男女共同参画の視点からの復興~参考事例集~
男女共同参画の視点からの復興
「東日本大震災からの復興の基本方針」の基本的な考え方では、「復興のあらゆる場・組織に女性の参画を促進する」「子ども・障害者等あらゆる人が住みやすい共生社会を実現する」としており、多様な生き方を尊重し、全ての人が参加する場合を活躍できる男女共同参画社会の実現に向け、復興に当たっても、男女共同参画の視点が必要です。復興庁男女共同参画班では、自治体や各地で活躍する方々の参考となるよう、まちづくり、仕事づくり、健康づくりなどの分野に関し、女性が活躍している事例や被災地の女性を支援している事例等を収集しています。今後も、引き続き事例を収集し、公表していく予定です。
分野、視点、県、段階の4つの項目で絞り込むことができます。
分野別 概要
まちづくり
東日本大震災では、多くのものが一瞬のうちに失われる甚大な被害に見舞われました。とりわけ沿岸部では津波により多くの尊い人命はもちろんのこと、住み慣れた街から家屋や学校、商業施設や就業先が失われ、生活に欠かせない水道、電気、公共交通機関等インフラ、また一部行政までもがその機能を停止しました。壊滅状態の中、国や自治体はもちろんのこと中間支援団体やNPO等民間組織、ボランティアの協力を得ながら、被災地における復興のための新たなまちづくりが開始されました。それは、単に震災前の状態に戻すことではなく、安全性や機能性、男女共同参画等あらゆる視点に配慮されたものであることが念頭に置かれました。被災者の暮らしが避難所から仮設住宅、そして災害復興住宅等へと徐々に移行していく中で、多くの人たちが知恵を絞り試行錯誤を繰り返しながらも着実にその歩みを進めてきました。新たなまちづくりの過程において、関係者のみならず年齢、性別問わずあらゆる世代の住民が議論に参加する自治体も見られました。甚大な震災の被害を教訓として、誰もが住みやすい新たなまちづくりとともに自助、共助が可能となる、より良いコミュニティを形成する取組がなされてきました。
健康づくり
東日本大震災の被災地ではあたりまえにあった日常が突然奪われたことにより、過剰なストレスや不安を抱え、心身の不調を訴える人が多く見られました。また、仮設住宅での生活の長期化や災害公営住宅、避難等による孤立やひきこもりの問題も見られるようになりました。そうした中、医師や助産師、民間支援団体や大学等が、被災者の抱える個々の事情に寄り添った専門性の高い支援に乗り出しました。健康診断や女性外来診察室、茶話会や健康カフェ等コミュニティサロンの開催、個別相談窓口を設ける等して、被災者の健康上の不安や悩みの軽減・解消に尽力しました。そうした働きかけの中で、仮設住宅単位で農園を開設し、畑仕事により生きがいを創出することで心身の健康促進を図ったり、妊産婦に対して助産師による妊娠初期から産後までのきめ細やかなケアを行う為の施設が開設されたり、専門家の被災者へのヒアリング・分析を基に生活環境の整備がなされたりと、きめ細やかな支援がさまざまに行われました。
居場所づくり
東日本大震災の被災により多くの人々が住み慣れた生活環境を奪われ居場所を失いました。そうした中、自治体や民間支援団体等が個々の事情に即した支援に乗り出しました。避難所や災害公営住宅での不慣れな生活を強いられ孤独や不安を抱える被災者に向けて、さまざまな取組みがなされました。女性や高齢者が、手仕事を製品化し販売することで生活に活気を取り戻したり、遊び場を失った子どもたちが、子ども向けのジムが開設されたことにより運動不足やストレスを解消したり、ひとり親家庭となった親や子に、グリーフケアを行うことで不安感や孤立感の軽減に繋がったり、これらきめ細やかで精力的な支援により、新たな居場所がつくられていきました。支援団体を通じて生活支援相談員が配置され、被災者の日常生活を継続的に支援する動きも見られました。自治体によっては、被災者自身を生活支援相談員に雇用し、仮設住宅の入居者の見守りや相談支援にあたってもらうことで雇用確保に繋げた例もありました。官民が連携して被災者を支援する仕組みが、こうして整っていきました。
仕事づくり
