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土屋復興大臣記者会見録[令和6年3月8日]

令和6年3月8日(金)08:52~09:14 於)復興庁記者会見室

1.発言要旨

 おはようございます。

 1点目、一昨日、五百旗頭 真様がお亡くなりになられました。五百旗頭様は震災直後の平成23年4月から、「東日本大震災復興構想会議」の議長を務められ、政府の復興基本方針の策定につながる重要な提言を取りまとめいただくなど、多大な御尽力をいただきました。五百旗頭様のこれまでの復興に関わる御功績に改めて敬意を表するとともに、心から御冥福をお祈りいたします。

 2点目、中止となった石川県訪問でございますが、日程調整が整いまして、諸般の事情が許せば、明日、石川県を視察する予定でございます。まず七尾市で地震や液状化の被害、現地での支援活動の状況を視察いたします。その後、県庁において現地対策本部への激励を行います。復興庁としましては、令和6年能登半島地震に関し、復興庁が効果的に知見を提供できるよう取り組んでまいります。

 3点目、間もなく東日本大震災の発災から13年が経過します。改めて震災により犠牲になられた方々に心より哀悼の意を表するとともに、被災された全ての方々にお見舞いを申し上げます。

 先般発表いたしましたとおり、被災自治体の御意向等を踏まえて、週明け11日、私は宮城県庁で献花・黙禱した後、岩手県盛岡市で開催される岩手県主催の追悼式に参列する予定です。また、高木副大臣が石巻市、平木副大臣が福島県の開催する追悼式にそれぞれ参加する予定でございます。

 復興大臣就任以降、被災地を頻繁に訪問し、多くの方と復興の現状についてお話をする中で、被災地の方々の御努力や関係者の御尽力により復興は着実に進んでいる一方、地域によって進捗は様々であり、状況に応じた対応が必要であると感じています。引き続き、復興の司令塔として現場主義を徹底し、被災者に寄り添いながら、東北の復興なくして日本の再生なしとの強い決意の下、一日も早い東日本大震災からの復興に全力で取り組んでまいります。

 4点目、来週3月12日、福島県の磐梯熱海温泉の「ホテル華の湯」において本年度復興庁情報発信事業、「福島を味わう 食文化の結びPROJECT in 福島」の特製弁当の記者発表会を開催します。特製弁当の記者発表会では、先月開発した懐石メニューを基に、日本料理アカデミー所属の著名料理人と、福島県内で活躍する料理人や販売者の皆様と考案した、福島県産食材の魅力を詰め込んだ特製弁当をお披露目します。

 また、先月のオリジナル懐石の発表イベントや今回の特製弁当考案の交流により、福島県内のホテル、料理店、弁当製造会社による3種類の特製弁当が生まれました。これらの特製弁当も当日発表いたします。

 以上でございます。

 

2.質疑応答

(問)冒頭発言にありました五百旗頭さんの訃報についてですが、復興構造会議議長を務めて貴重な提言を提示されたという功績があるかと思います。改めまして震災13年を前にというタイミングがありますので、どのように功績を評していらっしゃるかお聞かせいただければと思うんですけれども。

(答)私の感想でよいでしょうか。五百旗頭先生が在任中、計13回会議を開催していただいた、その時に非常に重要な基本的な復興への提言をしていただいたと私は認識しているところでございます。この提言を踏まえて、政府として大震災からの復興の基本方針を進めてきたわけでございまして、非常に大きな功績が残されたと思っております。

(問)一昨日なんですが、自民党の加速化本部のほうから総理に提言があったと思います。一つはやはり除染土の最終処分というところについて、なかなか道筋が見えていないのではないかという中で、今後の最終処分の具体的な方針であったりとか、あるいは工程を速やかに明示すると、更に政府一体となって取り組むようにということが提言されていると思います。それを受けて、政府の方針はこれからだと思いますが、提言に対してどのように捉えておられるのか、現時点での政府の対処方針について伺えればと思っております。よろしくお願いします。

(答)これについては大変重要な課題だと思っております。除去土壌の30年以内の県外最終処分という方針は国としての約束でありまして、法律にも規定された国の責務であるということを認識しております。提言の中にもありますように、環境省だけにこの責務をさせるということではなくて、政府一体として関係省庁が一丸となってしっかりと進めていく必要があると思っております。

 環境省においては、今まで得られた知見を踏まえて、必要な基準類を2024年度中に取りまとめるということになっておりますが、最終処分、再生利用について、2025年度以降の進め方も含めてしっかりと検討を進めていくということを発表していますので、我々としてもそれを見守りながら、支援できるところは支援していこうという考えでございます。

