1.発言要旨
先日、福島沖を震源とする地震がありましたが、関連いたしまして、発言申し上げます。まず、22日に発生した地震とそれへの対応についてでありますが、これを受けまして、長沢復興副大臣に福島県に行っていただき、知事ともお話していただいて、被災の状況、また復興への影響等々、話をしてもらったわけであります。そして私も、宮城県及び岩手県に向かい、宮城復興局、岩手復興局の方から被害状況等を伺い、今後の対応について協議・指示してきたところであります。
今回の地震は比較的、今のところ、被害が少なくて幸いだったと思っておりますが、そうは言っても、いろいろな課題も散見されるところもあります。もう少し規模が大きかったら、どうなったのだろう、ちゃんと避難できたのだろうかという課題、そしてもう一つは、どうも活動期に入っているのではないか。そういうことで、今後また余震等も予想されるので、それへの備えをしっかりとやっていかなきゃいけないなというふうに思ったところでございます。
それから、2点目でありますが、いよいよ来年度予算をどういうふうに組んでいくかということになってきます。今までやってきた復旧・復興の基盤整備はもちろん着実に、スピーディーにやっていきたいと思っておりますが、それ以上に、是非、産業の育成、あるいは生業の再生、そういったところに力を入れなければいけないわけであって、新年度の予算については、そういったカラーがしっかり出るように取り組んでいきたいと思っております。
そういう意味で税制、あるいはいろいろな予算の作成等にあたってはそういったところにしっかり力点を置いて、そして何よりも我々が手取り足取りやっていくというよりも、むしろ地元の方が「俺たちはこうやって立ち上がっていくんだ」という意味で、どういう仕組みを作った方がいいかということも、良く協議しながら、予算編成に向かっていきたいと思っております。
そういう意味で、まず隗より始めよではありませんが、被災地の商品の販売促進ということ、これは今からでも取り掛かれるわけでありますから、是非我々も先頭に立って、いろいろなアピールをしていきたいと思っております。
特に今までも言っているように、ここは東京という大変な消費地を抱えているわけでありますから、うまくそこにアプローチすれば、いろいろな意味で良いもの、美味しいものがたくさん売れるということにつながっていくと思っております。そういったマーケティング、あるいは流通の改革等々にしっかり取り組んでいきたいというふうに思っております。
そういう意味で、昨日も実は先般の岩手県と福島県に続いて、宮城県のアンテナショップ、これは池袋にありますが、そこにも行き、いろいろなものを買ってきたわけでありますが、3店とも本当にいいものをそろえてくれているなと思っております。しかし、これを単にアンテナショップというそういう名前ではなくて、首都圏、東京に攻め込むための一つの砦、出城という位置付けをして、もっと活動を強化してもらえたら良いな、とも思ったところであります。
いろいろな良いものがあります。例えば今月5日・6日に横浜で開催された全国ふるさとフェア2016では新しい東北の情報発信事業の一環として、復興庁もホヤの加工品の販促活動に参画、協力したところであります。
当日はホヤの面・帽子をかぶって頑張ってくれた人もいますけれども、大変にフェイスブック等でも反響が大きいようでありまして、意外な思いをしております。加えてホヤの加工品をサンプル的に出したのですが、全部売り切れだ、「もうないのか」という話もあったということで、意外にやはり知っている人は知っているのだな、人気があるのだなと思った次第であります。
そういったことを是非我々も先頭に立って、いろいろなアピールをしていきたいと思っております。
ついでではありますが、今、ホヤの話をしましたが、今、私が持っているのは、女川のホヤ本であります。それから「ホヤって何ですか」ということですが、大変いろいろな栄養価が高い、特に女性には非常に向いているのではないかというようなことが書いてあるわけでありますが、是非皆さんでこういったものも読んでいただいて、そしてできればいろいろなところでアピールの手伝いをしていただければと思っております。
ホヤもせっかくこうやって非常に皆さん苦労して作られる。しかし、それが今、韓国の方で、いまだに輸入規制があって、せっかく作ったものが廃棄されるという状況になっているわけであります。これだけおいしくて栄養のあるものを無駄にするということももったいない。しかも、賠償金ということで皆さんから頂いたお金を使っているということなので、こんないいものをもっとアピールして商品に結び付けていくということを地元も含め、みんなで取り組んでいく必要があるのではないかなと思っております。
そういう意味で、冒頭で申しましたように、これからは、生業の再生ということでしっかりやっていきたいということでありまして、その一例として、こういったものを今、紹介したところであります。以上です。
2.質疑応答
(問)先日の地震に関連して、岩手の視察に先立って宮城と岩手の復興局を訪れて、課題などを聞き取りされたということでしたけれども、どういった課題があると把握されたのかお聞かせください。
(答)一つは、やはり先程も言いましたが、規模はそう大きくなかったから良かったけれども、やはり一部には避難するときに道路が混んでいたという地区もあります。だから、時間帯でありますとか、あるいは、もう少し規模が大きかったら、果たしてどういうことになったのか。スムーズに本当に避難ができたのか等々含めて、今回、この5年半前の出来事が皆さんの頭の中で風化していないかということも含めて、もう一回、ある意味で検証する、見直しする機会を与えられたのではないかなとも思っております。、そういったことをもう一回、皆さん方とも協議、またご相談もしていきたいと思っております。
