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土屋復興大臣記者会見録[令和5年10月11日]

令和5年10月11日(水) 17:41~17:55 於)双葉町産業交流センター 1階大会議室

1.発言要旨
 

 皆さん、こんばんは。本日は、いわき市と双葉町を訪問いたしました。

 いわき市では、小名浜魚市場を訪問し、野﨑会長をはじめとする福島県漁業協同組合連合会の方々と意見交換を行いました。

 先方からは、約束は守られていないが破られたとはしない、漁業のなりわいを継続して廃炉を行うことが必要、というコメントがありました。ALPS処理水の海洋放出に関して、これまでモニタリング結果は安定的な数字だと理解していると、引き続き緊張感を持って取り組んでほしいということでございました。常磐もののブランド化を目指していきたいということを強くおっしゃっていました。それから、官民合同チームの活動など、引き続き生産者、加工・流通業者向けの支援をお願いしたいということを言われた次第でございます。

 海洋放出は正に始まったばかりです。政府として、ALPS処理水の処分が完了するまで、安全確保、風評対策、なりわい継続支援について全責任を持って取り組むこととしており、本日頂いたコメントについても、政府として、復興庁としてしっかりと検討してまいりたいと思っています。

 また、意見交換後には、いわき市の観光物産センターである「いわきら・ら・ミュウ」を訪問し、主に小名浜漁港で水揚げされた新鮮な魚介類を扱う大変魅力ある市場などを見せていただきました。また、昼食で常磐もの、ホッキ貝、メヒカリ、アジ、サバなどをおいしく頂いてまいりました。

 「ら・ら・ミュウ」の小売りの方々は、風評被害は感じていない様子でございました。新鮮な旬の魚を取り扱っているところでございまして、消費者の皆さんが応援してくださっているというお話でもありました。

 復興庁として、引き続き科学的根拠に基づいた正確な情報を分かりやすく発信していくことで、国民の皆様に安心して水産物を買っておいしく食べていただけるよう、現場の皆様とともに取り組んでまいります。

 次に、双葉町の特定復興再生拠点区域を訪問し、住宅等、生活環境整備が進められている状況を見せていただきました。政府として、住民の皆様の帰還に向けては、避難指示解除後も生活環境の整備と産業やなりわいの再生に取り組むことの支援を行う必要があることを実感いたしました。更に、先行除染対象として計画認定された双葉町の三字行政区についても視察させていただき、町長から拠点外の現状のお話を伺いました。

 本日視察した、まるで発災当初の状況のまま時間が止まったような地域の様子を心に刻みつつ、帰還意向のある住民の方々全員の一日も早い帰還を目指して全力を注いでまいります。

 最後に、双葉町にて車座懇談会を開催し、浜通り地域で起業・創業されている4名の方々から、帰還や移住した動機や復興に向けた取組など、実体験に基づいた貴重なお話を伺いました。

 例えば仕事、店がない、住民もいない状況から使命感、夢、純粋な思いに目覚めて復興に取り組まれている点に希望を感じたところでございます。それから、地域の課題解決、にぎわい再生に向けて仲間を増やしてくという、ネットワークづくりが重要であるということも感じた次第でございます。そのほか、移住される若者などに対する暮らしのケアが必要であるということも感じたところでございます。

 それから、浜通り地域のことについて、特にこの地域で仕事をなさっている方からは、浜通り地域の良さ、社会課題解決の取組、発信することが必要であると。広報が重要だということをおっしゃっている方がおりました。

 そんなお話を聞きまして、非常に、行政とお話しするのとは別に、頑張っている若い人たちのお話を伺って、我々も支援を更に進めていきたいなと、きめの細かい支援が必要だということを感じた次第でございます。

 地元の皆様の毎日の活動の積み重ねが、正に生活環境の充実とかまちのにぎわいの復活に大いに貢献することになるだろうなと感じたところでございます。本日伺ったお話、復興現場における状況を踏まえ、引き続き現場主義を徹底して、一日も早い被災地の復興・再生に向けて全力で取り組んでいきたいと思います。

 以上でございます。

 

2.質疑応答

(問)今日、双葉町の先行除染区域、帰還困難区域を初めて見られたということだったのですが、改めて大臣のほうから一言、どういうふうに感じたかということをお聞きしたいのと、実際に見られて、今後どういう施策に生かしていきたいとか、どういうふうにまちづくりをしていきたいとか、そういったところがあればお願いします。

