期設置する予定でございます。
復興庁につきましては、岩手復興局と宮城復興局の所在地をそれぞれ釜石市と石巻市に変更し、新たに盛岡支所と仙台支所を設置することにしております。これらについてはこの後、事務方から詳しく説明させたいと思います。
冒頭、私のほうからは以上でございます。
2.質疑応答
(問)先週の金曜日なのですが、政府の新年度予算が成立いたしまして、復興庁に関しましては「第2期復興・創生期間」の初年度の重要な予算になるかと思いますが、今後、予算執行に当たっての御所見をお伺いできればと思います。
(答)新たな予算が成立したわけでございまして、この予算につきましては、復興施策の取り組み方針が示されているわけでございまして、まず、地震・津波被災地域では被災者の心のケア等の残された課題に取り組むということで予算が計上されているところでございます。また、原子力災害被災地域では住民の帰還環境の整備、移住の促進、風評の払拭、それから国際教育研究拠点の構築、こういったことなど、今後も国が前面に立ち、中長期的に対応しなければならない課題について予算が計上されているところでございます。
いずれにしましても、10年が終わって新しい10年に入っていくわけですけれども、これらの予算、10年のときの予算の使い方につきましていろんな御意見があることは承知しておりまして、私は非常にそれなりに意味があったと思いますけれども、もちろん初めてのことでもあり、意見がいろいろ言われていることもありまして、そういったことにつきましては、いろいろと反省、検討をしながら、総括しながらしっかりとした予算の使い方をしていきたいということで考えています。
(問)冒頭の御発言にありました、震災で得られた知見を共有するために新たな審議官の方が復興庁と内閣府の防災担当を兼任されるということですが、この審議官を置くことによって期待される効果についてお聞かせください。
(答)復興にかかる審議官は、当然のことながら復興庁ですから復興にかかるいろんな知見を持っていますけれども、そういった復興の知見を防災の面でもいろいろと活用しようというのが今回の狙いでございますので、防災と復興の有機的連携、これを柔軟に図ることによって、そして政府全体としてのトータルとして、復興対策だけではなくて効果的な防災対策を行っていきたいと、こういうことでございます。
復興のほうとしても、防災面のいろんな知識、経験、ノウハウを復興のほうにもっともっと取り入れて、そして効果的にやっていきたいということでございまして、双方にとってトータルとしてプラスになるような形でやっていきたいということでございます。
(問)先日公表された「東日本大震災復興の教訓・ノウハウ集」について質問です。このノウハウ集では、主として地震災害や津波災害のノウハウの取りまとめが中心になっていまして、原子力災害については、「地震災害や津波災害の課題が共通するものを除いて記述の対象とはしていない」と本文中には書いてあるんです。しかしながら、福島の原発事故の対応に関しては、この10年間の試行錯誤の積み重ねがあるはずであって、後生への教訓とするためには一連の経過や課題などは全て記録すべきと考えるのですが、今回のノウハウ集で全面的な記述をしていない理由はどういったところなのでしょうか。
(答)原子力災害につきましては今、本格的な復興・再生が緒に就いたというか、現在もなお継続しているところでございますので、今回の教訓・ノウハウ集の対象とはしなかったということでございますけど、問題意識は私も同じでございまして、これは世界も注目しているところでございますので、そこはしっかりと今後も提供していきたいということで考えおります。
地震とか津波災害につきましては、いろいろと他のいろんな方と共通する課題がありましたので、そういったこともありますし。また、日本全国どこでもこれは共通する課題でもありますので、今回こういう形でまとめさせていただいたわけでございますけれども、おっしゃるように原子力災害につきましては、今回取り入れていませんけれども、問題意識は全く同じでございまして、これはいずれは何らかの形で皆が共通してそこからいろんなことを学べる資料集というのは私は作るべきだと個人的には考えておりまして、いずれそういうことになるだろうと思います。
(問)先ほどの復興知見班について伺いたいんですけれども、詳しくは事務方に伺いたいと思うのですが、内閣府防災と兼任する審議官を置かれるということで、常駐はどちらになられるのかというのと、あと、具体的に何をされるのかというのはいかがでしょうか。
(答)復興知見班では、防災担当部局と兼任になりますので、関係行政機関等と連携しながら、被災地の中でのノウハウの活用にとどまらず、全国へのノウハウの普及展開を推進して、全国の防災力向上に寄与していきたいということで考えております。
復興知見班の新設以外の本庁の体制変更等については、後ほど係から聞いていただければと思います。
(問)自治体のノウハウとかを共有するということで、先日、ノウハウ集は作られたかと思うんですけれども、他に、例えば事前復興というものを進めていくとか、あと、自治体のノウハウ集だけなので、復興庁として、国としてやってきたことのノウハウというのはどこに行ったのだろうとちょっと思ってはいたんですけど。そういったものを例えば共有するようなものを作っていくとか、その点、具体的には何をするのかよく分からないんですけれども、いかがですか。
(答)復興庁、この10年間、また初めての取り組みですけど、いろんなことをやってきて、いろんなことを学んだわけですから、今日も民間から応援に来てくれた人がお帰りになるんですね。それぞれの民間の会社とかそういったところにお帰りになるんですけど、そういった方もいろんな経験を積んで、いろんなノウハウを学んだわけで、それが全然共有されないでその人の中にだけ留めるというのは非常にもったいないので。
ですからそういった人たちの経験も含めて、いろんなことをこれからそういった人からもいろいろ聞くというか出していただいて、それを結局全国で共有できるというような形にもっていければということで考えております。
いずれにしましても、おっしゃる問題意識は全く同じでございまして。今、多くの方がこの復興の作業に携わって、そしていろんなことを経験されたわけで、それで学ばれたわけで、その中には後から見たら失敗だとかいろんなのもあるわけで、そういったところは非常に貴重な経験ですから、それこそ私たちは後生に伝えていかなければならないわけで、そういったことはしっかりこれから。我々復興庁の人間もそうだし、2年とか何かの単位でどんどん、どんどん皆さん帰られているわけで、帰られてしまうと、せっかく2年間で経験したことがみんなこれ、ある意味ではその人の個人的なものになってしまって、そのまま消えてしまうと。極めて残念なので、そういったこともしっかりと残せるように考えていきたいということで考えています。
差し当たっては、今回できたのは第1弾と考えていただければいいと思います。
(問)追加であともう1つだけ伺いたいんですけれども、確かに2年ぐらいで皆さん職員の方が代わってしまうというのは非常にもったいないことだと思っていて、それは内閣府防災も同じことなんですね。結局、あそこはずっと組織としているわけではないので、防災のプロというのがなかなか官僚の中でいらっしゃらないというのがどうなのかなと思っていて。その点で、2年前ですか、防災庁というお話もあったと思うんですけれども、そこについては、大臣として当時どういった気持ちでその議論というのを見守っていらっしゃったのでしょうか。
(答)防災庁というのは、これは大きな問題でございまして、党の中にも、そういったものはつくるべきだという考え方もおられるのは御案内のとおりでございます。それは絶対つくるべきではないと言われる方もおられるわけで、いろいろと中が割れているわけですけれども、しかし、これだけ災害が多いわけで、そういった中で経験がきちんと継承されているかどうかといったようなことも含めて、それで今の災害対策がこれで本当に大丈夫なのかと。災害が起こる、復興する、また災害が起こる、復興するということを繰り返していていいのかといったようなことをいろいろ考えますと、これからは、やっぱりしっかりした形の組織も必要なのではないかという声もありますけれども、そういったことも含めて、これから検討はされると思いますけれども、私もそういった中に与してしっかり発言していきたいと思っています。
(以 上)
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