復興庁 logo復興庁
  • 検索
  • 文字サイズ
メニュー
閉じる

竹下復興大臣記者会見録[平成27年7月10日]

竹下復興大臣定例記者会見録(平成27年7月10日(金)9:30~9:51 於)復興庁)

1.発言要旨
 私からは今日は3件ございますが、その前に今朝、盛岡で震度5弱を地震を体感いたしました。沿岸部でも震度4となったところがあったようでございますが、今までに入ってきている連絡では軽傷者2人ということ以外、それほど大きな被害は出ていないという、ただいま現時点での報告はそういう状況になっております。
 それでは、今日御報告することでございますが、まず1番目は「まちなか再生計画」の認定につきまして、石巻市から申請をされていた「まちなか再生計画」を認定しました。この認定を受けるのは宮城県女川町、岩手県山田町の計画に続き第3号となります。詳細は後ほど事務方より説明をさせていただきます。この石巻市の中心市街地の再生の起爆剤に是非なってほしいと思っておるところでございます。
 2点目は、被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針の改定について、公表及びパブリックコメントを行うということでございます。子ども・被災者支援法に基づく基本方針の改定案を取りまとめましたので公表をするとともに、パブリックコメントを行います。今回の改定の趣旨は、現在、線量が発災時と比べて大幅に低減しているなど、支援対象地域から避難する状況ではなくなってきているということを踏まえまして、被災者が自ら住居を定め、安心して生活ができるように定住の支援に重点を置く方針を明らかにするものでございます。1番のポイントは、支援対象区域については被災者がどこに定住するかを新たに判断するためには、一定の期間を要することから、当面縮小又は撤廃はしないということにしたという点でございます。改定案につきましては7月17日金曜日に東京、18日土曜日に福島でそれぞれ説明会の開催を行う予定でございます。詳細はこの後、事務方からブリーフィングをさせていただきますので、そちらでお尋ねをいただきたいと、こう思います。
 三つ目は宮城県及び福島県の訪問についてでございます。明日11日、安倍総理が宮城県名取市南三陸町を訪問される際、私も同行する予定でございます。これは既に総理日程として公表されていることでございます。翌7月12日及び13日月曜日に福島件会津若松市を訪問いたします。具体的には12日にはバイオマス発電所、会津大学、株式会社G Clue。13日月曜日には会津若松市まち・ひと・しごと創生包括連携協議会に出席をするなどの予定としております。
 私からは以上でございます。
2.質疑応答
(問)先ほど支援法の基本方針の改定のことなのですが、福島県は先日、住宅1年延長して、その後は自主避難者については延長しないという発表の中で、福島県のほうで住宅の支援策を今後考えていくということが、あわせて発表があったのですが、福島県が考える代替施策と、今回のこの基本方針の中に入っている住宅の確保というのはどのように整合性とられるのでしょうか。
(答)今、福島県のほうでどう支援していくか具体的な検討をしていらっしゃるというふうに伺っております。それがどういうものになるか、私は今ここで存じておるわけではありませんので、それを見て我々としての対応というのは考えていかなきゃならない、こう思っております。
(問)それがこの法律の趣旨から考えると、代替の施策というのは避難を選んでも支援するということなので、国が本来やるべきことなのではないかという指摘もあると思うのですが、その辺は福島県はなぜそういうことになっていないのでしょうか。復興庁としては、なぜそれをしないということになっているのか。
(答)基本的には福島県が様々なことを決めていただきまして、我々は支援していくという構図になっております。それから、住宅あるいはそれから避難の時期等については、やはり基本的に帰っていただきたいと。これは福島の強い思いでありまして、そのことを期日を示すことによって、促進をしたいという思いがあると思います。これは自主避難の人もそうでない人に対しても全く同じ思いで、原則として帰っていただきたいと。帰らない人には帰らない人への対応を考えるというのが福島県の立場というか、これまで我々が聞いておるお話でありまして、我々としてもそれはそれでいいだろうと、帰りたい人には帰ってもらうと、帰りたくない人には帰りたくないということを決めてもらうということになるのではないかなと思いますが。
(問)すみません、しつこいようですけれども、法律の趣旨としては避難しても支援するというもともとの趣旨になっているわけですよね。その辺りというのはこれは原則を書いていただくということなのですけれども、やはり国としては福島県がそういう意思である以上は、法律の趣旨に反しても支援はできないということになるのですか。
(答)法律の趣旨に反してというのは、ちょっと私には理解できないところがありますが。