(答)昨年避難指示が解除された双葉駅西側において、公的住宅の様子も視察させていただきましたが、すばらしい住宅ができた。中も見させていただきましたが、町長さんの話だと、公募するとすぐに埋まってしまうような状況で、大変人気があるということを伺いました。そして、将来のまちづくりの図面も見せてもらいましたが、更に多くの住宅を造る予定で、すばらしいまちづくりに向けてどんどん進んでいる様子を感じて、大変うれしく思ったところでございます。

 また、拠点区域外について、鴻草行政区及び三字行政区を視察させていただきました。想像を絶したということかなという気がいたします。あそこまで、12年と半年を過ぎた時点の12年という長い時間の中で、正に皆様が毎日一生懸命つくっていた畑がどこにも見えない。もう本当に雑草というどころか森になってしまっている状況を見まして、心が痛んだ次第でございます。

 まだ戻りたい、帰還したいという方もいらっしゃるわけでございまして、一人でも戻りたいという方たちの気持ちをしっかりと受け止めていきたいと思っています。引き続き帰還環境整備、生活再建や創造的復興に向けた取組など、中長期的な復興が必要であると考えた次第でございます。

(問)今日初めて帰還区を回られて、あとは魚市場のほうを回られたと。今後、自分の目で見てみたいなというところがもしあればお願いします。

(答)時間がある限り、許せる限りいろいろなところへ行きたいと思っていますが、もしお勧めのとことがあれば御紹介いただければと思います。まだ次の日程は決まっていないのですが、体力の続く限り頑張ろうという気持ちは持っておりますので。

 それともう一つは、今日の車座でお話を伺いましたが、行政とのお話もまだ終わっていない地域もありますので、もう少し行政の首長さんともお話を伺いながら、また、ところどころに一般の頑張っている方とか、そういう方のお話を伺いながら何ができるか考えていきたいと思っています。

(問)1点お伺いします。先行除染区域を御覧になったかと思いますが、住民の方を含め、早期の除染を求める声がかなり多く上がっていると思います。その声に対して、具体的な除染時期など、今お答えできることがありましたら教えてください。

(答)今の段階で、いつ始める、いつまでに終わらせるということはなかなか答えられない状況ではありますが、一日も早く除染を開始して、そして一日も早く終了する、これが私どもの目標であります。関係省庁とも連携してできるだけ早く頑張りたいと思っております。

 町長さんからもお伺いしましたが、先行除染区域に入っている地域の皆様で、涙を流して喜んでいらっしゃる方もいるということで、その思いをしっかり受け止めていきたいと思います。

(問)今日の午前中の県漁連との会合の中で、いろいろなお話があったということで、今日実際に野﨑会長をはじめ漁業関係者の方からお話を聞いて、処理水の対策に関して改めて所感を伺えればと思います。

(答)処理水に関しましては2回目が始まっておりますが、私どもといたしましては、やはり安全に、問題のないように2回目を終了させたいと思います。それから、風評被害の状況も安定しておりますが、今後何が起こるか分からないという気持ちで、緊張感を持ってしっかりと進めていきたいと思っております。

(問)先ほど、先行除染区域の除染開始時期だったりは明確には分からないが一日も早くということで、それ以外の今回の先行除染の対象にならなかった拠点外、こちらについて、一応、2020年代にかけて希望するところを解除していくということですが、このあたりの方針であったり、もしくは例えば2020年代の前半にやりたいとか、時期だったりとか、今考えていらっしゃることがあればお願いします。

(答)時期というのは、やはり各自治体との話し合いが重要だと思っております。希望者がどのぐらいいるか、どのぐらいまとまるかということが大事だと思いますが、将来的に帰還困難区域の全てを、いつもお話ししているように避難指示解除して、復興・再生に責任を持って取り組むつもりでございますので、その決意には揺るぎないものがあります。

 行政と相談しながらしっかりと進めていきたいと思いますが、今の段階で20年代のいつということは申し上げられない状況であります。

(問)特定帰還居住区域の件なのですが、年度内に双葉と大熊は先行除染で区域が決まったと思うのですが、そのほかの帰還困難区域を抱える自治体については、調整の期間などはどのようにお考えでしょうか。

(答)今、各自治体で帰還希望者を調査しながら進めているところでありますから、その状態を見ながら、各自治体と話し合って進めていきたいと思っています。


(以  上)

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