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平沢復興大臣記者会見録[令和3年3月12日]

(令和3年3月12日(金)9:50~10:17 於)復興庁621会議室)

1.発言要旨

 お疲れさまです。

 まず、1点目なんですけれども、新しい復興庁の標語が決まりましたので、御報告させていただきます。昨日からこの新しい標語を使っております。震災から10年の節目に当たりますので、職員から公募しまして、投票の結果、「復興・創生 その先へ」、ここに書いてありますけれども、この標語を新しく定めたところでございます。

 復興・創生を推進し、さらに創造的復興につながるような、その先の地域の望ましい姿を追い求めるという思いなどを表したものとなっているわけでございます。この広報のパネルにも、新しい標語を記載したわけでございまして、引き続き被災地や関係者と連携しながら、さらに復興・創生に取り組んでまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

 2点目ですけれども、国会等の状況が許せば、16日に経済同友会、18日には日本経済団体連合会とそれぞれ意見交換を行う予定にしております。3月10日には、日本商工会議所と、もう既にさせていただきました。今回はオンライン会議形式にて実施しまして、被災地における医療連携活動支援、「結(ゆい)の場」への参加、会員企業の被災地への立地や福島県産品の利用、販売への支援及び復興庁への人材派遣などについて、謝意を表するとともに、復興庁としての要請を行いたいと考えております。

 ちなみに、復興庁に社員の派遣ですけれども、日商さんも経済同友会さんも経団連さんも、それぞれ派遣してくださっているわけでございまして、心から御礼を申し上げたいと思います。

 3点目なんですけれども、本日、福島復興俳句コンテストの受賞作品を発表することとしております。東日本大震災の発災から10年の節目に当たり、被災地の姿や魅力を国内外に発信する取り組みを進めていますけれども、その一環として、福島の農林水産物や観光地の魅力を発信する福島復興俳句コンテスト、これを開催しましたところ、約1,300作品の御応募がありました。その中から、福島復興賞1名、それから入賞5名を選ばせていただきました。これらを通じまして、福島の魅力を幅広く国民の皆様に発信していきたいと考えております。

 冒頭、私からは以上でございます。

 

2.質疑応答

(問)冒頭の標語の改定にも関係はするんですけれども、昨日で東日本大震災の発災から10年の節目を過ぎて、本年から11年目という形となります。節目を過ぎて、今後被災地では風化というのも課題になってくると思いますが、大臣としてこの11年目、どのような気持ちで臨まれるでしょうか。

(答)今、お話がありましたように、風化の問題、それから風評の問題、これはいずれも大変に大きな問題でございまして。私、昨日も御遺族の皆さん方にお会いしたときも申し上げたんですけれども、復興も10年たったからといって、終わるわけでは全然ありません。これからも続きます。そもそも大震災が10年たっても、まだ続いているわけでございますので、いずれにしろ、私たちはしっかり取り組むと。そして新しく出てきたいろんな課題があります。例えば心の問題、こういった問題もあります。それから、先ほど申し上げた風評の問題等は深刻になってきていると。こういった問題もありますので、こうした問題にしっかり取り組んでいきたいと思います。

 それから、今までは政策というのは、かなり画一的、統一的に行われた面があったわけで、これはやむを得ないところがあったんですけれども、今ここに来て、これからは個別にそれぞれの方の事情に応じて対応していくと。そういった支援策を、きめ細やかな支援策をとっていくと、これもこれから大事になっていくわけで、こういったことにもしっかり力を入れていきたいということで考えております。

(問)おはようございます。よろしくお願いいたします。

 大臣、今週の火曜日に、自民党の東日本大震災食品のあり方検討プロジェクトチームから直接提言を受けられたかと思うんですが、大臣、その際に、今の規制は取り払わなくてはいけないというふうに御発言をされております。大臣は今の規制について、どのような認識でいらっしゃるんでしょうか。

(答)私が言ったのは、非科学的・非合理的な規制があれば、一般論として、こういったのがあれば、これはやっぱり当然撤廃すべきと、こういう趣旨でございます。消費者の安全が大前提であることは、もう当然でございまして、あくまで非科学的・非合理的なものである場合には、そこは検証する必要があるということでございまして、消費者の安全は大前提とした上で申し上げたということでございます。

(問)続けます。今回、同じ日に改定した復興の基本方針にも、科学的・合理的なデータに基づき検証し、正確な情報に努めるという新しい政府の方針が出てきたと思うんですよね。その背景とすれば、今の食品の基準値が、健康上は問題がない数値になっているにもかかわらず、なかなか出荷の停止が解除されないような、山菜やキノコのような産品がまだあるという中で、どういった規制のあり方が今後正しいだろうかということについて、これから議論していこうということだと思うんですね。

