復興庁復興庁
  • 文字サイズ
メニュー
閉じる

平野復興大臣の会見 [平成24年3月2日] 

平野復興大臣記者会見録(平成24年3月2日(金)8:52~9:09 於:復興庁記者会見室)

1.発言要旨
報告事項が三つあります。
まず、株式会社東日本大震災事業者再生支援機構の業務開始等についてです。お手元の資料をご覧ください。株式会社東日本大震災事業者再生支援機構が5日(月)に業務を開始をします。本日(2日(金))支援機構法に基づく支援基準を公表します。
明日(3日(土))、宮城県仙台市において支援機構発足式が開催されますので、私も出席をする予定でございます。その後、石巻市を訪問して、石巻復興シンポジウムでの基調講演を行うとともに、日本製紙株式会社石巻工場を視察する予定です。詳しい日程については、現在調整中です。
二点目は、青森県及び仙台市の復興推進計画の認定についてです。本日(2日(金))、青森県及び仙台市の復興推進計画を認定をいたします。青森県の復興推進計画は、税制上の特例措置と工場立地法の緑地規制の特例を盛り込んでいます。税制上の特例措置は、グリーンイノベーション関連産業、ライフイノベーション関連産業、食品関連産業等、6業種群を対象とするものです。
仙台市の復興推進計画は、農業及びその関連産業に関する税制上の特例措置を盛り込んだものです。これらの特例措置を活用して、青森県及び仙台市の復興が一日も早くなし遂げられることを願っております。
三点目は、第1回復興交付金の、交付可能額の通知についてです。
これは交付金班が各自治体を精力的に回り、今まで各自治体と深い議論を交わしてまいりました。その前にまず1点皆様方に御承知していただきたいのですが、被災地における道路、上下水道、農業施設、学校、いわゆる災害復旧事業というものがありますが、災害復旧事業は、これまでに大体災害査定が終わっています。今集計を急いでいますが、1月末時点で、例えば国土交通省所管の公共土木施設等だけに限ってみても、大体事業費は約1兆7,000億円になっており、そのほかにも農地・農業施設、漁港等を含めるとかなりの額にのぼる見込みです。
復興交付金が非常に注目されていますが、この公共施設等、学校も含めた災害復旧事業というのは別途きちんとあり、災害復旧事業について、今までにない仕組みとして特筆されるのは、自治体の負担がなくなっているということは、繰り返し紹介をさせていただきたいと思います。
ちなみに、この災害復旧に関しましては、1月末時点で8億円を超える額が計上されておるということでございます。今回はこの災害復旧事業に加えまして、特に著しい被害からの復興地域づくりということで、具体的に言えば災害復旧事業に乗りにくいもの、例えば高台移転は災害復旧事業では乗れません。それから、津波・地震地域などで近辺で被災された地域の中での復興政策、こういった災害復旧事業、あるいは他の政策で乗りがたいもの、こういったものを復興交付金でやろうというふうに制度設計したものだということは、改めて御紹介をさせていただきたいと思います。
それで、今回事業費約3,053億円、国費2,509億円について配分可能額の通知を行うということにしております。お手元の資料にあるとおりです。
ちなみに、今回の第1回の配分の希望額は事業費ベースで約5,000億でした。これを先程言いましたように、個々の地区で鋭意協議を重ねまして、今回3,053億ということにしました。その内訳は2に書いてあるとおりでございます。まず私どもができるだけ急がせたいのは、何といっても産業復興であります。それから、住宅再建ということなのですが、水産漁港関連施設整備事業として21町村、約258億円、それから早期事業着手が見込まれる防災集団移転促進事業、防集と言っていますが、これについては12市町村、54地区、5,200戸、約437億円、基本的にはこれは今のところ実施計画と言っていいですね。調査の実施計画、それからあと用地費。後で表が出てきますが、こういったものが主体になっております。
