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渡辺復興大臣記者会見録[令和5年9月5日]

令和5年9月5日(火)11:00~11:13 於)復興庁記者会見室

1.発言要旨

 本日、2点報告いたします。

 1点目、本日早朝、東京都江東区の豊洲市場を訪問いたしました。今回の訪問は、大消費地である首都圏に位置する豊洲市場において、ALPS処理水の海洋放出後に福島県近海で獲れた水産物を復興大臣である私自身が早速いただくことで、被災地水産物の風評払拭と魅力発信に貢献したいとの思いからであります。

 本日は、福島県いわき市で底引き網漁により昨日水揚げされた、ヒラメ、イシガレイ、ホウボウ、スズキのお寿司とお刺身をいただいたところであります。今朝、豊洲市場で入荷した新鮮な常磐ものということで、日本の宝と言っていいほど全て大変おいしく、将来にわたって日本の水産物を食べていただける環境をつくるため、国内外に向けてしっかりと広報すべく、決意を新たにしたところでございます。

 また、豊洲市場のプロが選んだ被災3県の良質な水産物や特産品が購入できる店舗「夢市」と、被災3県の食文化や観光等の情報を楽しく学べるブース「楽座」を見学いたしました。

 こうした取組を通じて、豊洲市場を訪れた一般の消費者に向けて被災地水産物等の魅力を発信することは、国民の皆様の御協力を得て水産業をめぐる今の厳しい状況を打開するためにも、大変有益であると感じました。

 被災地の漁業者や水産加工業者の皆様が、将来にわたり安心して事業を継続できることが何よりも重要であると考えており、今後とも政府一丸となって、引き続きしっかりと取り組んでまいる所存であります。

 また、復興庁といたしましても、引き続きALPS処理水の安全性とともに、三陸・常磐ものなど、地域の魅力を国内外に積極的に発信すべく、しっかりと取り組んでまいります。

 2点目です。ALPS処理水放出後の水産物輸入規制強化対応について御報告いたします。

 前回、9月1日の閣議後会見でもコメントさせていただきましたが、8月31日に総理より、水産業を守る5本柱の政策パッケージについて指示を受けたところであります。昨日、9月4日に同政策パッケージを具体化するため、各省連携の上取りまとめた結果を総理に御報告しました。その後、総理より、同日の夕方会見で同政策パッケージについて説明がありました。

 本日、先ほどの閣議において、所要の予備費の使用が決定されたところであります。御案内のとおり、同パッケージでは、既に用意した800億円の基金による支援や東電による賠償に加え、特定国・地域依存を分散するため緊急支援事業を創設することになりました。

 総理からは、スピード感を持って、各省で緊密に連携し早急に実施していくよう指示がありました。復興庁といたしましては、本政策パッケージのうち、2番目であります風評影響に対する内外での対応を中心に取り組んでいくことになります。全省庁が一体となって風評対策に取り組んでいくということが重要であり、復興庁としては、科学的根拠に基づいた正確な情報を国内外に分かりやすく発信するとともに、大消費地圏等でイベント、フェアや海外市場へのトップセールス等に取り組み、地元産品や地域の魅力を更に効果的に発信し、また、先月25日にも開催しました風評対策タスクフォース等を通じて、風評対策の中心的な役割を担っていきたいと考えているところであります。

 いずれにしましても、政策パッケージを実施するにあたって、各省庁と連携してしっかりと取り組んでまいる所存であります。

 私のほうからは以上でございます。

 

2.質疑応答

(問)今朝の豊洲市場の視察についてなのですが、何か印象に残っている関係者の方のお言葉だったり、それについて大臣がどのように思われたかについてお聞きできますでしょうか。

(答)いろいろと関係者の皆さん方のお話もございました。特に「楽座」の場においてでありますが、情報発信をしっかりとしなければいけないということで、私も正に、いわゆる被災地3県の情報をしっかりと発信する、このことが本当に大事だなというふうに感じたところでございます。

