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土屋復興大臣記者会見録[令和5年12月28日]

令和5年12月28日(木)11:35~11:47 於)宮古市 たろう観光ホテル

1.発言要旨

 本日は、岩手県釜石市、大槌町、山田町、宮古市に訪問し、各首長の皆様に復興大臣の御挨拶をし、復興状況や課題についてお話を伺いました。

 釜石市では、釜石市役所にて小野市長から市の復興状況をお伺いいたしました。大槌町では、城山公園にて献花・黙禱をささげ、平野町長から町の復興状況をお伺いいたしました。山田町では、「まちなか交流センター」にて黙禱をささげ、佐藤町長から町の復興状況をお伺いいたしました。宮古市では、今、「たろう観光ホテル」にて黙禱をささげ、山本市長から市の復興状況をお伺いするとともに、語り部として「学ぶ防災ガイド」を務めている元田氏から震災の伝承活動に関する取組をお聞きすることができました。

 こうした訪問を通じまして、市・町ごとに、この13年の間に市民の皆様との丁寧な対話を通して新しい市のまちづくりをしてきたということを感じた次第でございます。そして、市・町ごとに、それぞれが地形的な問題等を考えながら復興の新しいまちづくりをしているというのが強く印象に残りました。

 それと、また今後の課題として、やはり心のケアの問題や風化しつつあるこの東日本大震災をどう伝承していくのかということが大変大きな課題であろうと感じたところでございます。そういう意味では、小さい頃からの、東日本大震災のときの状況の教育、そういうことが非常に重要になるのかなと思います。

 今日、たろう観光ホテルでこの地域の状況を伺ったのは特に印象的でございまして、防潮堤を何度も造っていて、それにもかかわらず今回の震災で更に高い津波が来たということで、まずは逃げると、何がなんでも、防潮堤があるから安心ではなくて、まずは避難する、逃げるということが大事だということ、これは本当に全ての国民が意識を持って伝えていく重要な課題だろうと考えた次第でございまして、皆様とともに、これからも伝承についても、そしてまた復興の歴史についても伝えていくということが大きな課題だろうと考えております。

 以上でございます。

 

2.質疑応答

(問)年が明ければ丸13年ということになりますが、改めて御自分の目で今回、被災地を御覧になっての感想がありましたらお聞かせください。

(答)私は復興大臣を拝命して3か月となりました。その間、時間のる限り、できる限り現地を訪問しようと思っていたわけでございますが、まだまだお邪魔していない地域もたくさんあるわけですけれども、今回、岩手に来させていただいて、各市・町が本当に苦労しながら復興に向けて頑張ってきたという様子を肌で感じまして、やはり来なければ分からないことがたくさんあるなということを感じた次第でございます。

 これからも、私は時間のある限り、また岩手を訪問したいと思っております。

(問)また、今日は各自治体の首長さんから様々な要望があったと思いますが、持ち帰られて、これから国としてできることや大臣がお考えになっていることが何かありましたらお聞かせください。

(答)先ほどもお話ししましたように、心のケアというのは、一番どこの町にとっても重要な課題の一つであったと感じております。

 この復興庁は期限付きでございます。ところが心のケアというのは時間のかかることでございますので、例えば文科省、厚生労働省、各省庁と連携しながら今後の進め方というのも議論していく必要性を感じた次第でございます。

(問)今日、釜石市からも要望がありましたが、改めて東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出をめぐる問題については、どのようにこれから対応されていくでしょうか。

(答)この処理水の問題は非常に時間のかかる長い仕事でございまして、東京電力に対して、やはり常に緊張感を持って仕事をしてもらいたいという思いでありますし、また、それをしっかりと伝えていきたいと思います。

 長い間の中では、人間というのは緊張感が切れてしまうこともあると思いますので、やはりチェックを定期的にしていく、定期的にみんなが緊張感を持つような、そういう東京電力の内部でしっかりと行動規範みたいなのをつくるべきかなと思っております。

 それから、風評の問題に関しましては、これはちょっと何かがあっても大変なことになると思いますので、復興庁といたしましては、できる限り様々な形で風評を防止するために頑張っていきたいと思っておりまして、各市・町からも時々、いろいろ、風評についてはいかがですかということをお聞きしながら、それぞれに対応していきたいなと思っております。

(問)今日は釜石から宮古まで来られてきて、復興の度合いを大臣はどのように、肌感覚でも結構なのですが、どのぐらい進んでいるなというふうに感じていらっしゃいましたでしょうか。

(答)インフラはかなり進んでいると思った次第ですし、道路事情も、反対によくなっているところもあるのかなと思っています。それと、住んでいらっしゃる人たちの利便性というのでしょうか、生活しやすい環境というのも少しずつ整ってきているなというのを肌で感じた次第でございます。

 あとは、市長さんたちと町長さんからもお話があったのは、孤独死の問題。これは多分、この被災地だけの問題ではないと思いますが、そういう問題についてもお話を伺ったので、やはりそこら辺は各省庁と連携しながら、孤独死防止についてもしっかり考えていかなければいけないなと思っております。

(問)たろう観光ホテルを実際に訪れてみて、肌で感じた部分というのを改めてお聞きしてもよろしいでしょうか。

(答)まず外から見て、鉄骨のこのすごい状況を見て、津波の威力というのはすごいのだなということを感じたのと、ビデオを見せていただいたことで、本当に更にその恐ろしさというのを強く感じました。貴重なビデオだと思いますので、あのビデオを本当に一人でも多くの方に見ていただくことこそが重要なのかなと感じています。

(問)関連して、こうして震災遺構というのが3県にいろいろ残っていますが、今後どのように活用、維持・保存していくべきだというふうに大臣はお考えでしょうか。

(答)この震災遺構というのは重要な存在になると思います。年数が増えるにつけて、やはり重要な存在になるのではないかと思っています。

 ただ、ちょっとお話を伺ったところによりますと、遺構を残すか残さないかという中で、その場所でお亡くなりになった方が多い所は、皆様が思い出すので、やはりそれは壊してほしいという話もあるということを聞いておりまして、遺構を残す難しさというのも感じました。

 だけれども、ここは被災されて亡くなった方がいらっしゃらなかったということで、こういうふうに残していただければ、先ほどもお話ししたように風化防止のための教育にも役に立つと思いますので。それから、昔からここは津波が多かったと聞いておりますが、それにもかかわらずやはり逃げなかったということは、風化していた部分もあるのかなと思うので、そういう意味では、歴史的にこういう遺構があるということは、これを見るたびに皆さんが「そうだな」と感じるためには非常に重要だと思っております。

 寒い中、ありがとうございます。どうもありがとうございます。

(以  上)

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