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西銘復興大臣記者会見録[令和4年5月29日]

令和4年5月29日(日)15:55~16:10 於)linkる大熊多目的ホール

1.発言要旨

 本日は、双葉町、大熊町を訪問いたしました。双葉町では、双葉駅周辺の西側地区、東側地区や、双葉町産業交流センター、特定復興生成拠点区域外の石熊地区の状況を視察いたしました。本年6月以降を目指している双葉町の特定復興再生拠点区域の避難指示解除と、住民の方々が安心して生活を送ることのできる帰還環境整備に向けて、全力を尽くしてまいります。

 また、国、県、12市町村が一堂に会して復興に向け、現在市町村が直面している課題を率直に話し合うための懇談会を、先ほど、ここ大熊町のlinkる大熊において、県と共同で開催したところであります。出席者の皆様からは、移住・定住の促進、営農再開や産業・なりわいの創出、まちづくりや生活環境の整備等々について、御要望、御意見がございました。本日地元の皆様からいただいた御意見をしっかりと受け止め、引き続き一日も早い福島の復興・再生に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)大臣、今日は復興拠点の話は、先ほどあったんですけども、復興拠点外の区域も視察されました。懇談会でも帰還困難区域を抱える市町村にテーマを絞った意見交換をされたと思うんですけれども、帰還困難区域内外の課題については、どういった意見が12市町村の首長さんからあったかについて教えてください。

(答)拠点区域外についても、住民の声として首長さんから出たのは、私も現場に出向いて聞いているんですけども、帰還希望のある方を2020年代をかけて希望を取っていく、それも複数回アンケート希望を取って、細かく取っていくというのが政府の方針でありますけども、住民の声としては、アンケートを取ることより先にといいますか、除染をするほうが先じゃないかという声があるということも、首長さんからはありました。

 政府の基本的な方針としましては、確かに1回のアンケートで避難されている方がすぐ答えが出るものではないと思いますので、あくまでも地元と地元の首長さん、市町村が一番大事でありますから、連携しながらきめ細かく複数回にわたるアンケートの調査、そして帰還意向のある方が分かり次第、拠点外のところの避難指示解除に向かって取り組んでいくと。

 特に、帰還しようということを考えるときに、もちろん、なりわいとかも大事ですけども、買物の拠点であったり、あるいは医療介護の分野であったり、その辺の生活環境整備というところも極めて重要なポイントになるということで、その辺の話は、今日、意見交換を自由にしたところです。

 私のほうからは、特に首長さん方は、住民説明会等でも現場に立たれて、様々な住民の声を聞いていると思いますので、住民の声は声としてしっかりと、私たちの意見交換の場で話合いすることは大事であると受け止めておりますというような趣旨で、話合いをいたしました。

(問)その関連で、それを受け止めた上で、例えば帰還しない方の、帰還意向を示していない方の土地ですとか、家屋の取扱いですとか、残された課題も多いと思うんですけれども、そういったことの具体的な方針を、今後、どのように示していくかについてお考えを教えてください。

(答)政府の、まず2020年代をかけた方針というのは、首長さん方もそれはそれで理解をしているという話はありました、今日も。現在政府として、各自治体の役場や議会、行政、区長会等において、この方針の説明を丁寧に重ねているところです。今後の進め方についても、御相談を始めているところであります。引き続き、各自治体の個別の課題や要望を丁寧にお伺いしながら、避難指示解除に向けた取組をしっかりと前に進めていきたいと考えております。

(問)今の関連で、先ほど首長さんから意見が出たというところで、住民の声としては、アンケートを取るよりも先に、除染をするほうが先じゃないかというのは、政府方針そのものへの異議だと思うんですけども、政府方針がよろしくないと。つまり、アンケートを聞くんではなくて、そもそも事故が起きて汚染された地域を除染してきれいにするというのは、国の責務であろうと。だから、つまり町民の意向どうこうに関わらず、アンケートを聞くよりも先に、除染をまずやってくれというのが町民の意向だというふうに私も聞くんですけど、その辺、大臣として、その声に対してどう対応していくおつもりですか。

(答)その辺は、現場に出向いて車座をするたびに、率直な声としてあるということは受け止めております。避難指示解除に向かって取り組んでいくという方針に揺らぎはありません。やっぱり丁寧に地元自治体と協議しながら、アンケートについても、私たちも話合いをするんですけども、すぐに帰還するかしないかの結論を、ファイナルアンサーを出すというのも簡単じゃないなという認識は持ちながら、地元の自治体と丁寧に協議しながら、アンケートも1回で終わるとも思っておりませんし、政府の基本方針にのっとってやっていくというところで、今日は話合いしたところであります。

