1.発言要旨
冒頭発言なし
2.質疑応答
(問)被災地の語り部などの伝承活動について伺います。
先日改定された基本方針でも、教訓継承の取組は継続する必要があると明記をされていました。一方で、担い手となっている民間団体からは、活動継続を不安視する声であったり、公的な資金支援が不十分だという意見も聞かれます。国としての今後の支援の在り方について、お考えを伺えればと思います。
(答)東日本大震災の津波による惨禍を語り継ぎ、自然災害に対する危機意識、防災意識を醸成するため、持続可能な伝承活動が行われることは重要だと認識をしております。
復興庁では、語り部団体へのハンズオンの支援、そして語り部育成講座の開催、伝承団体や伝承プログラムを紹介するガイドブックの作成、復興大臣顕彰による震災伝承部門の新設などに取り組んでおります。
東日本大震災の教訓の継承の取組は、基本的に、今申しましたとおり、国、地方、公共団体、民間がそれぞれの役割を果たしながら連携をして進めることが重要と認識をいたしております。
私、昨日、一昨日と福島に行ってまいりました。それで最後に訪問したのが伝承館。そこで我々がずっと視察をさせていただいている間中、次々、小学校クラスだと思いますけれども、子供さんたちがどんどん入っては映像を見、話を聞き、また入ってはという姿を見せてもらっていました。これは非常にいいことだと思います。こういう使い方で世代を超えてこうしたことがつながっていくということがあれば、きっとこの伝承の場で更にまた新しいタイプの人たちにもつながっていくのではないかと思っています。これが一番大切なつながりをつくっていく、継続していくためにあってあるべき姿だと私も痛感したところです。
復興庁においても基本方針に沿って、被災地に寄り添いながら、持続可能な伝承活動の環境の整備に努めてまいりたいと思っておりますが、地元の人がこうしたことをよくやっていただいていることに感謝と敬意を併せて申し上げておきたいと思います。
(問)ありがとうございます。
(問)大臣の福島訪問について伺います。
先日、昨日、一昨日とサウジアラビアの大使を御案内されましたけれども、今後もこうした海外要人の方の御案内をされ、福島に訪問を働きかけていくのかということと、どのようなことを特にお伝えしたいのかという2点お伺いできればと思います。
(答)今回、サウジアラビアの駐日大使御自身から申入れがあり、私に対して福島を視察したいという言葉がありました。
それまでは、私、こうしたことを受けたこともありませんでしたし、あまり思いつかなかったんですけれども。そのサウジアラビアの大使が言われたことは何かというと、「これまでのように、石油もあるしガスも出ます。これを使ってエネルギーを、電力を供給していく、ということが普通のことではなくなっていくという時代に我々は遭遇している。そうなると何をやればいいのかという中で、原子力というものが目に入ったと。その原子力を使っていくのはいいんだけれども、時々事故が起こる。人のなせる業でもあるし、最近は自然災害ということもあります。そういうことに遭遇したときに、それに向けて復興ということをやっているのは、今となっては全世界ぐるっと見回しても福島県しかないんです。だから、そこに行きたい」と。こういうお申出をいただきました。
我々の側でも、そういう見方があるんだなと。スリーマイル島とかチェルノブイリとかありましたけど、1か所だけ比較検討に値する場所があるけれども、それは昔の話といって言われた場所、イギリスです。1957年に原子力発電所で火災があったんです。そのとき、このイギリスでも放射能のことについてのおそれから、一生懸命地域の皆さんがいろんな、当時は技術もなかったかもしれませんけれども、復興に向けて努力をされた。それ以来だということを言っておられました。
ということで、私はこのサウジアラビアの大使が非常にありがたい視点を持って一緒に行ってくれるんだったら、是非そうしたことについて考えを深めてもらい、更にまたサウジアラビアのような世界のエネルギー事情に非常に感度の高い活用をしておられる皆さんにも我々の福島の今を見ていただいて、それをまたアナウンスしてもらって、一緒にこの廃炉という極めて難しい技術、まだ我々にもその技術があると確認できるようなことにはなっていませんので、そうしたことを含めて一緒に協力することができないだろうか、新しいエネルギーを作っていくときに、一緒に協力はできないだろうかということを共に考え合う貴重な2日間になりました。
最初に我々がセットしたのは福島第一原発です。全て皆さんと同様、自分の身分証を出して、そして視察に入りました。現地の様子を見て、大変驚かれたと思います。しかし、それを見た後に、翌日、我々は水素ステーション、そこに連れていきました。この水素ステーションというのは、新しいエネルギーを作る大変貴重な機械であります。実は浪江の町はアメリカのカリフォルニア州の一つの市と、それからハワイ州の郡と一緒になって水素でエネルギーを作っていくということを共同でやろうということを既に何と、海外とやれと言われなくてもやっています。
そんなことを聞いてくれた駐日大使は、私たちも今、ブルーの水素をやっていると。だけど、これをグリーンにしたいと。是非、町の皆さんの活動に我々も入りたいな、そんなことを言ってくれました。
その後、F-REIに連れていきました。F-REIでは、これからの廃炉、こうしたことに向けての技術開発、これを多くの原子力に関わる勉強をしてきている人たちが寄って新しい技術を作り上げていこう、そうしたことも考えていかなきゃならないよねということで、建設現場に連れていきましたけれども、ここには非常に興味があると言って帰られました。
次の時代に向けて創造的な復興ということをしっかりとやり遂げていくためには、日本の国だけでは済まないことなんだ。その中で共に力を合わせられる人たちがどこかにいるとすれば、そのチャンスに向けて全力で取り組んでいく、これをこの2日間、私はサウジアラビアの方とやらせていただいた次第です。
非常に意義のある視察を両者ともにやることができてよかったなと、福島県知事にも大変喜んでいただきました。終わった後、2人で会見もやらせていただきましたが、何度もその駐日大使に質問される方もおられましたが、終わってみて非常にいい発信をすることができたよねということを確認して終えさせていただきました。
ですから、私どもは、もしそうしたことについて手を挙げて考えたいということがあれば、もちろん現地の視察もしていただきたいと思いますけれども、もっとそうしたことを思っていただく皆さんが、御自身でもそうした動きをしていただければありがたいなと思う次第です。
いずれにしても、復興ということが一つの大きなこの時代に与えた課題ですので、これを解決していくために、また頑張っていかなければならないかなということを申し添えて、私からの報告とさせていただきます。
(以 上)
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