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渡辺復興大臣記者会見録[令和元年09月11日]

渡辺復興大臣退任会見録(令和元年9月11日(水)12:10~12:26 於)復興庁会見室)


1.発言要旨
 先ほど、閣議で辞表を提出してまいりました。
 この機会に、改めて所感を申し上げます。
 昨年10月2日、就任に際して安倍総理からは、「被災地に寄り添いながら各省庁の縦割りを排し、現場主義に徹したきめ細かな対応により、被災地復興の更なる加速化に向け、全力で取り組む」よう御指示をいただいたところでございます。
 この指示を踏まえて、在任中、「現場主義の徹底」を胸に刻み、延べ43回にわたる被災6県55市町村への訪問や、関連行事への出席等を通じて、被災された方や支援をいただいている方の声を直接伺ってまいりました。
 このような訪問を通じて、地震・津波被災地域では、復興の「総仕上げ」に向けて、生活インフラの復旧や復興まちづくりなどが着実に進展していると実感いたしました。
 また、原子力災害被災地域においては、生活環境の整備が進み、「福島イノベーション・コースト構想」の拠点施設の整備が順調に進捗するなど、「本格的な復興」に向けた動きが始まっています。
 こうした状況を踏まえ、被災地の一日も早い復興に向けて、様々な施策に全力で取り組んでまいりましたが、中でも私が特に力を入れてきた取り組みについて、4点申し上げます。
 1点目は、復興・創生期間後の復興について、道筋をつけたことです。
 本年3月には、復興・創生期間も残り2年となり、「復興・創生期間における東日本大震災からの復興の基本方針」を見直し、「政治の責任とリーダーシップの下で復興を成し遂げるための組織を置く」という後継組織のあり方を含め、復興・創生期間後の基本的方向性をお示ししました。
 2点目は、産学官連携による魅力ある浜通りを創出するための有識者会議を立ち上げました。
 「福島イノベーション・コースト構想」により、福島県の浜通り地域における新たな産業基盤の構築に向けて、さまざまな拠点の整備を進めてきましたが、長期にわたり浜通りの復興をリードする人材を育成し、世代を超えてつながる魅力ある浜通りを創出するため、国際教育研究拠点の整備・人材育成のあり方について検討を開始しました。
 3点目は、「復興五輪海外発信プロジェクト」として、在京大使館等に対して、復興しつつある被災地の姿や風評払拭のための情報発信を行いました。
 2020年の東京オリンピック・パラリンピックの競技大会に向けて、私と副大臣・政務官による、延べ64カ国に及ぶ在京各国大使への説明、在京大使館関係者の被災3県への訪問、G20各閣僚会議における展示や食材の提供などを通じて、復興しつつある被災地の姿を、しっかりと情報発信してまいりました。
 4点目としましては、ボランティア等の多様な主体との協働による復興を推進してまいりました。
 復興を成し遂げるには、役所の力だけでなく、ボランティア、NPOや企業など、多様な主体との連携・協力が不可欠であると考えております。
 私自身、以前よりボランティアの推進に積極的に取り組んできたところであり、かつて内閣府政務官としてNPO制度を担当していた平成13年には、国際ボランティア年を締めくくる国連総会の会合に出席し、阪神・淡路大震災の例を踏まえ、ボランティアの重要性を説明してきたところです。
 こうした経験を踏まえ、東日本大震災の復興に携わったボランティアの方々との交流会を初めて開催したほか、民間企業等から復興庁に派遣された職員のOB、OGを「復興企業サポーター」に任命するなどの取り組みを進めてまいりました。
 一方で、残された課題もあり、復興は道半ばです。復興のステージの進展に応じた切れ目のない支援を行うことが重要であり、「心の復興」の観点から、避難生活の長期化に伴う、見守りや生活再建の相談等の総合的な支援が必要です。
 また、原子力災害被災地域においては、帰還環境の整備、「特定復興再生拠点区域」の整備、「福島イノベーション・コースト構想」の着実な推進などにしっかりと取り組んでいく必要があります。
 加えて、安全性が科学的に確保されているにもかかわらず、日本産食品に係る一部の輸入規制が残っているなど、風評の払拭に向けて、粘り強い取り組みの継続が求められます。
 復興・創生期間も残り1年半となりました。復興・創生期間後の復興については、3月の「基本方針」に示された方向性に基づき、8月に与党からいただいた「第8次提言」、被災地の御要望や実情を踏まえ、新大臣の下で、復興期間中に実施された復興施策の総括を適切に行った上で、方針の取りまとめに向けた検討を進めていただきたいと思っております。
 また、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会まで1年を切りました。引き続き「復興五輪」として、被災地などと連携して、情報発信などの取り組みを進めることを期待しております。
 今後とも、復興庁が「現場主義」を徹底し、残された課題と向き合い、復興を加速していくことを期待するとともに、私自身も、一政治家として被災地や被災者に寄り添い、復興成しし遂げられるよう、引き続き尽力してまいる所存でございます。

