復興推進委員会(第48回)[令和7年11月5日]

第48回復興推進委員会 議事録

1 日時
令和7年11月5日(水)15時44分から17時11分まで

2 場所
中央合同庁舎4号館4階共用第2特別会議室(オンライン会議併用)

3 議事
(1)現地調査報告
(2)東日本大震災からの復興の状況に関する報告案
(3)3県からの報告
(4)福島国際研究教育機構の令和6年度に係る主務大臣評価

4 出席委員等
今村委員長、白波瀬委員長代理、浅野委員、内堀委員、奥野委員、小林委員、
佐野委員、勢一委員、関委員、戸塚委員、藤沢委員、山﨑委員、山名委員、
大畑岩手県復興防災部長(達増委員代理)、川越宮城県東京事務所長(村井委員代理)

5 議事録
○今村委員長 それでは、少し時間前でございますが、勢一委員は今向かっている途中ということでございますので、遅れる可能性がありますので、始めさせていただきたいと思います。
ただ今から、第48回復興推進委員会を開催いたします。委員の皆様におかれましては、大変お忙しい中、御出席いただき、大変ありがとうございます。
 本日は、岩手県大畑復興防災部長が達増委員の代理として、宮城県川越東京事務所長が村井委員の代理として出席することを本委員会運営要領第3条1項に基づき承認いたします。よろしくお願いいたします。定足数を満たしてございます。
 本日の議事の様子は、ライブストリーミングでオンライン配信されておりますので、一般の方、また、報道機関の方に視聴いただいておりますので、御了解いただきたいと思います。特に、報道機関の方には会議の映像をニュース等で使用することも許可してございます。御了解いただきたいと思います。
 それでは、議事に入る前に、まず清水政務官から御挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○清水政務官 皆さん、こんにちは。先月22日に復興大臣政務官を拝命いたしました清水まさとです。
 今村委員長を始め、委員の皆様におかれましては、東日本大震災からの復興に関し、日頃から多大な御尽力を賜り、厚く御礼を申し上げます。
 本日も、遠方の方を含めて多くの方に御出席いただき、感謝を申し上げます。
 高市内閣の発足に当たり、総理からは、東日本大震災からの復興について、「福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なし」との強い決意の下、各省庁の縦割りを排し、現場主義に徹したきめ細やかな対応により、福島の本格的な復興・再生、東北の復興に国が前面に立って取り組むなどの指示がございました。この御指示に基づきまして、現場主義を徹底し、被災地の復興に取り組んでまいります。
 本日の復興推進委員会におきましては、先日行われた現地調査の結果や東日本大震災からの復興の状況に関する報告案について復興庁から説明の後、3県から各県における復興の状況について御報告をいただきます。その後、福島国際研究教育機構の令和6年度に係る主務大臣評価について御審議をいただきます。
 議事は多岐にわたりますけれども、皆様方からは忌憚のない御意見をいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○今村委員長 清水政務官、大変ありがとうございます。それでは、議事に入りたいと思いますが、その前に本日の議事進行について御説明申し上げます。
 本日は、まず議事1の現地調査の結果と議事2の国会報告について復興庁から御説明をお願いしたいと思います。議事3においては、各県からそれぞれの現状を報告いただきたいと思います。それらが終わった後、1から3までの議事について委員の皆さんと意見交換を行いたいと思います。
 本日の議事の模様は、その意見交換まで公開とさせていただきます。
 議事4は、先ほど御説明がありましたとおりに、法人の業務実績評価に係る案件でございますので、昨年同様、福島国際研究教育機構(F-REI)やその関係の利害に直結する内容を審議いたします。
 ついては、その内容を公開することにより、公平かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがあると認められるため、慎重に行いたいと思います。そのため、復興推進委員会運営要領第4条に基づき、議事は非公開とさせていただきたいと思います。
 議事3までの意見交換が終わりましたらば、それ以降は非公開とした上で、復興庁からの説明の後、本委員会の下で開催されておりますF-REIワーキンググループの羽生座長から報告をいただきたいと思っております。その後、本委員会としての意見決定に向けて審議をいただきたいと思います。よろしいでしょうか。議事1から3は公開、議事4は非公開とさせていただきます。
