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根本復興大臣の会見[平成26年3月25日]

根本復興大臣記者会見録(平成26年3月25日(火)9:30~9:51 於)記者会見室)

1.発言要旨
 それでは、私の方から2件お話をさせていただきます。
 まず、平成26年度東日本大震災復興特別会計予算についてであります。
 去る3月20日に、平成26年度予算が成立しました。平成26年度の東日本大震災復興特別会計には、住宅再建・復興まちづくり、産業・生業の再生、被災者に対する健康・生活支援に必要な予算を計上するとともに、福島の再生については、福島再生加速化交付金による取組を強化するなど、復旧・復興を進める上での様々な課題に対応するための予算が盛り込まれているところです。このような予算を活用して、被災地の復旧・復興の加速化に万全を期していきたいと思います。
 次に、平成25年度企業連携プロジェクト支援事業の成果についてであります。
 復興庁は、本年度も被災地の企業と被災地外の企業などが連携して取り組む事業計画、ビジネスプランの実現を支援する企業連携プロジェクト支援事業を行いました。この事業の狙いは、被災地における新たな産業の芽となるビジネスプランを発掘し、その実現を支援し、その成果を新しいビジネスモデルとして広く発信し、ほかの事業者の参加を有することで、被災地の産業復興を加速させることにあります。新しい東北の創造の一環として取り組んでまいりました。
 この事業では、復興庁の民間からの出向者が個々の案件に対し、いわゆる「ハンズオン支援」、要は、現場に出て実地で行う支援活動、「ハンズオン支援」を行います。未成熟なビジネスプランを民間のノウハウと行政としての立場を活かし、企業経営者の信頼を得て事業化に至るまで手取り足取り支援をします。このとき、復興庁として大学、経済団体、産業支援機関などが連携する支援体制、アドバイザリーボードを構築し、事業提携先の紹介や専門家の派遣などを支援します。このたび、今年度採択し支援した7案件の成果がまとまりましたので、公表します。
 具体例を御紹介いたしますので、配付資料の1ページ目をごらんください。ここに記載されているのは、自転車を活用した観光・環境データ提供、車輪型広告事業です。株式会社アイズ・ジャパンは、多数の自転車にスマートフォンとセンサーを搭載し、走行しながら温度や湿度、さらには走行ルートなどの位置情報などを収集し分析する議事を有しております。復興庁は、この技術を商品化するビジネスプランの構築を支援しました。まず、復興庁が自動車の車輪にLED広告を表示する技術を有する米国シリコンバレーのベンチャー企業モンキー・レトリック社を探し出し、アイズ・ジャパンに紹介した結果、3月11日に両社が合弁会社を設立し、双方の技術を組み合わせたシステムを販売することに合意しました。このシステムを用いれば、例えば、自転車の走行位置に応じて適切な誘客メッセージを発信する広告事業など多様な事業形態での活用が可能です。このため、復興庁が会津若松市や同市の観光公社などに働きかけて、本システムをレンタサイクルに搭載し、観光客の走行データの収集、あるいはLED表示による情報発信などの実証実験を実施することになりました。
 他の6件についても支援成果が出ておりますので、後ほど担当参事官から詳細を御説明いたします。
 なお、支援の過程の紹介を後日、復興庁のホームページに掲載します。また、今回、案件ごとに新たな成果が出てきた際は、改めてその内容を公表してまいります。今後、被災地の事業者が、是非これらの成果を参考にして新たな取組に挑戦されることを期待しております。
 私からは以上です。

2.質疑応答
(問)与党が今日午後にも土地収用手続の実用化を目指した特区法の改正案を議員立法で提出するという動きがありますけれども、こうした動きに対する受け止めと、そもそもこれ閣法でやるべきじゃないかという指摘もあるわけなんですけれども、そのことに対する受け止めはいかがでしょうか。
(答)議員立法の準備を進めていただいていると承知しております。私は、用地取得の加速化は最重要課題であると認識しておりましたので、用地取得手続を飛躍的に短縮する用地加速化プログラムを取りまとめて、要は、用地取得については抜本改革を行ってきて大きな成果を上げてきたと認識しております。
  今までも何度も申し上げておりましたが、まだ現場でいろいろな課題、問題が多く、岩手県からも法律の提案がありました。ですから、私は具体的に関連ではなく、具体的に何が困っているか、何が問題か、その具体的な事案を聞かせていただいて、そして新たな課題が出てきたらしっかり対応すると、こういうことで申し上げてまいりした。今回、被災自治体と実務上の課題などについて何度も何度も打合せを行ってきました。その中で、今後、土地収用手続の活用の増加が見込まれて、収用裁決手続に要する期間を一層短縮して早期の工事着工につながる措置が必要だという声もいただいてきたところであります。こうした中で、与党のほうから、土地収用手続の更なる迅速化のためには、議員立法による提案というのが必要な点もあるという発意もいただいて、政府と与党で密に相談させていただいてきたところであります。今回の立法措置、これとこれまでの加速化措置が車の両輪となって、より一層の用地取得の加速化が実現することを期待しております。
  今まで実務上のやりとりの中で出てきたのは、収用裁決手続の中でも収用裁決申請などの準備に時間を要するとか、あるいは緊急使用を今後活用するには6カ月という期間が短いと、こういう話も出てきましたので、我々、今申し上げたように、そういう議論が与党の中でも出てきて、そこでは相談させていただき、今、法案の準備をなさっているということであります。政府・与党一体となって復興の加速化にこれからも取り組んでいきたいと思います。

