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西銘復興大臣記者会見録[令和4年7月28日]

令和4年7月28日(木)15時56分~16時04分 於)岩手こころのケアセンター

1.発言要旨

 本日は、岩手県陸前高田市、大船渡市、大槌町、矢巾町を訪問いたしました。  陸前高田市では、ワタミオーガニックランドを視察し、施設や観光の状況等についてお話を伺いました。大船渡市では、いわて銀河農園を視察しました。トマトの栽培状況についてもお話をお伺いし、ビニールハウスの中まで見学をさせていただきました。大槌町では、MOMIJIを訪問し、ジビエの取組状況についてお話をお伺いしました。こちらの矢巾町では、岩手県こころのケアセンターを訪問し、心のケアの活動内容についてお話をお伺いしました。

 今回の視察を通しまして、観光、農業等、地域経済に重要ななりわいの状況を確認いたしました。また、被災者への心のケアへの取組について、きめ細やかな支援が重要であると感じました。

 引き続き、被災者が抱える残された課題に全力で取り組んでまいりたいと考えております。常日頃、総理からの指示は、全ての閣僚が復興大臣であると、現場主義に徹して、被災者に寄り添って対応するようにという基本を踏まえて、今日の話合いのことも踏まえて、しっかり取り組んでいかなければいけないなということを痛感しております。

 以上です。

 

2.質疑応答

(問)まずは、沿岸での視察のほうについてお伺いしますが、いずれも震災前にはなかったような産業という部分を多分御覧になったかと思うんですけども、そういう意味では、この復興の成果とか今後なりわいという部分で、どのように期待といいますか、御覧になりましたか。

(答)岩手県では、被害を受けた住まいや漁港施設等のインフラの整備、復旧はほぼ終了し、今後の復興の課題は、心のケアといったソフト面の課題が残されているものと理解をしております。また、農業や水産業、観光等の地域のなりわいの再生が大変重要であると認識をしております。

 本日の視察の中で、農業、観光、ジビエといった地域の重要ななりわいの復興の状況を確認いたしました。ジビエの現場では、1,000頭ぐらい処理できる工場を計画しているという話もお伺いしましたが、やっぱりなりわいというのは、農業であれ、あるいは漁業であれ、各地域で、漁業については特に魚種が変わってきているとか、これまでの変化等が出てきておりますので、養殖も含めて取り組んでいかなければならないですし、観光の分野も、つい最近のコロナ禍の陽性者数が増えてきているところも気になります。

 しっかりと、コロナの感染症対策はしっかり徹底的にやりながらも、この暮らしの部分との両立をどう整えていくかという意味でも、今回の訪問で聞いた話を、またしっかり復興庁としましては受け止めて、被災者の皆様に寄り添って、引き続き復興に対して自治体と連携しながら、支援に全力で取り組んでいかなければいけないというふうに感じております。

 

(問)続いて、こころのケアセンターについてお伺いしますが、心のケアについては、きめ細やかな支援が必要とお話ございました。実際に支援に当たっている先生方のお話を伺って、どのように感じたかという所感を、ちょっと改めてですがお伺いします。

(答)震災、大震災が発災当初から、これだけの精神科の専門の方とか、あるいは看護師、あるいはワーカーというんですか、関係者を一堂にまとめて、さらには全国の大学の精神科の関係のネットワーク等々もやりながら、長期にわたって、本当にきめ細かな対応をしていただいたのかなと。

 御説明の中では、データとして自殺者の数字の説明等もありましたが、全国的な話をすると、3万人台あった自殺者が、今2万人台に減っているという全国のデータの話もありますが、岩手県でも自殺者がすごく、この大震災の後、大震災も現場で話を聞くと、こんな高い津波が来て本当に大変だったろうなというのは、現場で話を聞くと本当に痛感しますので、そういう状況、発災当初から取り組まれてきている成果も相まって、自殺者の数も減少ぎみになっているというふうな感じがいたしました。