 議事3まで私が議事進行を務めますが、議事4については白波瀬委員長代理に議事進行とその後の意見取りまとめをお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 私の方は8月からF-REIの第5分野の分野長を務めておりますので、こちらの審議に関しては利益相反のおそれがありますので、退室させていただきたいと思います。また別途、活動報告はさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、以上の進め方でよろしければ、議事の方に進みたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、最初に議事1について復興庁から御説明をお願いいたします。古橋審議官、よろしくお願いします。
○古橋審議官 ありがとうございます。
 10月1日付で審議官に着任いたしました古橋と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、着座にて、現地調査の結果について報告させていただきます。
 復興推進委員会では、毎年、岩手県、宮城県、福島県を訪れて現地の状況を確認いただいておりまして、前回の復興推進委員会において御報告した2月の福島県現地調査に続いて、先月、岩手県、宮城県の現地調査をしていただきました。
 それでは、岩手県、宮城県の順に簡潔に御報告いたします。
 資料1-1の1ページを御覧ください。岩手県では宮古市、釜石市、大船渡市を中心に御視察いただきました。2ページを御覧ください。
 まず、宮古市役所において、市役所や社会福祉協議会の方から震災で被災された方への生活支援事業の概要について伺い、意見交換をしていただきました。
 次に、三陸鉄道の震災学習列車に乗車いただきました。車中では、発災時から沿岸部にお住まいのガイドの方から、復興が進む中、震災を体験していない世代に当時の状況を伝承し続けていくことの難しさや大切さなどをお話しいただきました。3ページを御覧ください。
 続いて、大船渡市の三陸とれたて市場を訪問し、先駆的な水産加工事業のモデルを導入し、国内にとどまらず海外にも販路を拡大していることなどについて説明を伺った後、鮮魚の加工状況を視察いただいて意見交換をしていただきました。
 最後に、いわて銀河農園において、移転元地を活用して整備されたトマト用の生産技術高度化施設を視察いただいた後、地域に価値ある産業を創ることを目指して通年の出荷や、地元で安定的な雇用を創出されていることなどについての説明を伺い、意見交換をしていただきました。
 次に、宮城県でございます。資料1-2の1ページを御覧ください。宮城県では、南三陸町、石巻市、名取市を中心に視察いただきました。2ページを御覧ください。
 まず、南三陸町社会福祉協議会結の里では、被災者支援事業の実施経過や今後の方向性のほか、結の里の特色等について説明を伺った後、地域住民等の参画を促進するリーダーシップと情報発信の重要性などについて意見交換をしていただきました。
 次に、南三陸高校では高校魅力化プロジェクトの取組についての説明を伺い、意見交換をしていただきました。意見交換では、グローバルとローカルの両方の視点を持つ生徒の育成や、県外から入学した生徒が周囲に好影響を及ぼしていることなどのお話がありました。3ページを御覧ください。
 続いて、石巻市に移動し、震災遺構門脇小学校を視察いただいた後、意見交換をしていただきました。ここでは、科学的根拠に基づく展示や外国語での解説に加え、被災体験の記憶を芸術で表現した展示による震災の理解醸成などについて取り上げられました。
 最後に、名取市のかわまちてらす閖上に移動し、名取市から水辺を身近に感じるコンテンツの造成や地元海産物の食体験を通じて推進するブルーツーリズム推進支援事業について説明を伺い、施設内の商店などの状況を視察いただきました。
 以上、時間の関係でポイントのみの御説明となりましたが、現地調査の結果について御報告申し上げました。改めまして、御参加いただいた皆様に御礼申し上げます。
 報告は以上でございます。
○今村委員長 ありがとうございます。
 多くの委員の皆様に御参加いただきまして、大変有意義でしたね。スケジュールはちょっと厳しかったと思うのですが、被災者の支援、また、福祉、そして、伝承、更には新しい取組、最後は教育ですね。学校もすごくユニークな取組であったと思います。ありがとうございました。
 それでは、議事2に移りたいと思います。こちらに関しては、天河統括官から御説明をお願いいたします。
○天河統括官 統括官の天河でございます。9月8日付で着任しております。私の方から説明をさせていただきます。
 資料2でございます。令和7年版の東日本大震災からの復興の状況に関する報告につきまして御説明させていただきます。1ページ目でございます。
