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平沢復興大臣記者会見録[令和02年09月29日]

(令和2年9月29日(火)10:55~11:11 於)復興庁6階記者会見室)

1.発言要旨
まず、先の通常国会で復興庁設置法等の一部を改正する法律が成立しましたけど、この施行に向けまして、復興局の位置や復興特区制度の対象地域等を定める政令が先ほどの閣議で決定されたところでございます。
具体的には、来年の4月1日より岩手復興局を今ある盛岡市から釜石市に移設すると、それから、宮城復興局につきましては、仙台市から石巻市に移設すると、これを可能としまして、それから、復興特区制度、あるいは復興特区税制の対象地域を復興の進捗状況等を踏まえ重点化すること等としているところでございます。
復興の課題が集中する地域に組織の重点を移すとともに、支援を重点化し、復興・創生期間後も現場主義を徹底し、被災者に寄り添いながら復興に全力で取り組んでいきたいと思います。
2点目ですけれども、明日30日は、私は福島県を訪問し、浪江町、大熊町、富岡町、双葉町の各町長さんに復興大臣就任の御挨拶をしてきたいと思っております。その他の市町村にもできるだけ早く行きたいということで今、スケジュールの調整をしているところでございます。
私からは以上でございます。

2.質疑応答
(問)大臣、先週末に総理と一緒に福島県を訪問されまして、福島第一原子力発電所や帰還困難区域のある双葉町や大熊町を視察されていたかと思います。実際に現場をご覧になられまして、率直にどのような感想をお持ちになりましたか。また、その思いをもとにどのように復興を進めていきたいと感じられましたか。お願いいたします。
(答)第一原発(福島第一原子力発電所)では、つくづく感じたことは廃炉の問題、それから処理水の問題、大変に難しい問題だけど、これはもうできるだけ早く解決すべく取り組んでいかなければならない問題でもございますので、いずれにしましてもしっかり取り組んでいきたいなと思います。
それからその後、(東日本大震災・原子力災害)伝承館に行きましたけど、伝承館は原発の問題、それからもちろん津波、地震もそうですけれども、事実関係、記録、こういったものを後世にしっかり残していきたいということが大事なので、すばらしい施設ですけれども、あの施設をいろいろこれから充実させて、さらに多くの人に見てもらいたいなということをつくづくと感じたところでございます。
3番目に(福島県立ふたば)未来学園に行かせていただきました。子供たちは元気に勉強しておりまして、私も高校時代は福島でしたので、何十年も前のことですけれども、大変に感慨深いものがありましたけど、子供たちがこれからの福島、そして日本をつくるわけで、すばらしい教育をやっておられるようですけれども、さらにああしたすばらしい子供たちが育ってくれればということを痛感したところでございます。
(問)帰還困難区域も実際に通られたかと思うんですけど、そちらについてはどのように感じられましたか。
(答)帰還困難区域は前にも何度か通ったことがありまして、大変に厳しい状況がまだまだ続いているなということで、大変に心の痛む思いをしたところでございます。
帰還困難区域については、一日も早く避難指示を解除しなければならないわけでございまして、これについては地域の方々からも強い希望、要望をいただいているところでございますので、一日も早く帰ることができるように、しっかりと取り組んでいきたいと考えております。
(問)明日の福島出張について伺いますけれども、訪問先は町役場だけなのでしょうか。視察先は。
(答)今回は一応御挨拶ということで、町役場だけ。
(問)復興拠点とか、そういったところの視察は。
(答)もし途中でそういう所を通れれば見たいと思っていますけれども、いずれにしましても今回は、できるだけ早くまずは御挨拶したいということですので、時間があるかどうかということだろうと思います。
(問)最後に一点。復興拠点外の解除に向けて、それぞれの町村の、除染を全てやってほしいとか、一括で解除してほしいとかさまざまな考え方がありますが、大臣としてはどのように解除を進めていかれるのでしょうか。
(答)復興の拠点区域外のところですね、ここについても地元の皆さんからいろいろと御要望をいただいているところでございますので、こういった御要望にはしっかりお応えしていきたいと思います。
帰還困難区域を抱える町村は、いろいろと状況とか復興のステージが異なっているわけでございますけど、そのような要因を把握した上でしっかり取り組んでいきたいと思いますけれど、それ以外の地域についても、いろんな御要望をいただいていますので、そういった御要望に応えられるよう、できるだけ私も地域の方と懇談して、そういった御要望を汲み上げていきたいということで考えております。
(問)先日、大臣御自身も総理と一緒に福島第一原発を御視察されて、その後の総理の発言で、「今後、できるだけ早く政府として責任を持って処分方針を決めたい」と総理はおっしゃっていましたけれども、大臣御自身は現場をご覧になって、個人として処理水をどういうふうに処分したらいいかという所感をお持ちなのでしょうか。
(答)先ほど申し上げましたように、総理が行かれたのは、要するに総理になられて視察先としては初めて福島を選ばれたわけでございまして、その問題にどれだけ力を入れているかということはおわかりいただけるだろうと思いますけど、その中で、私自身も廃炉の問題と処理水の問題、これは大変に深刻な問題で、総理が言われたように、できるだけ早く解決しなければならない問題だなということを痛感したところでございます。