 また、沿岸の部分のところで、ストレスの相談室などを沿岸医療過疎の分野にしっかり置いて対応しているというのも説明の中で分かりましたし、引き続き自治体と連携しながら、今日のお話も参考にしながら、対応を考えていかなければいけないなというふうに感じたところです。

 

(問)あと2点でございます。福島原発の処理水の海洋放出の関係ですが、今日、陸前高田で市長のほうから要望書も受け取ったかと思いますが、こちらについて地元への説明、対応等をどのようにされるかお伺いします。

(答)処理水、ALPS処理水の取扱いは、先送りできない重要な課題であります。全国の方々、世界の国内外の方々含めて、理解と協力が極めて重要であると考えております。その意味では、国際機関のIAEA、第三者機関の冷静な判断等々も、科学的な正確な情報を発信していかなければいけないと考えておりますし、また、政府が昨年の4月に決定した基本方針や行動計画も踏まえて、私たち復興庁としては、政府一丸となって、決してこの風評被害を生じさせてはいけないという強い決意の下で、科学的な根拠に基づいた情報発信等、風評対策を、引き続きしっかり取り組んでいかなければならないと考えております。

 処理水の漁業者へのきめ細かな説明は、経済産業省が中心になってやりますけれども、そういう説明の場には、復興庁も復興局の現場がありますし、できるだけ復興局の人も陪席をして、きめ細かな対応、説明を、何度も何度も繰り返していかなければいけないと思います。

 今日、首長さんからお話がありましたように、漁業者の少しずつではあるけども、漁業、魚種が変わって苦労はしているんですけど、少しずつ戻ってきているところで、処理水の放出に対する不安があるというのもよく分かりますし、ですから、きめ細やかに説明をしながら、また科学的な情報を、正確な情報をしっかり発信しながら、さらにもう一点、国民の理解といいますか、しっかり理解を得られるようにしていかなければならないと感じております。

 トリチウムを取り除く技術がいつかできたら、それはそれで取り組んでいけばいいと思います。しっかりと基本方針、行動計画にのっとってやっていかなければいけないのかな、というふうに考えております。

 

(問)最後に1点だけ。日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の想定が出ておりまして、今回その想定ですと、まちづくりが終わった沿岸の町にまた津波が押し寄せるというような想定もされていますが、こういった部分で防災の観点とか、地元のほうから何か今日お話があったのかというところと、復興庁としてはどのように取り組むかを教えてください。

(答)今日は、特にその点の話はなかったんですが、今、大震災から11年経過して、さらにコロナ禍が3年目に入ってきて、その上に国際社会のロシアのウクライナ侵略ということで、エネルギー価格の高騰、物価の高騰等々、先行きが見通せない状況、要素としてある中で、今、御指摘のあった日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の話が政府のほうから出てきているという意味では、今日の心のケアの話を聞いていて、今御指摘の点も含めて不安の要因にならないようにしないといけないなという思いで、今日の報告を私の中では聞いていたんでありますが、防災対策の徹底によって人的な被害を8割ぐらい減らすということができる、ということも併せて示されたところであります。

 最悪のケースで、この日本海溝・千島海溝の地震によっては、予想される死亡者の数なども19万9,000人に上るという甚大な被害が想定されるが、防災対策を徹底すれば、人的被害を8割ぐらい減らすことができるということも併せて示されておりますので、6月には日本海溝・千島海溝特別措置法が議員立法によって改正され、避難施設の整備にかかる補助率のかさ上げ等が規定されたところであります。

 今後、関係省庁や自治体が連携をしながら、防災対策を担当する大臣もおりますので、大震災の知見で生かせるものを生かしながら、政府関係省庁一体となって、しっかり取り組んでいかなければならないということを感じております。これらの教訓も生かしながら、政府を挙げて取り組んで、人的被害を8割減らすことができると発表されておりますが、8割じゃなくて10割人的被害を減らしていくような形でという思いでおります。

    
(以  上)

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