 1枚おめくりいただきますと、本報告は、東日本大震災復興基本法に基づきまして、毎年、復興の状況を国会に報告するというものでございまして、構成といたしまして、「第1部 特集」、「第2部 復興の現状と取組」、こうした2部構成としております。今回は令和6年10月から令和7年9月までの間についてまとめております。
 また、「復興の基本方針」のフォローアップも兼ねておりますため、基本方針が本年6月に見直されたことに伴いまして、基本方針に合わせて構成を変更するなどしております。
 今後、閣議決定を経まして国会に報告した後は、「復興白書」という名称で公表することを予定しております。2ページでございます。
 特集の1つ目ですが、2025年大阪・関西万博でございます。本年の5月のテーマウィークにおきまして、東日本大震災からの「よりよい復興」をテーマといたしまして、被災地の復興しつつある姿、その魅力について情報発信をいたしました。展示期間中は、国内外から延べ約4万8000人の方に御来場いただいております。御来場いただいた方からは、「津波の高さを目の当たりにして、改めて防災の重要性を認識した」でありますとか、「三陸常磐ものを試食したところ、非常に美味しかった。是非購入したい。」といった感想が寄せられております。これで多くの方々が被災地に関心を持っていただくきっかけとなったのではないかと考えております。
 このテーマウィークの展示は、その後に万博会場において開催されました復興関連イベントにおいても活用させていただくとともに、360度VR化いたしまして、「大阪・関西万博復興ポータルサイト」に会場の様子を掲載いたしまして、閉幕後もより多くの方に御覧いただけるようにさせていただいております。
 また、下の方にございますが、万博の開催期間を通じまして、デジタルモニュメント「成長する『奇跡の一本松』」を万博会場に設置しましたところ、3.11や復興に関する思いについてのメッセージが、国内のみならず、40か国以上の方から1万件以上も寄せられたということでございます。続きまして、3ページでございます。
 特集の2つ目はF-REIの取組となっております。初めに、研究開発につきましては、基本となる5分野における取組を具体例を交えて紹介をしております。現在は、外部委託等による研究開発から、直営の研究グループによる研究体制へと、段階的にですが、移行を着実に進めております。
 次に、研究成果の産業化を目指しまして、企業とのネットワークづくりのためのセミナー、あるいは地域のシーズやニーズを丁寧に把握するため、地域で座談会などを開催しております。
 さらに、3番の人材ですが、地域の未来を担う若者世代等の人材育成といたしまして、福島県内の大学生・高校生を対象としたセミナーや、小中学生を対象とした科学実験教室などを実施しているところでございます。4ページでございます。
 F-REIは、福島におけます新たな産業の創出等に資する研究開発等におきまして中核的な役割を担うとされております。本年4月には既存施設のF-REIの統合を行うなど、司令塔機能を発揮して、広域連携を進めるべく取り組んでいるところでございます。
 さらに、国際的なネットワークということも重要でございまして、国際的なネットワークの形成やプレゼンスの向上に向けて、国際連携あるいは情報発信にも力を入れているところでございます。
 また、当初の施設整備は国が実施しておりまして、本年4月に起工式を執り行いました。今、敷地造成工事に着手して一生懸命やっているところでございます。
 あわせて、国内外の優秀な人材を迎えるため、生活環境の充実も重要でありますので、様々な取組を進めているところでございます。最後、5ページでございます。
 第2部におきましては、復興の現状と取組の全般につきまして、前回の国会報告からの主な復興の動きを追記するとともに、データの更新などを行っております。個別の説明は割愛をさせていただきますが、6ページに記載の各項目につきまして、写真あるいはグラフを活用して分かりやすく記載していきたいと考えております。
 以上が本報告の概要でございます。
○今村委員長 ありがとうございました。
 今回は特集2件ということで、万博に関しては内堀知事も御参加いただきまして、大変盛況であったと思います。多彩な御紹介がありましたので、より現状を御理解いただいたと思います。
 では、この国会報告の件も、議事3が終わった後、御意見等をいただきたいと思います。
 それでは、3県から報告をいただきたいと思っておりまして、まずは岩手県から報告をお願いいたします。
○大畑復興防災部長 岩手県でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 震災からの復旧・復興に当たりましては、委員の皆様、復興庁の皆様、それから、国内外の皆様から多くの御支援をいただいております。改めて感謝を申し上げます。
 本日は、岩手県の復興の現状について報告をさせていただきます。
 それでは、資料3-1の2ページを御覧願います。
