1.発言要旨
私からは二つ報告があります。
まず、お手元に資料が出ていますが、「世界防災閣僚会議in東北」が今日から2日間にわたって開催されます。そこに出席するため、本日、宮城県仙台市を訪問します。全体会合における基調報告、ニュージーランド地震復興担当大臣との二国間会談等を行う予定です。
もう一つは、企業立地検討チームの開催、末松副大臣の岩手県訪問についてです。復興庁に、末松復興副大臣をチーム長として、有識者等にお集まりいただき、企業立地・企業連携に係る課題を把握し、企業立地のモデルケースを調査検討する企業立地検討チームを設置します。本日、第1回企業立地検討チームを開催し、日本立地センターから企業立地の現状について報告いただき、意見交換を行う予定と聞いています。活動の一環として、明日(4日)、末松副大臣が岩手県を訪問し、北上市長と企業誘致に関する取組についての意見交換やトヨタ自動車東日本(株)岩手工場の視察を行う予定です。詳しい日程については現在調整中です。
私からは以上です。
2.質疑応答
(問)二つ質問があります。一つは、多分、今週中にも福島復興基本方針が閣議決定されると思うのですが、パブリックコメントで概要が100ページほどになっています。一読すると、私の受けた印象として、復興の目玉に欠けるのではないか、パンチに欠けるのではないかという気がします。あと、やや福島の現状と比べると、木に竹を接いだような産業復興計画みたいになっているのではないかなという印象を受けるのですが、その点については大臣どう受け止められていますか。
(答)今まで丁寧に、各自治体とも、実務者レベルでも何度もやりとりして積み上げた結果であり、概ね内容等については合意をいただいたと思っていますが、先般の会議の中で、特に佐藤知事から企業立地補助金に係る期日等について何点か要望をいただきました。今朝も、内堀副知事が私のところに来られて、文言についての意見をいただきました。その意見を踏まえ、至急調整を行い、今月中旬の閣議決定に持っていきたいと思っています。
(問)それともう1点、除染の関係ですが、今後も長期的に1ミリシーベルト以下を目指すというのが大きな方針として掲げられています。そのときの費用対効果というか、かなり多額の金額がかかるのではないかと思うのですが、そこまで持っていくコストと効果の見合いについてはどのようにお考えになっていますか。
(答)除染と1ミリシーベルトについては、前にも説明しましたが、今の除染技術や試験結果を踏まえますと、除染技術だけで一気に1ミリシーベルトまで持っていけるという状況にはなっていません。長期的に1ミリシーベルトということについては、閣議決定でも言っていますし、ICRP(国際放射線防護委員会)でもそのような目標を目指すべきであると言っており、それを踏まえて国で設定した長期的目標です。具体的にどのようにするかについては、そこに住みながら身の回りの清掃を行うとか、あるいはホットスポット等についてはさらなる除染を開始するなど、様々な手法で1ミリシーベルトの達成を目指すということだと理解いただければと思います。
(問)今日、非常に久しぶりに感じるのですけれども、野田総理が世界防災閣僚会議で被災地に入られます。あわせて視察も行われるとのことですが、総理にどういった部分を見てもらって、何を感じてもらいたいという狙いはあるのでしょうか。
(答)昨日、総理に時間を取っていただき、何点か話しました。その中で、特に地震・津波の被災地域はこれから住宅の再建、生業の復興とあわせて住宅再建、市街地の再整備が大きなテーマになってきており、そのスケールは、大げさではありませんが、日本の歴史に先例がないぐらいの大変なプロジェクトになります。しかし、これは達成しなくてはならないとの状況について、総理も既に認識されていましたが、そういった点等も含めて宮城県知事と意見交換をしていただきたい旨は申し上げました。力点は、市街地の再整備、住宅復興をどの位のスピードでやるかということが復興の成否といいますか、復興を早くやれるかということがかかっています。このことについては引き続き自治体とも問題を共有しながら、人的な支援をはじめ、政府の枠組みは大体できたと思っていますが、要望等を踏まえて改正すべきは改正することで進めたいということです。
(問)2点あります。まず1点目は、今日の世界防災閣僚会議ですが、総理も多分表明されるでしょうが、これから今回の震災の教訓を世界でどう共有していくのかといことにも取組んでいかなければならないと思います。この知見を共有する、知見を集めるということについて、東日本大震災の総括担当としての今の取組状況と今後のビジョンを教えていただけますか。