これはいろいろ関係者の意見も聞きながら、昨日も経産の(安藤)次官が来られましたので、いろいろ話をさせていただいたところでございますけど、いずれにしましても関係者の皆さんといろいろ話し合って、しっかり、できるだけ早くこの問題も解決ができますように取り組んでいきたいということで考えております。
(問)その総理との視察の件でもう1点お伺いしたいのですが。総理就任後初めての福島訪問ということで、お隣で一緒に回られて、総理が御関心を持っていた場所とかたくさん質問されていた場所とか、もしくは一緒に同行される中でこういう会話を総理としたとか、そういうものがあれば教えてください。
(答)処理水のところで説明者がついていましたので、私があまり口を挟むことはありませんでしたけど、例えば福島第一原発では、総理は説明者に対していろんな質問をされておられました。それでお声をかけておられました。いずれにしましても相当御関心を持って、実際にこれをしっかりやらなければならないというお気持ちから、ああいった質問がいっぱい出たのだろうと思います。
ちょっと聞こえないところもいろいろありましたけれども、いずれにしましても、それぞれの場所で原発の担当者の方がいろいろ説明してくださったんですけど、随分いろいろと質問されておられたなという印象を私は持っております。   いずれにしましても、総理は大変に御関心も非常に持っておられますし、この問題を何とかしなければならないという、そういったお気持ちも強く持っておられますので、いずれにしろ総理の御意向を伺いながら、私自身もしっかりと取り組んでいきたいということで考えております。
(問)同じく福島の視察のことについてお伺いしたいんですけれども。総理は視察を終わった後のぶら下がりで復興拠点について、「処分拠点」というふうな言い間違いをされていたかなと思うんですけれども。この復興拠点の問題というのは、被災地の方々はものすごく今関心を持っていらっしゃって、非常に大切なことだと思うんですけれども。多分、単語が頭に入っているとあまり言い間違いというのもないのかなという印象を受けるのですが、この「処分拠点」というようなことを総理がお話しされたことについて、大臣としてはどう受けとめたのかなというのをちょっと伺いたかったんですけれども。
(答)総理が特定復興再生拠点の処分拠点というんですか、私はそこにいなかったのですが、後で報道で知ったんですけれども。総理は、先程来申し上げていますように、この問題にものすごく関心を持っておられて、それで一生懸命この問題に取り組んでいかなければならないという大変な熱意を持っておられて、私自身はこの前ちょっと話したけれども、ともかくいろんな問題があります、今。その中で、この問題は最重要課題の一つということを言われたわけですから、私は総理のお気持ちに変わりはないと思います。
また、特定復興再生拠点の言い方をちょっと間違えたというのは、人間誰でもそういった言い間違いはあることなので、これで総理が何かこの問題に取り組む熱意とか意気込みがないということは全くありません。私自身は、傍にいてそのことはつくづく感じていますので、ぜひ誤解のないようにお願いしたいと思います。
(問)もう一つなんですけれども。同じ日の午前中ですかね、26日の午前に菅総理が国連のビデオメッセージがあったと思うんですけれども、そちらの東京五輪の開催について、疫病に打ち勝ったという姿を見せたいということで、コロナを念頭に置いた発言をされたと思うんですけれども。ただ一方で、この五輪自体、そもそも「復興五輪」というものを掲げて誘致してきたということがあったと思うんですけど、その点について全く触れていなかったと。それに対して、被災地の五輪関係に携わっている方々からは、「復興五輪」はどこにいったんだろうというような声も聞こえるんですけれども、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
(答)これは国連のメッセージですね。いうまでもなく、今度のオリンピックは「復興五輪」であることはもう間違いないので。オリンピック全体が「復興五輪」。それで、このオリンピックを通じていろんなメッセージを世界に発信していこうと。そして、今いろんな風評がありますけど、そういったものを取り除こうと。そして今、復興がこれだけできたのは、世界中の方々からの御支援のおかげもあるわけですから、そういったことにしっかりお礼を言う機会でもありますし。それから、これから日本が今回のオリンピックを機にさらに発展していく大きな機会ですし、このオリンピックを機会に、世界に日本として何ができるかということを考えていくオリンピックでもありますから、私は今度のオリンピックは、国連のそのメッセージなんかでオリンピックに触れたということ自体が、もう既に復興オリンピックということになるだろうと思います。それをわざわざ、被災地とかそういうあれしなくて、復興オリンピックだから私たちは今回のオリンピック、これをその目的でしっかりと全力で関係者は取り組んでいるわけですから。
もともとこれ、復興オリンピックとそうじゃないのに分けるあれじゃない。もう全てがこれ復興オリンピックなんです、これが。ですから、そこはぜひ御理解いただければと思います。

                                                                                                                                           (以  上)
 
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