 まず、復興の現状でありますが、本県では復興を県政の最重要課題とし、「誰一人として取り残さない」という理念の下、復興推進プランに掲げる4本の柱に基づきまして復興の取組を進めさせていただいております。
 一方で、下段に記載のとおり、中長期的な対応が必要な課題もありまして、本年6月に見直されました国の復興の基本方針を踏まえまして、県としても令和9年度からの2年間を計画期間とする第3期復興推進プランを策定いたしまして、国の支援を活用しながら、これらの課題に引き続き対応していく考えであります。
 3ページを御覧願います。
 4本の柱の1つ目、安全の確保の取組であります。
 上段、海岸保全施設等の復旧・整備につきましては、残る1か所、宮古市・閉伊川水門の整備を進めておりまして、令和8年度に完成予定であります。
 下段、広域防災拠点の整備につきましては、新たな交通ネットワークを生かした沿岸部の防災拠点機能強化のため、従来の計画を見直しまして、広域防災拠点として沿岸部に新たに12施設を位置づけたところであります。
 4ページを御覧願います。
 2つ目の柱、暮らしの再建の取組であります。
 上段、いわて被災者支援センター、中段、岩手県こころのケアセンターの運営状況は表に記載のとおり、いずれも生活相談や心のケアに係る相談件数が高止まりの状況でありまして、国の支援をいただきながら引き続き対応してまいります。
 また、下段につきましては、関係団体と連携しながら、県内全ての公立学校におきまして岩手の復興教育というものを推進させていただいております。
 5ページを御覧願います。
 3番目の柱、なりわいの再生の取組であります。水産業の振興について取り上げて御説明をさせていただきます。不良が続いていたサンマ、スルメイカの水揚げが今年は好調であります。ただ一方で、サケについては依然として厳しい状況が続いております。
 そのような状況の中、新たな漁業・養殖業の導入が進んでおりまして、サケ・マス類の海面養殖は生産量が伸びております。今年度は3000トンの生産が計画されております。引き続きつくり育てる漁業を積極的に推進してまいります。
 また、漁業就業者を確保・育成するため、いわて水産アカデミーを県として開校させていただいております。令和6年度までの修了生は46名おりますが、全員県内で漁業に就業していただいております。
 6ページを御覧願います。
 4つ目の柱、未来のための伝承・発信の取組であります。
 上段、東日本大震災津波伝承館の運営につきましては、常設展示に加えまして、関係団体と連携して企画展示を行っております。本年9月には来館者数が130万人に達したところであります。
 それから、下段、内陸部、盛岡市にあります県立図書館にIルームというものを開設しております。このIルームでは、被災沿岸被災地の訪問に際しまして事前・事後学習が行える施設として運営をしておりまして、県内の震災伝承施設等のサテライト的な機能を担う内陸部と沿岸部をつなぐ役割を果たしていただいております。
 7ページを御覧願います。
 最後に、震災の教訓を踏まえました新たな取組を御紹介させていただきます。
 左側、アプリを活用した避難者把握システムの導入につきましては、スマホアプリ「LINE」を活用しまして、システムの導入に向けて検討、実証事業を進めております。
 中央、災害ケースマネジメント推進体制の整備につきましては、被災者情報の適切な把握や生活再建支援に向けて導入をいたしました被災者台帳システムを基盤に、被災者個人に寄り添った生活再建をより一層進めることができるよう、検討を進めているところであります。
 右側、今年3月に「IWATE TSUTAERU」というウェブサイトを公開させていただいております。このウェブサイトでは、県内の伝承施設や団体、実施プログラム、教育活動での利活用モデルなどを広く紹介させていただいておりまして、大変恐縮ですが、委員の皆様、復興庁の皆様におかれましては、本ウェブサイトの活用が図られますよう、機会を捉えていただきまして、広く周知していただければ幸いでございます。
 以上で岩手県からの報告を終了させていただきます。ありがとうございました。
○今村委員長 ありがとうございます。特に新たな取組を3例御紹介いただきまして、ありがとうございます。
 それでは、宮城県、川越様からお願いいたします。
○川越東京事務所長 今村委員長を始め、委員の皆様、復興庁並びに関係省庁の皆様には、日頃より御尽力を賜りまして、誠にありがとうございます。この場をお借りしまして御礼申し上げます。
 本日は、宮城県から3点御報告させていただきます。
 資料3-2を御覧いただきたいと存じます。
 1枚おめくりいただきまして、2ページ、被災者の心のケアについてでございます。平成23年12月に設置いたしましたみやぎ心のケアセンターにつきまして、国の復興の基本方針を踏まえ、令和2年8月に策定した県の取組方針に基づきまして、関係機関への業務の移行を順次進めながら、本年9月に相談支援等の業務を終了いたしました。