(問)今、冒頭の発言で、これから産業・生業の再生に向けた予算を作るというお話がありましたけれども、その中で手取り足取りではなくて、自分たちが何ができるか考えろ、というお話がありましたけれども、先日、福島県知事からの要望の際に、気力が足りない、というようなことをおっしゃっていましたけれども、大臣の方からは、手取り足取りと見えているわけですか。何が足りないと思いますか、被災地に。
(答)今、福島でせっかくこうやっておいしいもの、米だって、良いもの、絶対安全なものを作ってあるのだけれども、いまだに稼得は低い。だから、それがいろいろな宣伝もやっていますけれども、やっぱりもうちょっとこれを深化していく必要もあるのではないか。例えば、果たして消費者のところにそういう「世界一安全ですよ」ということが届いているのかどうか。例えば、そういったことも含めて、どんどんいろいろな活動をしてもらえるのではないかなと。そのために我々もしっかり応援はするからと、そういうふうに言っているわけです。
要するに基盤整備の土木工事は、予算を付けてトンカチやれば比較的できるわけです。だけど、やはりビジネスになってくるようになると、なかなかこれを買えと強制的に我々が言うわけにいかないわけだから、やはりそれは生産者の方の努力というのが、まだまだ私は必要ではないかなと考えます。
(問)県産品を販売する上で、地元の努力がもう少し必要だということをおっしゃりたいということですか。
(答)そういうことですね。もっとやってもらっていいのではないか。
(問)その件ですね。手取り足取りと表現されたのは、そういう部分のことですか。
(答)手取り足取りというのが、少し大げさに言ったかもしれませんが、やはり我々が今言ったように、皆さんに買えというわけにいかないわけですから、あくまでビジネスの世界だから、そういう意味で、自分たちでいろいろ知恵を出し、また行動してやっていただきたい、それが必要なのではないかなということです。
(問)手取り足取りという言葉に引っ掛かって言っているわけではなくて、被災地に課題があると復興庁が思っているのであれば、それをしっかりと言葉で言った方がいいと思います。こちらも要望することは要望していると思います。そういったものを感情的な言葉で表現してしまうと、政策にならないのではないかという疑問があるわけです。大臣が先程おっしゃった一つの事例は、生産品を消費者に届ける形をもっと努力してはどうかということでいいですね。
(答)そうですね。
(問)冒頭のところに関連して、来年度予算で生業の再生について力を入れたいというお話がありましたけれども、まずそういう認識でいいのかという確認です。それと、まず先日の地震に関連して、これからカキやワカメの養殖が最盛期を迎え、打撃が心配されるわけですが、そこで生業の再生というところを挙げられたということで、これからの養殖への先日の地震被害の影響について、何か懸念されているところ、思われているところがあれば伺いたいのですが。
(答)これは、被害状況も正確にはまだつかんでいません。しかし、やはりいろいろと、網が絡んだとか、そういう話は聞いていますから、そういったものを踏まえて今後の対応をどうしたらいいのかということ。これはやはりいつまたこういった地震なり津波が来るか分からないという前提で、そういった取組をしなければいけないと思っています。
(問)以前、3県の知事と定期的に会合を持ちたいというようなお話をされていましたけれども、来週、全国都道府県知事会議があって、皆さんいらっしゃるかと思います。先日は、復興推進会議の際には岩手県知事だけだったので、今回は3県知事揃われることになるのかなと思うのですけれども、お会いになる御予定はございますでしょうか。
(答)是非その機会を捉えたかったのですけれども、この時期、各知事さんたちも、なかなか足並みが揃うことが難しいようなので、今、何とかお願いしますということは言っていますが、まだ正式には決まっていません。
(問)もし整えば、お会いになられる。
(答)もちろんやります。
(問)東京オリンピック関連なのですけれども、四者協議が行われる前に、宮城県の長沼ボート場は見送り、というような話が一部関係者から出てきているのですが、それについてどういうふうにお感じになりますでしょうか。
(答)報道ではそういうことが踊っているところがありますが、我々のところでも組織委員会に確認をさせました。そうしたら、そういうことはないということであります。その辺は、皆さんの方がむしろ、いろいろなところで情報もあるのかもしれませんが、我々としては、まだ決まっていないということで認識しています。またお願いしているところです。
(問)もう一つすみません。先日、津波があって津波警報が出た件に関してなのですけれども、これから産業の育成、生業の再生と、その面で観光業というのが大きなところがあるかと思うのですが、やはり先日の津波を受けまして、宮城県ですと石巻や沿岸地域で、ホテルのキャンセルが相次いでいたり、安全を確保しつつ、なおかつ観光業の方のPRというのは、なかなか難しいかとは思うのですが、その辺いかがお考えでしょうか。
(答)これは、ある意味ではさきほど言ったように何が起きるか分からないという中では、確かにそういうのもあるかと思います。しかし、それはそれとして、我々もできる範囲のいろいろなアピールといいますか、そういったものをとにかくやっていくしかないなと思います。
もう一つは、今の話は沿岸地域に対して皆さんそういうイメージを持っておられるのでしょうけれども、そうでないところもまだたくさんあるわけですから、そういったところも含めて、何も石巻なら石巻だけに行くという話ではなくて、少し3泊4日なり2泊3日、東北周遊というシリーズで、企画商品を作ろうではないかというようなことも今、考えさせています。
(以 上)
復興庁(法人番号:4000012010017)
〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-1-1 中央合同庁舎4号館 TEL(代表): 03-6328-1111
Copyright © Reconstruction Agency. All Rights Reserved.