 その中で、大臣がもう最初の段階から、もう規制については見直しができるような発言をされると、やはり議論の公平性が保てないですし、消費者の方々から、ただでさえ誤解を招きやすいのに、不安を与えるんじゃないかというふうに懸念されるんですけれども、御自身の発言の影響について、どのように考えていらっしゃいますか。

(答)私自身は、今申し上げたように、あくまでも非科学的・非合理的な形の規制は、これは一般論として当然撤廃すべきと。それで、私自身もこの問題についてはっきり記憶しているのは、去年着任して早々に、福島県の方が来られて、町村会議とあと林業会議といいましたですかね、そういった方々が来られて、この問題、特にシイタケと、あと山菜だったと思いますけれども、この問題について要望書、陳情書が出されているんです。そういったこともあって、ですから、あくまでもこれはいろんな事情があるわけですから、あくまでもこれは一般論として、要するに科学的、合理的かどうかという検証は、これは当然必要だろうということで申し上げたわけでございまして、そこは是非誤解のないようにお願いしたいと思います。

(問)話題は変わります。東京電力福島第一原子力発電所からも、10年の節目ということを迎えられました。例年であれば、東京電力の社長は、福島県を訪問し、職員の方々に訓示をした後、報道に対応するというような感じになっておりました。今回、新型コロナの影響もあって、社長の来県はかなわないということだったと思うんですが、先週末に菅総理も福島を訪問しておりまして、感染対策をとれば福島に来られないということはないんじゃないかというのは、一つの意見としてはあるんですよね。

 ですから、そういった中で、東京電力はこの10年の節目という大事なタイミングがあるにもかかわらず、社長が自らそういったことを、福島に来て寄り添う姿勢を見せないということについて、経営陣として責任感が薄れているんじゃないかというふうに思うんですけれども、大臣の御所見をお聞かせください。

(答)東京電力については、これは経産省がいろいろ指導する立場にありますので、今のお話は具体的に私はよくわかりませんけれども、もし何か問題があるようであれば、今日こういう御指摘があったということは、私から経産大臣にお伝えしておきます。経産大臣のほうからお話ししてもらいますから。

(問)よろしくお願いします。

 昨日で震災から10年たちましたけれども、参考に拠点外について改めて伺いたいと思います。

 昨日で10年たったということで、拠点外の住民の方々にとってみれば、避難指示も解除も対応方針がないまま10年がたってしまったといえると思います。

 この拠点外の扱いについて、今後検討を加速化するとされていますけれども、今現在の方針を一歩踏み出すためには、最終的には政治の決断、政治家としての政治のリーダーシップ、政治決断が不可欠な問題だと思いますけれども、これは大臣、一人の政治家としてこの問題は、どのように捉えていらっしゃるかというのをお聞かせください。

(答)この問題は、その拠点外の問題については、今政府部内で検討しているところでございまして、今後各町村の課題とか要望等も十分に丁寧にお聞きしながら、その検討を加速化させていきたいということになるだろうと思います。

(問)最終的にどうするかは政治の側で決定をするという話かと思いますが、それを大臣はどのようにお考えですか。

(答)そういったことも含めて、いずれにしろ検討をこれから加速化するということは、要するに検討を急ぐということでございますので、そういった形で検討、そういった問題も含めて検討を急ぐことになると思います。

(問)大臣、その検討の中で、今、拠点の中では、国費で除染をする仕組みにあるんですけれども、拠点の外について、そこに国費を投入するというお考えは入ってくるんですか。そのあたりはいかがですか。

(答)いや、そういったことも含めまして、この拠点外の問題についてどういう形でやるかということを、いろんな問題があるわけで、それについていずれにしましても、検討していくということになると思います。

(問)昨日、震災10年ということで、復興庁としてもオンラインシンポジウムというのを、昨日YouTubeに上げていたかと思うんですけれども。首相だったり、大臣だったり、関係者のメッセージを載せていた内容だったと思うんですが、昨日10年という節目に掲載する、あれは果たしてオンラインシンポジウムだったのかと、ちょっと疑問が非常に感じたんですけれども。例えば3県知事と何か課題を議論するであったりとか、そういったこともなくて、それぞれメッセージをただ載せているだけという気がしたんですけれども。大臣、特に昨日載せたものをオンラインシンポジウムというふうに復興庁として10年の節目に載せるということに対して、特に違和感とかは覚えなかったでしょうか。

