1.発言要旨
おはようございます。私からは報告が二つあります。
まずは、復興特区法に基づく課税特例に係る指定の状況(6月末現在)の公表です。
毎月取りまとめている復興特区法に基づく課税の特例に係る指定の状況について公表をします。お手元に配付しましたとおり、6月末現在の指定事業者数は286社、指定件数は368件であり、5月末に比べて大きく増加しています。5月末現在の指定事業は173社、指定件数は222件でした。
6月は、宮城県内において、いわゆる「新規立地促進税制」、復興特区法第40条に基づく指定が1社について行われたところです。
あと、各県ごとの状況については、青森県内で42社、岩手県内で12社、宮城県内で83社、福島県内で7社、茨城県内で143社です。
それから、株式会社東日本大震災事業者再生支援機構による被災事業者支援の促進についてです。
先週末14日(土)に行われた総理の被災地訪問の際、これは釜石と大槌ですが、「被災地の二重ローンの問題はこれからが本番」であり、「早急に二重ローン処理のスピードアップに向けた推進策パッケージを打ち出す」ことについて総理から御発言があり、この発言を受け、お手元の資料にありますが、株式会社東日本大震災事業者再生支援機構(震災支援機構)において、多数の被災事業者の支援を迅速かつ適切に行えるよう新たな取組を実施するとともに、復興庁、金融庁、中小企業庁が連携し、震災支援機構の取組を支援することとしました。詳細については事務方にお問い合わせをいただきたいと思います。
二重ローン問題につきましては、現在、震災支援機構も現地をかなり丁寧に回りながら、いわゆるタマの掘り起こしと言っていますが、やっていますが、買い取りが当初想定したよりも全体の数が出てこないという実態があります。これについてはお手元の資料にもありますが、一つは、金融機関のリスケと言いますけれど、条件変更がまだ柔軟に行われているということ、中小企業グループ化補助金が活用されていること、日本政策金融公庫等も融資に向けてかなり地元を歩きながらきめ細かな対応をしていること、それからあと、何と言っても─仮店舗ですね。仮店舗についての活用はかなり進んでいます。仮店舗の活用をして、まずは仮店舗で仕事をしようということで臨んでいる方が多いかと。
一方で、これから土地利用調整、特に市街地再開発の土地利用調整をこれから本格化してくるだろうと思っています。これが本格化、調整がつきますと市街地の再開発、一部仮店舗で行っている製造業等の本格的な復旧復興が始まります。その段階になりますと、この二重ローン問題がまた表に出てくるのではないかと思っており、そのことを頭に置いた上での今回の措置、いわゆるいろいろ準備をしておくという、そういう意味合いもあります。もちろん今、180日間の審査期間を90日に短くするとか、今出てきていることに対する対応という意味合いも大きいですが、これから市街地の復旧・復興、これが動き出すということに伴って、この二重ローン問題も表に出てくるだろうということでの準備をするという、そういう意味合いもあるということです。
私からは以上です。
2.質疑応答
(問)グループ化補助金についてですが、今月末で使い切られそうな一方で、申請する中小企業が殺到していますが、この現状について改めて大臣のお考えをお願いしたいのと、また今後、補正予算なども含めてグループ化補助金を延長するなどの検討はあるのでしょうか。
(答)グループ化補助金については、第5次公募が500億円だったと思いますが、それを今月末ぐらいに配分をするということです。この第5次公募にあたってかなりの企業から、私のところに是非使いたいという要請がありまして、それ自体は被災地において引き続きとどまって企業を再生させて仕事をしたいと思っている意欲の方々がたくさんおられるということですから、これは大いに評価しなければならないとは思います。
その中で、その企業の中の様々な要望を見ますと、やはりグループ化補助金というのは、グループ化補助金としての一つの趣旨があって、仕事にもいろいろな工夫をしていただかなければなりません。そういった趣旨が生かされないまま計画を上げてきているというものもあります。
一方で、計画を見ますと、少しこれをブラッシュアップしますと、中小企業グループ化補助金として十分支援するような、そういった計画も多々あると聞いています。そういったものにつきましては、第5次が終わった後に引き続き支援するということでの調整はしなければならないと思っています。それは補正なのか予備費なのかは分かりません。いつも申し上げていますが、海岸堤防を幾ら復活させても、湾防波堤ごとに何百億円を使ったとしても、住むところと産業再生をしなければならない、産業再生が行われなければ復興の意味がありませんから、こういう意欲のある企業についてはできるだけ支援をしていくというのが少なくとも復興庁のスタンスだということです。
(問)それに関連してというわけではないのですが、復興資金がおよそ6兆円未消化だったことも踏まえて、改めて適正な配分についてどうお考えになっているかということと、未消化分の今後の活用方針などお考えがあればお願いします。
(答)活用方針というのは使うだけです、繰り越しですから。
(問)適正な配分については。
(答)適正な配分というのは、今までやってきたとおりやるということです。
1兆円については、一応不用を出していますから、1兆円についてはまたぐるぐると回ってきて復興財源に使われますから、これはしっかり復興の費用として使われるということです。
少し誤解があるかもしれませんが、繰り越しているだけです。繰り越しというのは、引き続き使うということです。6兆円のうち5兆円は繰り越しです。5兆円については今年度使うということですから、これは効率的に使うようにやっていかなくてはなりませんし、1兆円については不用として出しますが、一応これは使ったというふうにみなしませんから、また財源として復興に使うということになります。まだまだやらなくてはならないことが山ほどあります。
(問)資料を作った東日本大震災事業者再生支援機構による支援促進なのですが、これはもともと、例えば180日程度必要とされる案件対応期間を90日で完了させるという対応は、4月の頭から取り組んでいるものとしてお知らせいただいていたのですけれども、総理の訪問を受けて特にこういう趣旨をいただいておりますけれども、総理の週末の訪問を受けて、特にこういう事例がというのが何かあればお願いします。
(答)特に2番目の信用保証協会の保証付き債権に係る取組ということについては、これはかなり工夫した仕組みになっています。
(問)今の質問に関連してなのですが、資料1のところの二つ目の○のところ、「迅速な支援決定のため、事業再生に精通した人材の増員を図る」とありますけれども、ここは機構が半分程度にやれよというふうなところを打ち出しているわけですが、そこにどのような形で人材の増員を図っているという、政府としてのかかわり方というのはどのように考えたらいいのですか。
(答)これから案件が当然多くなってきますから、一件一件の審査に人はどうしても必要になってくると思います。先程言いましたように、支援機構は池田社長自ら現地を歩きながら、いろいろな案件の発掘等に努めています。これから復興市街地の再整備が動き始めた段階でかなりの案件が出てくると想定されますが、そのための準備をしておかなくてはならないということです。
(問)人材のほうは民間からですか、政府のほうもなかなか大変だとは思いますが......
