記者会見等
伊藤復興大臣退任記者会見録[令和7年10月21日]
令和7年10月21日(火)10:00~10:20 於)復興庁記者会見室
1. 発言要旨
昨年10月1日の就任に際して、石破総理からは「福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なし」との強い決意の下に、被災地に寄り添いながら、各省庁の縦割りを排し、現場主義に徹したきめの細かい対応によって福島の本格的な復興・再生、東北復興の総仕上げに国が前面に立って取り組む、このように御指示を頂きました。
この指示を踏まえ、在任中にはできる限り被災地を訪問し、被災3県の市町村の首長の方々、現地で活躍されている皆さん、多くの方々とお話しをさせていただき、復興の現状を把握するとともに、打つべき手を考えながら一つ一つ丁寧に取り組んでまいった次第でございます。
この間、第3期復興・創生期間までの復興基本方針の決定、世界に冠たる創造的復興の中核拠点を目指すF-REIの敷地造成工事の着手、大阪・関西万博における復興庁の展示、除去土壌等の県外最終処分の実現に向けた復興再生土の利用の推進、そして、復興に向けた課題の情報発信に関する施策のパッケージの取りまとめなど、様々な取組を全力で進めてきたところであります。
新大臣の下でもこれまでの取組を一層推進していただき、復興を更に前に進められることを期待しています。今後とも復興庁が責任貫徹の思いで現場主義を徹底していただき、福島をはじめ岩手、宮城の被災地の方々にも寄り添いながら課題に向き合い、復興を加速させていくことを切に願うとともに、私自身も一政治家としてしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。
報道関係者の皆様におかれましても、在任中大変お世話になり誠にありがとうございました。心から感謝を申し上げます。
2. 質疑応答
(答)まず、岩手県、そして宮城県、ここにも、発災の時は津波の被害が本当にひどいものであって、大勢の方が亡くなりました。この現実は拭うことのできない、それぞれの被災地の大変深い彫り込みになってしまっています。
ですから、この復興庁の大臣をやられる方々は、是非、そうした皆さんがいるということを忘れず、折に触れ盛岡ですとか、あるいは気仙沼ですとか被災地に、釜石にも行っていただくということをしていただければありがたいなと。そして、たまには海を見る風情の所で手を合わせて頭を下げるということをしてもらうことでみんなが救われていく、そしてもっといい方向に目が向ける、そういうことを心得てやっていただきたいなと。
そして、福島ですけれども、やはり、これはとても、まだまだやっていかなければならないことが残っています。我々はおかげさまで、中間貯蔵施設に置いてある除染した土壌を復興再生土として、まず官邸で、そして各役所において利用させていただく花壇等をやらせていただきましたが、そんなことをさせていただいたとしても残っている量は本当に多いものだと、これは僕も忘れられません。
とにかくこのことに、私の人生の中ではすごく、スタートから今もなお、そしてこれからも責任を持って取り組んでいかなければならない課題だなということを思っていますが、特に復興再生土の利用を強力にやっていかなければいけないことは、やはり法律に基づいて2045年までに福島県外での最終処分を実現するという約束を福島県民の皆さんとさせていただいているわけですから、そこに我々がしっかり結果をつくり上げていくということを、私も一生懸命今後も御支援を申し上げることで、福島県の内堀知事から、こうした前政権時代の進捗というものを心に置き、またベースにしながら、福島の復興に真剣に向き合って前進させていただくことを期待しているというお言葉を頂いております。
やはり、こうした福島県を代表した内堀知事の思いをしっかり我々も受け止めて、東日本大震災の復興に残ることに全力で取り組んで、ただ復興だけではなくて、新しい、豊かな、安心して暮らせる安全な福島県、そして東北3県をつくり上げていけるように、みんなが努力をしていきたいというふうに思います。そのうちの一人に自分はなったということだと思いますので、またマスコミの皆さんもよろしくお願いをしたいと思います。以上です。
(問)冒頭の発言でも、この1年間の大臣としての振り返りがありましたし、今後の期待ということで推進してほしいというお話が大臣のほうからもありました。次の大臣に具体的に施策としてどのような取組を期待するか、また、どういう思いを持ってほしいかというところをお聞かせいただければと思います。
(答)今、もう私はあなたの質問には全部答えてしまっているので、あえて縛るつもりはありません。その大臣はその大臣の気持ちで、とにかくこの復興庁が皆さんと一緒に、抱えている課題を解決する、実行するということを身をもってやっていただければ一番ありがたいです。それさえしてもらえれば。
なにせ、我々の復興庁という役所は優秀な職員に囲まれています。この優秀な職員さん一人一人がまた努力をしてくれるはずだと思います。そうした人たちと現地、現場の福島県、宮城県、岩手県の皆さんと一緒になって、本当に復興したね、そう言い合えるような時を是非迎えていただくように、一歩一歩、一歩一歩進めてくれればありがたいと思います。以上です。
(問)1問目の質問にちょっと重なる部分があるのですが、第2期復興期間の終了に伴って福島に注力していくと。岩手などで見ますと、例えば今まで補助事業としてできていた事業が、やはりこの期間終了に伴って実施をできなくなるなどというような、民間を含めてですけれどもそういった活動があります。退任に当たって今後、第2期復興・創生期間以降の岩手、宮城、福島もそうだと思うのですが、復興庁としての支援の在り方はどういうふうなものがあるべきと、被災地の方への支援はどのようなものがあるべきというところをもう一度メッセージとしていただけないでしょうか。
(答)これは、是非、岩手県の皆さんにも、達増さんをはじめとする皆さんもきっとそう思っておられるだろうと思うことを申し上げますが、その前に、我々は岩手県でも起こっている様々な、特に何といっても津波被害なのですが、それによる、幼い人からいい大人の皆さんまで、やはり心のケアということはすごく大切なことだと思います。
だから、そうしたことに対して今度は、やはり、ここからが大事なところなのですけれども、「自立」をしていこう、自分の足で立とう、そういう時をやはり迎えてもらいたい。手を尽くしてあげたいのです。しかし、もう大丈夫だと、我々もそう言ってもらいたいし、きっとそう言いたいのだと思うのです。それが新しい時代につながっていくということを是非考えながらお互い助け合っていく、これが大事だと思うのです。
決して見放すようなことを言っているわけではありません。じっと見ています。本当に困った時は、すぐ飛んでまいります。でも、それがいつか、「自立」が復興という現場でも起こっていってほしいと僕は思っています。それを岩手県でも今後、目指してやっていければいいのではないかと思います。どうでしょう。
(問)確認なのですが、自立という言葉の意味をもう少し教えていただければと思うのですが。例えば団体であるとか、自治体であるとかが、それぞれが一般施策として被災者の方の心のケアというものに当たってほしいというような意味合いでの言葉なのでしょうか。
(答)それもあります。やり方にはいろいろありますからね。現実の現場をよくお互いに見つめ合いながら、ああ、もう自分で立てるようになったよね、じゃあ次は何をしようか。だからF-REIの着工のようなことをするんです。そして、新しい時代に向けて子供たちがすくすく成長していく過程の中で、今後、我々の国がどんな世界になっていくのかということを、様々な体験に基づいて、更に私たちの国にとって大切な課題を自分たちで背負って歩いていけるような大人になってもらいたい。それは絶対にできることだと思います。
だからこそ、岩手県民の皆さんのそうした向き合いを頑張っていただければありがたいなというふうに思います。支援をしっかりさせていただけるようにしていきたいと私は思っております。
(以 上)