 特に「楽座」については、いらした方は情報をそこで得ることができるのですが、その「楽座」に来る、一つの情報の発信がもう少し必要ではないかなというふうに感じたところであります。この点についても、しっかりと今後検討して、国として何ができるのか、この辺も考えていきたいというふうに思っております。

(問)今の質問に関連して、今日の視察に関係するところでですが、水産卸の会長からは、処理水が放出された後、想像以上にやはり価格の部分で影響が出ているのだという御発言も大臣にあったと思います。それの受け止めをどういうふうに大臣がされたかということです。正に昨日、緊急対策をまとめましたが、今後、そういった価格が下がっているというような状況にどういうふうに支援していくのか、改めて教えてください。

(答)会長から、お話は確かにございました。価格の面で下がっているというお話もありました。これは大変厳しい状況だというふうに思いますので、こういったところについては、まずは各省庁とも連携しながら三陸・常磐ものの魅力をしっかりと発信していくことが私は大事だというふうに思っているところでありまして、そのためにも、まず三陸・常磐ものは安心である、これをしっかりと伝えていくことと同時に、私は朝も食べさせていただきましたけれども、おいしいものであると、魅力的なものであるということを国民の皆様方に発信していくことが大変重要であるというふうに感じております。

 こういった取組を、しっかりと復興庁としても発信していく、これが風評払拭の大きな役割ではないかなと、そのように思っております。

(問)今の質問に関連なのですが、復興庁として、処理水の放出後に水産物の一部価格がどのように下落しているのか、現時点で把握していらっしゃる範囲の話で教えていただけると。

(答)個々の内容について、現在、どの魚種が下がっているという具体的な数字としては、私自身は今、得ておりませんが、ただ、全体的に下がっているものもあれば、変わらないものもあるというふうに私自身は認識しているところでありますが、いずれにしましても、価格が下がっているのであれば、価格をどのような形で通常のところに戻せるのか、又は、逆に言うと、価格が下がっても需要をどれだけ拡大することができるのか、こういった視点も大事だというふうに思っております。

 この機会に、できるだけ販路を拡大していく、こういった対策をしっかりと担っていくことが大事ではないかなと、そのように思っております。

(問)どの魚種がどれぐらい下がってるかという具体的な数字は、多分、今すぐお答えできないという御趣旨なのかと思ったのですが、価格が下がっているものと下がっていないものがあると。これは具体的にどういった魚種で価格が下がっていて、どういったもので代表的に下がっているというふうに大臣が伺っていらっしゃる魚種について伺えればと思います。

(答)下がっている魚種はナマコというふうに伺っております。そのほかのものについては平年並みというような形で私は伺っているところでありますが、その下がっているものに対してどのような形で需要を回復し、拡大ができるかどうか、こういった点は今後、しっかりと対応していかなければならない課題だというふうに思っております。

(問)朝に訪問された「楽市」のことについてお伺いしたいのですが。7月に組合さんが復興支援のために設けたと伺いました。関係者とのお話がある中で、「楽市」の売行きだったり手応え、あるいは処理水後の反応みたいなものがもう少し詳しくあれば、何かやり取りがありましたら教えてください。

(答)まず、「楽市」じゃなくて「夢市」。

(問)失礼しました。

(答)販売をするほうは「夢市」でありまして、この「夢市」は、三陸もの、常磐ものの新鮮なものを当日購入することができる、そういう場所でありますので、これはまだまだ認知っていうのは、私は少ないのではないかなというふうに思っております。

 この場所、「夢市」、「楽座」という、こういったものが豊洲市場にしっかりとあるんだということを多くの都民の方、又は近隣の方に知ってもらう、更には海外からインバウンドで来る方たちにも情報として発信することがまず大事ではないかなと、そのように思っております。

 したがって、「夢市」の売上げの関係については、基本的には大変順調にいっているというふうにお伺いしました。


(以  上)

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