(問)政府一丸となって取り組むということだと思うんですが、復興庁という存在自体が、政府が一丸となって進めるために、ある意味総理の直轄というか、これは内閣府だと思うんですが、内閣府において復興推進会議でも集まっていただくと。そうすると、一丸となった取組の体制というのは、ある意味復興庁であれば既にあるんじゃないかという気もしなくもなくて、どういうふうに取り組むのかというイメージがなかなかつきにくいなと思っておりまして。そこら辺について大臣のお考えを伺えればというふうに思っております。よろしくお願いします。

(答)私自身も定期的に環境大臣なんかとも話をしておりまして、この問題は大変重要な問題でありますねということで、何としても県外への最終処分に向けて一歩でも進めるように、新しい土壌の再生利用、利用先、そういうものの創出等をしっかりやってもらいたいということをお願いしているところでございます。また、これは国交省なんかとも関係あると思います。

 インフラ整備の中でこの除去土壌の扱いというのが、新しい形で使用できるのではないかということも研究されていることも伺っておりますので、私としては、自分自身の考えですけれども、司令塔としてやはり今の状況をチェックしていくということは非常に大事なことだと思いますし、定期的にいろんな意見交換をしていきたいと考えております。

(問)大臣、冒頭でも御発言がありましたけれども、震災と原発事故から間もなく13年ということで、今日は3月11日の前の最後の閣議後会見になると思いますので、改めて大臣、これまで被災地に入られて、今残された課題をどのように認識されているか。非常に難しい課題が山積していると思いますが、その課題に対して復興庁としてどのように取り組んでいくのか、改めて決意をお伺いできればと思います。

(答)私自身、最初に大臣に就任した時にお話ししたかどうか分かりませんけれども、発災直後、1か月後に現場に入って、500キロもある距離の中で限られた場所に、仙台の浜に行ったり気仙沼に行ったりしました。今回も仙台に、浜にも当時行った所にも訪問したりして、その後の遺構を見せていただいたり、それから気仙沼のあの当時の、まだ自分ですぐ思い出せるような状況と今の状況を比較したりしまして、本当に大きく変わったなということは感じておりますが、インフラ整備が幾ら終わっても、残された者というのは、やっぱりそこに住んでいた人たちが本当に震災から復興したという思いを持つことが大事でありまして、それは地域格差もありますし、それから心のケアということも非常に今重くなってきているんじゃないかと思います。

 心のケアというのは、どうも私もいろいろな当時の関係した人の文章とかを読んだりしていますと、もう直後からあるわけですよね。それは13年間の間にいろんな形で出てきているのではないかと思っています。この問題は県知事なんかともお話ししても、やっぱり心のケアというのが最初に出てくるぐらい重い問題だと思いますけれども、これは復興庁がある限りしっかり支援していくわけですけれども、復興庁の役割としては、その後のことも考えていかなきゃならない。それは一般的な各省庁で行っている、特に厚生労働省になるんじゃないかと思いますけれども、文科省も関わるかと思いますけれども、心のケアというのはそちらへきちんとつなげていく問題ではないかなと思っております。

 それからコミュニティーの創出というのが一つの問題でありまして、やっぱり人口が減っている地域でコミュニティーをどうつくっていくか、これはなかなか重い政策課題だと思いますけれども、今後、被災地だけでなくて日本全体の問題でもあろうと思います。特に被災地は人口減少が大きくなっておりますので、そういう意味では、人口が少なくてもコミュニティーをつくる方法、それをもう一度考え直していく必要があるのかなと考えているところでございまして、これからいろいろ挑戦できればなと思っております。

(問)震災の伝承の担い手についてお伺いします。現在、語り部の育成ですとか語り部の活動というところに大臣はどのような課題があると認識されているかということと、その課題解決のために政府としてどのように支援したいと考えていらっしゃるか、具体的に設定する支援内容などを含めて見解を教えてください。

(答)伝承活動、これも非常に大きな課題であろうと思います。これは東日本大震災の伝承だけでなく、東日本大震災の伝承をしっかりと後世に伝えることによって、今後日本で起こり得る災害に対して非常に大きな役割を持つんだろうと思います。そういう意味では、いろんな方法で伝承活動を続けていく必要があると考えておりまして、伝承団体へのアンケート等も行ったところでございます。学生、若者世代、働き手世代の担い手の確保、これが今後重要であろうと思います。伝承活動の認知度を高めるための情報発信の強化に課題があると考えております。

