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吉野復興大臣就任記者会見録[平成29年4月26日]

吉野復興大臣就任会見録(平成29年4月26日(水)15:30~15:50 於)復興庁)

1.発言要旨
 先ほど安倍総理から辞令を頂き、復興大臣を命ぜられました衆議院議員の吉野正芳でございます。
 発災以来、実は私は被災者です。福島県いわき市というところで自宅が津波の被害を受け、また、選挙事務所も津波の被害を受けて、選挙事務所は全壊です。自宅は大規模破壊です。そういう意味で、被災者の気持ち、これはどなたよりも私がきちんと理解しているというふうに思っております。
 さて、今回、大臣の拝命に当たって、安倍総理から御指示を頂きました。復興・創生期間においても、被災者に寄り添い、各省庁の縦割りを廃し、現場主義に徹したきめ細かな対応により、被災地復興の更なる加速に向け、全力で取り組むこと。被災者の心と体の健康の維持や産業・生業(なりわい)の再生の加速化に取り組むこと。被災地の単なる現状復帰にとどまらず、「新しい東北」の創造に取り組むこと。原発事故の被災者の方々の心に寄り添い、福島の再生を成し遂げること。福島再生に向けた対策の復興庁への一元化を徹底するとともに、被災者の早期帰還の実現に取り組むことなどの御指示を頂きました。
 総理からの御指示、また、内閣の基本方針を踏まえて、現場主義を徹底し、被災者に寄り添い、司令塔の役割を果たしつつ、被災地の復興に全力を尽くしてまいります。どうかよろしくお願いを申し上げます。
2.質疑応答
(問)原子力政策について2点お伺いします。
 政府は全国の原発に関して、原子力規制委員会の審査をクリアし、地元の合意が得られた原発を再稼働するという方針です。この方針について、大臣は同じ考えでしょうか。また、違う見解をお持ちでしょうか。よろしくお願いします。
(答)私も政府と同じ考え方でございます。実は原子力規制委員会をつくった者の一人として、福島のような事故は二度と起こさないということで、私たちが野党の時代に塩崎先生、私、柴山先生等々が中心となって規制委員会をつくらせていただきました。その規制委員会が技術的に判断をして再稼働していいよと言った場合、そしてなおかつ地元の合意があった場合は、これはエネルギー政策として再稼働を認めていくということでございます。
(問)重ねてもう一問お願いします。
 福島県内の原発については、第一原発の廃炉は決まっていますが、第二原発の方針は決まっておりません。福島第二原発の今後について大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)私も福島県の人間でございますので、県の意向は十分に承知をしているつもりでございます。ただ、私も皇居で認証を受けてから、政府の一員としての立場がございます。これは廃炉をするかしないかは事業者が決める問題というふうに政府の一員としてはお答えをしたいと思います。
(問)今村前復興大臣の一連の発言について、どのように受け止めていらっしゃるのか教えていただけますか。
(答)今村大臣は被災地に何回も来て、心は被災地に寄り添った行動をとっておりましたけれども、昨日の発言、これは本当に許すことのできない、我々、東北の被災地にとっては許すことのできない発言であります。以上です。
(問)前大臣に限らず、復興に関わる政治家の辞任や問題が相次ぐことに、被災地の方からは復興は軽視されているのではないかというふうな不信が広がっています。大臣はどのようにお受け止めになるでしょうか。
 それともう一つ、またそんな中で大臣に就任されるということで、今度の大臣は大丈夫なのかという注目が集まっていると思いますが、それについてはどういうふうに応えていこうと思われますか。
(答)今までの歴代の大臣、本当に被災地に寄り添った心を持って対応してきていると思います。ただ、今村大臣の場合は発言が、ふさわしくない発言がありますので、我々、被災地の思いとしては許すことのできない、そういう重大な発言だったというふうに思います。そういう意味で、被災地からの代表として今回、私が復興大臣に就任をさせていただきました。私自身が被災者でありますので、被災者の心、気持ちというのは十分に理解し、例えば最初はね、津波の映像を見ても何でもなかったんです。最近、津波の映像が映るテレビになると、私がチャンネルを回しちゃいます。このくらい、津波というものに対して、ある意味の精神的な部分があるのかなと思っておりますので、本当に被災者に寄り添って、普通、役所の方々は寄り添った、寄り添ってという言葉を使いますけど、耳障りのいい言葉ですけど、本当に被災者に寄り添っていけるのは私だという自負を持っております。
(問)今の質問と関連するんですけれども、福島選出の吉野大臣の就任で、やはり被災者からは気持ちを分かってくれるんじゃないかという期待の声と、その一方で、やはり何も変われないのではないかという意見もあると伝えられております。そもそも前大臣の問題の流れで、吉野大臣を見る目は厳しいものがあって、特に冷めた声を復興の希望に変えていくためには初動が重要になってくると思うんですが、その点、どう対応するのでしょうか。