(答)いずれにしましても、御意見は伺いましたけれども、私は10年というのは、昨日も大きな節目ではありますけれども、10年はこれは終わりでもなんでもありませんので。私たちは10年でこれからさらに、特にこれから、例えば福島のいろんな問題、福島県の問題というのは、むしろこれから始まるようなものがいっぱいありますし、宮城も岩手も10年でこれで一種の区切りがついたとか、あるいはもう山を越えたとかという問題では私はないと思いますので。いずれにしましても、10年ではありますけれども、あくまでも1ステップにすぎない。これから2ステップ、3ステップに向かって、これから行くわけですから。

 ですから、私は今お話のことはよくわかりましたけれども、これから私たちは引き続き力を入れてやるんだと。あくまでも昨日で大きな区切りがついたら、もうこれで一段落という話では全くありませんので、そこは是非誤解しないようにしていただきたいと思います。

(問)そうですね、これからもやっていくということは、非常に大事なことで、そうあってほしいんですけれども。復興庁としての、例えば国内外に対する情報発信の仕方というのが、少し疑問に思っておりまして。YouTubeチャンネルとかも開設してされていると思うんですけれども、この10年事業費というのは確か1億円ぐらい予算を投じていたかと思っていて、動画もたくさん立派なものが出ているんですが、さかなクンの動画以外に、果たして再生回数はどうなのかなという、復興庁の職員も見ているのかなと、ちょっと疑うところはあるんですけれども。情報発信のあり方、もうちょっと見せ方、発信の仕方ということに関して、改善だったりとか、大臣、そのあたりはいかがでしょうか。

(答)情報発信のあり方は、これは予算をつけてやっているものですから、ともかく費用対効果、そして非常に効果的にやらなければ意味ないわけで、それについてできる限り、そこは私のほうも専門家じゃありませんけれども、できるだけそういったやり方については効果的になるように、それで費用対効果を考えながら、注意してやるようにということは申し上げているとおりでございます。

 ちなみに、YouTubeにさかなクンの動画が掲載されるまでにももう150万回以上のアクセスがあったそうでございまして、それなりにあれはあると思いますけれども。いずれにしましても、御指摘の点はもっともなんで、要するにこれからしっかり私たち、やるだけじゃなくて、やった場合に、それが果たしてどの程度の効果があったのかということはしっかり検証しながらやっていきたいと思います。

(問)お願いします。この10年の節目、3月11日の節目に向けて、報道がたくさん、これまでの復興の歩みから現在の被災地が抱える課題まで、報道各社は様々たくさんメディアが報じていて、そういったニュースに大臣御自身が触れることも多かったと思うんですけれども、改めてこの報道を通じて、気づいたことですとか、今後こういうことが課題になるなというふうに感じたことがあれば、教えていただきたいんですが。

(答)この3・11の東日本大震災というのは、大変な大災害、世界の歴史においても大きな災害だったんですけれども、なんか、日本ではもう遠い過去のようなあれとして、あるいはもうかなり記憶のかなたにというようなところがあって、風化しつつあるなという感じがしましたけれども。昨日あたりはマスコミの報道が随分出ましたから、恐らく国民の皆さんは、ああ、こういうことがあったのかということで、逆に再認識した方も多かったんじゃないかと思いますけれども、私たちは、これをともかく風化させないように、しっかりとあれしていかなければならないし、そこからいろんな教訓を学びとって、その学びとった教訓を、結局みんなで共有して、そして今後に生かしていかなければならない。

 今回、こういったことが起こったということもそうですし、起こった後の復興の過程でいろんなことを私たちは経験し、また教訓を得たわけですから、そういったことをまたみんなで共有して、今後に生かしていくといったことも含めて、やることがいっぱいありますので、そういう意味で、復興庁の責任というのは大きいと思いますので、そこはしっかり取り組んでいきたいと思います。

(問)今、日常的にはちょっと震災が風化しているんじゃないかという懸念を持たれているということだったんですけれども、改めて今、国民の皆さんは、震災と原発事故について、どのくらい関心を持っていただいているのかというように、大臣はお考えですか。

(答)災害は、誰でもそうですけれども、災害はいずれまた必ず来るんですけれども、要するに、誰でもそうですけれども、自分のところには来ないだろうと、どこかに来るかもしれないけれども、自分のところに来ることはないだろうと、そういうふうに考えるから、それで自分のところに来たときは、大丈夫だろうと、人間というのはどうしてもそういうふうに考えがちなので。そうじゃなくて、必ず災害は起こるし、それは私たち一人一人のところに必ず起こることはもう間違いないわけです。時期は別として。