 例えば事例としては、復興庁の職員が中学、高校に行って、伝承活動、復興への道を説明したりしておりますけれども、時間のかかる話ですけれども、やっぱりきめ細かく粘り強く伝承を伝えていくことが必要だと思いますし、あとは伝承のための施設ができておりますし遺構も各地にあります。やはり訪れていただくことはすごく大事だと思っておりまして、まだまだだと思いますけれども、近県の修学旅行とかそういうことで若者に来ていただけるようなことを考えていきたいと思っております。

(問)もう一問ございまして、先日こちらでも、閣議後会見でも言及されていました福島の避難自治体への意向調査のことでお伺いします。この意向調査は世帯の代表者が回答するという形式になっていまして、なかなか女性や若者の声が拾い上げられないという指摘が住民ですとか専門家の方からも上がっています。

 大臣は先般の閣議後の会見で、この意向調査というのは被災者一人一人の意向、声を聞けるというふうにおっしゃっておりましたけれども、世帯の代表者が回答している実態について、被災者一人一人の声が聞けるというふうにお考えになっているのかということと、この調査の在り方について検証するようなお考えがあるのか。まずこれについてお伺いします。

(答)回答者の全体としては3割が女性というデータが出ておりまして、世帯主から聞くと大体男性になりますが、男性も家族の声を反映していないわけではないという意識は持っております。ですけれども、今後、意向調査だけでなく、やはり地域で活躍している女性の声を聞くということも大事だと考えておりまして、私自身も大臣として、時間が許す限り、訪問した際には女性の方たちと少しでもお会いしていろんなお話を聞きながら、今後の政策に反映していきたいと考えております。

(問)今大臣がおっしゃった、今後訪問される際に女性のお声を聞いていきたいということですけれども、なかなか今、福島の原発の避難をされている自治体の女性、男性の比率なんかを見ますと、現役世代の女性の居住が大変割合として少なくて、復興政策をこれまで決めてきた場、例えばそういう会議体になかなか女性が少ないという、そういった現状があります。今、大臣が御訪問された時にそういった人の声もお聞きしたいということでしたけれども、ほかに何かこういった、復興政策を決める大事な場に女性が参画するためにはどういうふうにあるべきかとお考えでしょうか。

(答)オブザーバーとして私は女性を何人か入れていくのはいいことかなと考えております。今とっさに考えたことでございますけれども、実はいろんな会議に出ていつも気がつくのは、女性は私1人かなということが多々ありまして、これは復興に限らずなので、私が国会議員になってから、じゃあ状況は変わったかといえば、どんな会議でもほとんど女性がいないような会議にいつも1人で参加しているという経験を長くしております。

 そういう意味では女性を、例えば議員の会議でも復興会議なんかでも、首長さんとか、それから議員さんとかというふうになってしまうと、どうしても議員とか首長さんは女性が少ないので入ってこないと。だから意見は言わないにしても、オブザーバーとしてやっぱりその地域で中心になっているような女性に入っておいてもらって、そういう人に会議の意見を多少聞いてもらうことでも大分変わってくるのではないかなと考えておりますので、今後、私が在任中に何か改革できればと思っております。

(問)先ほどから話に上がっている除染土の再利用についてお伺いしたいと思うんですけれども、福島県外の搬出には福島のみならず全国的な理解が必要であると思うんですけれども、2021年に、環境省の話ですけれども、首都圏の3か所で実証事業の計画を公表した際には、新宿御苑であるとか住民から反対の声が上がるなど、なかなか理解が進んでいるとは言えない状況だと思うんですけれども、そもそも現在の状況を大臣はどのように捉えていらっしゃって、どうしたら理解醸成が進んでいくとお考えでいらっしゃいますでしょうか。

(答)放射線に対する国民の意識、科学的知見というものが、なかなか一般的には理解しにくい状況があるのかなと思います。やっぱり安全性に対してきちんと説明を果たすということが最も大事なことなんだろうと思います。それによって理解を醸成していくという努力をしていく必要があるかなと思っております。なかなか難しい問題だと思いますけれども、でも国としては最大限の努力をしていく必要があると思っています。それを理解してもらわなければどこへも搬出できないわけでございますので、そういう意味で適地を探すということと同時に、やっぱり住民の理解は必ず必要なことだと思いますので、努力をしていくことだと思います。

(以  上)

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