(答)丁寧に、被災地の実情は私、よく分かっておりますので、被災者に寄り添って、耳障りのいい言葉で寄り添うのではなくて、私自身が体験した本当の寄り添い、これを実行していくことによって、私の復興大臣としての評価があるのかな、このように思っております。
(問)大臣、様々な活動をされてきたと思うんですが、そうした吉野大臣だからこそ早期にやるべき何か重点的なことというのが、もしあれば教えてください。
(答)津波被害と福島の被害を分けて考えねばなりません。津波・地震被害の方は岩手、宮城を中心としたところ。また、私のいわき市もそうなんですけど、復興10年、残り4年で復興の目途がついております。
 ただ、原発被害についてはあと何年かかるか分からない。そういうことで、復興庁はあと4年で自動的になくなる役所でございますけれども、福島については中長期的にきちんと行政として支援をしていくという、今のところ組織としてはまだ考えていませんけれども、こんな形で中長期的に支援していくということでございます。
(問)今日、総理から辞令交付を受けた際に、先ほど指示を受けた言葉以外にどういった言葉を掛けられたかということと、その中に今村前復興大臣の直接名前は出さなくてもそれに関する話はありましたか。
(答)今村大臣については言及がございませんでした。全閣僚が復興大臣のつもりでやれという言葉にあるように、復興大臣は大事な役回りでありますので、しっかりやってほしい旨のお言葉を頂きました。
(問)信頼回復にもつながると思うんですけれども、被災地に、東北三県にこれから伺うタイミングなどお考えがありましたら教えてください。
(答)早急に被災地を訪問したいと思っております。特に私の場合、福島にずっといたものですから、岩手、宮城の全ての被災地は見ておりません。被災地の復興の状況、そしてこれからの課題、そんなところを現場を歩いて早急に対応していきたい、さように思います。
(問)具体的な日程は何か決まっていますか。連休などもありますが。
(答)この連休を使って、精力的に行きたいと思っております。実は明日も行くようにスケジュールを組んでたのですけれども、委員会等々の国会対応があるやもしれませんので、今のところまだ明日の日程は未定でございます。国会日程がなければ、明日にでもまずは知事にお会いしたいと思います。
(問)地元の福島県の関係ですけれども、いわゆる避難指示区域外から自主避難されている方の住宅無償提供が3月末で打ち切られたことは御存じだと思いますけれども、打ち切られた方々はいろいろ生活困窮をされているということは以前から指摘されていますが、そういった方々についての国としての支援の在り方について、改めて大臣の御認識というものを聞かせてください。
(答)全国に26か所の相談窓口を置いてございます。そこは何でも相談できる場所で、まずは住まいのこと、そして自分が自立して働きたいと言えば働くところの紹介とか、介護や医療の紹介とか、生活をするに当たって、よろず相談というのを全国26か所に置いております。
 例えば、この間、東京都で福島県の自主避難者の方々に対するフォーラムがございました。私も出席したんですけど、臨床心理士の資格を持っている東京都の職員がアドバイザーという形でよろず相談に乗っている現場を拝見させていただきました。そういう意味で、自主避難をしている方々に対しては、国としてできることをきちんとやると。不十分であれば更なる支援を私はしていきたいと、このように考えております。
(問)前任の復興大臣が被災地に対する暴言で辞職するというのはかなり異常事態だと思います。このような政府と被災地の信頼関係が正に問われていると思います。先ほど吉野大臣は政府の一員となったということで、政府の一員の立場を強調しましたけれども、やはり被災地の議員であり、被災者である議員が政府になった、逆に政府の一員ではなくて政府を変えるぐらいの気持ちでないとこれからの信頼関係は保てないと思いますけれども、大臣の覚悟はいかがでしょうか。
(答)おっしゃるとおりです。政府の一員として内部から被災した被災地の声を届けていくというのがある意味で私の大きな役割かなと考えています。
 実は野党時代に、私は質問を50回から60回、多分自民党の中では一番質問したと思います。あらゆる委員会で被災地の声を届けさせていただきました。これが私の大きな役割ということで、質問を展開してきたわけでありますので、政府の中に入ったからこそ、被災地、被災者の声を届けるというのが私の一番の仕事になると、このように思います。そのとおりです。
(問)今村前大臣が、「東北でよかった」という発言が多くの方を傷つけたわけですけれども、今インターネット上では、今村大臣の「東北でよかった」という言葉の意味を逆手にとって、「東北に生まれてよかった」という東北の魅力を発信するという動きも盛り上がってきています。こういった動きについて、御感想があればお願いします。
(答)新しい東北という形で政府も提言をしております。復興庁としましても新しい東北をつくるべく、「東北頑張れ」、私のところの言葉では「頑張っぺ」なんですけれども、「東北頑張っぺ」運動を復興庁としても大いに支援をしていきたいと思っております。
 どうも、これからもよろしくお願い申し上げます。

(以    上)

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