(答)昨年から各省を中心に、専門家や有識者にも入ってもらって様々な検証を進めてきています。あわせて、中央防災会議等も専門会議を設置して検証を進めています。どこまでできるかは分かりませんが、各自治体も様々な検証を進めているはずです。それらについては、国立国会図書館等とも連携しながら、アーカイブという形で、現在、専門家からなるアーカイブの検討委員会を立ち上げるべく準備を進めています。もう少し具体化してからお話をさせていただきますが、震災の教訓、それを踏まえて何をすべきかということは、国内だけではなく、世界にも発信しなくてはならないと思います。昨年来、各国から防災担当大臣が私のところに来られていますが、そのときも、今のような趣旨については、日本の責務だと思っていると申し上げました。先般のバンコクでの会議でもそのような趣旨を申し上げており、しっかり取組まなくてはならないと思っています。
(問)もう一点ですが、復興とはちょっと離れてしまうんですが、昨日、小沢元代表ら50人が離党届を提出しました。政権与党としてこのような結果になってしまったことを内閣の一員としてどのように受け止めていらっしゃるかということをお願いします。
(答)採決を巡って党内が割れてしまったことは、本当に残念だと思います。それ以上に、このような形で50人の方々が党を離れるということは本当に残念と言うしかないと思います。特に、私は岩手県選出の議員であり、岩手県選出の国会議員6人が半々に分かれているということについては、本当に辛い部分もあります。あまり多くは語りたくありませんが、今までの私の選挙活動の基点で大変お世話になった方々もたくさんおられます。しかし、現実としてこうなっていますから、前を向いて、一義的には復旧・復興、これは一日も忽せにできませんし、まだまだやらなくではならないことが山ほどあります。そのことは被災地からも強く受けています。あと、税と社会保障についても、繰り返し申し上げていますが、参議院で徹底した審議を尽くしていただいて、一日も早く成立すべく、私も微力ではありますが、閣僚の一員として力を尽くさなくてはならないと考えています。
(問)今の質問に関連してなんですが、岩手県選出の議員の先生方も二手に分かれてしまい、そのうち黄川田さんと階さんに関しては、棄権、あるいは消費税の関連法案、一体改革関連法案に反対しながらも離党には加わりませんでした。同じ岩手県選出の仲間として、どういうふうにその心中をお察ししているかということをお伺いします。
(答)心中というよりも、今は階衆議院議員も黄川田衆議院議員もそれぞれの思いがあって、このような決断をされましたし、党に残ってやるということですから、3人で連携し、また、岩手の県議団の中にも、引き続き連携していきたいと言ってくれる議員の方もおられますから、そのような方々ともさらに強力に連携して、先程言ったとおり復旧・復興をまず進める、岩手県のために、国のためにやるべきことをやるということということに尽きます。
(問)それに関連して、参議院で議論を尽くすとおっしゃいましたけれども、実際この50人の離党が今後の法案審議に与える影響について閣僚の一員としてどう考えられるか、お願いします。
(答)国会は、池内国会対策委員長を中心に、輿石幹事長が参議院の会長でもあり、一川議員も幹事長ですので、この方々が連携して、様々な問題があるかと思いますが、しっかり対応していただけるのではないかと思います。
(問)企業立地の検討チームについてですが、どのような問題意識に立ってつくられたのかということと、副大臣が行かれるということですけれども、沿岸部ではなくて内陸部の視察が1回目になったということについて、どのような理由があるのでしょうか。
(答)企業立地について、どのようなインセンティブ、どのようなPRをしていかなくてはならないのかということについて、沿岸部、内陸部にかかわらず、一つのモデルケースを見るということだと思います。特に北上市は企業誘致が進んでおり、現地に行ってその状況を視察し、何か手がかりを掴みたいとの趣旨だと思います。生業の復活とあわせて、福島も含め、企業立地に、これが復興の鍵でもありますので、末松副大臣が今一所懸命に取組んでいますが、一定の成果をぜひ出していただきたいと思います。
(問)先程、福島県の内堀副知事が、この計画に対する意見書、これは法律に基づくものですが、出されました。11項目の意見があり、最後に、国としての回答または見解、この修正意見を反映できない場合の理由については、閣議決定に先駆けて書面で示して欲しいというような話をしていますけれども、これは政府として対応するのでしょうか。
(答)書面で出す必要があれば出しますが、これは今まで国と県、各関係市町村が事務レベルで一つ一つ丁寧に積み上げてきていますから、その方向で理解いただけるのであれば理解をいただきたいと思います。大事なことは、各項目についてしっかり調整するということと、できるだけ損は生じないようにお互いが努力することだと思います。
(以上)
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