(問)矛盾しているように非常に聞こえてしまうのですが。
(答)私はそうは思わないのですが。
(問)今の関連ですけれども、今回線量が発災時と比べて大幅に低減し、避難する状況にはない。避難する状況にはない線量を教えていただけますか。
(答)ちょっと私は細かいことは分かりません。
(事務方)詳細についてはこの後事務方から御説明させていただきます。お手元の資料ございますけれども、参考でつけております資料に発災時とそれから26年の資料をつけてございます。この発災時から比べますと大分線量が低下してきているというような状況もあります。そのほかに外部被曝の状況、内部被曝の状況というようなものも資料としてつけてあります。それから食品検査のものもつけてあります。そういったものからすると、発災時と比べて大幅に低減しているということなので、もう避難しているような状況ではないのではないか、という状況と考えております。
(問)ごめんなさい、もう一回確認です。下がっていることは認識しているのですけれども、どこから避難せずに済む線量なのか、国としてどうお考えなのか教えていただきたいと思います。
(答)どう答えればいいのか、福島県に180万人の方が生活していらっしゃるのです。そのことは福島県として一番重く考えていると思います。そして大事なことは、放射線量が下がっていく、あるいは除染によって更に下げていく、更には帰りやすい生活インフラを含めた環境を整備するといったようなこと、我々は福島県がいろいろ悩んだ末に2年間で帰還しようと、準備区域とか居住制限区域は帰還する方向で行こうという決断をされた以上、我々としてはそれができるように、復興庁として最大の努力をしていく。帰りやすい環境をつくっていく、線量を更に下げていくといったような作業を続けることが我々の仕事だと、こう思っております。
(問)またちょっと関連で恐縮です。
 まずこちら、閣議決定事項になっておりますので、いつ閣議決定するおつもりなのかということと、この基本方針、閣議決定の時期とそれからまだちょっと急に見ただけであれなのですけれども、帰還する方への支援準備はよく見えるのですけれども、逆に帰還しないという選択をした人に対してもどういう支援を、つまり別の場所に移住されるという決断をされるかと思うのですが、そういう方々にどういう支援をしていくのか、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)今それを、福島県がどういう支援をするかの検討をしておりますので、いつ出てくるのか定かには分かりませんけれども、それを受けて我々は対応を考えなきゃならんと、こう思っております。
(事務方)閣議決定はパブリックコメント、8月8日まで行いますので、その後2週間から3週間くらい後と思っています。8月下旬ぐらいと思います。
(問)政治の話なのですが、参議院選挙制度改革について伺いたいと思います。衆議院、参議院の違いはありますが、大臣の御地元島根県も合区の対象になっております。自民党内からは地元選出の議員からも反発の声もありますが、大臣として御所感をお聞かせ願えますでしょうか。
(答)夕べ9時ぐらいからだったか、合区の対象となっておる4県の衆・参両院の議員が集まりまして、基本的な対応を協議をいたしました。私はたまたま今、自民党島根県連の会長でもございます。反対であるという原則は、これはそう簡単に譲るわけにはいかない。だけれども、事態はここまで動いてきておりまして、もし百歩譲ってその四つの県について合区を検討するなら、三つの条件を出さなきゃいかんなというような話を夕べいたしたところであります。
 一つは候補者を出せないところに何らかの救済措置を講じなければならない。なぜかといいますと、都道府県制が日本の今の地方自治の形であります。それを壊すには、それなりの理由とそれなりの対応策がなきゃならないということ。それから、来年の選挙については間に合わないと思いますが、今後、憲法改正の際には、ちゃんと都道府県から一人は最低出せるということを憲法の中に盛り込みなさいと。自民党として最大限の努力をしなさいということを党に申し入れる。更には特に対象となる参議院議員の皆さん方、自分の背中に背負っておるふるさとを考えますと合区に賛成することはできませんので、党議拘束をはずしてくれと、この3点を近々、いつになるかちょっと分かりませんが、党本部のほう、谷垣幹事長に具体的にはなると思いますが、申入れようということを夕べ議論をして決めたところでございます。
(問)お伺いしたテーマが三つぐらいあって、1個ずつ質問したいんですが、子ども・被災者支援法なんですが自主避難者の住宅の期間ですとか、これは災害救助法の基づく限りは、やはり決断を最初にアクションするのは福島県だという建て付けは分かります。それについて福島県側の対策を練るというのは分かるんですけれども、子ども・被災者支援法の話は、この趣旨としてはどのような選択をしても支援をするというのがこの法の責任であって、例えば福島県が出した住宅支援策以上のことを国がやっても全く問題ない。若しくはそこに責任があると思いますけれども、それについては大臣如何お考えでしょうか。