(問)今のに関連でお尋ねしますが、大臣は様々な加速化措置を講じてきたということで、この件に関しては、法制化は必要ないというか慎重なお考えというのを重ねて示されてきたわけですけれども、今回、与党のほうから、やはり法制化が必要だということで、その法律の形で出てくるというところに関しては、今、両輪でというお話がありましたけれども、今まで必要ないんじゃないかといった法整備がこういう形で進んできたということに関してはどういう受け止めですか。
(答)全体のいろいろな制度というのは、新たな立法措置がないと動かないもの、新たな立法措置がなくても法律の制度の運用の改革でできるもの、こういう二つがあって、私が法律で慎重なというのは、岩手県の出されてきた法案、あの法案については憲法上の課題が出てくるんじゃないですかと、あるいは差止請求を出されたら、あの仕組みでは、裁判所に訴訟を起こされたら止まるんではないかという疑問を呈してきました。そして今回の件は、きちんと整理をすると、例えば土地収用法で緊急使用という手続がある。6カ月というのがある。普通は6カ月で済むんですよ、その緊急使用は。例えば、所有者不明の土地を収用手続やったら、それは半年で緊急使用で、その範囲内に収用裁決にできれば、それはいいわけですから。例えば、緊急使用の手続、今ので2件の事例なんですね、私が聞いているのは。そして本当に緊急使用になるかどうか、これは実際問題はそこまでにはならないんではないかという事案だろうと思っておりますが、まだこれから緊急使用、我々もどんどん活用してくださいと言っている。そうすると、ある程度の数が出てきたときに、あらかじめ6カ月を超えるような可能性があるから緊急使用の手続を抑えるということがあってはならない。という意味で、6カ月を1年延長とする。その法的手当ては、私もそれは必要かなと思いました。ただ、無期限ということはあり得ないから、これは6カ月というのは一つの法律の手続だったから、それが1年だったら、例外的な事案が出てきたときも対応できるなと、こういうことですよ。
  それと、今回、収用裁決申請を出すときには、土地調書というのも揃えて出さなくちゃいけないんだけど、収用案件を受け取るときは論点整理という時間がかかりますから、土地調書の作成は、収用裁決のときに、その段階で出すんではなくて、収用裁決申請をした後で土地調書を出してもいいですよと、これをすれば更に短縮ができる。ここをやろうと思うと、そこは、そこの事項だけ法律を改正する必要がある、こういうことですから、私も何度も申し上げてきたけど、この用地取得については抜本改革をやってきました。そして、具体的に何が困難事案か言ってほしいと、こういう議論の中で、なるほどここがネックとして具体的に出てきた。じゃ、これは更なる改革、改善措置であるか、やはりここは法律事項だから、ここの法律を変えなければいけないんだとその法律は書いてある。そういう整理をしたということですね。ですから、私が法案に慎重だと言われているけど、その慎重だった法案と言われることは、岩手県から提案された法案、それについては私は慎重ですよ。だから、法律といっても十把一絡げに言われるんじゃなくて、私が言っているのは、段階段階の隘路になれば改革しますよ、それは言ってきました。そういうラインの中で今回改良されていただいていると、こういうことです。

(問)一部報道でありましたけれども、帰還困難区域以外の避難指示区域に、半壊未満の家屋の解体費用について復興庁が方針を固められたということですけれども、事実関係と、どういう方針でいかれるのかお伺いいたします。
(答)半壊未満の荒廃家屋への対応については、いろいろ検討してきましたし、現在、自治体と関係機関、その検討を進めております。今のお話の件ですが、帰還する方の家屋の解体費用、これは賠償で措置されるんですね。ただ、帰還意思のない住民の方の家屋が放置されて、今後、帰還者の安全確保や区域の荒廃抑制などの観点から支障が生じるような場合には、復興庁事業、地域の希望復活応援事業というのがありますから、その解体も視野に入れております。今後、復興庁事業での解体について具体的な相談があれば、積極的に対応していきたいと思います。

(問)具体的にはいつごろ方針をこちらにされるんでしょうか。
(答)二通りあるんだと、半壊をどう認定するか、希望復活応援事業とは別な仕組みで、段階をどう認定するかという話がある。今までは地震によっての物理的な復興を整備されていました。ただ、ネズミにやられたりとか、私も前からそう思っていましたが、要は、半壊というのは今までの半壊は地震による物理的な半壊ということになっていましたけど、あのエリアの特異な事情としては、3年以上住んでいない、そして家屋が荒廃していく。要は、事案事案に応じて半壊の解釈というのは物理的な半壊だけじゃなくて、これは私の考えですが、質的な半壊ということも考える必要があるんじゃないかなと。それについては運用上の問題ですから、その運用上の問題については自治体からの問い合わせに応じて考え方を示していくという整理は一方でしたいと思っております。それと今回の希望復活応援事業でやるところもあるので、そうすると、全体の家屋の荒廃、家屋の解体問題については、全体の対応がつつがなくできるということになります。今、最終的な詰めをしています。

(問)また一部報道で恐縮なんですけれども、避難指示解除予定地域で昨年実施された個人線量計による被爆線量調査について、被災者生活支援チームが当初予定していた結果の報道を見送っていたという報道がありますけれども、これについて事実確認を。
(答)本調査は、個人の被爆線量について生活パターンごとの違いを科学的に推定するために、原子力被災者支援チームが放射線医学総合研究所及び日本原子力研究開発機構に依頼して実施しているということであります。現在、測定結果の集計や、生活パターンごとの個人線量の違いの推定などの科学的な検討を放射線医学総合研究所が実施しており、最終調整中と聞いております。その報道は被爆線量の数値が想定外に高いから公表していないということのようですが、こういう指摘は当たらないと私は考えております。詳細は内閣府にお問い合わせをいただきたいと思います。

(以    上)

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