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吉野復興大臣記者会見録[平成29年7月14日]

吉野復興大臣閣議後記者会見録(平成29年7月14日(金)10:50~11:07 於)復興庁記者会見室)

1.発言要旨
 おはようございます。今日は3点の御報告をしたいと思います。
 1点目、昨日13日、宮城県の仙台市と石巻市を訪問いたしました。
 仙台市では、「みやぎ心のケアセンター」を訪問して、被災者だけではなくて、被災者を支援している方々の心のケアも重要という、大切なお話を伺ってまいりました。
 いわゆる、支援をしている支援者がかなり疲れていると。そして、心のケアを受けているというのが実態でございます。
 石巻市で最初に訪れた「COMICHI石巻」では、昔からある路地を残したまま、賑わいの創出に成功しており、感銘をいたしました。
 大体、津波被災地を見ますと、全部建物を取って車の入れない小道等々も全部平らにして、区画整理事業という形で進めているのがほとんどでございます。でも、ここは昔の狭い道もそのまま残して、ミニミニ開発をしているという、ですから、そこで生まれた方は震災前は目をつぶってでも、自分の町ですから歩ける。それと同じく、震災後も目をつぶってでもその地域を歩けるという、本当にすばらしいところでございました。
 また、そこから歩いて行ける場所に、「元気いちば」という市場がございます。町の中には車を運転できないお年寄りの方々がたくさんおられます。でも、郊外のスーパーには車を持ってないと行くことができません。でも、この「元気いちば」はそういう町に住んでいる方々の市場でもあり、また、多くの観光客の方々が石巻を訪れるわけでございますので、そういう外から来た方々にも対応できるだけのすばらしい木造の施設であります。この二つに対応できた市場を見学してきました。
 そこでむしホヤを大量に買ってきまして、東京に帰ってきてから仲間とおいしいお酒を飲んだところです。
 さらに、DMOの取組では、地元の方と外から入られた民間出身の方がタッグを組んでおられます。そして、石巻圏の今後の観光振興に向けて頑張っておる姿を見て、とても心強く感じたところです。
 6月に、復興フォーラムin大阪という形で、関西で初めて復興フォーラムを2日間にわたって開きました。そこで民間会社の方が復興支援という形で石巻市に民間会社の籍のまま派遣をされて、いわゆるまちづくり、それも観光のまちづくり、DMOに携わっていた。そして、自分で立ち上げに関わられた組織でございますので、定年を前に民間会社を退職して、自分で立ち上げに関わられた観光、DMOに入って、そこに魂を入れて、これからの観光での石巻市の発展を願うという、そういう取組でございます。本当に頭が下がったわけであります。
 最後に、被災者の支援をされている団体の方々と意見を交換してまいりました。実際の取組も拝見させていただいたところです。
 ここでは、石巻市は仮設に入るときに、抽選で入ったんです。ですから、今まで震災前にあったコミュニティ、絆が全くなくなって、そして、次は復興住宅ができるとまた抽選でありますので、自治組織を被災者自ら作っていくという形で絆作りに取り組んでいる被災者自身の方々でございます。
 そして、どうやって絆を作っていくかっていうところを、1週間に一遍、お茶会という会を開いてくれまして、それは復興住宅に移った方も仮設のお茶会に参加をして、そこでの皆さんとの会話の中で、仮設に来たから今日このお茶会に来ている仲間と出会うことができたという、そんなお話も伺わせていただきました。
 ある意味で、大災害を乗り越えて新たな絆を作っていくという、前向きな被災者の皆様方の取組を見てきて、感動をしたところでございます。
 2点目は、来週18日に、福島市の県立医科大学に設置されております、ふくしま国際医療科学センターを訪問いたします。
 先端的な医療技術・機器を活用した診断・治療、研究開発や県民健康調査の実施状況を視察する予定でございます。また、県立医科大学の地域医療支援関係者と意見交換もしてまいります。
 翌19日には、福島県の郡山市、鏡石町を訪問いたします。
 郡山市では、中小企業の知的財産戦略強化を通じて、復興を後押しする第1回の知財広め隊セミナーin福島に出席いたします。
 また、実際に知的財産を活用して、分析機器の研究開発を成功させているフロンティア・ラボ株式会社も視察をする予定でございます。
 さらに、県内での医療関係産業の集積を目指し、医療機器の製品開発から事業化まで一体的に支援する、ふくしま医療機器開発支援センターも視察をする予定でございます。
 鏡石町では、ふくしま産業復興企業立地支援補助金を活用して、新たな設備投資や雇用創出を行った精密部品メーカーであります、株式会社タマテックを視察いたします。
 配付資料、お手元に行っていると思いますけど、3点目、この度福島県と連携して、福島県における復興祈念公園の基本構想を策定いたしました。
 本構想は、復興祈念公園の基本理念や、基本方針等を定めるものでございます。
 今後、本構想に基づき、復興祈念公園の中に設置する予定の国営追悼祈念施設、仮称でございますけど、の閣議決定及び基本計画の検討を関係者と連携しながら進めてまいりたいと思います。
 なお、詳細はこの後に、事務方にお尋ねをしていただきたいと思います。
 以上です。
2.質疑応答
(問)最後、発表ありました福島県の祈念公園の基本構想なんですけれども、今回基本構想を策定されたということで、今後こういう施設が整備されることで、どういう役割を大臣としては担ってもらいたいかというところをお聞かせください。
