復興庁復興庁
  • 文字サイズ
メニュー
閉じる

土屋復興大臣記者会見録[令和5年10月7日]

令和5年10月7日(土) 15:10~15:20 於)東京電力福島第一原子力発電所新事務本館1階

1.発言要旨
 

 本日の福島県訪問において、まず、大熊町で開催された「ふたばワールド2023」に出席いたしました。双葉郡の関係者の皆様が町村を超えて一堂に集まり、地元の魅力を発信し、実感できる本イベントは、ふるさとの絆をつなぎ、復興に向けた推進力を高めるとともに、震災後に初めてこの地での生活を始めた方々が地域の魅力に触れ、地域の人々と出会う場となるとても大切な取組だと実感いたしました。復興庁としても引き続き、住民同士のつながり、維持、再生、ふるさとへの帰還、移住に対する支援を通じて地域の復興に全力を注いでまいります。

 次に、東京電力福島第一原子力発電所を視察し、原子炉建屋やALPS処理水の海洋放出設備についてこの目で見てまいりました。原子炉建屋については、1号機でダスト飛散抑制等のために大型カバーを設置する大きな工事を進めているところであり、2号機については燃料デブリの試験的取出し作業を控えているところ、安全に配慮して取り組むという説明を受けました。

 ALPS処理水の海洋放出施設については、1回目の海洋放出について、事務方からモニタリングの結果を定期的に報告してもらい、私としても分析結果を注視してきたところ、今月5日から2回目の放出が開始されましたが、今回の視察で、現場での管理が徹底されておりしっかりと取り組まれている旨、説明を受けました。

 今後の影響が不安であるという被災自治体や漁業者の方々からの声があることを踏まえ、意見交換の場では、私からは東京電力に対して、海洋放出は長期にわたる取組であるため、引き続き緊張感を持って御対応いただきたいこと、海洋放出の円滑な実施には地域社会からの信頼を得るとともに地域との共生が必要と考えており、地域の方々と高い透明性をもって丁寧にコミュニケーションを取っていただきたいことをお伝えいたしました。

 復興庁としても、引き続きALPS処理水の動向を注視するとともに、風評払拭に向けて、ALPS処理水の安全性や海域モニタリング結果とともに、三陸・常磐ものなど地域の魅力を国内外に積極的に発信してまいります。引き続き現場主義を徹底し、被災者に寄り添いながら復興を更に前に進めることができるよう、全力を尽くします。

 福島第一原発に関しましては、私は原発事故の2年後にこの地域に来ているんです。2年後ですから10年前になりますけれども、本当にさま変わりして、いろんな設備もできましたし、今回、あの当時から比べれば安全性確保のために最大限の努力をしているなというのを感じました。

 当時、私も防護服を着て建屋のある所、回れる所をバスに乗って、危ないからということでバスのスピードが物すごい勢いで回ったというのが一番の記憶にあります。

 本当にこれは時間のかかる作業でございますので、正に東電の皆さんが一丸となって頑張っていただきたいなと思っておりますし、私どもとしても最大限の協力をしながら、地域の皆様の安全、そしてこれからの福島の発展のために頑張っていきたいなという思いを強くしたところでございます。

 

2.質疑応答

(問)2点お伺いします。

 まず1点目ですけれども、今大臣の発言の中で、現場でしっかりと管理されている様子を見て、しっかり取り組まれているというふうに、処理水に関しておっしゃっていました。そのしっかり取り組まれているというのは、具体的にどういうところを見て思われたのか、まず1点。

(答)ALPSの処理する施設が、私が想像していたよりもすごく大きかったんです、大きいから安全というわけではなくて、もの凄くきちっとした工程の中で処理されているということが、この目で見てよく分かったということであります。

 それから、海に流す最終の所の安全弁が二重になっていて、更にその先も安全を確保しているというのも見せていただきまして、安全弁も、正に流水量が変わったりとかデータが予定よりも高くなったりしたら止まるようになっているとか、そういうところを見せていただいて、しっかりやっているなという思いになりました。

(問)もう1点、処理水の関連で別の観点から。昨日、農林水産省がデータを発表されているんですけれども、中国向けの輸出額、全体で65%というようなものが。ただ、これは8月のデータですから9月はより落ち込むんじゃないかというふうに発表されています。特に中国が強硬な措置を取っていますので、これは本当に大変な状況だと思います。こういったことに関して、やはり処理水の影響、特に国外に広がっているわけで、これを国として今後どのように取り組むのか、改めて教えてください。

(答)私自身も、中国政府の対応というのは極めて遺憾だと思っております。そして政府としても科学的根拠に基づかない措置の即時撤廃を求めていっているわけでございますけれども、これは一つには政治的マターでもあるかなと思っております。常にデータをきちっと示して、徹底的に中国側に対して説明を尽くすということも大事だと思っております。

 それから漁業者関係の皆様には、支援の資金援助とか保障とか、それは経産省と相談しながらしっかりとやっていきたいと思います。

(問)処理水とは違うところで。今日、午前中にふたばワールド、大熊のほうを回られたということで、現状の双葉郡の復興状況を間近に見られたと思うんですけれども、現状復興状況を見られての受け止めと、あと今後どういったところが必要になってくるかなという課題であったり、お聞かせください。

(答)12市町回ったところでは、それぞれの町がやっぱりいろんな知恵を絞って一生懸命やっている。それに対して復興庁も一生懸命応援はしていますが、今後やっぱり人口減少というのがもの凄く大きいのではないかと思います。これは日本全体の問題でもありますけれども、やっぱり被災地はもっときつくなるのではないかと思っておりまして。そういう点においては移住してくださる方を積極的に推進していくことが大事だと思いますけれども、そのためにも、新しく移住する人に魅力あるまちづくりをしていかなきゃならないのかなというのが感想でございます。

 そのために、やっぱりそれぞれの市町村に差は出てきていると思うんですけれども、そこら辺を丁寧に、やはり困っている部分の相談を受けながら、復興庁としてもいろいろな省の施策なんかも加味して応援していければなという思いで帰ってきました。


(以  上)

ページの先頭へ