記者会見等
牧野復興大臣就任記者会見録[令和7年10月22日]
令和7年10月22日(水)16:05~16:30 於)復興庁記者会見室
1. 発言要旨
まず、復興につきましては、総理からの御指示に基づき、復興に向けた様々な課題について、まずは来年度から始まります第3期復興・創生期間で、諸問題について何としても解決をしていくという強い決意で被災地の復興に向けて全力を尽くしてまいります。
また、設置が今、準備されております防災庁につきましては、我が国の防災全体を俯瞰的に捉え、平時から徹底した事前防災、そして発災時から復旧・復興までの一貫した災害対応の司令塔の機能を有する防災庁を令和8年度中に設置すべく、復興庁が蓄積をしてきましたノウハウを生かしてまいります。
そして、国土強靱化につきましては、自然災害が激甚化、そして頻発化している中で、また、大規模災害の恐れが切迫する中で被害を最小限に抑制できるよう、インフラの老朽化対策を含め、国土強靱化に強力に取り組む必要があります。政府としましては、国土強靱化基本計画及び今年6月に閣議決定をいたしました第1次国土強靱化実施中期計画に基づく取組を進めていき、災害に屈しない強い国土づくりを着実に推進してまいりたいと考えております。
冒頭、私からは以上でございます。
2. 質疑応答
(答)私は2019年、7年前になりますけれども、国交省の副大臣と兼務でこの復興庁の副大臣を1年間務めさせていただきました。これから、とにかく政府全体の復興への司令塔であります復興大臣として、こうした経験を生かしていきたいと思っていますし、これから、来年の4月から始まります第3期復興・創生期間の中で、様々な今まで積み重ねてきたノウハウを生かしながら、まだまだ福島の県民の皆さんが復興は道半ばだと思っていらっしゃるいろいろな課題をとにかく丁寧に伺った上で、一つ一つそれを解決していただきたいというふうに思っております。
また、福島復興局については、これまでの、6月に閣議決定されました基本方針に沿いまして、双葉町に整備します新たな拠点に副局長というポストを新設要求しております。帰還者の目線でといいますか、気持ちに本当に沿えるように、そうした拠点を更に充実させていきたいと思っております。
(問)2点お伺いします。震災と原発事故から15年を迎える福島の課題、これについてどう把握されて、大臣として第3期復興・創生期間で特に何を成し遂げたいのかが1点です。
2点目が、帰還困難区域全域の避難指示を解除する方針を政府は将来的にということですが示しておりますが、現段階では実現に向けた時間軸を含め明確な道筋は示しておりません。地元民からも要望が根強いとは思うのですが、全域解除の道筋をどう具体化させるのか見解をお聞かせください。
(答)15年間、復興庁として本当に努力はしてきたつもりでおりますが、まだまだ福島の皆さん、とりわけお帰りになりたいというお気持ちがある皆さんの声に全部お応えできていません。ですので、特定帰還居住区域をとにかく優先的に除染、またインフラ整備をして、避難指示の解除に向けて全力で取り組んでいきたいと思います。今もやっておりますけれども、来年度から始まります第3期の復興・創生期間の中で、それを一日でも早く実現できるように頑張っていきたいというふうに思っております。
また、全てのエリアが、そうした解除が進んで帰還できるようにしていきたいというのはもちろん考えておりますけれども、順番というか、一つ一つ、とにかく何を優先的にやっていくかということを考えながら、これから進めていきたいというふうに思っております。
(問)復興の基本方針では福島への注力が方針として示されていますが、岩手と宮城の被災地に対して継続した課題もありまして、岩手復興局、宮城復興局がなくなることで大丈夫かなという声も地元にあるものですから、岩手、宮城の被災地にどう向き合われるかお考えを伺います。
(答)当然のことながら、まだ岩手、宮城の皆様方も、インフラの整備等が進んではきているとは思いますが、心のケア等、そういうソフト面の中長期的な対応というのはこれからもちゃんとやっていかなければいけないというふうに思っております。
また、復興局に代わってということになるかと思いますけれども、本庁機能として、こちらで今までの復興局と十分同じように対応できるようにしていかなければいけないし、また、現地へこれから行きますけれども、伺っているところによりますと、いろいろな各省庁に、宮城や岩手の県やそこの自治体の御要望でしょうけれども、いろいろな御要望があって、それを実現していくとか、つないでいきながらスピードアップを更にしていくには、こちらの本庁の機能を強化して、今までの局に代わる、そういう仕事をきちんと、更に厚みを増してやっていかなければいけないというふうに思っております。