 3ページになりますけれども、この業務の移行に当たりましては、人材育成や調査研究業務につきましては県の精神保健福祉センターに、住民支援や普及啓発等につきましては市町村や保健所にそれぞれ順次移行してまいりました。
 県といたしましては、今後も市町村のバックアップ、保健所の体制強化のため、困難事例のスーパーバイズや各種研修を継続しながら心のケアに対応してまいります。
 続いて4ページ、防潮堤の整備についてでございます。現在、県管理漁港のうち、3地区が未完成となっております。今後とも国の交付金等を活用させていただきながら、早期完成に向けて整備を進めてまいります。
 最後になりますが、5ページを御覧いただきたいと思います。
 子供・若者への教訓の伝承についてでございます。震災から14年が経過し、震災を知らない世代が増加していることから、防災意識向上等の取組が必要となっております。このため、学生を対象としたみやぎ東日本大震災津波伝承館のボランティア解説員の認定や、親子向けのイベント、それから、学校への語り部派遣によるPR活動などに継続して取り組んでおります。
 また、6ページになりますけれども、防災教育副読本の活用ですとか、フォーラムの開催による学校安全の取組の共有を行っております。
 今後も若者の防災意識向上や学校の防災体制強化のため、引き続き取組を進めてまいります。
 宮城県からは以上でございます。どうもありがとうございました。
○今村委員長 ありがとうございます。
 心のケアセンターに関しては、先日の宮城県の視察のところで福祉協議会の結の里さんの取組は非常に参考になりました。ありがとうございます。
 また、伝承に関しては防災意識の向上ですね。先日はカムチャッカの地震・津波の警報等もありました。忘れてはならないことだと思います。ありがとうございました。
 それでは、福島県、内堀委員からお願いいたします。
○内堀委員 今村委員長を始め、委員の皆さん、そして、清水政務官を始め、復興庁の皆さんには、福島の復興・再生に多大なる御尽力をいただいております。本当にありがとうございます。それでは、1枚開いて1ページをお開きください。
 主に赤い字の部分を御覧ください。避難地域の復興においては、帰還困難区域の再生のほか、避難指示が解除された地域の住宅環境など、生活環境を充実させる必要があるとともに、これを支える人的支援の継続が重要です。また、生活再建のステージに応じた支援が必要であり、心のケアなど被災者の実情を踏まえた柔軟な取組が重要です。
 2ページをお願いします。
 帰還困難区域の復興・再生に向けては、特定復興再生拠点区域の整備、特定帰還居住区域の除染等の取組を進めることが重要です。また、道路ネットワークの強化とともに、河川や砂防施設などの整備が不可欠です。国は帰還困難区域全てを避難指示解除し、復興・再生に最後まで責任を持って取り組む必要があります。
 3ページをお願いします。
 県産農林水産物の価格差は、震災前のポジションに戻らないまま固定化されているなど、いまだ根強い風評が残っており、新たな風評が生じる懸念もあることから、継続して長期的に風評の払拭と風化の抑制に取り組む必要があります。このため、福島県風評・風化対策強化戦略に基づき、「伝わる」情報発信により福島県に対するイメージのアップデートを進めるとともに、幅広い業種に対する万全な風評対策及び柔軟な追加対策を講じる必要があります。加えて、輸入規制撤廃等に向けた働きかけ、輸出促進の支援等が重要です。
 4ページをお願いします。
 福島イノベーション・コースト構想を推進するためには、本年6月改定の青写真に、新たに追加した「地域の稼ぎ」、「日々の暮らし」、「担い手の拡大」の視点を踏まえ、さらなる取組が必要であり、その効果を県全体に波及させることが重要です。
 5ページをお願いします。
 産業集積及び働く場の確保が重要であり、企業立地補助金について地域の実情を踏まえた運用とする必要があります。また、福島新エネ社会構想を実現するため、再エネのさらなる導入拡大などが重要です。
 農林水産業については、生産から流通・消費に至る総合的な対策が重要であり、水産業については、生産回復が大きく立ち後れている現状を踏まえた取組が必要です。
 避難地域の農業の復興・創生は、営農再開と競争力のある産地化に向けた取組をハードとソフト両面から一体的に推進する必要があります。
 6ページをお願いします。
 廃炉に向けた取組が安全かつ着実に進められることは、福島県復興の大前提です。廃炉と汚染水・処理水対策は国が前面に立ち、政府一丸となって万全な対策を徹底的に講じ、最後まで全責任を全うする必要があります。
 除去土壌等の県外最終処分は法律に定められた国の責務でありますが、具体的なプロセス等が明確に示されず、県民が県外最終処分実現の見通しを実感できない状況です。期限である2045年3月までの具体的な方針や工程を速やかに明示し、政府一丸となって最後まで責任を持って対応する必要があります。