(答)岩手、宮城と違い、福島の場合は、地震、津波を受けて、特にあと、原発災害を受けたところですので、原発災害を受けた特別な施設として、今度の方針を決めていったということでございます。
(問)国営の追悼祈念施設なんですけれども、建設に当たる費用の規模は大体どれくらいになるとイメージされていますか。
(答)これからですからね、まだちょっと皆様方にお話しできる段階ではないと思います。基本方針を決めましたので、これからみんなで具体的なものを設定していきたいと思います。
(問)冒頭でお話があった仙台の視察のところで、支援団体の関係者の方々が疲れてきているというようなお話があったと思います。
 これについて復興庁というか、もちろん被災者の支援というのはまずあるのが一番だと思いますけど、そうしたその頑張っている支援団体の方々へのそうした支援も今後必要になってくるというようなことだと思うんですけど、今の段階で復興庁として何か取り組めるものがあるのであれば、お聞かせいただきたいと思いまして。
(答)被災地は行政と被災者が頑張って復興を担っていくわけですけど、行政と被災者だけではなかなか思うようにいきません。そこに外部から入った支援者の方々、また、役場職員もそうなんですけど、役場職員の方々もある意味の被災者への支援者。
 私もそうなんですけど、見ているんですけど、被災した当時は特に自然災害を受けた方々は、当たるところが役場職員しかないんですね。「寒い。もっと灯油をストーブにいっぱいたけ」、ストーブを消して歩いていたものですから、それは寒い冬の夜のために灯油を節約していたんですけど、でも、文句を言う相手は役場職員。
 そういう形で本当に被災をされた方々への対応を一身に受けておりますので、そういう意味の心のケアを必要とするということを、宮城の心のケアセンターで教えていただきました。
 ですから、支援者、支援をする方々が一番被災者に向き合っていかねばならない、その支援者の方々がある意味のオーバーワークをしているという実態を視察をさせていただきましたので、私はこのハードからソフトへという、大きな復興行政のハンドルをこれから大きく振っていきたいなと。一番やっぱり支援をする方々がいればこそ、私たちの被災地は復興していくということでございますので、そんな思いを持ったところです。
(問)先週の話で恐縮なんですが、先週、東京電力の新経営陣と大臣がお会いされた祭に、第2原発について言及されました。あくまで政府としては、事業者判断だと思うんですが、あえてそこで大臣が判断迫った理由、意図を教えてください。
(答)私は政府の一員になったわけですので、第2の廃炉は事業者の判断だというのが政府の統一見解です。ですから、私はそこはきちんと守っていきます。
 でも、福島県民の一人であるし、福島県民の思いというものを十分理解をしておりますので、廃炉するかどうかの判断を、一日でも早く判断をしていただきたいという要請をしたところです。
(問)すみません、もう一つ関連しまして、東電の会長が報道各社のインタビューに対しまして、トリチウム水の放出を容認する考えを示しまして、一方で、放出されれば新たな風評を招くおそれがあると思うんですが、大臣としてどのようにお考えかお聞かせください。
(答)これ以上トリチウム水を放出して、福島県の漁業者に新たな不安を作らないでくださいというのが私の意見でございます。
 田中委員長始め、科学者の方々は、基準以下の濃度で放出をすべきだという意見もあることは承知をしておりますけど、そのことがこれ以上福島県の漁業に携わる方々を、特に風評被害のところで必ず発生しますので、追い詰めないでくださいというのが私のずっといる立場でございます。
(問)今の質問に関連してなんですけれども、そうすると、大臣としてはその基準以下の濃度でという考えを承知しているけれども、その基準に関係なく放出はやめてもらいたいという立場というところでしょうか。
(答)そうですね。
(問)すみません、今の質問に関連します。東電の新経営陣が来たときに、大臣は4項目、主に要請されたと思うんですが、そのうち、廃炉作業とか、いわゆる復興行政、復興事業による支援については、会長、社長とも雄弁に語っているんですけれども、実は、第2原発の判断については、大臣の面前では答えずに、終わってから報道陣の質問に対して答えていると思うんですけれども、これは大変非礼だと思いますけれども、大臣はいかが思われますか。
(答)私の一日でも早く判断をしてくださいという要請については、答えがなかったですね。そのときは別に非礼だなとも思わなかったんですけど、皆様方の質問に答えた形で答弁しているというのは、今思えば何で私の質問に答えてくれなかったのかなというふうに思いますね。
(問)その東京電力の姿勢にも関わることなんですけれども、この復興祈念公園の基本構想にも関わってきますが、この福島の災害の場合は二つ軸があって、この基本方針の設計にも表れていると思いますけれども、一つは津波の震源の方向を主軸として、もう一つは、第1原発の方向を主軸にしています。
 これは普通の自然災害の祈念公園と違って、やはりその原発事故という破滅的な災害を起こした愚かさとか、そういう社会の問題のようなものをここを訪れる人が感じるような設計にすべきだと思いますけれども、大臣のお考えはいかがでしょうか。
(答)そうですね、その御意見、本当にすばらしいと思います。福島県の祈念公園ですので、原発災害をやっぱりきちんと理解できるような、そういう公園も必要かなと。
 あと一方、地震、津波の災害で多くの方々が亡くなられ、あと、行方不明者もまだおりますので、そちらの追悼のところもきちんとやっていきたいと思います。
 ありがとうございます。

(以    上)

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