(問)先ほど午前中に伊藤前大臣との引継ぎ儀式もありましたけれども、前大臣から、時間があったら福島に行って是非いろいろな人の声に耳を傾けてほしいという声もありました。復興庁はこれまで現場主義というのを掲げてきましたけれども、今後、避難指示が解除された浜通りなど、被災地にどういうスタンスで足を運んで今後の復興政策につなげたいか教えてください。また、明日、内堀知事と面会されるようですけれども、地元の県や市町のトップとのコミュニケーションを今後どのようにされていきたいか考えをお聞かせください。
(答)まず、今日一日は朝からずっと、こちらの省庁のほうでいろいろなレクを受けたり、また御挨拶を受けたりということで今日はこちらにおりますが、明日、まずは福島県の内堀知事に、夕方になりますけれどもお会いする予定でございます。
また、宮城県の村井知事や岩手県の達増知事にもお電話をして、その上で日程を合わせて、まずは各知事の皆さんとお会いして、これまでの15年弱ですけれども、それによって何を我々は達成することができて、これから何を我々に求めていらっしゃるのか、それを早く伺いたいと思っていますし、県だけではなくて各地域にもできるだけ時間を取って伺いたいと思っていますけれども、これから様々な国会日程もありますし、またいろいろな関係の恐らく公務もあるものですから、相手と調整しながら、なるべく頻繁に現地に足を運びたいというふうに思っております。
(問)復興庁から話題は変わりまして、防災庁の関係で伺いたいと思います。高市総理からの指示等があったのかもしれないのですが、前政権の石破政権の打ち出した方針を引き継ぐということと同時に、復興庁が蓄積してきた災害復興の経験やノウハウを防災庁設置準備に生かすというようなお話がありました。具体的にどういうことを生かせるというふうに考えていらっしゃいますでしょうか。
(答)まず、高市大臣からは、今おっしゃったみたいに復興庁のノウハウを防災庁設置準備に生かしてほしいというふうにお話を頂きました。復興大臣と、防災庁設置準備担当大臣と、国土強靱化担当大臣を兼務というのは、今回私が初めてみたいでございますので、共通点とすれば防災、また復興という観点は共通のところがあると思います。そういう中で、これまで当然、初期段階で避難から、そしてまた復興の道筋を15年間復興庁が担ってまいりましたので、そういう中で事前防災として今まで足りなかったものは何か、また避難生活、私もかつて事故の後に、当時我々は野党だったのですが、災害対策本部を自民党本部につくって、私は物資の支援本部の次長をやっていまして、1か月間、全国各地から頂いた救援物資をトラック協会の御厚意で送ったり、我々も現地に実際に行かせていただいたりした経験がありますので、そういう中で本当に避難生活を、当時と今では大分改善はされてきているとは思いますけれども、そういういざという時の、避難をされている皆さんに何をもっと供給すべきなのか、また、現在各地の災害の時にはいろいろなボランティアの方たちが活動されていますけれども、幾つか私は国交省の副大臣の時に現地に行きましたが、役所とそういう民間の皆さんと、うまく連携が取れればいいですが、なかなか難しいところもありますので、そういったことも含めて、これからいざという時に、災害が起きた時にどういう対応が一番ふさわしいのか、そういったことをこれから防災庁の設置の中で生かしていきたいと思っております。
(問)確認なのですが、復興のノウハウを防災庁に生かすということで、組織がこれから立ち上がっていく中で復興庁との統合というか、復興庁と組織的なところも含めての在り方の検討というのをしていく考えなのでしょうか。
(答)いや。まずは、今復興庁があるし、来年設置を目指している防災庁というのはイコールではありませんので、それぞれの、今は政策課題についてしっかり取り組んでいきたいと思います。その上で、お互い協力できることをまずは協力し合っていくということが大事ではないかと思っています。
(問)最後に1点。防災庁の地方拠点について伺います。前政権では設置に向けて検討を進めるということで進められていますが、こちらは大臣が代わられてもというか、政権が変わられても地方拠点の設置に向けては検討していくという考えでよろしいでしょうか。
(答)はい。これまで赤澤大臣が御苦労されて、まだ実は引継ぎはやっていないのですが、今、赤澤大臣も忙しいでしょうから、近々引継ぎをやるつもりでいますが。昨日もお話をしました。当然のことながら、これまで1年間かけて設置の準備をされてきて、その中で出てきている話でありますので、もちろんそれは検討は継続していかなければいけないと思っていますけれども、まずは本体の防災庁設置を最優先で考えた上で、その先にそうした拠点を私は整備していく必要があると思っています。
(問)大臣は国交副大臣兼任で復興副大臣の経験もあるというふうにおっしゃっておられましたが、これまでの議員としての生活を通じて、御自身にどのような強みがあって、それをどのように生かしていきたいのかというあたり、お願いします。
(答)地元の静岡新聞さんだから言うわけじゃないけど、静岡県も実は福島原発第一事故の被害というのは、あの時は風向きでお茶が大被害を受けて、3年間とにかく全く、静岡県は日本一の生産地でありながら本当に壊滅的な被害を受けましたけれども、あの時に、当時、自民党の国会議員は私ともう一人しかいなくて苦労しましたけれども、野党で。