(答)これはやはり民間の皆さん方が主体になってくると思います。
(問)ここに関わる作業員とか事業従事者の宿舎の取得について一言伺いたいのですけれども、石巻だけではなくて福島についてもかなりここにきて宿舎の不足というのが顕在化していますが、復興庁としてどのようにお考えになるのかという話と、現地の自治体から仮設住宅の空き部屋を活用できないものかという要望が上がっていると思うのですが、それについてのお考えは如何なものでしょうか。
(答)宿舎の問題については、今、国交省のほうでも先般、宿舎対策ということで考え方を示されたと思います。一つは、宿舎の問題、作業員の確保です。今の契約の中にそれをしっかり見るというような考え方が打ち出されましたし、それから、宿舎についてはグループ化補助金を一部使ってやるというふうな動きも岩手県の中でありますから、その動きを見ながら、先例事項として、こういう例がありますよといったことはこれからしっかり宣伝していく必要があると思っています。あとトレーラーを活用した、そういったものも打ち出してきていますので、それを軸に様々な対応をしていただくということは必要だと思います。
(問)仮設住宅の活用については。
(答)仮設住宅は、今のところ自治体に対する応援の方々は使ってもらっていいということになっていますが、民間に開放してまでというところまではまだ難しいという整理になっています。確かに一部まだ入居していないところもあったりしますけれども、この有効活用については、もう少し様子を見ながら検討したいとは思っていますが、開放というのは様々な制度上の制約があって、そこまでまだ踏み切れていません。
それから、あと現地に行っていただければ分かりますが、やはりこれから発注が本格化しますと、受注した業者も、自分で仮設の簡易宿泊施設を作ったりしますから、そういった動きもあわせて見ていく必要があるかなとは思っております。
(問)今日の未明飯舘村の長泥地区が長期帰還困難地域に指定されました。基本方針案は一応閣議決定された後は、今度は帰還できない方の支援が本格化すると、今日、長泥が最初に指定になったということで、これからの大臣の姿勢を、長期的な地域に対してこれからどうやっていくのかというのを改めてお伺いします。
(答)長期避難区域というのは、いずれ残された市町村ともこれは調整させますが、やはり一定の地域が、放射線等の関係から言えば長期的な区域というふうに指定せざるを得ないと思います。
このことにつきましては、まず1点目は、賠償をどうするかということです。賠償の考え方につきましては、今、各町村と事務的な詰めを、内々の形になりますけれど進めています。大筋大体合意ができており、まだ若干テーマによって詰め切れていないものがありますが、いずれ早い段階で住民説明会を開催したいと思っています。本当はこれを1カ月前に開催するという想定をしていたのですが、時間的に少し押しております。その上で今回の賠償の財物補償に係る全体の考え方を被災者の方々、長期避難区域を含めてすべての被災者の方々に御理解をいただいて、その一方で、長期避難区域については、大体何年ぐらい帰れないのかといったことも示しながら、これも繰り返しになりますけれども、できる限り早い段階で国による意向調査をしなければならないと考えています。その結果として、将来的にまちに帰りますという方、まちへ帰るにあたってその間、いわゆる仮のまちというのは、コミュニティとして形成して、みんなで待ちたいという方、個人でとにかくその間家を探して待つという方、多分おられると思います。そういった方々には、例えば個人は個人としてどういう支援ができるかということは検討しなくてはなりませんが、仮のまちにつきましては、どういうスキームで建物を用意するか、あるいはどういった支援をしなければならないのか、医療サービス等を含めてですね、そういったものの本格的な検討をしなければならないということです。
それからもう一つあわせて、私は移住するという方もおられると思います。そういう移住するという方々に対しては、何が必要か。例えば、働く場の確保とか、働く場の提供とか紹介とか、そういったことが場合によっては必要になってくるかと思いますが、そういったことを個々の方々のニーズに沿った形で、要請に沿った形でできるだけの支援をやっていかなければならないと考えています。
今足元の問題でやらないとならないのは、何と言ってもまず賠償についてしっかり説明して御理解をいただくこと、それから、あとはその上での意向調査をして、それを踏まえた形での様々な支援策の体系をつくっていくということ、そのような段取りで考えているということです。申しわけありませんが、1カ月ちょっと遅れています。
(以上)
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