あと防災集団移転促進事業で調査費だけを計上しているものが15市町村で約79億円、災害公営住宅整備事業で32町村、1,356億円で、うち24年度までに着工、25年度完成を予定するもの約5,500戸となっています。この内訳につきましては、お手元のペーパーの一番最後のところに復興交付金による災害公営住宅整備事業の早期着工地区ということで、市町村別の数字をお示ししています。
後ろから2枚目が防災集団移転促進事業の早期事業着手予定地区であり、測量設計、用地取得、あるいは測量設計だけのもので、内容を記載してございます。
頭から2枚目が市町村別の交付可能額です。
少し飛びましたが、そのほかに市街地液状化対策事業の調査費8億円、造成宅地滑動崩落対策事業として約325億円等となっております。
5,000億円出てきて、なぜ30億円になったかということですが、まず一番最初の交付金事業計画は、各自治体も相当急いでつくっているということもありまして、その中には熟度が低いというか、十分に計画が練れていないというものもありますし、中にはコンサルか何かから言われたものをそのまま持ってきて、よくよく精査してみたら、単価がかなり過大であったというようなものもあります。
あと運動施設、娯楽・レジャー施設、こういったものについては、本当に必要かどうかについては、これはさらに精査をしたいと思っています。
中にはつくるのはいいのだけれども、後のメンテナンスを全く考えてないという自治体もありまして、そういったところについては、その計画をもう一回じっくり自治体と我々で議論したほうがいいといったものについては、今回外してあるということです。
あと学校の耐震化とか、それから道路の耐震化、著しい被害を受けた地域のまちづくりと関連のない道路の拡幅、改築等、関連のないものについては、社会資本整備交付金、第3次補正予算、別途の制度による対応を検討していくのが筋だと思っております。
特に皆さん方御案内のとおり、首都直下地震とか東南海3連動地震ということも高い確率で発生の予定されている中で、東日本大震災で今回被災して、次の災害に備えなくてはならないという思いというのは、重々分かるのですが、かといってそこの地域の学校の耐震化だけを集中的に復興交付金で進めるというわけにもいきません。もちろんその中で、復興交付金で対応できるものは対応するというような知恵もこれから出していかなければならないと思います。基本的にはこういった繰り返しになりますが、著しい被害を受けた地域のまちづくりと直接関連のないものについては、全国的な観点での構成が必要だと思っています。
あとは、役所の一部局によっては、何かとにかく調整が面倒だから、地元の言われるままにぼんと予算を計上して、よくよく見てみたら、何でこんな事業費になるのかというようなことで、首をかしげるようなものをやったものについても、もうちょっと調整が必要だということで、ストップをかけています。担当者によって真剣に市町村と向き合ってやる人もいます。一番楽なのは、事業所から地元からぼんと入れたのを「はい、分かりました。」といえば、地元からクレームが全く来ないのですよ。復興交付金の使い勝手が悪いなどという批判も全く来ない。だけれども、できないものはできないと言えば、今度は地元から復興交付金の使い勝手が悪いという批判も来る。そういう批判は全部受けますけれども、要するに復興交付金というのは、我々のほうで、しっかり見て、できるだけ無駄なものはつくらない、必要なものはつくる、そしていいものはつくると、そういう姿勢でいきたいと思います。特に1回目は先程冒頭に申しましたけれども、自治体も相当急いでいるということがあって、十分中身を詰めないまま持ってきた面もあるということで、熟度の観点等からで、こういう額になったということです。
復興交付金について「第2回はいつですか。」「3月末です。」とか、随時我々と復興局と支所、それから自治体との間で議論を重ねていきながら、随時交付をしていきたいと思っています。
とりあえず私のほうから以上です。