結論からいくと、文部省の原子力災害の紛争審査会に風評被害の品目として入れていただいたし、シイタケもいまだにまだ風評被害が払拭されたわけではないものですから、林野庁の補助金をまだ継続していただいていますけれども。そういう、福島の皆さんからしてみればレベルが違う話だと思いますが、そういうことに関わらせていただいて、やはりそういう災害の被害というのは本当にいろいろなところに影響が出て、ある意味大きな傷痕を心の中にも残すし、そしてまた、なりわいとしてそれを再建していくというのは、被害を一回受けると大変だなというのは私も関係者というか、関わりがあった人間としてそういうことを経験しました。
ですので、もうそのレベルではない福島の皆さんにとってみると、まだ帰りたくても帰れない皆さんが、24,000人の方がまだ県外にいらっしゃるということでありますので、本当に何とかそういう皆さんのお気持ちを少しで和らげて、希望をつないでいくために努力をしていかなければいけないなというふうに思っているところです。
あとは福島のこと以外で言えば、私も2年弱、国交省の副大臣をやらせていただいて、当時、西日本の豪雨だったり、また大きな台風被害幾つもあって現地へ行きましたが、本当にそういう自然災害も含めて、災害の被災者の皆さんを、まずは命を守るということが一番大事ですけれども、その後の元の生活に戻るまでの本当に努力を、我々が少しでもそれを助けることができるということが私たちの役目だというふうに思っております。
(問)先ほどの防災庁の関連で、今、正に本体の設置を最優先でというようなお話をしていただいた中で大変恐縮なのですが、連立を組まれる維新の会が重要な政策項目として副首都構想を掲げております。その中で、副首都構想については災害時の首都機能のバックアップを機能の一つと位置づけているかと思うのですが、一方で防災庁の設置に向けた議論でも、業務継続性の観点を踏まえて地方拠点について検討を進めるというふうに今、なっていると承知しております。
これを踏まえて、バックアップ拠点の必要性であったり、副首都構想との整合性が今後、もしかしたら議論に挙がるのかなというふうに思うのですが、そのあたりの今の大臣のお考えを聞かせていただいてもよろしいでしょうか。
(答)まだ副首都構想という、自民と維新さんとの合意文書の中にはありますけれども、防災庁の設置に関して言えば、今全国からそういう誘致というのか、拠点を置いてくれという地方自治体、また県が相当数ありますので、それは最終的には精査した上でどこが一番いいのかということを決めていかなければいけないのだと思います。
もちろん、副首都と防災拠点が必ずしもイコールかどうかは私は今は分かりませんけれども、そういう要望が出てきた場合は、その中の一つとして考えていくことになるのだろうと思います。
(問)F-REIが主催するワールドロボットサミット、プレ大会経て今年本大会ということで、地元の南相馬のチームであったり海外のチームも入って、災害対策ロボットというのがここ数年でかなり加速しているかと思うのですが、今後の方針や課題などについてお考えがありましたらお聞かせいただけますでしょうか。
(答)F-REIは創造的復興の中核拠点というのを目指しております。その整備をこれからしていくのですが、今のところまだ更地だと思います。現地へ行っていないものですから見ていないですが。とにかく、いろいろな施設ができていきますけれども、順次供用開始を目指していきたいと思っています。
一番最初に、本部施設棟を造らなければいけないですから、これを一応3年をめどに何とか完成させたいなということをまず目指していきたいと思います。その上で、それぞれの各施設を順次供用できるように、なるべく整備を早めていきたいと思っています。
(問)国土強靱化のことでお話を伺いたいのですが、先ほど大臣がおっしゃられたように、実施中期計画が策定されて、新規の取組を求める声があるかと思うのですが、政権で検討されています経済対策も含めて今後、どのように取り組んでいくか教えてください。
(答)昨日、高市総理が総合経済対策の御指示をされました。その中には危機管理投資、成長投資による強い経済の実現ということが掲げられております。ですので、その中に当然、事前防災だったり、道路関連のインフラの保全、老朽化したそうしたインフラをとにかくもう一度整備し直すというようなことは当然入っていると思っております。
その経済対策ということで言えば、簡単に言えば補正予算をこの臨時国会に12月の初旬に提出するという、今、方向ですので、それに各省庁、この国土強靱化の実施中期計画、来年4月以降の5年間ですけれども、前倒しで各省庁に予算の交渉をしていただいて、それを内閣官房の国土強靱化の担当でまとめて最終的には示したいと思っておりますが、まずは各省庁に頑張っていただくということだと思います。
ありがとうございました。これからよろしくお願いします。
(以 上)