東日本大震災の被災地では、これまでの生活環境が破壊されたことにより、働く場所を突然失ったり、働く必要がありながら思うような仕事に就くことができずにいる被災者が多く見られました。女性の雇用の場であった水産加工業が壊滅的な打撃を受け、女性の働く場がほとんどないような地域もありました。また、家庭において子育てや介護等ケア的役割を担わざるをえないことにより、働きたくても時間の融通をつけられないジレンマを抱える女性も多くいました。そうした中、状況改善に向け、民間団体や企業等によるさまざまな就業支援が行われました。事務系の仕事に就くためのパソコンスキルや、得意な手仕事の商品化のためのスキル向上を目標にした講習が開催され、テレワークを活用した在宅就労を促進する取組等もなされたことで、子育て中の主婦や未就職の若者に向けた新たな雇用の機会が創出されました。地域ならではの特産品を製品化することで、地域産業の活性化につなげる動きも多く見られました。また、厳しい雇用情勢を逆手にとって地元の女性を雇用し、被災者の為の買い物代行や安否確認のサービスを提供する団体もあり、仕事に就いたことでやりがいや気力を取り戻し、後々自身で起業する女性も出てきました。行政による新たな企業誘致や、地域産業を持続的な成長に繋げる環境整備等未来を見据えた取組みも進められました。
人材育成
東日本大震災の被災地における女性や子ども、障害者等が経験した困難には、これまで配慮されることなく過ぎてきた事柄が課題となって表れたものもありました。それらの経験から、今後いつ起こるかもしれない災害時に役立てられるようにと自治体や民間団体等官民が連携し、多様性に配慮した体制づくりに乗り出しました。男女共同参画の視点を取り入れながら、女性が様々な不便を抱えることのない避難所運営等が盛り込まれたカリキュラムを基にした研修や、障害者や慢性疾患を抱えた患者等が置かれた状況に配慮し、実際に被災地で起こった場面を描いた教材をもとに話し合うワークショップが開催され、参加者が理解を深め共有する場が設けられました。県や市町村では男女共同参画担当職員に留まらず防災やまちづくりの担当職員にも男女共同参画や多様性配慮の視点で復興や今後の災害に備える研修が行われたり、民間団体では被災地の女性と首都圏などで活動している女性たちをつないで課題を解決するプロジェクトが実施されたりする等、人材育成の動きが着実に広がっていきました。
情報発信
被災地においては、情報発信が大きな役割を担いました。生活環境やインフラが大きな打撃を受けたことで人々はさまざまな不便を強いられ不安や孤独が増す中、被災地の復興に関するきめ細やかな情報発信がもたらされることで、人々が抱える不安やストレスの軽減や解消に繋がりました。東日本大震災の被災地でなされた、情報発信のための様々な取組みとして、民間企業や財団の資金提供によりラジオのエフエム局が臨時開設され、被災女性パーソナリティが地域の住民に役立つ情報を発信した例や、災害多言語支援センターを開設して外国籍市民のための多言語による震災支援を実施した例、ホームページの利用やサロン等の体験を通して視覚聴覚障害者や家族が必要な災害情報等を得られる環境を整えた例等があります。東日本大震災の発生により、あらゆる視点に配慮する必要性が浮き彫りとなり、障害者や高齢者、子育て中の母親等に分かりやすい情報発信がなされるようになっていきました。
統合版
男女共同参画の視点からの復興~参考事例集~(全体統合版)[令和8年2月4日]
追加分ごとの分割版
分割版の各事例は、掲載当時の書式を維持しています。最新の情報(現団体名や連絡・問い合わせ先等)については、統合版をご参照ください。
第27版以降の事例は表紙と目次がありません。全体統合版を参照願います。
- 第29版[令和8年2月4日]事例123、124
- 第28版[令和6年8月2日]事例121、122
- 第27版[令和5年7月13日]事例120
- 第26版[令和4年10月26日]
- 第25版[令和4年1月14日]
- 第24版[令和3年11月26日]
- 第23版[令和3年4月21日]
- 第22版[令和2年12月11日]
- 第21版[令和2年8月末]
- 第20版[令和2年3月末]
- 第19版[平成30年10月末]
- 第18版[平成30年9月末]
- 第17版[平成30年8月末]
- 第16版[平成30年8月9日]
- 第15版[平成30年7月13日]
- 第14版[平成29年8月14日]
- 第13版[平成29年5月末]
- 第12版[平成29年2月末]
- 第11版[平成28年12月末]
- 第10版[平成28年3月末]
- 第9版[平成27年9月末]
- 第8版[平成27年3月末]
- 第7版[平成26年9月末]
- 第6版[平成26年5月23日]
- 第5版[平成26年2月20日]
- 第4版[平成25年10月25日]
- 第3版[平成25年6月26日]
- 第2版[平成25年3月27日]
- 第1版[平成24年11月5日]
English Version