 7ページをお願いします。
 福島の復興・再生は、今後も中長期にわたる長い戦いであり、課題は現在進行形で生じています。第3期復興・創生期間である次の5年間は、避難者の帰還等の取組を一層進めなければならない極めて重要な期間であり、これまで以上に力強い取組が必要です。そのため、中長期にわたり切れ目なく、安心感を持って復興への挑戦を続けるために必要となる十分な財源と枠組み、税制特例を始めとした復興を支える制度を確実に確保することが必要です。
 引き続き、福島の復興を内閣の最重要課題とし、政府において決して震災を風化させることなく、国の社会的責任の下、国が前面に立って最後まで取り組むことが必要です。
 先ほど政務官からもお話しいただきました「福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なし」との強い決意の下、引き続き、現場主義を徹底し、国、県、市町村、関係団体等が一体となり、福島の復興・創生に向けた取組を県内全域にわたり中長期に推進することが不可欠であります。
 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
○今村委員長 内堀知事、ありがとうございます。最新の状況を皆さんに共有いただきました。
 先日、別に大学で講義をしていただきまして、ありがとうございます。現状を学生さんに本当に丁寧に教えていただきました。そのときに、伝える情報発信ではなく、伝わる。いろいろな方に対して、きちんと伝わる情報発信、戦略が重要だということを本当に丁寧に教えていただきまして、ありがとうございました。
 それでは、本日も限られた時間ではございますけれども、約15分にわたって御意見、また、御質問等をいただきたいと思います。御発言のある方は、挙手、又は名前のプレートを縦にしていただいてもいいかなと思います。時間の関係で全員発言できないかもしれませんが、伝えられなかった御発言は後ほど事務局にお伝えいただければと思っております。
 それでは、どなたでも結構でございます。御意見等がありましたらばお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。では、山﨑委員。
○山﨑委員 山﨑です。よろしくお願いします。今、事務局の方からも報告がありましたけれども、現地調査について、私も今年、宮城県に参加させていただきまして、事務局の皆さんの御努力で、毎年毎年復興の現状と先進的な取組を見せていただいて、大変ありがたいことだなと思います。
 今回見せていただいた南三陸町の社会福祉協議会や高校の取組などを見ていると、行政と学校、社会福祉協議会が一緒になってとても創意工夫をして成果を上げている取組があって、私はとても感心したのですけれども、そういう取組が復興の枠の中で収まっているというのはとても残念なことで、被災地はいずれも少子化と高齢化が災害をきっかけに一段と加速していますけれども、これからそういう課題に全国の多くの地域がぶつかるわけですから、こういう先進的な取組は復興の枠組みとは別に、やはりこれから縮んでいく社会をどういうふうに地域でもって活性化させて、地域の取組を進めていくかという視点でもって発信していく必要もあるのではないかと。だから、復興の枠組みの中だけでやっていると、世間の関心がその中だけで収まってしまいますけれども、地域で取組が始まっている様々なものは、これからの日本をどうするかという取組の芽が随分出てきていると思いますので、そういう視点で復興庁でも発信していただくということが大事なのではないかなと思いました。以上です。
○今村委員長 ありがとうございます。枠組みを超えてというところだと思います。重要な御指摘をありがとうございました。そのほかいかがですか。佐野委員、どうぞ。
○佐野委員 私も関連するのですけれども、前回の委員会の中で、人材育成と人材の確保というのが復興には不可欠であると発言させていただきました。
 そういう意味で、今回、岩手県に私も現場調査に行かせていただきまして、そこで感じたのは、非常に先進的な取組がされていて、本当にわくわくするような経験をいたしました。これを是非若い高校生であるとか大学生に伝えて、単にSNSとかウェブサイトで伝えるだけではなくて、視察とかといったものも含めて是非伝えていただければと思います。こういうところが課題だというだけではなくて、宮城県であれ、岩手県であれ、福島県であれ、非常に発展していくのだという姿を是非学生に伝えたいと感じました。その機会を是非設けていただければと思います。以上です。
○今村委員長 ありがとうございます。そうですよね。課題はあるのですけれども、それを乗り越えて様々なチャレンジをする。その活動が国内外ですよね。外国にもすごく売り出していて、御紹介ありがとうございました。そのほか。どうぞ。