(答)自主避難の方に焦点を当ててお話しなっていますが、福島県が一番悩んでおりますのは、そうじゃないんです。もちろん自主避難の方についても悩んでいますけれども、本当に強制避難をさせられている方々についてどうするかというのが最大の悩みであります。その上で、強制避難であるか自主避難であるかということを問わずに支援をしていくと。帰りたい方には帰れるための支援をしていくということ。帰りたくない方には帰りたくないという選択をしていただいて支援をしていくと。こういうことになっていくんだろうと思います。強制ではいずれもありません。
(問)昨日、衆院の復興特別委員会がございまして、そこで来年度以降の復興事業に関して、一部自治体負担導入について議論があったんですけれども、私は大臣が初めて明確におっしゃったのは多分3月11日を前にされて、いわゆるインタビューの時に自治体負担のお考えを出されて、その後、国会等質疑やこの会見とかでいろいろおっしゃっていますけれども、いわゆる自治体の緊張感が震災後からちょっと変わっているんだろうというところを鼓舞するために自治体負担を導入したい、というのが大きな理由ではないがと、昨日答弁されていますけれども、その話はちょっと初めて聞いたんですけど、一番今回の制度改編で一番肝というのは、やはり自治体負担導入だったと思いますけれども、それについての理由がなかなか一貫してお話を聞いたことがないというか、場面場面によって、例えば誇りを持つためにやるんだとか、持続可能な維持管理をやるためにやるんだとか、ほかの自治体との不公平感がそれぞれ問題になるからやるんだとか、大臣いろいろおっしゃっていますけれども、なかなか一貫して聞いたことがないので、この機会にどのような観点があって言っているのか、まとめてお伺いしてよろしいですか。
(答)後期の5年間、復興・創生期間の予算のあり方、復興の仕組み、財源について私が一番悩んだのは地方負担じゃありません。5年間をどうやって塊として示すかと、これをつくり上げることを一番悩んできたわけであります。その中で地方負担ということをお話して、皆さん方にも何回か様々な形でお話をさせていただきました。結論から言いますと、政治的、総合的に判断したということになるわけでありますが、それは、一つの理由で物事を決めたわけではないと。いろんな要素を考えて決めたということでございます。自立を求めるというのもその一つでございますし、市町村のリスクをとっていただくことによって、更にギアを上げていただくということもその一つでありますし、あるいは、他の市町村との、全国の市町村とのバランスを正に考える時期に来ているという判断もその一つであります。様々なことを、そうはいっても6兆5,000億の中の200億余りでありますので、財政再建に資するとはなかなか言えない、とても言える額ではないということはありましたけれども、いろんなことを考えて決めたことは事実でございます。
(問)最後ですけれども、ちょっと復興とは外れるんですけれども、参議院制度改革で現在、かなりのところが合意しているのは鳥取、島根の合区と、あと高知と徳島の合区ですけれども、福島県も実は前回、区域は変わりませんでしたが定数が1減になったということで、かなり議論したんですけれども、例えば鳥取、島根、多分今までは一人ずつ参議院に送られている。次、合区1になった場合、当然お一人なわけですけれども、その場合にその方が鳥取御出身なのか島根御出身なのかでまた全然変わってくると思います。1票の格差を守るのも大事だと思うんですけれども、自分たちの代表がいなくなってしまうところの権利というのも確保しなきゃならないと思いますけれども、それについて大臣のお考えはいかがでしょう。
(答)ちょっと先ほど触れましたけれども、日本は都道府県制を地方自治の大原則、大前提で地方自治制をひいているわけでありまして、これまではその都道府県制の中で都道府県から最低1人、つまり表裏で2人は参議院議員を出せるという体制でやってきたわけであります。我々は都道府県制を否定するなら、それは一つの合区も考えられるかもしれないけれども、1票の格差だけで判断をすることが本当に日本の国に合っているのかという議論は、これは最高裁に求めても僕は無理だと思うんです。最高裁は憲法判断、憲法に基づいての判断で、日本に地方自治制が合っているかどうかという判断はできませんから。それは政治が言っていかなければならないことであります。いろんなこともこれから議論になってくると思いますが、その際に先ほどお話ししました候補者を出せない県の救済策、具体的に言いますと、今は非拘束比例代表ですが、拘束比例代表を導入することができないかということも含めて、きちっと出せないところが不利にならないように対応を考えてくれということは党本部に申し入れようと、こう思っております。

(以    上)

ページの先頭へ