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第193回国会(常会)における吉野復興大臣発言(平成29年4月27日、衆議院)

第百九十三回国会
衆議院 東日本大震災復興特別委員会における吉野復興大臣発言
(平成二十九年四月二十七日)

 昨日、復興大臣を拝命した吉野正芳です。
 東日本大震災復興特別委員会の開催に当たり、一言御挨拶を申し上げます。

 東日本大震災から、六年が経過し、「復興・創生期間」の二年目に入りました。
 安倍内閣では、これまでも、復興の加速化を内閣の最重要課題の一つとして位置付け、政府を挙げて、復旧・復興に取り組んでまいりました。
 その成果もあり、地震・津波被災地域では、生活に密着したインフラの復旧はほぼ終了し、住まいの再建や生業(なりわい)の再生も一歩ずつ着実に進展しております。
 また、福島においても、この春には、帰還困難区域を除くほとんどの地域で避難指示が解除されるなど、本格的な復興に向けた動きが始まっています。
 一方、避難者の数は、四十七万人から十二万人に減少しましたが、いまだ多くの方々が不自由な生活を余儀なくされております。被災者の方々一人ひとりの置かれた状況を踏まえ、被災者に寄り添い、きめ細やかに対応してまいります。

 次に具体的な取組について申し上げます。
 避難生活の長期化に伴う見守り、心身のケア、新しいコミュニティの形成の取組など、生活再建のステージに応じた切れ目ない支援を行ってまいります。
 また、生きがいを持って暮らしていただくための「心の復興」にも力を入れてまいります。

 ピークを迎えている住宅再建も、しっかりと進めてまいります。
 高台移転と災害公営住宅は、来春で九割が完成する見込みとなっております。
 被災地の方々に、一日でも早く、安心できる住まいに移っていただけるよう、全力で取り組んでまいります。

 産業・生業(なりわい)の再生を図るため、商業施設の整備、企業の新規立地、新規事業への進出や販路の開拓等の支援、併せて農林水産物をはじめとする風評被害の払しょくに向けた取組等に、より一層力を注いでまいります。
 さらに、被災地の人材確保対策にも取り組んでまいります。

 観光の振興については、更なるインバウンドの増大に向け、地域からの発案に基づいた取組や東北の魅力の発信強化等を継続的に実施するほか、交流人口の拡大に向けた官民連携での取組を強化してまいります。併せて、風評の影響を受けた福島県に特化した国内観光振興を支援してまいります。

 福島の復興・再生を加速させるため、教育、医療・介護などの生活環境の整備を一層推進します。また、「福島イノベーション・コースト構想」の推進や官民合同チームによる自立支援など、産業・生業(なりわい)の再生を図ってまいります。
 帰還困難区域については、たとえ長い年月を要するとしても、将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除し、復興・再生に責任を持って取り組むとの決意の下、可能なところから着実かつ段階的に復興を目指して取り組んでいくこととしています。このため、「特定復興再生拠点」の整備を図るための「福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案」を参議院で御審議いただいております。
 福島の復興・再生は中長期的対応が必要であり、引き続き、国が前面に立って、全力で取り組んでまいります。

 被災地の単なる原状復帰にとどまらず、「新しい東北」の創造に取り組んでまいります。
 さらに、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、被災地での競技開催、聖火リレーなど、「復興五輪」の取組も進めてまいります。

 私は、震災直後から、被災した者の一人として、被災者の声に真摯に耳を傾け、痛みや苦しみ、思いを共有し、復興に全力で努力してまいりました。
 改めて、復興大臣として、これまでの安倍内閣の方針に沿い、現場主義に徹して被災地の意見をよく伺い、被災者に寄り添いつつ、復興の司令塔としての機能をしっかり果たしながら、復興をさらに加速化させてまいります。
 鈴木委員長を始め、理事及び委員各位の御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。 
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