○藤沢委員 藤沢でございます。私、福島では、原子力災害被災地域でふくしま12市町村移住支援センター長をやっておりまして、昨年度、福島県全体でも3,799人と過去最高の移住者で、浜通り地域も移住者が高い水準で伸びております。
 他方、大熊や双葉町は居住人口が元に比べると10%程度、双葉町は3%程度でしょうか。まだまだ少ない状況でございまして、根本的にこの地域をどうするかということはまだまだ課題が大きいと思っておりますので、復興に向けて進んできておりますけれども、次の復興・創生期間においてもまた違った観点での取組をしていかないといけないと感じております。
 あともう一点、私は能登半島地震の復興の現地組織の責任者もやっておりまして、能登の方はようやく2年たちまして復興がこれから進む段階ではあるのですけれども、実際の人口、既に住民票を移した方が12%近くになっていて、しかも、30代以下の方が2割、奥能登と4地域、被災が特に大きかった地域に関しては2割住民票を移動させてしまっている。住民票を移動せずに避難している方もいますので、地域によっては3~4割減ってしまっているというところもある状況で、そういう中で石川も頑張っていますけれども、石川の取組をする上でもこの東北の復興の取組は大変参考になっておりまして、課題は似ているところもありまして、同じではございませんけれども、なりわいをどう復活させたり、あるいは暮らしをどう戻すかということですので、まだまだ福島は頑張る必要があるということもありますけれども、同様に全国の復興に向けても発信を強化するということも引き続き必要だと思っております。以上です。
○今村委員長 ありがとうございます。能登半島とのつながりというのは非常に重要でありますね。帰還に加えて移住ということで、住宅環境であったり、生活環境、医療関係、さらに学校ですよね。ここが非常に重要だと思います。御報告ありがとうございました。
 そのほか。勢一委員、どうぞ。
○勢一委員 ありがとうございます。勢一です。私も今回初めて現地の視察に加えていただいて、岩手県に伺ったのですけれども、非常に勉強になりました。現場で住民の皆さんの声を聴くというのがこんなに意味があるのだというのを実感したところですけれども、これから人口減少が進んでいく中で、心のケアをどうするか。あと、社会、地域全体でのサポートをどうするかというところで、今、移行期になっているのだろうということも実感いたしました。宮城県の宮古市でも先進的な取組を伺いましたし、今日宮城県さんの御説明でも心のケアの体制を移行していくというようなことを伺いました。ですから、それぞれの地域に見合う体制に少しずつ変えていくというタイミングなのかなと改めて実感したところです。
 その点では、先ほど御指摘がありましたけれども、いろいろな取組が復興の枠の中でとどまっているというところは、やはり少し心にとめながら考えていかないといけないなと思ったところはあります。現地では先進的な事業に取り組んでいる人たちもたくさんいて、その人たちに対する支援が復興の枠ではなくて、もっとチャレンジングなことをやる体制の方のサポートにいかないと、恐らく十分な支援ができないのではないかという気はいたしております。是非そうした人たちを支えるために、地域の人々のネットワークづくりみたいなものもこれからは力を入れていくことが必要だと感じました。是非F-REIの役割の一つにそういうのを加えていただいて、地域の事業者をつないでいくというところも頑張っていただければありがたいなと思いました。以上です。
○今村委員長 ありがとうございました。最後はネットワークづくりということで、こちらの方も重要な御指摘ですね。第3期復興・創生期間になりますので、まさにそのテーマがかなり重要になってくると思います。ありがとうございました。
 それでは、山名委員、お願いいたします。
○山名委員 ありがとうございます。私は福島第一原子力発電所の廃炉を見ている立場から申し上げますが、資料2の6ページ、国会報告の原子力災害被災地域の件をまとめたところを御覧いただけますでしょうか。
 まず、廃炉については、昨年の秋から廃炉政策上、第3期という新しい段階に入っております。つまり、廃炉が今までのどちらかというと緊急対策的な取組から、長期の終了を目指した本格的な段階に入るという段階に入っているわけです。
 廃炉はそのように鋭意頑張っているところですが、当然、被災地においてはこの福島第一という原子力発電所があることの心理的な負担、あるいはまだ帰還困難区域がたくさん残っていることへの将来的な不安、そういった放射能の現状によって受けている精神的・社会心理的安定性の不足というものが現にある。それがこの復興の過程に大きな心理的影響を与えているというのは間違いありません。実際に双葉郡の北の方に行きますと、住民帰還率も非常に低いということもありますし、放射能に対する解決と復興が歩調を合わせて、一体となって、新しい将来の姿が見えてくる、希望が出てくるということが何よりも大事であるということです。
