岩手県沿岸を縦断する三陸鉄道が第三セクターとしては全国最長の163kmを1本のレールで結び、全線開通しました。三陸鉄道は、JR山田線(釜石‐宮古)を挟み、北リアス線(久慈‐宮古)と南リアス線(釜石‐盛)に分かれて1984年の開業から「三鉄」の愛称で親しまれ、地域住民の生活の足として利用されてきました。東日本大震災津波で線路が流出したり駅舎が被災するなど特に大きな被害を受け、不通となっていたJR山田線は、施設を復旧したうえで三鉄への無償移管をJR東日本が提案。三鉄はこれまで運営してきた南北リアス線と合わせ、「三陸鉄道リアス線」として一貫運行されることになりました。
開通記念行事では、釜石駅のホームで出発式を行い、来賓やメディア関係者と公募で選ばれた一般乗客を乗せた開通記念列車が宮古駅に向かって出発しました。途中の鵜住居駅や陸中山田駅などでは列車がホームに着くと、郷土芸能の虎舞を披露したり大漁旗や横断幕を掲げるなど全線開通を心待ちにしていた多くの住民が集まり、喜びに沸きました。
翌日からは通常運行が始まり、地域の活性化や利便性向上が期待される中、沿岸地域を会場にした「三陸防災復興プロジェクト2019」の開催(6~8月)や、釜石鵜住居復興スタジアムが会場となる「ラグビーワールドカップ2019」の9月開幕など、今後のイベントを通じて国内外の方々に「復興の象徴」として走る三陸鉄道をPRする絶好の機会となることでしょう。
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