記者会見等
牧野復興大臣記者会見録[令和7年10月31日]
令和7年10月31日(金)10:08~10:22 於)復興庁記者会見室
1. 発言要旨
意見交換の中で両県知事からは、それぞれの復興に関わる提案、また要望をいただきましたけれども、いずれも心のケア等のソフト面の課題について、引き続き中長期的な取組が求められているということを伺いました。
私からは、両県知事に対して、これまで同様に現場主義を徹底して、被災地の状況を受け止めながらしっかり復興に取り組んでまいりたいとお伝えしました。
加えて、村井知事からは、防災庁設置の準備担当大臣として、仙台市等から防災庁の地方拠点の設置の御要望もあるということを伺いました。御要望をしっかり受け止めまして、引き続き防災庁設置に関する具体的な検討を進めてまいります。
また、29日と30日に福島県を、両県知事にお会いした後に訪問しまして、大熊町、富岡町、浪江町の各町長に御挨拶をするとともに、復興の現場も視察をいたしました。
各町長さんとの意見交換におきましては、中長期的な対応ときめ細やかな支援、そして第3期の復興・創生期間におけます国の継続的な取組と財源の確保、さらに、特定帰還居住区域の避難指示解除等について様々な御要望もいただきました。
視察につきましては、29日に大熊町の帰還困難区域を訪問いたしました。この中には町長さんの御自宅も入っておりますが、いまだに住民が帰還できずに荒れ果てている様子を拝見いたしまして、避難指示解除に向けた取組を進めていくことの重要性を改めて認識したところでございます。
また、30日は、双葉町を視察した後に中間貯蔵施設とF-REIを視察いたしました。
中間貯蔵施設におきましては、除去土壌の保管、また道路の盛土として利用する実証事業が安全に行われていることを確認いたしました。引き続き、除去土壌の県外最終処分の実現に向けた取組を環境省と一緒にしっかり取り組んでいきたいと思っています。
F-REIにおきましては、山崎理事長と意見交換をさせていただき、今、工事をやっておりましたけれども、施設の予定地を視察いたしました。
今回の訪問を終えまして、それぞれの復興の状況に応じたきめ細やかな対応が重要であると強く感じた次第でございます。今後も12の市町村のうち残るまちを訪問させていただいて、それぞれの首長さんと意見交換をさせていただきながら被災地の実情をしっかり把握してまいりたいと思っております。
2. 質疑応答
(答)お二人の知事ともに復興局の移転については、不安という声はありませんでした。ただ、今までやってきたことを来年の4月以降も引き続きしっかりやってほしいという強い要望がございましたので、移転はしますけれども、本庁から両県にも頻繁に職員が行くことになるとお答えをして、ソフトのいろんな事業については、これからも引き続きしっかり取り組んでいくとともに、両県ともに例えで言えば水産の振興等が産業として強く、これからもそういうことをしていかなければいけないというお気持ちはよく分かりましたので、そういう水産庁を含めて農水省等の橋渡し役をしっかりさせていただきたいということもこちらから述べさせていただきました。
4月以降について、政府の中の各省庁のいろんな政策の中で、両県の支援というのが重要になってくると思いますので、そうしたことを復興庁としてきちんと御要望に沿えるように各省庁に働きかけていきたいと思っております。
(問)防災庁の地方拠点について伺います。
昨日、宮城県の村井知事から県内の設置の要望があったと冒頭大臣からも御説明いただきました。石破前首相は、今年7月の参院選の遊説で仙台市を訪れた際に、仙台市、宮城県に拠点を設けたいというような、演説の中ですけれども、意向をお示しされておりました。改めてですけれども、東日本大震災の被災地でもある宮城県の県内に地方拠点を設置することについて、大臣の考え、御所感を伺います。
(答)先ほども述べましたけれども、全国から拠点の設置をお求めになる声というのも既にいっぱい来ていますけれども、これは何回も申し上げておりますが、防災庁をとにかく設置することをまず今取り組んでおりますので、その中で人員確保とか、予算の確保とか、一番大事なのは、来年の通常国会に設置のための関連法案を出しますので、その法律を国会で通していただいて、その上で設置が決まれば、その準備を加速していくというつもりでおります。その上で拠点をどこにするかというのを決めなければいけないと思っておりますが、これからだと思っておりますが、当然、さっき申し上げたみたいに宮城県からもそういう御要望というか強いお気持ちはいただきましたので、受け止めましたので、いろいろなところから要望が出ている中で、その一つとして、その後の検討の中には入っていくとは思いますが、今の段階ではどこがふさわしいとか、どこにつくるということは、まだ現時点では言える段階ではないと思っております。
(問)関連でお伺いしますけれども、今後、大臣がおっしゃっていたように、今回の防災庁設置を最優先で考える旨、おっしゃられていると思うんですけれども、地方拠点は本庁の設置と同じタイミングでの整備を目指すのか、それとも本庁が設置された後に、いろんな地方の要望を踏まえ、場所を検討されるのか、その辺、もし現状で決まっていることがあれば、教えてください。
(答)現状ではまだ決まっていることはありませんけれども、普通考えていけば、まずは防災庁、本庁設置を最優先で取り組んでいかなければいけないと思っていますので、それも含めてでありますけれども、時期的に同時になるのか、防災庁を設置した後になるのかというのは、それも現時点ではどちらだということも申し上げることはできませんけれども、普通考えれば、少し時期はずれていくのかなと思っておりますけれども、これも今の時点ではどちらかということをはっきり断言することはできないと思っております。
(問)被災地訪問の関連でお尋ねしたかったんですけれども、今回、被災地として福島は浜通りに行かれて、あと岩手、宮城も行かれたということで、それぞれの地域の復興への課題を確認したということなんですけれども、大臣、実際に訪れてみて、3県のよさという部分で感じたものがあるかどうかというのと、今後の復興に向けて大臣としてどんなことをPRしていきたいか、お願いします。
(答)宮城、岩手につきましては、それぞれの知事からも感謝されたといいますか、これは復興庁だけじゃなくて、政府全体で取り組んできたいろんなインフラ整備だとか、あと高台移転だとか、そうしたものを含めて非常に復興が進んできたというのはお話ししていただきました。
しかし、福島県について申し上げれば、行ったそれぞれの、町長さんと会ったのは3つの町でありますけれども、避難指示解除の時期が全く一緒というわけではなくて、それぞれ時期がずれていることもあるし、また同じ町の中でも、避難指示解除が進んだ地域もあれば、まだ帰還困難区域になっているところもあって、それぞれの町や地域によって事情は異なっていると感じました。
ですので、これからその町ごとのまた要望というか、もちろん皆さん、早く帰還困難地域の解除を求めていらっしゃいますけれども、それだけではなくて町ごとに未来に向かっての産業の育成についてもそれぞれ違うところがあると思いますので、そうしたニーズに個別に、また細かく対応していかなければいけないというお話をして感じたところでございます。
(以 上)