(問)確認で1点ですけれど、そうすると、政府の2020年代をかけて帰還意向調査と除染、解除という大方針に沿ってやるという方向は変わらず、その方針を覆して別の対応ということは今のところ考えていないと。

(答)ないですね、はい。

(問)本日はこの名称、復興・再生に関する懇談会ということでは初めてやられたかと思うんですけれども、全体討議と、あとやっぱり帰還困難区域の市町村、分けた議論を1つやったかと思うんですが、改めての部分で、なぜ帰還困難区域というふうに区別をかけたのか、いろいろ進捗状況が異なるとずっと言われてきている中で、そういうところが狙いの1つとしてあるかと思うんですけれども、今回の懇談会のやり方、こういうふうにした意義をお聞かせいただきたいのと、今後、この懇談会というのは同じような形でやっていくのか、今後の予定などもお聞かせください。

(答)本日の懇談会は、福島の12市町村が直面している課題を首長さんから直接お聞きすることができる有意義な場であったと考えております。それぞれの市町村で、それぞれの課題が現在進行形で進んでいる、それは私が就任当初に知事さんを就任挨拶の関係で訪問したときの話で冒頭出たことでもありますし、そのことは私自身もしっかり受け止めて、とにかく現場に出向いて、現場の首長さんがそれぞれ抱えている課題を丁寧に聞きながら、現場主義に撤した対応をしていかないといけないなということを常々両副大臣、政務三役でも確認しているところであります。

 また、総理からの指示も現場主義に徹すること、そして被災者、被災地に寄り添ってという基本方針がありますので、帰還困難区域と分けたとかいう、あんまりそういう意識はなくて、丁寧に丁寧に現場の首長さんの話は聞いていくという方針で、今日の会議は有意義であったと考えております。

(問)午前中、双葉町を視察されて、6月以降に避難指示解除控えているわけですけども、率直に大臣、どのように総括してお感じになったかという感想を聞かせてほしいのが1つと、もう一つ、復興拠点外に関してなんですが、冒頭の御挨拶で財源確保もしっかりやっていくというような旨の発言もあったと思うんですけども、その財源確保に向けて、例えば新しい法制度が必要なのか、それとも、何ていうんですか、法的根拠をどのように拠点外に対応するために国として対応していくのか、その辺もし何かあったら教えてください。

(答)1点目、今日は常磐線に乗って双葉駅まで初めて入りました。3時間ぐらいかかりましたけども、魚市場などでも常磐もの、常磐ものという、もともと常磐ものという単語が語彙としてなかった私も、常磐というもので、ぜひ一度は常磐線で来たいなという思いで参りましたけども、双葉駅の西側地区は、前回は陸橋の上のほうから眺めながら説明を受けた経緯がありまして、今般来たら、この災害公営住宅が、建設が進んでいる現場を見て、ああ、大分変わったなという印象を受けましたが、当時、見学をした陸橋が3月16日の震度6弱の地震で壊れてしまったという話も聞きました。

 また、東側地区では、総理に同行したときの、タオルを首に巻いて説明を受けたこと、あるいは目の前にペイント、住宅の壁に壁画等を見させていただきながら、またその後に役場の起工式に来たことを思い出しながら、役場も今日見たら東側は着々と役場も建設が進んでいるなという意味で、時間の経過とともにやっぱりハード面は進んでいくなという印象は体感できました。

 もう一点、拠点外の石熊地域で、元の議長さんのおうちというところ、許可をもらって、副町長さんの案内で見させていただきましたが、家の中まで入らせていただきました。確かに11年もたつと、もう動物まで、中にイノシシまで入っているのか、これはもう大変な状況でありましたし、また線量も3から4台、線量計に出ておりましたので、拠点外というのは、前にも葛尾村でも小出谷地区を見たときと同じような印象を受けまして、状況はやっぱり現在進行形で中長期的にかかるなという認識を新たにしたところであります。

 予算の制度につきましては、復興庁は、とにかくきめ細かく聞き、ヒアリングをしながら積み上げていく方式を取っておりますので、その辺の作業を復興庁職員担当で積み上げていって、これから骨太や、あるいは特別会計ではありますけども、概算要求に向かっていくのかなと、必要な予算はしっかり確保していかなければいけないなという思いを改めてしているところであります。しっかり頑張っていこうと思っています。

(問)そうすると、基本的には今のお話ですと、その対応、拠点外の対応の財源というのは特会、復興特会中心になりそうかなみたいなイメージをお持ちなんでしょうか。

(答)復興庁の予算は、特別会計の予算でありますから、しっかり現場でヒアリングを積み上げながら、今後の拠点外のことについて、予算がつくかどうかは今後の課題として、基本的な方針の中での対応だと思いますが、必要な予算はしっかり要求していかないといけないなという思いでおります。

    
(以  上)

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