2.質疑応答
(問)復興交付金についてですが、59市町村に交付するということでしょうか。申請時点で78市町村でしたが。
(答)今回はそういうことです。

(問)復興交付金に関して、ちょっと細かいのですけれども、防災集団移転に関して、現場レベルの市町村からは、1戸当たりの事業費の上限を3,500万と復興庁から示されているという話があるのですけれども、どういう根拠があって3,500万円としたのでしょうか。
(事務方)後で説明します。

(問)復興交付金でお尋ねします。
熟度が低いということが切り詰めた原因だったというお話でしたけれども、それに加えて、自治体間で取組の差があるということのあらわれでもあるのでしょうか。
(答)取組の差という言葉はあまり使いたくないのですけれども、それぞれの自治体によって被害の程度は違います。被害の大きなところは、まず応急対応等でまだまだ忙しい自治体もありますし、そういう中での自治体間の違いというのは、出てきているのではないかと思います。

(問)大臣は、そういう意味で復興のかぎとおっしゃっていた土地の利用助成、この進度の差がある程度反映されているということはないのですか。
(答)それは結果としてそういう形で、出てきているかもしれません。そういった進捗の状況というのは、これからある程度はっきりしてくる可能性は高いです。あまりそうならないように、私どもも頑張りたいと思いますし、各自治体を督励していきたいと思います。

(問)2点お伺いします。
まず、交付金についてなのですが、著しい被害を受けたまちづくりと関連のないものについては、調整が必要だというお話ですけれども、当面は緊急性の高い事業をまず中心に認めていく方針なのかというのが1点。
もう1点、話が変わるのですが、二重ローンに対応する事業者支援機構が、明日発足しますが、これに向けた期待というか、どういう事業にしていきたいかについての2点お願いします。
(答)できるだけ急がないといけないと思っているのは、繰り返しになりますけれども、産業復興と住宅です。特に住宅については、先程質問も、高台移転等については、土地についての調整があり、非常に難しい作業になると思います。まずはそちらのほうに重点を置いてていただきたいと思います。そうはいっても、例えばここに公園をつくりたい、それが地域の象徴になるのだというような小さな公園だとか、そういったものについてであれば、適宜それを先行させていくというのは、あり得ると思います。
今回は繰り返しになりますけれども、第1回ですから、各自治体ともじっくり計画づくりに向けて、建設的な議論をやっているのではないかと思っています。
二重ローンについては、これから産業復興について、いよいよ本格化してくるということになりますと、二重ローン問題、特に債権の買い取り等については、大きな意味づけ、役割を果たしてくると思います。特に今までは産業復興、個人事業者に対して十分に手が回ってなかったのではないかというような指摘もございますので、こういったことについては、しっかり対応していくことが大事だと思います。
今のところ、グループ補助金がかなり広く行き渡っているということもありまして、いわゆるこれからも仕事を続けたいという意欲のある方々については、グループ補助金があるために、債権の二重ローンの問題がかなり軽減されているという背景もあるようです。このことはもう少し具体的に詰めてから、お話ししなくてはならないのですが、現在、債権の買い取りが非常に少ない。少ないという背景の中には、そういうこともあるようだということは、申し上げておきたいと思います。

(問)特区の関係で伺いたいのは、今日も2県認定という発表がありましたが、税制の優遇関係が宮城でも認定されていますし、今回青森も認定されたということで、地元の市町村では、沿岸部の申請地域が特区のエリアになっているケースが多いと思うのですけれども、これは先程大臣がおっしゃった土地利用調整の話とも絡むと思うのですが、なかなかそういうところには企業が直ぐには来てもらいづらい。内陸部のもともとインフラが整っているようなところに、企業が進出しやすくなってしまうのではないかという、そういう懸念も出ているのですが、その辺は土地利用調整を迅速に進めるということしかないのでしょうか。
(答)まず、計画をつくって、そこに産業を導入したりということであれば、今の特区制度は十分使えます。だから例えば、今そういった土地利用調整の必要のないところにあたら産業を引っ張ってきたいというところと、そうでないところでは、現段階においてはどうしても時間的なずれが出てしまいます。これは残念なのですが、ある程度やむを得ないことではあります。そういうふうにならないように、特に沿岸被災地についての復興をとにかく進めていくということだと思います。
以上です。

(以 上)

ページの先頭へ