 そういう意味で、この6ページの(1)から(8)は実は分けてあるものではなくて、渾然一体といいますか、廃炉だって廃炉だけではなくて復興と一体でありますし、農畜産業の再開にもそれは関係してくる。非常に大きな連携を持った取組が今後ますます必要な段階に入るということであるかと思うのです。
 そういう意味で、内堀知事の御説明にありましたように、今後、福島の復興はますます長い目で将来を見た取組が進んでいきますので、復興庁におかれましては引き続き御指導、御支援をお願いしたいと思います。以上です。
○今村委員長 ありがとうございます。ただ今の資料2の6ページに基づいて、連携した取組が重要だと。地域のビジョンがそれぞれつくられておりますので、それを御支援するような活動がますます重要になってくるかと思います。ありがとうございました。
 奥野委員、どうぞ。
○奥野委員 各県の御報告、ありがとうございました。私は心のケアについてなのですけれども、私は福島、岩手、宮城と全部現地視察に行ってきたのですけれども、心のケアの回復度合いというのは各県によってかなり違うように回復しておりまして、宮城県では相談件数が減っているので、心のケアセンターを各地域に移していく方向なのですが、岩手県は沿岸地域で相談件数が増えているということを耳にしてきたのです。その違いはどういうところなのかというところはまだ、県の環境とかいろいろな支援の在り方とかで違ってくるのかもしれないのですが、その辺は、福島県は県外に出ている方とか、もちろんいろいろな放射線の影響とかでまた違う要素が入ってくると思うのですが、ここはやはり研究していただければなと思っておりまして、F-REIの第5分野でこのデータの集積をしていただいて、今後、防災に向けて、PTSDというか、心的外傷のストレス障害というものは10年たっても出てくる病気なので、そういったことを防ぐにはどうしたらいいかということのデータが必要なのかなと思っておりまして、是非中長期において、そういったF-REIでの研究も踏まえて考えていただければとお願いしたいと思います。以上です。
○今村委員長 ありがとうございます。現状の把握、そして、それは研究として課題を明確にするということだと思います。ありがとうございました。
 それでは、小林委員、オンラインで大変だと思いますが、何か御意見はありますか。
○小林委員 ありがとうございます。情報発信のところで1点だけ、私は本当に福島が大好きで、東日本大震災のことも岩手県、宮城県、福島県の現地の皆さんからの言葉の重さがあっての今があると思っていて、やはり風化していってしまうというのが、諦めたくないなというのが個人的にはあります。
 先ほど委員長から「伝える」ではなく「伝わる」情報発信というお話があったと思うのですが、その先にいよいよ行ってほしいなと思っています。その先というのは何なのかというと、やはり心が動くという状態をどう無関心の皆さんに知っていただくかというところは、多くの方々の命を守るというところにつながると思うので、例えば、広島県でやられているような、人工知能を活用して本当にリアルな言葉をどんどん蓄積していって、将来にわたってリアルな対話ができるようにしていくとか、そういったことは国ではないとできないと思うので、是非御検討いただけたらうれしいです。
○今村委員長 貴重な御意見をありがとうございます。AI活用というのも今後不可欠な技術だと思います。ありがとうございました。
 それでは、大変申し訳ないのですが、お時間が限られているということで、御発言できなかった委員におかれましては、是非後ほど事務局の方にお伝えいただきたいと思っております。
 それでは、清水政務官におかれましてはここで退席されます。本当に御多忙の中、御出席を賜りましてありがとうございます。
 また、冒頭述べましたとおりに、議事4に関しては、私は関係者になりましたので、白波瀬委員長代理に交代させていただきたいと思いますので、私の方も退席させていただきます。
 それでは、議事4からは非公開となりますので、ライブの配信は現時点をもって終了とさせていただきます。ありがとうございました。

法人の業務実績評価に係る案件である議事4以降は、福島国際研究教育機構やその関係者の利害に直結する内容であり、公開することにより公平かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがあると認められるため、復興推進委員会運営要領第4条に基づき非公開とした上で、同6条第3項に基づき、議事要旨を掲載。

(議事要旨)
 議事4について、復興庁及び福島国際研究教育機構ワーキンググループの座長である羽生座長から、主に資料4-2及び資料4-4に基づき、福島国際研究教育機構(令和6年度実績)の主務大臣評価及び主務大臣評価に対する復興推進委員会意見(案)について説明の上、審議が行われた。

(以上)