1.発言要旨
明日6月14日に大阪・関西万博の会場において、「東北絆まつり」が開催されます。国会等諸般の状況が許せば、私も出席をしたいと考えております。
復興ということについて何よりも重要なことは、被災地に、東北に足を運んでいただくことだと何度もこの場でもお話をさせていただいております。先日、大阪・関西万博の復興庁の「テーマウィーク」の展示がございましたが、そこでは何と数日で約5万人の方々が足を運んでいただいたと数値で出ております。
東北絆まつりも、万博を訪れた多くの方々に、その目に入っていただいて、そして東北に興味を持っていただけるとなれば、是非、この祭りに行ったことをきっかけに、例えば「ホープツーリズム」のような、ああした旅行で東北にこの夏、行っていただければありがたいかなと思います。
仙台の七夕まつりは、今度、8月6日から8日でしょうか。これも事前に見ていただくことになりますので、本物はどんなところなんだろうと見に行っていただければありがたいのかなということで、私としてはこの絆まつりをしっかり皆さんが発信していただけるようにしてもらいたいと思い、激励をさせていただきに参ろうと思っております。
詳細なことは、事務方のほうにお問合せをいただければと思います。
2.質疑応答
(問)福島県の特定帰還居住区域について、双葉町が2026年度内に一部地域で避難指示解除を目指す方針を示しました。大臣の受け止めと、復興庁として今後どのように対応していくか、お考えをお願いします。
(答)報道につきましては承知をしております。地元の思いを踏まえて早期に避難指示解除ができるよう、関係機関と連携をして特定帰還居住区域の除染ですとかインフラ整備等をしっかりと進めてまいりたいと考えております。
避難指示解除等の具体的な時期については、除染やインフラ整備等の状況も踏まえて、今後、双葉町とも十分調整をしてまいりたいと考えております。
決して手をこまねいているわけではありません。私どもは、しっかりと期待に応えられるように努力をしてまいりますので、今後の様子を見ておいていただければありがたいなと思います。
(問)この後、復興推進委員会が開かれますが、今回示される新たな復興基本方針案の中で大臣として特に力を入れていく点があれば、お願いします。
(答)本日開催される第47回復興推進委員会においては、復興推進委員会の下で開催されてきた総括ワーキンググループや被災3県から報告をいただくほか、復興の基本方針案について復興庁より説明をするものと承知をしております。
基本方針案においては、原子力災害被災地域に関しまして、事故の収束、環境再生に向けた取組、帰還・移住の促進、生活の再建、交流・関係人口の拡大、観光の振興、F-REIの取組の推進、福島イノベーション・コースト構想を軸とした産業の集積、農林水産業の再建、風評払拭とともにリスクコミュニケーションの推進などを盛り込んでいるところでございます。
また、地震・津波被災地域における心のケア等の中長期的な課題に政府全体の施策を活用することのほか、復興を支える仕組みなどを盛り込んでおります。これらはいずれも重要な課題と考えておりまして、この後、御審議をいただけるものと承知をしております。
復興推進委員会は、インターネットでライブ配信されることとなっておりますので、御関心があれば視聴していただければと思います。
会議の詳細につきましては、後ほど事務方にお尋ねをいただければと思います。
(問)ありがとうございます。
(問)震災遺構について伺います。
先日開かれた自民党復興加速化本部の中で、各地の震災遺構のメンテナンスで問題が生じているので工夫をしてほしいといった意見がありました。この点について、大臣の受け止めと御所感を聞かせてください。
(答)東日本大震災の記憶と教訓を後世に継承するために、震災の遺構は重要な役割を果たしていると認識をしております。
復興庁においては、劣化防止費用を含めた震災遺構の保存のために必要な初期費用について、市町村において維持管理費を含めた適切な費用負担の在り方、住民の皆さんとの合意が確認されるものに対して、令和2年度まで復興交付金により支援をさせていただいてまいりました。
今年の2月には震災遺構「旧女川交番」を訪問させていただきましたときに、その際、須田町長から、あえて時間とともに劣化していく姿を容認する「見守り保存」という手法を用いているというお話も伺ったところであります。
また、岩手県の宮古市の震災遺構「たろう観光ホテル」では、修繕工事にふるさと納税を活用するなど、寄附金や入館料、民間活力を活用している事例もあると承知をしております。
困られている方がおるという話でございましたが、工夫をして、その後の活用、在り方をよく考えていただいている方々がたくさんおられることに、むしろ復興庁としては心強い思いであります。
決して風化をさせるつもりはありません。しかし、こうしたことがあるということを知っていただきたいと思います。
復興庁としても、これらの事例の紹介を行うとともに、自治体からの相談には丁寧に対応してまいりたいと考えております。
(問)今の遺構の話で追加で伺いたいんですけれども、東日本大震災は面積の範囲が広いので遺構も各地にいろいろあって、管理する自治体とかも様々な考え方でやっていらっしゃるので、今、大臣がおっしゃったように、それぞれの考え方で保存をしていったりしているわけですけれども。そうすると、15年、20年たっていくうちに、管理のタイプが違えば、残り方も様々になってくると思うんですけれども。そうすると、風化させないということに関して、残り方の濃淡をつけていくと、遺構の残り方の違いで震災の教訓の残り方もまた地域によって違ってきてしまうような気もするんですけれども。大臣としては、この先、15年、20年、更に先を見据えて、どういう残し方が全般として望ましいと考えていらっしゃるかというのは、お考えはあるでしょうか。
(答)大変いいポイントをついていただいたと思います。確かに建物、そうしたものについては、今、二つ言いましたけれども、一つは崩れていくさまを見るということですよね。もう一つは、入ってくるお金で何とかするということですよね。でも、そこにもう一つ大事なことは何かというと、「人」です。そこに住んでいる人たち、世代を通じて生きていく人たち、この人たちの目の前にあることを忘れないようにしようとする、そういう叫びかけるお互いの呼びかけ合い、こうしたことが続いていくか続いていかないかというのは、別途、学校の教育の現場ですとか様々な方法が想定されると思うんです。
今後においては、そうしたことを語り継ぐということがとても大切なことになりますので、そうしたことについても含めて、また残していくということをテーマにどう残していくのかということは、ただ物が厳然と残っているのではなくて、人の心に刻まれたものがどのように次に渡されていくかということを思いながら手だてを加えていけるように考えていきたいものだと、私はそう考えています。
(問)ありがとうございます。
(以 上)
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