 そのときには、大きな被害が想定されるので、その被害を最小限にしなければならないのでということを、繰り返し、繰り返し言っていかなければならないので。この問題は、もちろんいろんな社会啓発の意味で、マスコミの皆さんの御協力もいただかなければならないし、もっと言えば、小さいうちから学校教育とか、そういったところでも、しっかり今どんどん学校教育でも取り入れてもらっていますけれども、そういったこともしっかりやっていかなければならないわけです。

 いずれにしましても、災害教育というのは、課題が山積、いっぱいあるなと。この前、エルサルバドルの大使と話をしていましたら、あそこもいろいろ地震が多いわけで、日本から学ぶことがたくさんあるということを言っていましたけれども。エルサルバドルも地震があるかもしれないけれども、日本だって地震はまたいつあるかわからないわけで、明日あるか、今日あるかもしれないわけです。こういったことも踏まえて、しっかりと取り組んでいく必要があるなと思いますけれども。

(問)本日発表いただいて俳句コンテストの入賞作品について、大臣の御感想、講評などがあればお伺いしたいんですが。

(答)こういう俳句、これはたくさんの方に御応募をいただいたんですけれども、こういった震災に関連したこの俳句といった一つの分野に大勢の方が関心、俳句に関心を持っているというより、むしろこういったことを通じて、俳句を通じて、要するに震災からいろんなことを学びとってもらおうと。それで震災に、東日本大震災の被災地の皆さんに思いを寄せてもらうということで、応募していただいたわけです。応募していただいた方に、心からお礼申し上げたいと思います。

 どの作品もすばらしい作品で、私も見せていただきましたけれども、私はどれもみんな一等賞をあげたいと思うような作品ばかりでございまして、いずれにしろ、大変にありがたいなと。いずれにしろ、先ほど言いましたように、風化させないということも大きな問題ですので、風化させないためには、こういった問題をさらに俳句とか、いろいろ知恵を絞って、それでいろんな試みをやって、そして国民の皆さんに関心を持ってもらうように、しっかり努めていきたいなと思っていますけれども。

(問)今の俳句についての関連なんですけれども、今回福島復興賞と入賞作品、6点発表になっているんですが、この入賞作品はどのように、今後御活用していくんでしょうか。

(答)これはいろいろとあれしていますけれども、俳句、復興庁のホームページにもちろん掲載させていただいて、それからあとは、俳句関係のいろんなところに、こういったことがあるということをお知らせするとかいう形で、できるだけこれを掲載してもらうとか、そういう形であれしたいと思いますけれども。できれば皆さん方にも、それぞれのメディアで是非こういった作品が選ばれたということをあれしていただければありがたいなと。

 もしこれでもう少し皆さん方の関心が高まれば、第2回、第3回も是非続けたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

(問)募集することに意義があるんでしょうか。それとも、その作品を今回一等賞の復興賞の作品なんかは、桃のことについて触れていらっしゃるんですけれども、例えば福島の桃のPRをするポスター等をつくるときに、この俳句を使うとか、そういった御活用の方法は考えているんでしょうか。

(答)どういう形で使うかというのは、まだ全然これから検討させていただきますけれども。いずれにしましても、これによって、場合によっては使い方はいろいろあると思いますので、その一言で言えば、使い方はこれから福島の魅力をこれから、それから震災の問題をうんと理解を深めてもらって、それで福島の魅力を全国に発信してもらうと。その大きなきっかけになればと思っています。

(問)話はあちこち飛んで恐縮なんですが、昨日の政府追悼式で、菅総理が式辞を述べられましたが、その中で復興五輪という言葉については言及されませんでした。新型コロナで開催状況が不安定というのが、今の現下の状況はあるにせよ、政府として感染対策を進めて復興五輪をこの夏に開催するというふうに、今までずっとそういう姿勢を貫き続けていて、開催に向けてこれからも進んでいくのであれば、この追悼式の式辞で復興五輪ということに触れてもよかったのではないかというふうに思うんですけれども、大臣はどのように受けとめられましたか。

(答)私は特に、そこは気づかなかったんですけれども。いずれにしろ、今度のオリンピック・パラリンピックは、復興五輪であるということが共通の理念であるということは、もうみんなわかっていることでございまして、その理念にいささかの私は揺らぎもないと、揺るぎもないと思っておりますので。いずれにしましても、今月の25日に福島で聖火リレーがスタートしますけれども、私も事情が許せば25日に行かせていただきますけれども、そこから始まって、これからいよいよオリンピックムードがどんどん盛り上がってくると思いますけれども、今お話のように、復興五輪が元々でスタートしたオリンピック・パラリンピックですから、その理念を忘れないで、しっかりやっていきたいと思います。

 
 (以  上)

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