2.質疑応答
(問)先ほど、与党提言のお話がありました。その中では、後継組織について復興庁の存続という提言を受け取っていると思うのですが、今後の具体化に向けて、どのような議論を期待されますか。
(答)様々な議論はあろうかと思いますが、被災地域の皆様方にも様々な御要望がございます。今、そういったものを総括的に検証している段階です。そして、今年の12月までにはその基本的な方向を示すということで、今、鋭意努力をしている最中でございますので、方向性をしっかりと示せるように、今後とも、復興庁のほうでしっかりと取り組んでいただきたいと思っております。
(問)大臣は就任以来、被災地にたくさん足を運ばれましたけれども、国の復興・創生期間が来年2020年度で終わってしまうに当たって、この時期に大臣が交代されることは、施策の総仕上げに向けて継続性が損なわれてしまうのではないかという懸念の声もあると思います。その点について、どのように考えていらっしゃいますでしょうか。
(答)私は大臣就任以来、「現場主義」を徹底してまいりました。現場の皆様方の声をしっかりと受けとめて、復興の施策の中に反映させていきたいという思いで1年間駆け抜けてきた、全力でやってきたと思っております。
 この思いはしっかりと新大臣にも引き継いでいただける。したがって、そういった御懸念は、私はないと思っております。
(問)お疲れさまでした。去年の10月の就任会見のとき、渡辺さんの発言を見ていたのですが、復興を2020年度までに、創生期間までにやり遂げるのだと、気概を持って取り組んでいきたいという決意が語られました。
 半年後、今の段階だと復興庁の延長が決まるという方向で話が進んでいますけれども、2020年度までに事業が終わらないということに対するじくじたる思いというのは、今から1年前を振り返ってみてどう思われるのか聞いてみたいです。
(答)就任期間中に、各地域を回らせていただきました。地震・津波地域、そしてまた、原子力災害被災地域、それぞれおのずと復興の度合いが違っているということは、私自身肌で感じております。
 まず、地震・津波地域においては、確実に2020年度までに完成していきたいという思いは当然あります。しかし、様々な事情によって、残る場合も中にはあるかもしれません。これは、今後も残された期間でしっかりと対応してもらわなければならないと思っておりますので、これは各自治体の皆様方の努力を期待していきたいと思っております。
 そして、福島につきましては、まさにこれから本格的な復興が始まるのだと思っておりますし、その道筋も3月、そしてまた12月までには一つの方向性を示していく準備を今、しているところです。様々な課題について整理していきたいと思っております。
(問)渡辺さん自身、この1年ずっと復興大臣をされてきているわけですが、公的な支援による復興というのは、いつかは打ち切らなければならない時期が来ます。打ち切りという言葉に対して、すごくセンシティブになるかもしれませんけれども、どこかで終了しなければならない。2020年度では終了できない。もともと、福島というのは時間がかかると前から言われていましたけれども、終了のめどというか、どういう状況になったら終了しなければいけないのだという考え方、この1年間でお持ちになったり考えたり、つまり、いつ終わるのだろうということについて、いかがでしょうか。
(答)復興は大変重要な課題を持っていると私が思っているのは、実は、「ハード」の部分と「心の復興」の部分です。特に、被災地に行ったときに、ハードは着実に進んでいることを感じます。例えば、災害公営住宅ができました。こういったものは既に大分整っていると思っておりますが、そこに入居する被災地の皆様方の心に寄り添っていくということは、大変重要な課題だということを改めて感じております。
 したがって、復興の終了と考えたときに、被災者の心に寄り添っていく時期というものは、いつまでと私は申し上げられないと思っております。
(問)ほかの災害、熊本地震があったり、西日本豪雨があったり、最近でも大きな災害がありますけれども、そういった被災地との公平性のような点ではいかがなのでしょうか。
(答)公平性については、まず、その公平という概念は、どこを基準にして比較するかということになります。東日本大震災の発生というのは、まさに未曾有の災害であったということが第一にあります。
 したがって、ほかの地域とどういうふうに比較するかといえば、私は基本的に比較するものではないと思っています。発生したときに、被災した人たちの気持ち、そして、被災者の皆様方の心を考えていくならば、全く同じだと私は思っております。
 したがって、基本的なインフラの整備というところの観点で捉えるならば、インフラは形で見えます。でも、人の心というのはなかなか見えない。この部分が新しい課題だと私は思っています。
(問)大臣在任期間中、特に岩手、宮城、福島を訪ねられて、地元の自治体職員や被災者の方々、またボランティアの方々の声を聞かれた中で、特に印象深かった思い出などございましたらお願いいたします。
(答)私は就任中に55の市町村を回ってきて、それぞれの地域にそれぞれの思い出があります。だから、私にとって何かを取り上げてどうのというのではなく、全てがいい印象というか、私自身の心の中に残っておりまして、どれを取り上げていいのか。はっきり申し上げて、なかなかどの部分とも言えないです。
 ただ、私が復興大臣として2020年度以降の、復興・創生期間後の組織のあり方について、大まかな、いわゆる基本的な方針というものが出せたというのは、継続性の観点から大変よかったのではないかと思っております。
 したがって、個々の被災地との関係については、全てが私にとっては印象に残っているということでございます。
 ありがとうございました。

(以  上)

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